
React vs Vue.js vs Angular!人気のフレームワークを徹底比較!Web開発におすすめなのはどれ?
こんにちは!
toiroフリーランス編集部です。
Web開発の現場で、フロントエンドフレームワーク選びはつねに悩ましい課題です。
特にITフリーランスエンジニアの方にとって、「どのフレームワークを習得すべきか」「どの案件に参画すべきか」は、キャリアを左右する重要な選択となるでしょう。
Vue.js、React、Angularは、現在のWeb開発を牽引する三大フレームワークとして知られています。
それぞれが異なる設計思想をもち、得意とする領域も多岐にわたります。
本コラムでは、これら3つのフレームワークを多角的に比較し、2025年のWeb開発トレンドを踏まえながら、Web開発で成功するための最適な選択肢をみつけるお手伝いをします!
2025年のWebフレームワーク事情
2025年のフロントエンドトレンド
2025年現在、フロントエンド開発はさらなる進化を遂げています。
SPA(Single Page Application)の普及はもはや当たり前となり、SSR(Server Side Rendering)やSSG(Static Site Generation)を組みあわせたハイブリッドなレンダリング手法が一般化しています。
- SPA:初回に全ロード後、ページ遷移なしで動的表示。高速だが初期表示やSEOに課題も。
- SSR:リクエストごとにサーバーでHTML生成。初期表示はやくSEOに強いが、サーバー負荷あり。
- SSG:ビルド時に全ページを静的生成し配信。超高速でSEOに優れるが、動的更新は苦手。
パフォーマンス、SEO、ユーザー体験の向上は、どのプロジェクトにおいても最優先事項です。
また、WebAssemblyの台頭により、Webブラウザ上でより高性能なアプリケーションが開発できるようになり、WebGLを活用した3D表現や、AI・機械学習をブラウザで実行する事例も増えています。
これらの技術トレンドに対応できる柔軟性と拡張性を持つフレームワークが求められています。
フレームワーク選定が案件獲得に与える影響
ITフリーランスエンジニアにとって、フレームワークの選定は案件獲得に直結します。
需要の高いフレームワークを習得していれば、参画できる案件の選択肢が広がり、高単価案件を獲得できる可能性も高まります。
一方で、特定のフレームワークに特化しすぎることで、案件数が限られてしまうリスクも考慮しなければなりません。
企業側も、長期的な保守性や開発効率、採用のしやすさなどを考慮してフレームワークを選定します。
フリーランスエンジニアとして自身の市場価値を高めるためには、単に技術スキルを磨くだけでなく、市場の動向をつねに把握し、適切なフレームワーク戦略を立てることが不可欠です。
各フレームワークの概要と特徴
Reactの基本と強み
Meta(旧Facebook)が開発したUIライブラリであるReactは、厳密にはフレームワークではなくライブラリに分類されますが、その強力なエコシステムと柔軟性により、事実上のWeb開発のスタンダードとして世界中で広く利用されています。
コンポーネント指向に基づいた開発パラダイムは、UIの再利用性と保守性を高め、大規模なアプリケーション開発に適しています。
✔ 仮想DOMによる高速なUI更新
実際のDOM操作を最小限に抑えることで、高いパフォーマンスを実現します。
✔ コンポーネント指向
UIを再利用可能な独立した部品(コンポーネント)に分割して開発を進めるため、保守性が高く、大規模開発にも適しています。
✔ 豊富なエコシステム
Redux、MobXなどの状態管理ライブラリ、Next.jsなどのフレームワークと組みあわせることで、多様な要件に対応できます。
✔ 大規模なコミュニティ
世界中で最も利用されているライブラリの一つであり、情報量が多く、問題解決がしやすい環境です。
Vue.jsの基本と強み
GoogleでAngularJSの開発に携わっていたEvan You氏によって開発されたVue.jsは、その学習コストの低さと高い柔軟性が特徴のプログレッシブフレームワークです。
特に日本国内では根強い人気を誇り、直感的な記述方法と分かりやすいドキュメントで多くのエンジニアに支持されています。
✔ 学習コストの低さ
HTML、CSS、JavaScriptの基本的な知識があれば比較的容易に習得できます。公式ドキュメントも非常にわかりやすく、初心者にも優しい設計です。
✔ プログレッシブフレームワーク
小規模なコンポーネントから大規模なSPAまで、プロジェクトの規模に応じて段階的に導入できます。
✔ 双方向データバインディング
テンプレートとデータの同期が容易で、直感的な開発が可能です。
✔ 公式ツールの充実
Vue CLI、Vue Router、Pinia(状態管理)など、公式で提供されるツールが豊富で、開発効率を高めます。
Angularの基本と強み
Googleが開発・保守しているAngularは、TypeScriptベースのフルスタックフレームワークであり、大規模なエンタープライズアプリケーション開発に特に強みを発揮します。
厳格な規約と豊富な組み込み機能により、一貫性のある堅牢なアプリケーション構築を強力にサポートします。
✔ フルスタックな機能
ルーティング、HTTPクライアント、フォーム管理など、Webアプリケーション開発に必要な機能がすべて揃っています。
✔ TypeScriptを標準採用
静的型付けにより、開発中のエラーを早期に発見し、コードの品質と保守性を向上させます。
✔ モジュール性
アプリケーションを機能ごとにモジュールとして分割することで、大規模開発の管理を容易にします。
✔ 厳格な規約
規約に沿って開発することで、コードの品質と一貫性を保ち、チーム開発の効率を高めます。
アーキテクチャと設計思想の違い

コンポーネントベースの共通点と差異
Vue.js、React、Angularはいずれも「コンポーネントベース」のアーキテクチャを採用しています。
これは、UIを独立した再利用可能な部品に分割して開発を進める考え方で、保守性や開発効率を高めるうえで非常に有効です。
しかし、それぞれのフレームワークは、コンポーネントの記述方法や管理アプローチにおいて独自の設計思想をもっています。
各フレームワークのコンポーネントの記述アプローチ
● React
関数コンポーネントとHooksの登場により、よりシンプルで宣言的なUI記述が可能になりました。コンポーネントの状態管理もHooksで行うことが主流です。
● Vue.js
SFC(Single File Component)と呼ばれる単一のファイルでテンプレート、スクリプト、スタイルを記述する方式を採用しており、コンポーネントの構造が直感的です。Composition APIの登場により、ロジックの再利用性が向上しました。
