働き方改革やインターネットをはじめとする技術の発展などによって、働き方の多様化が急速に進んでいます。

そうした状況において、さまざまな業種・職種においてフリーランスという働き方がより一般的なものとなりつつあるなかで、これからフリーランスになることを検討されている方も多いのではないでしょうか。

しかし、「フリーランスになるには何をすべきなのか」、「フリーランスにはどのようなスキルが求められるのか」、「どのように案件を探せばよいのか」など、気になる点はたくさんあることでしょう。

そこで今回は、フリーランスになるためにやるべきことやフリーランスに求められるスキル、案件の探し方などについて、これからフリーランスを目指す方にとってわかりやすいように解説します。

そもそもフリーランスとは

フリーランスとは、会社などの組織に所属せず、自分自身の技術や知見を提供し、その対価として報酬を得る人、およびそのような働き方のことを指します。

参考として、総務省の「フリーランスとして安心して働ける環境を整備するためのガイドライン」ではフリーランスは以下のように定義されています。

「実店舗がなく、雇人もいない自営業主や一人社長であって、自身の経験や知識、スキルを活用して収入を得る者」

フリーランスは自身のスキルを活かして個人で仕事を請け負うという働き方であることから、自身で仕事を獲得するための営業から納品までを行う必要があります。

また、仕事の成果が直接収入に結びつくことから、請けている案件の条件や時期などによって収入が変動しやすいという特徴や自分が得意とする仕事を選びやすい、会社員に比べて時間や場所に対して融通が利きやすく、より希望する働き方を実現しやすいなどの特徴もあります。

出典:「フリーランスとして安心して働ける環境を整備するためのガイドライン」(総務省)

フリーランスと個人事業主、自営業者の違い

フリーランスと似た言葉として、「個人事業主」と「自営業者」がありますが、フリーランス、個人事業主、自営業者にはどのような違いがあるのでしょうか。

その違いについて以下でお伝えします。

・フリーランス

前述のとおり、フリーランスとは、会社などの組織に所属せず、自分自身の技術や知見を提供し、その対価として報酬を得る人、およびそのような働き方のことです。

法的な区分はありません。

・個人事業主

個人事業主は「法人ではなく個人で事業を営む人」を指し、税法上の区分に基づいています。

開業届を税務署に提出する必要があります。

フリーランスは働き方を指すことから、個人事業主でありながら、フリーランスという働き方をしている人は、個人事業主かつフリーランスであるといえます。

・自営業者

自営業者は、「自ら事業を営んでいる人」を指します。

言い換えると、自営業者とは「独立して自ら事業を営んでいる事業者の総称」ともいえます。

そのため、フリーランスや個人事業主も自営業者に含まれると考えてもよいでしょう。

フリーランス、個人事業主、自営業者の違いについて、図で整理しましたので参照ください。

以下の記事でもフリーランス、個人事業主、自営業者の違いを説明していますので、参考にしてみてはいかがでしょうか。

フリーランスになるために求められる特性やスキルとは?

フリーランスになるために、求められる特性やスキルとしてはどのようなものがあるのでしょうか。

こちらでは、フリーランスにとって特に重要となる特性やスキルについて紹介します。

強い向上心と継続力

フリーランスとして特に重要な特性は、強い向上心と継続力と言えるでしょう。

フリーランスにはさまざまな業種がありますが、共通しているのは「自身の経験や知識、スキル」が収入の多寡を大きく左右するということです。

他者と比べてスキルや経験が勝っているからこそ、フリーランスとして好条件の案件を獲得することができ、それが高い収入につながるのです。

したがって、フリーランスとして長期的に活躍していくためには、常に強い向上心を持ち続け、継続してスキルを磨き続けていくことが極めて重要です。

高いコミュニケーション能力

これはフリーランスだけに限ることではありませんが、多くのフリーランスにとって、コミュニケーション能力は非常に重要なスキルの一つとなります。

フリーランスとして仕事に携わる上で、一緒に働く人とのコミュニケーションが重要あることは言うまでもありませんが、クライアントとの人間関係を築き深める上でもコミュニケーション能力が肝となります。

