フリーランスエンジニアに向いている人はどんな人?向き不向きの特徴について解説
DXや働き方改革などの影響から、近年ますますITフリーランス人材の需要が高まっており、市場規模も急拡大しています。
ITフリーランス人材及びITフリーランスエージェントの市場調査(2022年度版)によると、2024年には2021年の2倍ほどの市場規模になるとみられており、その勢いの凄さを見て取ることができます。
そうしたなかで、フリーランスエンジニアとして働く人も増えてきていますが、フリーランスエンジニアにも向き不向きがあるということはご存じでしょうか。
フリーランスエンジニアには、メリットだけでなくデメリットもあります。
メリットとしては、働き方の自由度が高いことや高年収が期待できる一方で、デメリットとしては継続的なスキルアップが必要だったり、会社員に比べると仕事や収入が不安定になりがちだったりといった点が挙げられます。
もしフリーランスエンジニアに向いている人であればメリットを享受しやすいものの、向いていない場合はデメリットが目立ち、フリーランスエンジニアになったことを後悔してしまうかもしれません。
実際に、フリーランスエンジニアになった結果として、「フリーランスエンジニアはやめた方が良い」「フリーランスエンジニアになって後悔した」という声も聞かれます。
参照:「フリーランスエンジニアはやめとけ」「フリーランスエンジニアは後悔する」といわれる理由は?フリーランスエンジニアになるメリットや成功するためのポイントもご紹介
そこで、本記事ではフリーランスエンジニアに向いている人と向いていない人の特徴を詳しく取り上げるとともに、フリーランスエンジニアとして成功するためのポイントについて解説します。
フリーランスエンジニアに向いている人の特徴が多く当てはまる場合はフリーランスエンジニアとして成功できる可能性が高い一方で、もしフリーランスエンジニアに向いていない特徴に多く当てはまる場合は、フリーランス転向前に対策を立てたり、それらのポイントを改善したりした上で目指すのが良いかもしれません。
本記事を通じて、「自分がフリーランスエンジニアに向いているのかどうかを知りたい」「どんな人が向いていて、どんな人が向いていないのかを知りたい」という方々にとって、参考となる情報を提供できれば幸いです。
フリーランスエンジニアに向いている人の特徴7選
まずは、フリーランスエンジニアに向いている人の7つの特徴について詳しく解説します。
02. 自由な働き方を求めている人
05. 自分で案件を選びたい人
06. ひとりで黙々と仕事をしたい人
07. コネクションがある人
ある程度リスクを取ってでも、高い収入を得たい人
現在は会社員のエンジニアとして働いているものの、ある程度のリスクを取ってでも高収入を実現したいと考えている人はフリーランスエンジニアに向いています。
フリーランスエンジニアは、会社員エンジニアと比べてスキルや成果が収入に直結しやすいため、特に高需要かつ優れたスキルを持っている場合は、会社員時代より収入が上がる可能性が非常に高いと言えます。
腕に覚えがあり、会社員としてよりもフリーランスの方が大きく稼げる自信があるという方は、フリーランスエンジニアを検討するのが良いでしょう。
その上で、実際に現状の自分のスキルレベルや経験で、どの程度の収入が期待できるかについては、まずはフリーランスエージェントに話を聞いてみるのがおすすめです。
自由な働き方を求めている人
自由な働き方を求めている人もフリーランスエンジニアに向いています。
フリーランスエンジニアなら、会社員エンジニアよりも比較的自由に働く場所や働く時間を選ぶことができます。
案件によっては受注先の企業へ常駐するケースなどもありますが、その場合も条件を受け入れるかどうかは自分次第です。
働く上で自由さを重視する人や、なんでも自分で決めたいという人はフリーランスエンジニアに向いていると言えます。
いろんな会社を経験したい、いろんな人と関わりたい
フリーランスエンジニアになると、案件によってそのときどきでクライアントや一緒に仕事をする人々が変わります。
そのため、いろいろな会社や組織に属して、いろいろな人と関わりたいという人もフリーランスエンジニアに向いています。
また、フリーランスでは同じ企業で長く働くという機会は多くないため、ひとつの職場で長年働くと退屈さを感じるような飽き性の人にもフリーランスエンジニアはおすすめです。
好奇心旺盛で新しいことを学ぶのに抵抗がない人
IT業界のトレンドは目まぐるしく変わっており、そういった環境のなかでフリーランスエンジニアとして成功するためには、常に新たな言語やフレームワークに関する知識を好奇心旺盛に吸収していく必要があります。