● Angular
クラスベースのコンポーネントであり、デコレーターを使ってメタデータを定義します。TypeScriptによる型安全な記述が特徴です。
データバインディングとリアクティブシステムの比較
データバインディングとは、アプリケーションのデータ(ロジック側)とユーザーインターフェース(表示側)を連結し、一方の変更が自動的にもう一方に反映される仕組みです。
そして、Webフレームワークにおけるリアクティブシステムとは、データの変更が自動的にUIに反映される仕組みそのもののことを指します。
このリアクティブな挙動は、ユーザーインターフェースを最新の状態に保つうえで不可欠であり、各フレームワークはこの機能を実現するために異なるアプローチを採用しています。
各フレームワークのデータバインディングとリアクティブシステム
● React
「単方向データフロー」を採用しています。Stateが変更されると、コンポーネントが再レンダリングされ、UIが更新されます。データの流れが予測しやすく、デバッグが容易です。
● Vue.js
「双方向データバインディング」が基本です(v-modelディレクティブなど)。データの変更が即座にUIに反映され、UIの変更もデータに反映されるため、記述量が少なく直感的に開発できます。内部的には、データの変更を監視するリアクティブシステムが動作しています。
● Angular
「双方向データバインディング」に加え、「変更検知メカニズム」により、データの変更を効率的に検知し、UIを更新します。Zone.jsというライブラリが変更検知の役割を担っています。
JSX・テンプレート・TypeScriptの役割
各フレームワークは、UIの記述方法や使用する言語において、それぞれ独自のアプローチを採用しています。
エンジニアは自身の好みやプロジェクトの要件に応じて最適なツールを選択できる一方で、それぞれの特徴を理解しておくことが重要です。
各フレームワークのUIの記述方法や使用する言語
● React
JSX(JavaScript XML)を使用します。これはJavaScriptの拡張構文であり、JavaScriptコード内にHTMLのようなタグを記述できます。UIとロジックを密接に連携させ、柔軟な記述が可能です。
● Vue.js
HTMLベースのテンプレート構文が中心です。v-bindやv-ifなどのディレクティブを用いて、HTMLテンプレートにJavaScriptのロジックを埋め込みます。render関数を使ってJSXのように記述することも可能ですが、一般的にはテンプレートが主流です。
● Angular
TypeScriptを標準言語として採用しており、HTMLテンプレートと組みあわせてUIを構築します。TypeScriptの持つ静的型付けの恩恵を最大限に活用し、大規模なアプリケーション開発において高い堅牢性を提供します。
学習コストと開発効率
初心者・経験者にとっての習得難易度
新しいフレームワークを学ぶ際、どれくらいの時間と労力が必要か、これは多くのエンジニアにとって重要な懸念事項です。
特にITフリーランスエンジニアの場合、迅速なスキル習得は案件獲得に直結するため、各フレームワークの学習コストを把握することは極めて重要です。
各フレームワークの習得難易度
● React
Vue.jsよりは学習コストが高いと感じるかもしれませんが、モダンなJavaScriptの知識と関数型プログラミングの概念を理解しているとスムーズに習得できます。Hooksの登場により、クラスコンポーネントよりも簡潔に記述できるようになりました。
● Vue.js
最も学習コストが低いといわれています。HTML、CSS、JavaScriptの基礎があれば、公式ドキュメントのチュートリアルを進めるだけで基本的なアプリケーションを構築できます。日本国内のコミュニティも活発で、日本語の情報も豊富です。
● Angular
最も学習コストが高いとされます。TypeScriptの習得が必須であり、DI(依存性注入)やRxJS(Reactive Extensions for JavaScript)といったAngular特有の概念を理解する必要があります。しかし、一度習得してしまえば、大規模なアプリケーションを効率的に開発できるようになります。
ドキュメント・公式リソースの充実度
学習を進めるうえで、公式ドキュメントやリソースの質は学習効率に大きく影響します。
わかりやすく、体系的にまとまった情報は、疑問の解決や深い理解に役立ち、開発の助けとなります。
各フレームワークのドキュメントと公式リソース
● React
公式ドキュメントは非常に充実しており、網羅的です。しかし、エコシステムが広いため、どのライブラリを使うべきか迷うこともあります。
● Vue.js
公式ドキュメントは「神ドキュメント」と称されるほどわかりやすく、体系的にまとめられています。日本語訳も非常に質が高く、初心者でも安心して学習を進められます。
● Angular
公式ドキュメントは詳細かつ網羅的ですが、その内容の深さから、初心者にはやや難解に感じられるかもしれません。しかし、エンタープライズ用途で求められる情報が豊富に提供されています。
小規模・大規模開発での使いやすさ
プロジェクトの規模に応じて、最適なフレームワークは異なります。
小規模なプロトタイプ開発から、多数のチームメンバーが関わる大規模なエンタープライズアプリケーションまで、それぞれのフレームワークが持つ特性を理解し、プロジェクトのニーズにあった選択をすることが重要です。
各フレームワークの小規模・大規模開発での使いやすさ
● React
・小規模開発
設定ファイルや周辺ライブラリの選定が必要になるため、Vue.jsよりは若干手間がかかる場合がありますが、Create React Appを使えば手軽にはじめられます。
・大規模開発
Next.jsなどのフレームワークと組みあわせることで、SSRやコード分割など大規模開発に必要な機能を効率的に実装できます。豊富なエコシステムにより、多様な要件に対応可能です。
● Vue.js
・小規模開発
プログレッシブフレームワークの特性を活かし、既存のプロジェクトに部分的に導入することも容易です。学習コストの低さから、迅速なプロトタイピングや小規模なWebサイト構築に最適です。
・大規模開発
Vue 3とComposition APIの登場により、大規模開発におけるスケーラビリティが向上しました。Piniaなどの状態管理ライブラリと組みあわせることで、複雑な状態も管理しやすくなっています。
● Angular
・小規模開発