仕事を円滑に進め、高い成果を出すことに加え、クライアントと友好的な関係を構築することができれば、案件の継続化や条件の向上、あるいは一度契約が終わってしまったとしても、またクライアント側で案件が生じたときに優先的に声をかけてもらえる可能性も高くなります。

結果として、安定した収入とキャリアを実現できる可能性も高くなるでしょう。

フリーランスにとってのコミュニケーション能力は、高いアウトプットを出すための手段であることに加えて、より良い案件を獲得し収入を伸ばすための重要なポイントとなることを意識しておきましょう。

情報収集能力

フリーランスになるために求められるスキルとして、情報収集能力も挙げられます。

情報を収集することによって、世の中の動向や最新技術を押さえて自身のスキルアップを図ったり、クライアントのニーズを正確に把握し、それに応えるための解決策を提供したりすることが求められるでしょう。

情報収集方法としては、オフラインとオンラインの両方を利用することができます。

例として、オフラインはフリーランス同士の交流会、オフラインはFacebookなどのSNSを挙げることができます。

また、以下ではフリーランスやIT、テクノロジーなどに関する情報の収集に役立つWebサイトの例を紹介します。

参考にしてみてください。


・Workship MAGAZINE

Workship MAGAZINE」は、日本最大級のフリーランス向けメディアです。

エンジニアをはじめ、デザイナーやマーケターなどの職種のフリーランスに最新の技術情報やスキルアップに関連した情報などを提供しています。

「エンジニア」や「デザイナー」、「マーケター」などのカテゴリ検索や「働き方」や「ツール」、「UXデザイン」などのキーワード検索を利用することができます。


・GIZMODO

GIZMODO」は、デジタルデバイスやガジェットなどの最新情報をはじめ、テクノロジー、ビジネスニュースなどを扱うメディアサイトです。

「テクノロジー」や「プロダクト」などのテーマで検索できるほか、タグ一覧から好きなタグを選んで検索することもできます。

テクノロジーの最新情報などを知りたい方は利用してみてはいかがでしょうか。


・ITmedia

ITmedia」は、テクノロジー関連のニュースおよび速報を中心に、レビューや特集記事も掲載しており、幅広くITトレンドを収集することができます。

また経営やマーケティングなど、テーマに特化したニュースも掲載しているので、自身の職種にあった情報を収集することができます。

自己管理能力

フリーランスは、健康や仕事のスケジュールを含め、基本的にあらゆることを自分で管理することが求められます。

収入を優先するあまり、自分の手に負えない量の仕事を入れてしまい、その結果として体調を崩してしまっては元も子もありません。

フリーランスは、自分の体が資本となることからセルフマネジメントのスキルが求められます。

セルフマネジメントを適切に行って健康を維持することは、長期的なキャリアの構築や収入、労働生産性を高めるためにも重要です。

特に在宅のフリーランスの場合は、家から出ないことによる運動不足や不規則な食生活によって、体調を崩しやすい傾向にあります。

自身の働き方を定期的に見直し、必要に応じて改善することで、フリーランスとしての成功と健康な生活を両立させることが可能になるでしょう。

適応能力

適応能力もフリーランスになるにあたり求められるスキルとして挙げることができます。

クライアントの要望、業界の変化に素早く対応し、適応する能力が求められるでしょう。

トレンドや市場の動向などを敏感に捉え、それらに基づいてスキルをアップデートすることができれば、フリーランスとして長期的に活躍することができる可能性が上がります。

フリーランスになる前にやるべきこと

フリーランスになるための方法としてどのようなことを行うべきなのでしょうか。

フリーランスになる前となった後でそれぞれやるべきことをお伝えします。

まずは、フリーランスになる前にやるべきことをお伝えします。

人脈の構築

フリーランスとして安定して仕事を獲得することは、フリーランスとして活動していくうえで非常に重要になります。

そのための方法のひとつが、人脈の構築になります。

フリーランスエージェントやクラウドソーシングなどのサービスを利用することで、仕事を得やすい状況になってきていますが、依然として以前の職場の同僚や知人からの紹介など、人づてで仕事を紹介してもらうケースも見られます。

