【linux】ディストリビューションとは?3つの種類に分けて解説!用途別にオススメのディストリビューションも紹介!
Windows、Macに続いて注目を集めているOSがLinuxです。
エンジニアとして活動する人の中には、導入を考えている人も多いのではないでしょうか。
しかしLinuxを導入する上で最初に初心者の前に立ちはだかる壁が「ディストリビューション選び」です。
ディストリビューションは様々なタイプ・種類があるため、選ぶポイントが分からないと迷ってしまうでしょう。
初心者にはどんなディストリビューションが良いのでしょうか。用途やタイプ別におすすめのディストリビューションを紹介します。
はじめに
プログラムを書くだけでなく、ネットワークやシステム系に手を出してみようかなと思ったら、別のOSにも手を出したくなるはず。
Windows以外でお金をかけずに試したいとなるとやはりLinuxが選択肢に出てくるのではないでしょうか。
今回はそんな人向けに、Linuxのディストリビューションについて解説します。
なお、Linuxのメリットについては以下の記事で解説していますので、Linuxの使用を検討されている方はぜひ併せてご参照ください。
Linuxのメリットを解説!Linuxの用途別にプログラミングやセキュリティ・利便性の違いをWindows・Macと比較
Linuxディストリビューションの基礎知識
Linuxディストリビューションとは、Linuxというシステムをインストールや利用できる状態で提供しているツールです。
実際にインストールして使う時にはここから選ぶこととなります。
基本的なものはもちろん、サーバーとして使う時に必要なソフトウェアなどをパッケージングしているのです。
これをインストールしておけば、大抵のものは揃うでしょう。
Linuxディストリビューションの種類
大きく3つに分けてみると、
- Debian系
- RedHat系
- Slackware系
となります。実は他にも「独立系」などもあります。
Debian系
昔は取っ付きにくい印象を持つ人が多かったのですが、Ubuntuの登場により使いやすいものが増えました。
パッケージ管理システムにはdeb形式を使っています。
特にUbuntuはUIがWindowsに似ているため、WindowsからLinuxを試す人は入りやすいでしょう。
またRaspberry Pi用のDebianであるRaspbianもこちらに入ります。
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RedHat系
どちらかというと商業寄り、または企業寄りのイメージが強いのがRedHat系です。
企業利用に特化した有償のRed Hat Enterprise Linux(RHEL)があるのもこちらになります。
ただそのクローンとしてCentOSもあるので、CentOSやFedoraなどはサーバー系のOSとして利用されることは多いです。
パッケージ管理システムにはRPMを使用しています。
企業向けであるものが多いので、企業で使う場合はこちらをメインで慣れていると心強いです。
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Slackware系
Linux普及初期からあるディストリビューションになります。
最近では先の2種がメインなところがあるので、種類も少ないです。
完成形として提供しているので、色々なものをインストールしてカスタマイズしようとすると、負担が大きくなります。
ただ基礎となるディストリビューションなので、安定性やセキュリティ・高速である点などは良い点です。
自動化されていない面も多いのですが、カスタマイズしていく楽しみがあります。
玄人向けなので、初心者向きではありません。
独立系について
上の3つ以外にもLinuxディストリビューションの種類はいくつか存在します。
他のディストリビューションは「独立系」と呼ばれるタイプです。
- パッケージ管理にPacmanを使ったArch Linux
- パッケージ管理システムにPortageを使ったGentoo Linux
- Gentoo Linux系列のGoogle Chrome OS
などがあります。
Linuxディストリビューションのシェア率
Q-Successが提供しているWebサイト向けの、Linuxディストリビューションシェア率というのが定期的に出されています。
シェア率がそれなりにあるものを使うと、問題が起きたときなどに対応策を探しやすくなるのです。
よく使われているにはそれだけの理由があるので、そのあたりから手をつけていくのも得策といえるでしょう。
これによると1位はUbuntuで、2位3位はDebianとCentOSが同じくらいという結果でした。
大体この3つが上位で全体の7割あたりを占めています。これを見るとUbuntu人気がわかるのではないでしょうか。
またCentOSは普段使いとサーバー用途の両面での利用があるため、上位に入っているようです。
参考URL:Q-Success|W3Techs
初心者におすすめのLinuxディストリビューション
さて大体の基礎がわかったところで、今度は実際にどれがおすすめかを紹介していきましょう。
選び方について
PC選びと一緒で、まずは用途をある程度明確にしておくことが必要となります。
主に普通の家であるPCと同様な利用用途、企業として仕事に使う用途です。
普段のPCにLinux OSを使うと、利用頻度が高くなることで基礎的な理解が早まります。
そうなるとWindowsからこのままLinuxを使ったり、MacOSに流れたり…というのはよくある話ですね。
普段のデスクトップPC用途
ターミナルでの作業だけでなく、より色々な用途に適したものです。UIや日頃使うソフトとの連携なども重要となります。
企業などでのサーバー用途
主にターミナルでコマンドラインを使用することをメインとしているものです。
仕事の場合は安定性や対応のしやすさなどが主に重視されます。
普段のデスクトップPC用途でおすすめのディストリビューション
Ubuntu(Debian系)
普段遣いという面ではUbuntuがおすすめです。
LinuxをWindows寄りにUI調整した印象なので、普段使いでは非常にわかりやすく使いやすいといえます。
日本語環境も充実しており、デザインも魅力的です。
Linuxを使う場合は意外とターミナルでコマンドラインばかり使うことを目的だったりします。