フルスタックであるため、小規模なプロジェクトではオーバースペックになる可能性があります。
・大規模開発
厳格な規約と強力なCLIツール、TypeScriptによる型安全な開発は、大規模なチーム開発において絶大な効果を発揮します。
エコシステム・公式ツール・コミュニティ
主要な公式プラグイン・周辺ツール
各フレームワークは、開発を効率的に進めるための公式ツールやプラグインを提供しており、これらは開発者体験を大きく左右します。
プロジェクトの立ち上げからデバッグ、ビルド、デプロイに至るまで、これらのツール群が強力にサポートします。
各フレームワークの主要な公式プラグイン・周辺ツール
● React
・Next.js:SSR/SSG対応のReactフレームワーク。SEOに強く、パフォーマンスを重視するWeb開発に最適です。
・Create React App:Reactアプリケーションを素早く構築するための公式ツール。
・React Router:SPAのルーティング管理。
● Vue.js
・Vue CLI:Vue.jsプロジェクトの雛形作成、開発サーバー、ビルドなどを提供する公式CLIツール。
・Nuxt.js:SSR/SSG対応のVue.jsフレームワーク。SEOに強く、開発効率が高いです。
・Vue Router:Vue.jsアプリケーションのルーティング管理。
・Pinia:Vue.js公式推奨の軽量な状態管理ライブラリ。
● Angular
・Angular CLI:Angularプロジェクトの作成、コンポーネント生成、ビルド、テストなどをサポートする強力なCLIツール。
・Angular Universal:SSR対応。
サードパーティライブラリの充実度
Web開発において、既存のライブラリを活用することは開発効率を飛躍的に高めます。
UIコンポーネント、状態管理、データフェッチングなど、多岐にわたるニーズに対応するサードパーティライブラリの充実度は、フレームワーク選択の重要な要素の一つです。
各フレームワークのサードパーティライブラリの充実度
● React
圧倒的な数のサードパーティライブラリが存在します。UIコンポーネントライブラリ(Material-UI、Ant Designなど)、状態管理ライブラリ、データフェッチングライブラリなど、あらゆるニーズに対応できるものが揃っています。
● Vue.js
Reactほどではありませんが、人気のライブラリは充実しています。特に日本語のライブラリや情報も増えています。
● Angular
Angular Materialなど公式で提供されるコンポーネントライブラリや、エンタープライズ向けのライブラリが充実しています。
コミュニティサポートと日本語情報
技術的な問題に直面した際、活発なコミュニティと豊富な情報は、迅速な解決に不可欠です。
特にフリーランスエンジニアにとっては、自力で問題解決する能力が求められるため、質の高い情報源へのアクセスは非常に重要です。
各フレームワークのコミュニティサポートと日本語情報
● React
世界中で最も利用されているため、コミュニティの規模は最大です。Stack OverflowやGitHub、Qiitaなど、あらゆる場所で情報をみつけることができます。日本語の情報も非常に豊富です。
● Vue.js
日本国内で非常に人気が高く、活発なコミュニティが存在します。日本語のドキュメント、ブログ記事、勉強会などが充実しており、初心者でも安心して学習・開発を進められます。
● Angular
海外では大規模プロジェクトで広く利用されていますが、日本ではReactやVue.jsに比べてコミュニティの規模は小さい傾向にあります。しかし、エンタープライズ系の案件に特化した情報や、TypeScriptに精通したエンジニアによる質の高い情報も存在します。
パフォーマンス・スケーラビリティの比較
仮想DOM vs リアルDOM
Webアプリケーションのパフォーマンスは、ユーザー体験に直結する重要な要素です。
特にUIの更新頻度が高いアプリケーションでは、効率的なDOM操作が求められます。
ここでは、各フレームワークが採用するDOM操作のアプローチと、それがパフォーマンスに与える影響について解説します。
各フレームワークのDOM操作アプローチ
● React ●Vue.js
ともに仮想DOM(Virtual DOM)を採用しています。仮想DOMは、実際のDOMの変更を最小限に抑えることで、UIの更新を高速化する技術です。変更があった部分のみを効率的に更新するため、パフォーマンスに優れています。
● Angular
仮想DOMは採用していませんが、変更検知メカニズムによって効率的にDOMを更新します。Zone.jsというライブラリがイベントの発生を監視し、変更が必要なコンポーネントのみを再レンダリングします。
仮想DOMとは、ブラウザのDOM操作が遅いという問題を解決するために考案されたものです。
直接DOMを操作するのではなく、一度メモリ上に仮想的なDOMツリーを構築し、実際のDOMとの差分を計算して最小限の変更のみを反映することで、パフォーマンスを向上させています。
SSR・SPA対応
現代のWebアプリケーションでは、高速な初期表示とSEO対策が求められます。
これに対応するため、SPAだけでなく、サーバーサイドレンダリング(SSR)や静的サイトジェネレーション(SSG)といった技術が重要になってきています。
各フレームワークがこれらのレンダリング手法にどのように対応しているかを見ていきましょう。
各フレームワークのSSR・SPA対応状況
● React
Next.jsなどのフレームワークと組みあわせることで、SSR/SSGに対応できます。初回ロードの高速化、SEO対策、OGP設定などが容易になります。
● Vue.js
Nuxt.jsなどのフレームワークと組みあわせることで、SSR/SSGに対応できます。Vue.js単体でもSPAを構築できます。
● Angular
Angular Universalと組みあわせることで、SSRに対応できます。Angular CLIは、SPAの構築を強力にサポートします。
大規模案件での実績
大規模なWebアプリケーション開発では、技術的なスケーラビリティだけでなく、チーム開発における管理のしやすさや、長期的な保守性も重要です。
各フレームワークがどのような大規模案件で実績を積んでいるかを知ることで、将来のキャリアパスを考えるうえでのヒントが得られます。
各フレームワークの大規模案件での実績
● React
Airbnb、Netflix、Meta(旧Facebook)など、多くのグローバル企業で採用されており、大規模なWebアプリケーション開発の実績も豊富です。柔軟な設計と豊富なエコシステムにより、多様な要件に対応できます。
