【VC++入門】Visual C++の使い方をわかりやすく解説!ダウンロード方法や導入のメリットは?C++との違いも紹介
webアプリケーションやスマートフォンアプリケーションを制作する際、どんな開発環境を使っていますか?
今回取り上げる「Visual C++」は人気が高い開発環境です。
- Visual C++とは何なのか?
- Visual C++とC++は別物?
- バージョンがたくさんあって混乱している
- Visual C++の使い方がわからない
- 導入するメリットは?
Visual C++について興味がある人のそんな疑問を解消すべく、この記事ではVisual C++だけでなく、関連するC++についてもご紹介しています。
使うとわかる、その便利さ。Visual C++の魅力を余すことなくお伝えします。
Visual C++とは
Visual C++とは、Microsoft社の開発ツールである「Visual Studio」に同梱されているC++のパッケージ(アプリケーション一式)を指します。
Visual C++は総合開発用ツール
Visual C++を起動すると、プログラミングに必要とされる機能が全て入っています。
そのため、Visual C++は統合開発環境――通称IDEと呼ばれています。
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Windowsはもちろん、webアプリケーションやiOS、Android。
そしてクラウドサービスなどのアプリ構築をおこなうための開発環境を整えてくれる心強いツールです。
Windowsパソコンでアプリ開発をおこなう人にとって欠かせないツールと言っても良いのではないでしょうか。
パッケージの中身
「Visual Studio」のパッケージの中身について覗いてみましょう。
- 標準C++
- C++/CX(デスクトップアプリ開発言語)
- ライブラリ(プログラム部品)
これらが「Visual Studio」のパッケージ内には入っています。
Visual C++の特徴
この項目では、Visual C++の特徴について詳しく解説します。
いまいちVisual C++のことがわからないという人は必見です。
2つの要素を持っている
Visual C++は、以下の2つの要素を持っています。
- 標準C++をもとにプログラミングをおこなう(標準C++)
- Windows Runtimeに対応したプログラミングをおこなう(C++/CX。Windowsストアアプリの開発時に使用する)
多くのバージョンがある
Visual C++には多くのバージョンが存在します。
バージョンによって使用できる機能に関しても差があります。
有償と無償のものがある
Visual C++が入っている「Visual Studio」には有償のものと無償のものが存在します。
Visual Studio Community
無料で使えます。
一部機能に制限がかかっていますが、拡張することができるので必要な機能のみ追加可能です。
Visual Studio Professional
有料で使える「Visual Studio」です。
プロジェクト管理ツールなど、共同開発をおこなう際に役立つ機能が使えます。
Visual Studio Enterprise
同じく有料で、Visual Studio Professionalよりもより充実した機能があります。
具体的には、テスト作業の計画や実行、監視などを自動化できる機能を使うことができます。
Visual C++とC++の違い
Visual C++とC++の違いがよくわからない、という人もいるのではないでしょうか。
この項目では、両者の違いについて紹介していきます。
標準C++のこと
Visual C++について説明するにあたり、標準C++のことを抜きにして話すことはできません。
それほど、Visual C++とC++は密接な関係にあります。
C++は「シープラスプラス」「シータスタス」「シープラプラ」などと呼ばれるプログラミング言語です。
C++はC言語の拡張バージョンで、オブジェクト指向に関係する機能を追加しています。
現在、最も頻繁に使用されている商用プログラミング言語の1つです。
高度な機能を使ったとしても実行能力が落ちないようにさまざまな工夫が為された言語です。
Visual C++はMicrosoft社製のC++コンパイラ
C++がプログラミング言語ということは前項目でお伝えしました。
プログラミング言語を使用するために、さまざまな企業や組織がC++コンパイラを製品化しています。
その1つがVisual C++というわけです。
Visual C++を導入するメリット
Visual C++を導入する最も大きなメリットは「ネイティブプログラミングができる」ことです。
Visual C++は標準C++とC++/CXを使用してアプリ開発をおこないます。
その際に、コンパイラはネイティブコードを生成するため、高速実行ができるというメリットがあります。
Visual C++のダウンロード・インストール方法
Visual C++のダウンロード・インストール方法についてご紹介します。
この項目では無償で使える「Visual Studio Community」のダウンロード・インストール方法について取り上げています。
それでは、Visual C++のダウンロード・インストール方法について順を追って見ていきましょう。
公式サイトへアクセスする
Microsoft公式のVisual Studioのダウンロードページにアクセスしてください。
最新バージョンの「Visual Studio」が表示されます(2022年9月現在はVisual Studio 2022)。
「Visual Studio コミュニティ」をダウンロードする
一番左にある「コミュニティ」の「無料ダウンロード」をクリックします。
インストールする
vs_Community.exeをクリックし、インストールしてください。
ユーザーアカウント制御通知は「はい」を選択し、Microsoftライセンス条項・Microsoftプライバシーに関する声明については「続行」をクリックします。
必要な機能セットを選ぶ
次に、自分が必要な機能セット(もしくはワークロード)を選びます。
ちなみに、インストールしなかった機能セットは後でも入れることが可能です。