そのため、新しいことを学ぶのが好きで抵抗を感じない人や、勉強が習慣になっている人はフリーランスエンジニアに向いていると言えるでしょう。
自分で案件を選びたい人
現在会社勤めのエンジニアで、取り組む案件や業務内容、条件に満足していない人、あるいは自分で関わる案件を細かく選んでいきたいという人はフリーランスエンジニアが向いています。
フリーランスは自ら動いて案件を獲得して、顧客と単価交渉などをする必要がある一方で、契約内容について自分で調整することが可能です。
したがって、言われたことを淡々とやることが好きな人よりも、こだわりが強い人ほどフリーランスエンジニアに向いていると言えるでしょう。
ひとりで黙々と仕事をしたい人
ひとりで仕事をすることに抵抗がなく、職場の人との距離感をある程度保ちたいという人にもフリーランスエンジニアは向いています。
もちろん案件によってはチームでの作業が中心となることもありますが、どちらかといえばひとりで作業することが多くなるためです。
なお、フリーランスになると人と関われず孤独を感じるという人もいますが、決して人と深く関わることができなくなるわけではありません。
案件によってはクライアントのオフィスで働くこともあり、会社員と同じように他の職場の人と近い距離感で働ける場合もあるため、自分に合った条件を模索するといいでしょう。
コネクションがある人
幅広く強いコネクションがあり、フリーランスエンジニアとして転向後の案件探しに困らない状況の人は、フリーランスのデメリットを回避しながら自由や高収入といったメリットを享受できる可能性が高いと言えます。
反対に、フリーランスエンジニア転向後の仕事の当てが全くない場合は、転向するタイミングを少し考えるか、当面はフリーランスエージェントの活用を検討したほうが良いかもしれません。
フリーランスエンジニアに向いていない人の特徴6選
続いては、反対にフリーランスエンジニアに向いていない人の6つの特徴について紹介します。
この特徴に多く該当する場合は、今すぐにフリーランスエンジニアになるというよりも、転向のタイミングを少し先と考えて、対策を立てるのが良いでしょう。
03. 安定志向
04. 楽をしたい・楽に稼ぎたい
05. 自己管理が苦手
06. コミュニケーションを取りたくない
エンジニアとしての十分な経験・スキルが無い
そもそも現時点でエンジニアとしての経験やスキルが不足している人は、フリーランスエンジニアへの転向をすぐに考えるべきではないでしょう。
仮に十分な経験やスキルが無い状態でフリーランスエンジニアとなった場合、好条件の案件を獲得することは難しく、また高い成果を挙げることも難しいと言えます。
逆に、エンジニアとして経験やスキルがある人なら、もし人脈や営業力がなかったとしてもエージェントを利用することで安定して案件を受注できる可能性は十分にあります。
なお実務経験の目安は、企業の応募要項などで3年以上の実務経験を求められることが多いことから、3年というのが一般的です。
逆に、3年以上の実務経験を積んでいるのにスキルが見合っていないとすれば、環境を変えたほうが良いかもしれません。
仕事以外でスキルアップの努力をしない
移り変わりの激しいIT業界において、フリーランスに限らず、仕事以外でスキルアップの努力をしないエンジニアはすぐに置いてかれてしまいます。
継続してフリーランスエンジニアとして案件を受注していくためには、仕事以外の場でもスキルを磨くなどの工夫が必要です。
そもそも勉強やスキルアップのために時間を割くのが苦痛という方は、フリーランスエンジニアになった後苦労をする可能性が高いでしょう。
反対に、現時点で経験やスキルが足りていないとしても、向上心を持って勉強し続けられる人であれば、フリーランスエンジニアとして将来的に活躍できる可能性が高いともいえます。
安定志向
安定志向で、どちらかといえば同じ環境で長く働くことを希望している人や、現状維持を望む人はフリーランスという働き方と相性がよくありません。
フリーランスエンジニアという働き方は、会社員エンジニアに比べて大きなリターンが得られる可能性が有る一方で、リスクのある働き方になります。
また、同じクライアントや同じ環境で長い期間働くことは、契約期間などの関係上、フリーランスエンジニアとしてそれを実現するのは難しいでしょう。
そして、フリーランスエンジニアは特に技術力や経験がものを言う世界です。
競合となるまわりのエンジニアが日々成長していくなかで、自分自身の実力を高めていかなければ現状維持すらままならないということは認識しておくべきです。
楽をしたい・楽に稼ぎたい
楽に稼げることを期待してフリーランスエンジニアになるべきではありません。