● Vue.js
Alibaba、GitLab、Nintendoなど、国内外の大手企業で採用事例が増えています。Vue 3以降、大規模開発におけるパフォーマンスと保守性がさらに向上しました。
● Angular
GoogleやMicrosoftなど、大手企業のエンタープライズ級アプリケーションで広く利用されており、大規模案件での実績は豊富です。厳格な規約とTypeScriptによる型安全な開発が、大規模なチーム開発において品質と生産性を保つうえで有効です。
型安全性・TypeScript対応の深堀り
TypeScriptサポートの成熟度
JavaScriptの柔軟性は開発のスピードを高める一方で、大規模なプロジェクトでは型に関する問題やバグの温床となることがあります。
そこで注目されるのがTypeScriptです。
静的型付け言語であるTypeScriptをどの程度サポートしているかは、フレームワークの堅牢性や開発体験を大きく左右します。
各フレームワークのTypeScriptサポート
● React
TypeScriptをサポートしており、多くのプロジェクトで利用されています。create-react-app --template typescriptコマンドでTypeScriptプロジェクトを作成できます。React HooksもTypeScriptとの相性がよいです。
● Vue.js
Vue 3からはTypeScriptとの連携が強化され、Composition APIとTypeScriptの組みあわせにより、より型安全な開発が可能になりました。Vue 2でもTypeScriptを使用できますが、Vue 3の方がよりスムーズです。
● Angular
最初からTypeScriptを標準言語として採用しており、TypeScriptとの親和性はもっとも高いです。フレームワーク自体がTypeScriptで書かれており、型定義も完璧にサポートされています。
型安全性がもたらすメリットと課題
TypeScriptによる型安全性は、開発プロセスに多くのメリットをもたらしますが、同時にいくつかの課題も伴います。
これらのメリットと課題を理解することは、TypeScriptの導入を検討するうえで不可欠です。
型安全性がもたらすメリットと課題
メリット
✔ 開発中のエラー検出
コンパイル時に型エラーを検出できるため、実行時エラーを減らし、デバッグ時間を短縮できます。
✔ コードの可読性向上
変数や関数の引数、戻り値の型が明確になるため、コードが読みやすくなり、他のエンジニアが理解しやすくなります。
✔ 保守性の向上
型情報があることで、リファクタリングや機能追加の際に影響範囲を把握しやすくなり、意図しないバグの発生を防げます。
✔ IDEの恩恵
型情報があることで、コード補完やリファクタリング支援など、IDEの強力なサポートを受けることができます。
課題
✔ 学習コスト
JavaScriptに加えてTypeScriptの知識が必要になるため、学習コストが増えます。
✔ 記述量の増
型定義を記述する必要があるため、JavaScriptのみの場合と比べてコード量が増えることがあります。
✔ 設定の複雑さ
プロジェクトの初期設定やライブラリの型定義ファイルの管理など、TypeScript特有の考慮事項が増えます。
Angularの型安全設計の優位性
Angularは、その設計思想の根幹にTypeScriptを置いています。
DI(依存性注入)の仕組みやモジュール設計など、フレームワークのあらゆる部分でTypeScriptの恩恵を受けています。
これにより、大規模なアプリケーションにおいても、コードの一貫性と堅牢性を高く保つことができます。
特にエンタープライズ系のシステムでは、型安全性は品質保証の面で非常に重要な要素となります。
状態管理とデータフローの実践比較
Webアプリケーションが複雑になるにつれて、コンポーネント間で共有されるデータ(状態)の管理は、アプリケーションの健全性を保つうえで極めて重要になります。
ここでは、各フレームワークが推奨する、あるいは広く採用されている状態管理ライブラリとそのデータフローについて掘り下げて解説します。
Redux・Pinia・NgRxの特徴
● Redux(React)
単一の真実のソース(Store)にアプリケーションの状態を集中管理するパターン。Action、Reducer、Storeという明確な役割分担があり、予測可能な状態変化を実現します。ミドルウェアによる拡張性も高いです。
・メリット
大規模アプリケーションでの状態管理に強みを発揮。状態の変更履歴を追跡できるため、デバッグが容易。
・デメリット
学習コストが高い。記述量が多い。
● Pinia(Vue.js)
Vue.jsの公式推奨状態管理ライブラリ。Vue 3のComposition APIと非常によく設計されており、直感的で使いやすいです。
・メリット
軽量で学習コストが低い。型安全性が高く、TypeScriptとの相性も抜群です。開発者体験が非常によい。
・デメリット
歴史が浅いため、Reduxほどの情報量はない。
● NgRx(Angular)
Reduxの思想をAngularに導入した状態管理ライブラリ。RxJSと組みあわせることで、リアクティブな状態管理を実現します。Action、Reducer、Effect、Selectorなどの概念があります。
・メリット
大規模なエンタープライズアプリケーションでの複雑な状態管理に最適。Immutableな状態管理により、予測可能なアプリケーション動作を実現。
・デメリット
学習コストが非常に高い。RxJSの知識が必須。
グローバルステート管理の実装例
具体的なコード例を通して、各フレームワークにおけるグローバルな状態管理の実装方法をみていきましょう。
ここでは、ユーザー認証の状態をアプリケーション全体で管理する一般的なシナリオを想定します。
● React(Reduxの場合)
JavaScript
// src/store/authReducer.js
const initialState = { isAuthenticated: false, user: null };
function authReducer(state = initialState, action) {
switch (action.type) {
case 'LOGIN':
return { ...state, isAuthenticated: true, user: action.payload };
case 'LOGOUT':
return { ...state, isAuthenticated: false, user: null };
default:
return state;