Visual C++が複数インストールされる理由
「既に複数のVisual C++がインストールされている」という状況にある人もいるのではないでしょうか。
その理由はバージョン違いのVisual C++がインストールされているからです。
Visual Studioで開発したプログラムを動作させるには、Visual C++が必要となります。
「じゃあ、1つのVisual C++をインストールしておけば良いということか」と早合点しないようにご注意を。
ソフトウェアによって、必要なVisual C++のバージョンは違ってきます。
そのため、適当に1つのVisual C++を残して他を削除してしまうとまずい事態になりかねません。
もし要らないVisual C++をアンインストールしたいなら、「確実に使っていないVisual C++を探す」という前作業が必要となるでしょう。
Visual C++をアンインストールする方法
前項目(「Visual C++が複数インストールされる理由」)に関わることを紹介しましょう。
不要なVisual C++のバージョンがはっきりした場合の対処方法です。
不要なソフトウェアをアンインストールする際、そのソフトウェアに必要なVisual C++も自分でアンインストールしなければ、Visual C++はずっとパソコン内に残ることとなります。
使っていないバージョンのVisual C++はアンインストールしても問題ありません。
「いまはもう使っていないのに、パソコンの容量が圧迫されるのは困る」
そんな人は思い切って使っていないバージョンのVisual C++をアンインストールしてしまいましょう。
- パソコンの「スタート」を右クリック
- 「設定」をクリック
- 「アプリ」を選ぶ
- 「アプリと機能の一覧」を見て不要なMicrosoft Visual C++をクリックする
- 「アンインストール」する
この手順でアンインストールを完了させましょう。
もし、「アプリと機能の一覧」に必要ないVisual C++が出てこない時の対応方法は下記です。
- 「コントロールパネル」にある「プログラムと機能」を選択
- 「プログラムのアンインストールまたは変更」よりアンインストールをおこなう
Visual C++の使い方①アプリ開発の流れ
ここからは、Visual C++の使い方について説明します。
まず1つ目は「プロジェクト作成とプログラム作成」についてです。
プロジェクトを作成する
Visual Studioはプログラムに必要となるファイルを「プロジェクト」という名称の箱で管理しています。
まずは外枠であるプロジェクトを作成しましょう。
「ファイル」を開き、「新規作成」をクリックし「プロジェクト」を選んでください。
「Visual C++」をクリックし、開発したいアプリを選択します。
画面デザイン
アプリ画面のデザインをしましょう。
Visual C++はフォームデザイナーという画面デザインツールが使えます。
メニュー・ボタンなど画面に必要なパーツ(部品)を簡単に設置することが可能です。
プログラミングする
画面デザインが完成したら、メインのプログラミングスタートです。
プログラムを書く際にはコードエディターというエディターを使用します。
コンパイラでコンパイルする
ビルドします。この作業をしなければ、アプリを実行することができません。
ビルドした時に不具合があった場合はプログラムを修正しましょう。
アプリを実行する
アプリの動作を確認します。
デバッグ
アプリを実行し、動作チェックなどをおこなった際に「ここはちょっと」という部分があればデバッグ(バグの修正)をおこないましょう。
Visual C++はデバッグをおこなうのにありがたい機能がついています。
一行ずつ実行したり、プログラム内で使用している値をチェックすることが可能です。
以上、Visual C++によってアプリを開発する際の流れについてご紹介しました。
Visual C++の使い方②他Windows PCで作成したアプリを動かしたい時
開発したアプリを他パソコンで動かしたい時、何もせずにそのまま動かすことはできません。
もしそのまま起動してしまうと、エラーメッセージが表示されています。
まずは開発用PCの設定からおこないましょう。
①「Debug」を選択すると「Debug」「Release」「構成マネージャー」の3つの選択肢が出て来ます。
その中から「Release」を選びましょう。
②「x64」か「x86」を選びます。この選択で動作確認用PCの設定も変わってきます。
③アプリを実行します。
④実行可能ファイルを動かしたいPCにコピーしましょう。
ここまではどの動作用PCを動かすにも必要な作業です。
次に、動作用PCで表示されるエラーメッセージごとの対応についてご説明します。
エラーメッセージ①VCRUNTIME140.dllがない
①動作用PCにMicrosoft Visual C++の再頒布可能パッケージをインストールして実行します。Visual Studioのダウンロードサイトにアクセスしましょう。
②開発用PCで選んだ「x64」「x84」を選択します。
インストールする時の注意点は、開発用PCの設定内容に合った「x64」「x86」を選ぶことです。
この選択を間違えると起動しませんのでご注意ください。
③Visual Studioのダウンロードが完了したら、コピーしたファイルを開きましょう。
エラーメッセージ②ucrtbased.dllがない
開発用PCで設定を「Release」に変更してコンパイルしてください。
まとめ
Visual C++についてご紹介しましたが、いかがだったでしょうか。
Visual C++の概要や特徴。
ダウンロードの仕方・使い方など、さまざまな角度からVisual C++について解説しました。
Visual C++のことを知りたい人が、この記事を読んで少しでも「Visual C++のことがわかってきた」と思って頂けると嬉しいです。
Visual C++を使いこなすことができれば、高性能なプログラムも書くことができるようになります。
Visual C++を使って開発してみたいという気持ちがある人は、ぜひVisual C++をダウンロードして実際に触ってみてください。
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