そのため、フリーランスになる前に交流会やイベントに積極的に参加し、人脈を広げてみてはいかがでしょうか。

人脈を通じて安定的に仕事を獲得することができるようになれば、フリーランスとしてのキャリアを成功させるための近道となるでしょう。

ブログやホームページ、SNSなどを開設しておく

上の内容とも関連しますが、フリーランスとして生計を立てていく上で案件を獲得するための営業活動は欠かせません。

したがって、オンラインでの営業活動の一環として、自分の実績やポートフォリオを自身のブログやホームページで公開したり、SNSで自身のノウハウを発信したり潜在顧客との関係性を作るといったことも重要と言えます。

そのためにも、フリーランスになる前に自分の経験やスキル、人脈などを棚卸しておくことが必要です。

それらを整理した上で、コンテンツとして活かしていきましょう。

武器となるスキルを身につけておく

フリーランスとして安定的に仕事を確保するためには、前述のように人脈の構築や、オンラインでの営業活動を持つことも重要ですが、フリーランスとして武器になる専門性の高いスキルを身につけておくことも求められるでしょう。

他のフリーランスよりも突出したスキルがあれば、それが競争力につながり、希望の案件を獲得しやすくなる可能性が高まります。

現在会社員として働いていて、今後フリーランスを目指している方は、会社の研修や資格取得支援制度などを積極的に活用し、将来のフリーランスとしてのキャリアに役立つスキルを磨いてみてはいかがでしょうか。

フリーランスになる方法については、以下のサイトもぜひ参考にしてみてください。

テストエンジニアに向けたフリーランスの目指し方が紹介されています。

参考記事:テストエンジニアのフリーランスになるには?必要なスキルや単価相場などを解説DAINOTE株式会社インディバース

クレジットカードの作成やローン組みを行っておく

フリーランスは会社員と比べて、働く時間や場所の融通が利きやすいなどのメリットがある一方で、会社員からフリーランスになると収入が安定しないことにより、信用の低下が起こりやすくなります。

結果として、クレジットカードの作成やローンを組むことができなくなるなどの影響を受ける可能性があります。

したがって、フリーランスになる前に可能な限り、クレジットカードの作成やローンを組んでおくようにしましょう。

ここまでお読みになった方のなかには、「フリーランスはクレジットカードを一切作ることができないのか?」と心配になった方もいるかもしれませんが、フリーランスになった後にもクレジットカードを作成することはできます。