}
}
// src/components/LoginButton.js
import React from 'react';
import { useDispatch } from 'react-redux';
function LoginButton() {
const dispatch = useDispatch();
const handleLogin = () => {
dispatch({ type: 'LOGIN', payload: { name: 'John Doe' } });
};
return <button onClick={handleLogin}>Login</button>;
}
● Vue.js(Piniaの場合)
JavaScript
// src/stores/auth.js
import { defineStore } from 'pinia';
export const useAuthStore = defineStore('auth', {
state: () => ({
isAuthenticated: false,
user: null,
}),
actions: {
login(user) {
this.isAuthenticated = true;
this.user = user;
},
logout() {
this.isAuthenticated = false;
this.user = null;
},
},
});
// src/components/LoginButton.vue
<template>
<button @click="handleLogin">Login</button>
</template>
<script setup>
import { useAuthStore } from '@/stores/auth';
const authStore = useAuthStore();
const handleLogin = () => {
authStore.login({ name: 'John Doe' });
};
</script>
● Angular(NgRxの場合)
TypeScript
// src/app/store/auth.reducer.ts
import { createReducer, on } from '@ngrx/store';
import * as AuthActions from './auth.actions';
export interface AuthState {
isAuthenticated: boolean;
user: any;
}
export const initialState: AuthState = {
isAuthenticated: false,
user: null,
};
export const authReducer = createReducer(
initialState,
on(AuthActions.login, (state, { user }) => ({ ...state, isAuthenticated: true, user })),
on(AuthActions.logout, state => ({ ...state, isAuthenticated: false, user: null })),
);
// src/app/components/login-button/login-button.component.ts
import { Component } from '@angular/core';
import { Store } from '@ngrx/store';
import * as AuthActions from '../../store/auth.actions';
@Component({
selector: 'app-login-button',
template: '<button (click)="handleLogin()">Login</button>',
})
export class LoginButtonComponent {
constructor(private store: Store) {}
handleLogin() {
this.store.dispatch(AuthActions.login({ user: { name: 'John Doe' } }));
}
}
フック・Composition API・サービスの違い
コンポーネント内のロジックをどのように整理し、再利用するかは、各フレームワークの設計思想を反映する重要な点です。
ReactのHooks、Vue.jsのComposition API、Angularのサービスは、それぞれ異なるアプローチでこの課題を解決しています。
各フレームワークのロジック管理方法
● React (Hooks)
関数コンポーネント内でStateや副作用(データの取得など)を管理するための機能です。useState、useEffect、useContextなどがあり、コンポーネントのロジックを再利用しやすく、テストしやすいコードを書くことができます。
● Vue.js(Composition API)
Vue 3から導入されたAPIで、コンポーネントのロジックを関数として記述・再利用できる機能です。Options APIと比較して、ロジックの関心事をまとめることができ、大規模なコンポーネントでもコードの可読性を保ちやすくなります。
● Angular(サービス)
ビジネスロジックやデータ取得などの共通機能を「サービス」として定義し、DI(依存性注入)の仕組みを使ってコンポーネントに注入します。これにより、コンポーネントとロジックを分離し、再利用性とテスト性を高めます。
テスト・保守性・長期運用の観点
テストフレームワーク・ツールの選択肢
高品質なWebアプリケーションを開発するためには、テストは不可欠です。
各フレームワークは、単体テスト、統合テスト、E2Eテストなど、さまざまなレベルのテストをサポートするための多様なフレームワークやツールを提供しています。
これらのツールを使いこなすことで、バグの早期発見と品質維持が可能になります。
各フレームワークのテストフレームワーク・ツール
● React
・Jest:Facebookが開発したJavaScriptのテストフレームワーク。単体テスト、統合テスト、スナップショットテストなどに対応。
・React Testing Library:ユーザーの視点からコンポーネントをテストするためのライブラリ。
・Cypress/Playwright: E2E(End-to-End)テストツール。