確かにフリーランスエンジニアは会社員エンジニアに比べて高額な報酬の案件が多いものの、それらはあくまでも一定のスキルを持つエンジニアを対象としたものです。
未経験でも受注できる案件自体はそれなりにあるものの、それによって高収入が得られるかというとそういうわけではありません。
したがって、「楽に稼ぎたい」という人はフリーランスエンジニアへの転向を踏みとどまった方が良いかもしれません。
フリーランスエンジニアは自由な働き方である一方で、楽に感じられるかどうかは人によります。
自己管理が苦手
フリーランスとして働く上では、スケジュール管理やタスク管理、健康管理、金銭管理などのセルフマネジメント能力が求められます。
特にフリーランスエンジニアの場合は期間内に一定の成果物が求められる場合が多く、また在宅で時間を気にせず働きやすいという状況があります。
そうしたなかで、納期が守れない、健康管理ができないといった状況では、満足に案件をこなしてクライアントとのリレーションを築くことも難しくなってしまうため、フリーランスエンジニアとして活躍するのは難しいでしょう。
したがって、会社員エンジニアのうちから意識的にセルフマネジメントの習慣を作り、時間や体調などの管理を徹底しておくことが大切です。
コミュニケーションを取りたくない
フリーランスエンジニアは会社員エンジニアほど同僚と関わる機会が多くない働き方のため、コミュニケーション能力が求められることが少ないイメージがあるかもしれません。
しかし、クライアントや同じプロジェクトに参加する人々をはじめ、仕事を通じたコミュニケーションの機会は決して少なくないことから、「人とのコミュニケーションを取りたくない」という理由でフリーランスエンジニアを選んでしまうと、後々後悔することになる可能性があります。
むしろフリーランスエンジニアとして成功するためには、案件の受注やスキルアップといった面でもさまざまな人と関係性をもっておくことはプラスに作用します。
したがって、普段から仕事におけるコミュニケーションを通じた関係性の構築に慣れておくことが良いでしょう。
フリーランスエンジニアとして成功するためのポイント
ここまで、フリーランスエンジニアに向いている人・向いていない人の特徴について紹介してきましたが、最後にフリーランスエンジニアとして成功するための10のポイントについて紹介します。
向き不向きに関わらず、フリーランスエンジニアとしての成功確度を高めるために、ぜひ参考にしてみてください。
02. どういうフリーランスエンジニアになりたいのかを明確にする
05. ポートフォリオを用意する
07. 自分の市場価値を知っておく
08. 生活資金を蓄えておく
09. 生活習慣を見直す
10. エージェントへ登録しておく
フリーランスエンジニアになりたい理由を明確にする
まずは、フリーランスエンジニアになりたい理由を明確にしておきましょう。
例えば、好きな時間に働きたいという理由なら、会社員としてフレックス制を採用している会社へ転職するのではなぜダメなのか。
収入を上げたいなら、どういった理由で、具体的にどれくらいの収入を目指すのか、などです。
フリーランスエンジニアになりたい理由を明確にせず、漠然としたイメージのままフリーランスになると、案件に求める条件なども曖昧になってしまいます。
気持ちよく働くためにも、また自分の将来に繋がる案件を見つけるためにも、早い段階でフリーランスエンジニアになりたい理由を明確にしておきましょう。
どういうフリーランスエンジニアになりたいのかを明確にする
なりたい理由とあわせて、フリーランスエンジニアになってからどんな業務をやりたいのか、どれくらい稼ぎたいのか、どんな働き方がしたいのかなど目標を明確にしておきましょう。
なりたいフリーランスエンジニア像が明確になっていると、自分で案件を探す場合はもちろん、エージェントサービスなどを介して案件を紹介してもらう際にも条件を伝えやすくなります。
独立前に一定レベルの経験・スキルを身につける
フリーランスエンジニアとして成功するためには、独立しても仕事に困らないだけの経験やスキルを事前に身につけておくことが重要です。
身につけた経験やスキルが役に立つのはもちろん、経験やスキルを身につける感覚を養うことによって、独立してからも恒常的に経験やスキルを身につけていくことができるようになります。
需要の高いスキル・言語を身に着ける
フリーランスエンジニアとして安定的に案件を受注するために、幅広い案件に対応できるスキルや言語を身に着けておくことがリスク回避の上で重要となります。
現時点では、JavaなどのWeb系言語や、IoTやAIに使われるPythonなどの需要が高い傾向にあります。