詳細については以下の記事を参考にしてください。

フリーランスはクレジットカードを作れる?クレジットカードの審査に通過するためのポイントやフリーランスにおすすめの法人カードなどを紹介

貯金をしておく

フリーランスは自身の生み出す売上や利益が直接収入に影響するため、業績が好調な時には高い収入を得られるチャンスがあります。

しかし、フリーランスとして働き始めた当初や予期せぬ事態が発生した際など、案件がない、なくなってしまった場合は収入が途絶えてしまうリスクがあります。

そのようなときに、もし一定の貯金があればより多くの選択肢を取ることができるようになるほか、精神的な負担を減らすこともできるでしょう。

案件が決まったとしても、支払いが1~2ヵ月後になる可能性もあるため、最低でも1~2ヵ月分の生活費を貯金しておくようにしましょう。

また、3~4ヵ月分の貯金があれば、突発的なリスクにも対応しやすくなり、より安心といえるでしょう。

開業に関係する費用の領収証やレシートを集めておく

フリーランスとして開業しようと思い立った時から、領収書やレシートを集めておくようにしましょう。

税務署に開業届を提出、または会社の登記をする前日までにかかった開業費用は、「開業準備費」として確定申告をするときに反映することができるためです。

具体例としては、名刺の作成費用や開業支援セミナー参加費などを開業準備費に含めることが可能です。

フリーランスになった後にやるべきこと

続いて、こちらではフリーランスになった後にやるべきことを紹介します。

開業届と青色申告承認申請書の提出

フリーランスになった際には、「開業届」と「青色申告承認申請書」の提出を検討する必要があります。

フリーランス・個人事業主として仕事を始めるにあたり、事業を開業したことを税務署に届け出る書類が開業届になります。

必須ではありませんが、開業届を提出することによりさまざまなメリットがあります。

原則として開業届は開業後1カ月以内に提出しましょう。

仮に期限を過ぎてしまった後でも受け付けてもらうことが可能です。

一方、青色申告承認申請書は、確定申告を青色申告でしたい場合に、所轄の税務署にその申し出をするために提出する申請書になります。

開業届と青色申告承認申請書についての詳細は以下の記事を参考にしてください。

フリーランス・個人事業主の開業届の書き方を徹底解説!フリーランスエンジニアが開業届を提出するメリット・デメリットは?開業届の必要書類と提出先も紹介

国民年金への切り替え

会社員は厚生年金に加入することができますが、フリーランスの場合は厚生年金に加入し続けられないので、国民年金への加入が必要になります。

日本年金機構の「会社を退職した時の国民年金の手続き」を参考にしてみると、

国民年金の加入手続きは、住んでいる地域の市区役所または町村役場で行います。

また、国民年金に加入するためには、以下の書類が必要になります。

  • 基礎年金番号通知書または年金手帳等の基礎年金番号を明らかにすることができる書類
  • 離職票
  • 本人確認書類

以下の記事では、フリーランスが加入できる年金について詳細に説明しています。

気になる方は参考にしてみてください。

フリーランス・個人事業主の年金の種類を徹底解説!国民年金以外に利用できる年金の保険料や受取額は?個人年金を控除対象にする方法も解説

健康保険の切り替えの検討

会社員からフリーランスになる際には健康保険の切り替えを検討する必要があります。

フリーランスは国民健康保険や会社の健康保険の任意継続など、以下のような選択肢があります。

  • 国民健康保険
  • 会社員時代の健康保険の任意継続
  • 家族の健康保険に扶養として入る
  • 国民健康保険組合

フリーランスにとっては、国民健康保険への切り替えが一般的ですが、退職日の翌日から14日以内に手続きを行わなければなりません。

また、以下の書類が必要になります。

  • 職場の健康保険資格喪失証明書、退職証明書、離職票、雇用保険受給資格者証のうち有効なものでいずれか1点
  • 世帯主の印鑑
  • 本人確認書類

フリーランスの健康保険については、以下の記事で詳しくご紹介しています。

ぜひ以下の記事も合わせてご参考ください。

フリーランスが加入できる健康保険とは?健康保険の種類と保険料の節約方法について詳しく紹介

フリーランスになった後に注意すべきこと

実際にフリーランスになった後には、どのようなことに注意すべきなのでしょうか。

こちらでは、フリーランスとして活動する際に注意すべきポイントを紹介します。

これらのポイントを押さえることによって、フリーランスとして活動を始めた後の失敗を未然に防ぐことができる可能性が高まるでしょう。

案件の契約条件を十分確認しなかった

フリーランスとして仕事を始める際には、案件の契約内容を十分に確認するようにしましょう。

契約内容が不明瞭なまま業務を進めると、結果として報酬が支払われないなどのトラブルにつながることがあります。