● Vue.js
・Vitest:Viteをベースにした高速なテストフレームワーク。
・Vue Test Utils:Vueコンポーネントをテストするための公式ユーティリティライブラリ。
・Cypress/Playwright:E2Eテストツール。
● Angular
・Jasmine/Karma:Angular CLIにデフォルトで含まれるテストフレームワークとテストランナー。
・Protractor:かつてAngularのE2Eテストツールとして広く使われていましたが、PlaywrightやCypressへの移行が進んでいます。
・Cypress/Playwright:E2Eテストツール。
保守性・リファクタリングのしやすさ
開発されたアプリケーションは、一度リリースしたら終わりではありません。
機能追加、バグ修正、パフォーマンス改善など、長期にわたる保守が必要です。
コードの保守性やリファクタリングのしやすさは、開発コストや将来的な拡張性に大きく影響します。
各フレームワークの保守性・リファクタリングのしやすさ
● React
柔軟性が高い反面、プロジェクトによってコードの書き方が大きく異なることがあります。しかし、設計パターンやLintツールを適切に導入することで、高い保守性を保つことができます。HooksやTypeScriptの利用は保守性を高めます。
● Vue.js
SFCとComposition APIの組みあわせにより、コンポーネントの構造が明確で、保守性が高いです。特にVue 3では、ロジックの再利用性が向上し、大規模なコンポーネントでも管理しやすくなっています。
● Angular
厳格な規約とTypeScriptの利用により、コードの一貫性が高く、保守性が非常に優れています。大規模なアプリケーションでも、新しいエンジニアがプロジェクトに参画しやすい環境が整っています。リファクタリングも型安全性の恩恵を受けやすいです。
バージョンアップと後方互換性
Webフレームワークは継続的に進化し、新しいバージョンがリリースされます。
バージョンアップの頻度や後方互換性は、既存プロジェクトのメンテナンスコストに直結するため、長期運用を視野に入れるうえで重要な考慮事項です。
各フレームワークのバージョンアップと後方互換性に関する特徴
● React
後方互換性を重視しており、破壊的変更は比較的少ないです。新しい機能は段階的に導入され、古いAPIもすぐには削除されません。これにより、既存プロジェクトのバージョンアップが比較的容易です。
● Vue.js
Vue 2からVue 3への移行は大きな変更でしたが、以降は後方互換性を重視しています。Vue 3からは安定したAPIが提供されており、今後のバージョンアップも比較的スムーズに行われると予想されます。
● Angular
バージョンアップの頻度が高く、半年に一度メジャーバージョンがリリースされます。後方互換性については、マイナーバージョンアップでは比較的保たれていますが、メジャーバージョンアップでは破壊的変更が含まれることがあります。しかし、Angular CLIがバージョンアップをサポートするコマンドを提供しており、移行の労力を軽減しています。
企業導入・案件動向・市場シェア

国内外の導入事例
フレームワークが実際にどのような企業やプロジェクトで利用されているかは、その信頼性や実用性を示す重要な指標です。
大手企業や有名サービスでの導入事例は、そのフレームワークの安定性や大規模開発への適応力を裏付けるものとなります。
各フレームワークの国内外の導入事例
● React
Airbnb、Netflix、Meta、Instagram、X、Uber Eats、Salesforceなど、世界中の名だたる企業で採用されています。国内でも多くのスタートアップや大手企業が導入しています。
● Vue.js
Alibaba、GitLab、Nintendo、LINE、楽天、クックパッドなど、特にアジア圏や日本国内で人気が高く、多くの企業で採用されています。
● Angular
Google、Microsoft、Forbes、Upwork、PayPalなど、主にエンタープライズ領域の大規模なシステムや、金融、医療系のアプリケーションで採用されています。
フリーランス案件数・単価の傾向
※2025年6月時点での一般的な傾向です。実際の案件動向は日々変動します。
ITフリーランスエンジニアにとって、案件の探しやすさや単価はキャリアを左右する重要な要素です。
市場における各フレームワークの需要と報酬の傾向を把握することは、自身のスキルアップ戦略を立てるうえで欠かせません。
各フレームワークのフリーランス案件数と単価の傾向
● React
・案件数:もっとも案件数が多く、非常に活発な市場です。スタートアップから大手企業まで、幅広い業界で需要があります。
・単価:案件単価も比較的高水準を維持しています。特にNext.jsやTypeScriptのスキルを持つエンジニアは高単価を期待できます。
● Vue.js
・案件数:Reactに次いで案件数が多く、特に日本国内での需要が高いです。Webサイト制作からSPA開発まで多様な案件があります。
・単価:Reactと同等かやや下回る水準ですが、高単価案件も増えています。Nuxt.jsやVue 3のスキルは評価されやすいです。
● Angular
・案件数:ReactやVue.jsと比較すると案件数は少なめですが、大規模システムやエンタープライズ向けの案件に特化しているため、安定した需要があります。
・単価:案件単価は比較的高額な傾向にあります。TypeScriptやRxJS、大規模開発の経験が重視されます。
今後の需要予測
Web技術はつねに進化しており、今日のトレンドが明日もつづくとは限りません。
しかし、現在の市場動向やフレームワークのロードマップから、ある程度の将来性を予測することは可能です。
今後の需要予測は、長期的なキャリアプランを立てるうえで参考になるでしょう。
各フレームワークの今後の需要予測
● React
今後もWeb開発のデファクトスタンダードとして、圧倒的な需要を維持すると予想されます。特にNext.jsなどのエコシステムが進化しつづけることで、さらに市場を拡大していくでしょう。
● Vue.js
日本国内での人気は引きつづき高く、手軽に導入できるプログレッシブフレームワークとしての強みから、中小規模から大規模まで幅広いプロジェクトで利用が拡大すると見込まれます。
● Angular
エンタープライズ領域での強みは揺るがず、特に堅牢性や長期的な保守性が求められるシステムにおいて、安定した需要があると予測されます。WebAssemblyなどの新技術との連携も期待されます。
ITフリーランスが選ぶべきフレームワークは?