しかし普段使いとなるとWebサイトなど、ターミナル以外ですることも増えるはずです。
Linuxに慣れた人はWindows寄りであるこちらのUIが合わない人もいるようですが、逆にこのUIだからLinuxを使い始めた人も多くいます。
普段使いの中でターミナルを使ってコマンドラインも使用したい人はおすすめです。
Ubuntu系列は人気が高く、資金力などの面で種類も色々に派生しているので、こちらを元により合う方へ行くパターンもあります。
公式サイト:Ubuntu
Linux Mint(Debian系)
こちらもUbuntu系列になります。UIのビジュアルとしてはシンプルな感じで、すっきりしたイメージです。
面倒な設定はいらないので、シンプルに使いたい人には人気です。
1番の売りはMicrosoft Officeが使えたり、画像処理ソフトのGIMPが使えたりするところでしょう。
日常使いなら欲しい他のソフトとの連携がいいですね。システム要件も低めで、OS自体が軽いのも魅力といえます。
ディストリビューションの中には日本語化の処理をしないといけないものが多いです。
しかしLinux Mint19は、インストールが終わるともう日本語入力できるようになっています。
インストール後にすぐ使えるというのも、初心者にはいい点です。
またmintToolsという独自のアプリケーションがあるので、これをうまく使うとUbuntuより使いやすい面もあるでしょう。
たた独自テーマで独自アプリケーションを導入していることにより、少し構造が複雑化してしまってはいます。
公式サイト:Linux Mint
elementary OS(Debian系)
こちらもUbuntu系列となります。UIはMacOSのような見た目のため、デザインが1番の強みです。
普段使いとなるとこうしたところにも好みが出てきます。
「簡潔さ」、「設定不要」、「文書説明の最小化」を求める人には、シンプルで使いやすいでしょう。もちろん日本語環境にも対応しています。
インストールはホームページに行くと「価格はあなた次第」と書いてあり、値段がついています。
もちろん購入という意味で買っても良いですが、お試ししたいならカスタムを押して0を入力すると無償でダウンロード可能です。
インストールはホーム画面からできます。
公式サイト:elementary OS
ZorinOS(Debian系)
Ubuntu系列で安定している点も売りではあるのですが、やはり大きいのはUIです。
なんとWindowsやMacOS、どちらのUIに似せることができるので、慣れている方に合わせれば使いやすさが違います。
種類はUltimate、Core、Lite、Educationの4種類。Ultimate以外は無償です。
MacOSのようなUIにしたい場合はUltimateにしないとできません。
もしMacOSのようなUIにしたい場合は先に紹介したelementary OSがおすすめです。
またEducationはそれぞれのPCの画面をまとめて自分のPCに表示させられるなど学習面で使いやすいようになっています。
日本語環境についてはMacOSのようなインストーラに従って設定していくと、完了後に日本語設定に設定されているのも利点です。
ただテキストエディタは日本語(MOZC)を選ばないと日本語で使えません。
公式サイト:ZorinOS
企業などでのサーバー用途
CentOS(RedHat系)
RHELのクローンとして提供されているので、基本ほぼ同じOSと思って良いでしょう。有償部分を除いたものです。
無償だとFedoraやCentOSがよく使われます。仕事の勉強用などで個人のPCに入れるときに、さすがに有償のRHELは敷居が高いです。
そこでVM環境を作って無償のFedoraやCentOSを使います。
日本語関連パッケージをインストールして設定すれば、日本語環境もしっかりしているのです。
企業でサーバーを提供するときに安定性や扱いやすさなどから考えて、CentOSを安価なサーバーとして提供することが多いでしょう。
RHELのクローンという実績と、初心者向きなので手入れのしやすさが利点といえます。
これを使えるようになっておく便利かもしれません。実は普段使いとしてもCentOSを使う人もいます。
扱いやすさやシンプルさ、仕事で使っていると慣れているというのもあるかもしれませんね。
公式サイト:CentOS
Debian(Debian系)
Debian系と名前のつく元の本家本元。Ubuntuもこれをメインに開発されています。
サーバーとして利用するときには主にターミナルで、コマンドラインを使うことをメインにしているタイプです。
シンプルで昔からあるとはいえ、いまだに現役として使えます。
日本語環境にもしっかり対応しており、長く使われたことで問題が発生した時の対処法なども見つかりやすいです。
インストールのサイトも日本語版があり、親切設計といえます。
公式サイト:Debian
学習用途
Raspbian(Debian系)
WindowsやMacよりも軽量なPCを作成するのに向いているLinux系PC。
その中で人気なものにRaspberry Piというものがあります。
こちらは本体価格も安く、面白いとシングルボードPCとして注目されているのです。
公式サイト:Raspbian
Raspbianの背景
イギリスの会社が開発しており、日本代理店などではスターターキットが1万円くらいで購入できます。
こちらにはRaspbianという、Raspberry Pi専用のDebian系Linuxディストリビューションが使われているのです。
モデルによってHDMIやUSBやWi-Fiなども使えますので、学習用や簡単な処理を行うコントローラーなどにも使えます。
普段使いやサーバー用途などは難しいですが、Linuxらしいものとしておすすめです。
まとめ
Linuxディストリビューションについて紹介しました。
普段使いなら、Ubuntu系列で自分に合うものを探すのがおすすめです。
仕事の場合は安定性や扱いやすさ、シェアの多さなどからCentOSをおすすめします。
昔のPCをまた使えるようにしたり、研究室でお金がかけられなかったりする場所などではLinuxは重宝するといえるでしょう。
またWindowsやMacにはないPCの魅力があるので、自分に合うLinuxを見つけてみてください。
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