契約内容は紙やデータで記録し、細部に至るまで確認しましょう。

また、業務の範囲や単価が適切かどうかも確認することが重要です。

契約内容の確認不足は金銭的な問題だけでなく、信用問題にも影響する可能性があるため、最善の注意を払うようにしましょう。

能力に見合わない契約をしてしまった

フリーランスの方から、「見栄を張って」「できると思って」など自分の能力やスキル以上の契約を結んでしまった、という声を聞いたこともあります。

見栄や過信により自分のスキルを超える契約を結ぶと、十分なパフォーマンスを発揮できずクライアントに迷惑をかけるリスクがあります。

場合によっては信用の失墜にもつながり、フリーランスとしての将来に悪影響を及ぼす可能性があるため、注意するようにしましょう。

フリーランスとしての信用を保つためにも、誠実かつ真剣に対応することが求められます。

自分の現在の能力に合った仕事を選ぶように努め、場合によっては勇気をもって断ることも必要でしょう。

案件を抱え過ぎてしまい管理できなくなった

フリーランスとして活動するなかで、複数の案件やタスクを同時に抱えることは珍しくありません。

しかし、案件が途切れることへの不安から、自分では処理しきれない量の案件を受けてしまうこともあるでしょう。

過剰な仕事量によって、自身のパフォーマンスを最大限発揮できなかったり、体調を崩してしまったりしてはフリーランス活動に支障をきたしてしまいます。

自身とクライアントのためにも、自分の能力を理解し、適切な範囲で案件を受けるようにしましょう。

スキルアップを怠った

会社員は会社が用意してくれる研修やセミナーなどスキルアップできる機会が恵まれていますが、フリーランスは自らスキルアップの機会を探すことが求められるでしょう。

スキルアップを怠ってしまうと、他のフリーランスよりも市場価値が低下してしまい、案件を失うことにつながるため、フリーランスは最新のトレンドを押さえ、スキルアップすることが重要です。

また、スキルアップすることで高単価案件や多様な案件に対応できるようになります。

フリーランスのスキルアップについては以下の記事で詳細に解説しています。

参考にしてみてはいかがでしょうか。

フリーランスのスキルアップ方法を徹底解説!フリーランスとフリーランスエンジニアに必要なスキルや、スキルアップすることで得られるメリットもご紹介

フリーランスのメリット

フリーランスになるにあたりフリーランスのメリット・デメリットを押さえておきましょう。

まずはフリーランスのメリットをお伝えします。

収入が増える可能性がある

お伝えしたとおり、フリーランスは仕事の成果が直接収入に結びつきやすいため、案件を数多く対応し、成果を出すことができれば、会社員のときよりも収入が増える可能性があります。

業界や職種によって相場は異なりますが、専門性の高いスキルを持っていれば高単価案件を獲得しやすくなり、高収入を望むことができるでしょう。

また、フリーランスは自身で案件を探し、クライアントと単価交渉をしなければならない場合があります。

その際に高い交渉力や営業スキルがあれば、単価交渉をスムーズに進めることができるため、高単価案件を獲得することができる可能性があります。

自分の希望に合った働き方ができる

フリーランスは会社員よりも、比較的自由に働く時間や場所を選ぶことができます。

例えばクライアント先に出社する案件ではなく、リモート勤務可能な案件を選択すれば、自宅や好きな場所で勤務することが可能になります。

また、納期を守ることは最低限必要になりますが、仕事の進め方も自分で決めやすいため、用事に合わせて柔軟に働くことができるでしょう。

しかし、受注する案件によっては条件が異なるため、条件をよく確認するようにしましょう。

スキルアップできる

フリーランスは、案件を選択できる自由度が高いため、自身のスキル向上に直結する仕事を選びやすくなるでしょう。

会社員の場合、仕事は上司の意向に左右されがちですが、フリーランスは自身で仕事を選択できるため、新しい分野や未経験の案件にも挑戦しやすいです。

また、積極的にスキルを磨くことで、企業からの魅力的な案件の獲得につながり、結果としてより高い報酬を得ることにつながります。

フリーランスのデメリット

続いて、フリーランスのデメリットをお伝えします。

社会的信用が低くみられてしまう

フリーランスとして働く際のデメリットの1つは、社会的信用が低くみられることです。

会社員と比較して、フリーランスの収入は一般的に不安定とみなされがちで、これが社会的信用の低さにつながります。

結果として、クレジットカードの申し込みやローンを組むことが難しくなることがあります。

フリーランスは、社会的信用が低くみられてしまうことを理解し、適切に対応する必要があります。

具体的には、定期的に収入と支出を記録し、財務状況を透明に保つことで、金融機関からの信用を得やすくしたり、クライアントと良好な関係を築き、安定的に案件を受注したりするなどの対応が挙げられます。