案件獲得・キャリア戦略の観点
ITフリーランスエンジニアとして成功するためには、単に技術スキルを磨くだけでなく、市場のニーズを理解し、自身のキャリア戦略と合致するフレームワークを選択することが重要です。
ここでは、案件獲得のしやすさ、単価の高さ、そして将来性といった観点から、各フレームワークの選び方について考察します。
どのフレームワークを選ぶかは、キャリアプランに大きく影響します。
● 案件獲得のしやすさ
案件数を重視するなら、現時点では「React」が圧倒的です。次いでVue.jsも日本国内で高い需要があります。
● 単価の高さ
高単価を狙うなら、「React」や「Angular」で、特定の領域(Next.jsでのSSR/SSG、TypeScriptでの堅牢なシステム構築など)に特化すると有利です。
● 将来性
いずれのフレームワークも活発に開発がつづけられており、将来性があります。重要なのは、一つのフレームワークに固執せず、つねに新しい技術動向を追いつづけることです。
技術志向・働き方別のおすすめ
開発に対する考え方や、どのような働き方をしたいかによって、最適なフレームワークは異なります。
ここでは、技術志向や働き方に合わせて、どのフレームワークがおすすめできるか具体的なケースで考えてみましょう。
技術志向や働き方別のおすすめ
● 「とにかく案件をたくさんこなしたい!」
・React:案件数が最も多いため、選択肢が広がりやすいです。
・Vue.js:日本での案件が多く、手軽にはじめられる案件も多いです。
● 「最先端技術を追求したい!」
・React:最先端のWeb技術(SSR, SSG, Edge Functionsなど)をとり入れた開発が可能です。
・Angular:TypeScriptの最新機能や、大規模な設計パターンを深く学びたい場合に適しています。
● 「堅牢なシステム開発に携わりたい!」
・Angular:型安全性や厳格な規約により、長期的な保守性や堅牢性が求められるエンタープライズ系の開発に最適です。
● 「学習コストを抑えてWeb開発をはじめたい!」
・Vue.js:公式ドキュメントのわかりやすさや、直感的な記述方法から、Web開発初心者におすすめです。
複数フレームワーク習得のメリット
ITフリーランスエンジニアとして長期的に活躍するためには、特定のフレームワークに固執せず、複数フレームワークを習得することが大きなメリットになります。
変化の激しいWeb業界において、多様な技術スキルをもつことは、市場価値を高め、より幅広い機会を掴むための鍵となります。
複数フレームワーク習得のメリット
● 案件選択肢の拡大
複数のフレームワークを扱えれば、参画できる案件の幅が格段に広がります。
● 技術的な引き出しの増加
各フレームワークの設計思想や得意分野を理解することで、問題解決の引き出しが増え、より最適な技術選定ができるようになります。
● 市場価値の向上
希少性の高いスキルをもつエンジニアとして、市場価値を高めることができます。
● 時代の変化への対応力
Web技術はつねに進化しています。複数の技術に触れることで、新しいトレンドにも柔軟に対応できる適応力が身につきます。
まとめ:選定のためのチェックリスト
プロジェクト規模・要件別の選定基準
これまでの比較を踏まえ、プロジェクトの規模や要件に応じて最適なフレームワークを選ぶためのチェックリストを確認していきましょう。
この表を参考に、プロジェクトにもっとも適した選択肢をみつけてみてください。
項目 | Vue.js | React | Angular |
---|---|---|---|
学習コスト | △ | 〇 | ◎ |
開発速度 | ◎ | ◎ | 〇 |
小規模PJ | ◎ | 〇 | △ |
大規模PJ | 〇 | ◎ | ◎ |
TypeScript親和性 | 〇 | 〇 | ◎ |
SEO対策 | 〇 | 〇 | 〇 |
コミュニティ | 〇 | ◎ | 〇 |
案件数 | 〇 | ◎ | △ |
平均単価 | ◎ | 〇 | 〇 |
保守性 | 〇 | 〇 | ◎ |
向いている案件 | ・小規模Webサイト ・社内ツール ・UI強化 | ・SPA ・Webアプリ ・SaaS ・メディアサイト | ・エンタープライズ ・金融 ・大規模Webアプリ |
今後の技術動向を見据えた学習戦略
Web技術は日々進化しており、ITフリーランスエンジニアとしてつねに市場価値を維持・向上させるためには、継続的な学習が不可欠です。
どのフレームワークを選ぶかにかかわらず、普遍的に重要なスキルや、今後注目される技術動向を理解し、戦略的に学習を進めることが成功の鍵となります。
✔ Web標準技術の基礎固め
どのフレームワークを選ぶにしても、HTML、CSS、JavaScript(ES Modules、非同期処理, 新しい構文など)の基礎は不可欠です。これらは変化の少ない普遍的なスキルです。
✔ TypeScriptの習得
今後のWeb開発において、TypeScriptは必須のスキルとなるでしょう。型安全な開発は、品質の高いアプリケーション開発に直結します。
✔ サーバーサイドレンダリング(SSR)/静的サイトジェネレーション(SSG)の理解
Next.jsやNuxt.jsといったフレームワークを活用し、パフォーマンスとSEOを両立させる技術は、今後も需要が高まります。
✔ クラウド・バックエンド知識の習得
フロントエンドだけでなく、Firebase、Supabase、VercelなどのBaaS(Backend as a Service)や、簡単なAPI開発の知識があると、より幅広い案件に対応できるようになります。
✔ UI/UXの知識
ユーザーが使いやすいUI/UXを意識した開発ができるエンジニアは、つねに高く評価されます。
Vue.js、React、Angularに共通するよくある質問
Q1. フロントエンドフレームワークを学ぶうえで、JavaScriptのどのレベルまで理解していればよいですか?