ただし、経験の少ない段階からリソースを分散しすぎても本末転倒となってしまいます。まずは特定の言語を一定以上のレベルまで身に着け、自由に扱えるようになることを目指しましょう。
需要の高さは、年収の高さにも結び付いてきます。
参考として、フリーランスエンジニアのプログラミング言語別の平均年収について、以下の記事で詳しくご紹介しています。
ぜひ併せてご参照ください。
ポートフォリオを用意する
ポートフォリオがあると、その人の持っているスキルや経験が客観的に把握しやすくなるため、クライエントとの条件のすり合わせがスムーズになったり、エージェントから紹介された案件とのミスマッチを予防できたりといったメリットが得られます。
自分の持っているスキル、取り組んできたプロジェクトや業務の内容が端的に伝えられるような、自分のスキルを客観的に示せるポートフォリオを用意しておくと良いでしょう。
会社員のうちにコネクションを築いておく
フリーランスエンジニアになってからスキルアップするのが難しいのと同様に、フリーランスに転向してから人脈づくりに励むのも大変です。
会社員時代からエンジニアの知り合いや、副業を通してかかわりのある会社などを増やしておくことで、いざ独立した際に案件不足で仕事がないというリスクを回避しやすくなります。うまく人脈を作ることができれば、営業活動自体が必要なくなる可能性もあります。
自分の市場価値を知っておく
自分が持っているスキルや経験、扱える言語などが一体どのくらいの市場価値をもっているのか、定期的に調べておくことも重要です。
市場価値を知ることで、今の自分に見合った案件を選びやすくなりますし、より市場価値を高めるためにはどういったスキル・経験を積むべきか、といった観点から案件を選ぶこともできるようになります。
フリーランスエージェントなどを通して、フリーランスエンジニアに転向した際の自分の市場価値がどの程度になるのか、会社員のうちから定期的に調べておきましょう。
生活資金を蓄えておく
フリーランスエンジニアになる前に、少なくとも1~2年分の生活資金を蓄えておくことをおすすめします。フリーランスは、エージェントに登録したとしても安定的な収入が得られ始めるまでに少しタイムラグがあります。また生活資金が枯渇した状態では、案件を吟味する余裕もなくなるため、条件に合わない案件を引き受けざるを得なくなることも考えられます。
フリーランスエンジニアになったものの、思ったように稼げず会社員として再就職するといったことのないよう、事前に十分な生活資金を蓄えておきましょう。
生活習慣を見直す
フリーランスエンジニアとして安定した働き方がしたいなら、生活習慣の見直しも必要です。不規則な生活を送っている人は、フリーランスになってから苦労します。
平日は会社へ出社する時刻に起きられるものの休日は昼過ぎまで寝ている、といった生活を送っている人は、平日も休日も同じような生活ができるように会社員のときから意識してみてください。
平日は仕事をしながら、休日は同じ時間帯を使って勉強すれば、生活習慣が改善するだけでなくスキルアップもできて一石二鳥です。
エージェントへ登録しておく
フリーランスエージェントの登録はフリーランスエンジニアになる前からでも可能なので、転向前に何社か登録しておくのが良いでしょう。
とくに営業活動に不安を感じる人や、コネクションに自信のない人は、エージェントを有効活用することがフリーランスエンジニアとしての成功する確率を上げることに繋がります。
まとめ
本記事では、フリーランスエンジニアに向いている人と向いていない人の特徴、フリーランスエンジニアとして成功するためのポイントについて詳しく解説しました。
フリーランスエンジニアに向いている人・向いていない人の特徴などで述べたように、フリーランスという働き方は適性がないと苦労することもあります。
そのため、実際にフリーランスエンジニアになった後で後悔し、「やめとけ」「後悔する」といった情報を発信する人も一定数見られます。
もしフリーランスエンジニアを目指しているにもかかわらず、向いていない人の特徴に多く当てはまる場合は、フリーランスへの転向自体を見直すか、あるいはその部分を改善していく、補っていくという努力が必要です。
フリーランスエンジニアという働き方には向き不向きがあることを認識して、冷静に検討しましょう。
「自分がフリーランスエンジニアに向いているかどうかがわからない」「フリーランスエンジニアへの転向を検討しているがうまくいくか不安を感じている」といった方は、ぜひtoiroフリーランスにお気軽にお問い合わせください。
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