営業や事務作業など本業以外の仕事に時間を取られる

フリーランスは本業とは関係ない営業や事務作業にも対応する必要があります。

会社員の場合、営業や事務作業は会社の担当部署が行いますが、フリーランスはこれら全てを個人で対応することが求められます。

営業や事務作業は相当の時間がかかり、本業とは関係ないところで時間を取られてしまうでしょう。

自身の技術力や専門知識などをスキルアップすることはもちろん重要ですが、それと同時に、営業や事務に関連したスキルを身につけることも求められるでしょう。

会社員とは健康保険や年金が異なる

会社員とフリーランスは、加入する健康保険や年金が異なります。

会社員は、全国健康保険協会(協会けんぽ)などの健康保険に加入し、フリーランスは原則として国民健康保険に加入することになります。

国民健康保険は「傷病手当金」や「出産手当金」の支給を受けることができず、デメリットといえるでしょう。

続いて、年金の違いについてお伝えします。

会社員は厚生年金に加入することになり、給与から天引きされますが、フリーランスは国民年金に加入し、自身で支払う必要があります。

国民年金にしか加入していない場合は、厚生年金と比べると将来受け取ることができる金額が少なくなってしまいます。

しかし、「国民年金基金」「付加年金」「iDeCo」などの制度を利用することによって、将来受け取れる金額を上乗せすることができます。

フリーランスの案件の種類と特徴

フリーランスの案件は、どのような種類があるのでしょうか。

こちらでは案件の種類をお伝えし、それらの特徴について紹介します。

単発案件

単発案件は、プロジェクト期間が決まっており、業務が完了すると終了する案件になります。

単発案件を複数受注することによって、短期間でのスキルアップや経験を積むことができるでしょう。

また、単発案件は単価が低い傾向にあるため、複数の単発案件を同時に扱うことで高収入を実現できる可能性があります。

継続案件

継続案件とは、1つの案件が完了しても継続して業務を依頼される案件になります。

継続案件は、単発案件に比べて単価が高い傾向にありますが、クライアントに認められないと、継続的に仕事を依頼されない可能性があります。

継続案件は長期間対応することになるため、自分次第でクライアントと深い関係性を築いたり、スキルの専門性を磨いたりすることができるでしょう。

ここまで単発案件と継続案件を紹介しましたが、単発案件と継続案件をバランスよく組み合わせることで、自身の目的に沿った働き方ができるでしょう。

フリーランスの案件の探し方

フリーランスにとって、案件を安定的に獲得することができるかどうかは重要になります。

フリーランスはどのようにして案件を探しているのでしょうか。

こちらでは案件獲得の方法をご紹介します。

既存の人脈を利用する

フリーランスの案件の探し方として、既存のクライアントや会社員として働いていたときの人脈を利用することが効果的です。

既存の人脈をつかうことで、新規に営業活動をするよりもコストや時間を節約でき、スムーズに案件を獲得することが可能です。

仕事の成果が認められれば、別のクライアントからの新規案件の紹介などにつながることが期待できるでしょう。

将来フリーランスになることを目指している会社員は、フリーランスとしての基盤を築くのに役立つため、日々誠実な仕事をするように心がけましょう。

ブログやSNSなどのオンラインメディアを利用する

フリーランスの案件の探し方として、ブログやホームページ、SNSなどのオンラインメディアで価値あるコンテンツを発信し、知名度を高める方法も効果的です。

現在、ビジネス向けSNSが盛んになっているため、LinkedInやFacebookなどを活用することで、新規顧客を開拓することもできるでしょう。

これらのツールを利用することで、自身の専門性をアピールし、潜在的なクライアントとのつながりを築き、ビジネスチャンスを拡大することができる可能性があります。

フリーランスとして成功するためにもオンラインメディアの利用を検討してみてはいかがでしょうか。

人脈づくりの場に参加する

セミナーや勉強会などの人脈作りの場に参加することで、新しいビジネスチャンスにつながる出会いが生じる可能性があります。