A. 基本的な構文(変数、関数、条件分岐、ループ)、配列操作、オブジェクト操作、ES6以降の構文(let、const、アロー関数、クラス、Promise、async/await)、モジュールシステム(ES Modules)の理解は必須です。これらに加え、DOM操作の基礎知識があるとスムーズです。
Q2. どのフレームワークから学ぶのがおすすめですか?
A. プログラミング初心者であれば、学習コストが低いVue.jsからはじめるのがおすすめです。ある程度JavaScriptの経験がある、または将来的にReact案件に参画したい場合はReactからでもよいでしょう。Angularは他のフレームワークにある程度慣れてから学ぶのが効率的です。
Q3. フレームワークを一つ習得すれば、他のフレームワークも簡単に習得できますか?
A. はい、できます。基本的なWeb開発の概念(コンポーネント指向、データフロー、状態管理など)は共通しているため、一つ習得すれば他のフレームワークの学習も格段に早くなります。特にReactとVue.jsは設計思想に共通点が多いです。
Q4. SPA(Single Page Application)とSSR(サーバーサイドレンダリング)の違いは何ですか?
A. SPAは初回ロード時に必要なすべてのJavaScriptを読み込み、その後はページ遷移を伴わずに動的にコンテンツを書き換えるWebアプリケーションの形式です。一方、SSRはサーバー側でHTMLを生成してクライアントに送信する方式で、初回ロードがはやく、SEOに強いという特徴があります。現代のWeb開発では、これらを組みあわせたハイブリッドな構成が一般的です。
Q5. 仮想DOMとは何ですか?なぜパフォーマンスがよいのですか?
A. 仮想DOMは、実際のDOM(Document Object Model)をJavaScriptのオブジェクトとしてメモリ上に表現したものです。UIの変更があった際、直接実際のDOMを操作するのではなく、まず仮想DOMに変更を適用し、その差分のみを実際のDOMに効率的に反映させます。これにより、高頻度なUI更新でもパフォーマンスを維持できます。
Q6. 状態管理ライブラリ(Redux、Pinia、NgRxなど)はなぜ必要ですか?
A. アプリケーションが複雑になり、コンポーネントが増えると、コンポーネント間のデータの受け渡しや同期が困難になります。状態管理ライブラリは、アプリケーション全体で共有するデータを一元的に管理し、予測可能な方法でデータの変更を行う仕組みを提供することで、大規模アプリケーションの保守性と開発効率を高めます。
Q7. フレームワークを使わずにWeb開発をすることは可能ですか?
A. はい、可能です。Vanilla JS(フレームワークやライブラリを使わないJavaScript)でWeb開発を行うこともできます。しかし、モダンなWebアプリケーション開発では、コンポーネント化、データバインディング、ルーティング、状態管理など、フレームワークが提供する機能が開発効率と保守性を大幅に向上させるため、ほとんどのプロジェクトでフレームワークが採用されています。
Q8. フロントエンドエンジニアとして、バックエンドの知識も必要ですか?
A. 必須ではありませんが、あると非常に有利です。特にAPIの設計やデータベースの知識があることで、バックエンドエンジニアとの連携がスムーズになり、より効率的な開発が可能になります。最近ではBaaS(Backend as a Service)の普及により、バックエンドの専門知識がなくても、フロントエンドから手軽にバックエンド機能を実装できるようになっています。
Q9. フレームワークの選定で失敗しないためのポイントは何ですか?
A. プロジェクトの要件(規模、パフォーマンス、SEOなど)、チームのスキルセット、長期的な保守性、そしてコミュニティの活発さを総合的に考慮することが重要です。また、安易に流行に流されず、それぞれのフレームワークの特性を理解したうえで、最も適したものを選択するようにしましょう。
Q10. これからWeb開発を始めるITフリーランスにとって、もっとも学習すべきことは何ですか?
A. 変化の激しいWeb業界で生き残るには、特定の技術に固執せず、「学びつづける姿勢」がもっとも重要です。フレームワークやライブラリの流行は移り変わりますが、Web標準技術(HTML、CSS、JavaScript)の基礎、問題解決能力、そして新しい技術への適応力は普遍的なスキルです。これらを磨きつつ、市場の需要に応じて柔軟にスキルを習得していくことが成功への鍵となります。
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