普段接点のない人々と出会い、スキルや経験などを共有することで、将来的にビジネス上の協力関係を築くこともできるでしょう。

また、さまざまな背景を持つ人々との交流は、新たな視点を提供し、フリーランスとしての活動をより豊かなものにすることでしょう。

フリーランスエージェントを利用する

フリーランスエージェントは個々のスキルやニーズに合わせた案件を提供してくれます。

また、案件の紹介に加えて、契約交渉、案件稼働後のサポートまで一気通貫で支援してくれます。

toiroフリーランスは、SHIFTグループがプライムとして参画している独自案件をフリーランスエンジニア向けに紹介する唯一のプラットフォームサービスです。

エージェントによるサポートもありますので、ご利用を検討してみてはいかがでしょうか。

クラウドソーシングの利用

クラウドソーシングは、インターネットを通じて案件を発注・受注できるサービスです。

案件の発注者と受注者をつなぎ、オンラインで契約から納品までを行うことが可能です。

クラウドソーシングには多様な案件があるため、自身の目的やスキルに合った案件をみつけることができるでしょう。

案件終了後にお互いを評価する仕組みのあるクラウドソーシングサイトもあるため、高評価を得ることができれば、次の案件獲得につながるでしょう。

フリーランスの案件探しに必要な準備

フリーランスがどのように案件を探すのかをお伝えしましたが、案件探しをする際には事前に準備をすることによって、より効果的に案件を探すことができるでしょう。

こちらでは、フリーランスが案件を探す際に準備すべきことをお伝えします。

自分のスキルの整理

フリーランスになる際、自身のスキルや経験を見つめなおし整理することが大切です。

これにより、自身の強みや経験を理解することができ、クライアントへの効果的なアピールが可能になるでしょう。

また、自分に適した案件や獲得しやすい案件を見極めるのにも役立つ可能性があります。

フリーランスになり成功するためには、自身のスキルや経験を正確に把握し、それをクライアントに適切に伝えることが鍵となるでしょう。

目標とする月収や年収を決める

フリーランスとして成功するためには、目標とする月収や年収の設定が重要になるでしょう。

まず、現在のスキルレベルで対応できる案件の単価を把握し、それに基づいて目標月収や年収を得るために必要な案件量を見積もることが肝心です。

これにより、目標達成したい月収や年収に向けて、習得すべき新しいスキルなどが明確になります。

明確な月収や年収目標を持つことで、フリーランスとしてのキャリアパスがはっきりし、効率的に計画を立てることができるでしょう。

市場動向の把握

フリーランスになり、継続的に案件を確保するには、市場のトレンドを把握することも大切です。

需要の高い案件と需要が低い案件の両方を理解することは、どのようなスキルや経験が市場で求められているのかを把握するヒントになります。

市場のトレンドを先読みし、それに基づいて行動することは新規案件の獲得につながります。

フリーランスにとって、市場動向に敏感であることは安定したキャリアを築くための鍵となるでしょう。

ここまで案件探しに必要な準備をお伝えしました。

以下の記事ではより詳細に紹介していますので参考にしてみてください。

フリーランスの案件の探し方を解説!フリーランスの案件探しに必要な準備や継続的に案件を獲得するコツも紹介

まとめ

本記事では、フリーランスになるためにやるべきことやフリーランスに求められるスキル、案件の探し方などを解説しました。

お伝えしたとおり、フリーランスになる前となった後ではやるべきことが変わります。

本記事を参考に適切なタイミングでフリーランスになるにあたり、必要な準備をしてみてはいかがでしょうか。

フリーランスに求められるスキルとしては、強い向上心や継続力、コミュニケーション能力などが挙げられます。

また、フリーランスにとって案件の探し方はとても重要であり、具体的な方法として既存の人脈を利用する方法やフリーランスエージェントを利用する方法もお伝えしました。

本記事がフリーランスになる際の参考になれば幸いです。