こんにちは!

toiroフリーランス編集部です。

「SAPについて詳しく知りたいが、情報が多すぎてどこから手をつければいいかわからない」

「今後のキャリアのために、SAPのどの分野を学ぶべきか見極めたい」

ITエンジニアとして活躍するあなたなら、一度は「SAP」という巨大な存在を意識したことがあるのではないでしょうか?

SAPスキルは、あなたの市場価値を飛躍的に高める可能性を秘めた、強力な武器です。

このコラムでは、SAPの基礎知識から、S/4HANAをはじめとする最新トレンド、主要モジュールの全貌、具体的な学習方法、そしてキャリア戦略まで、ITエンジニアが本当に知りたい情報を網羅的に解説します!

【SAPの基礎知識】いまさら聞けない「SAPとは何か」をわかりやすく解説

まずは基本から押さえましょう。

SAPは単なるソフトウェアではなく、企業の経営を根幹から支える思想そのものともいえます。

SAPとは?世界トップシェアのERPパッケージを理解する

SAP(エスエーピー)とは、ドイツに本社を置くSAP社が開発したERP(Enterprise Resource Planning)パッケージソフトウェアの総称です。

ERPを直訳すると「企業資源計画」となり、企業のもつ「ヒト・モノ・カネ・情報」といった経営資源を一元管理し、最適化するための仕組みを指します。

このERP市場において、SAPは長年にわたり世界トップシェアを維持していますが、もちろん唯一の選択肢ではありません。

市場にはOracle社の「NetSuite」や「Fusion Cloud ERP」、あるいはMicrosoft社の「Dynamics 365」といった競合製品も存在し、それぞれが異なる強みをもっています。

では、なぜ世界中の名だたる大企業の多くが、SAPを選択するのでしょうか?

その理由と、同時に直面する課題を理解することは、SAPという巨大な存在を正しく把握するうえで不可欠です。

【メリット】SAPが選ばれる理由

✔ 世界標準プロセスの導入

グローバルで実績のある業務プロセス(ベストプラクティス)が標準機能として組み込まれており、業務の高度化・標準化を実現できます。

✔ データ統合によるリアルタイム経営

全部門のデータが一元管理されるため、経営状況をリアルタイムに把握し、迅速な意思決定を支援します。

✔ 高い信頼性とグローバル対応力

大規模トランザクションを安定処理できる信頼性に加え、多言語・多通貨・各国の法制度に標準で対応可能です。

【デメリット】SAP導入の課題

高額なコスト

ライセンス費用だけでなく、導入コンサルティングや保守・運用にも多額の費用と期間を要します。

システムの複雑性

非常に多機能である反面、システムは複雑です。導入・運用には高度な専門知識をもつ人材が不可欠となります。

業務改革の困難さ

システムに業務を合わせる「Fit-to-Standard」が基本のため、既存の業務プロセスを大きく変更する必要があります。

このように、SAPの導入は単なるシステム刷新に留まらず、企業のビジネスプロセスそのものを変革する、大きな経営判断です。

ITエンジニアとしてSAPに関わるうえでは、こうした光と影の両側面を理解しておくことが、プロジェクトの課題を乗り越え、真の価値を創出するための第一歩となるでしょう。

SAPの根幹を支える技術要素:アーキテクチャから理解する

SAPがなぜこれほど堅牢で、世界中の大企業の複雑な業務を支えられるのか。

その秘密は、長年かけて磨きあげられてきた独自の技術アーキテクチャにあります。

ここでは、単なる用語の紹介に留まらず、SAPシステムがどのように構成され、動いているのかを解説します。

3層クライアントサーバアーキテクチャ

現在のSAP S/4HANAシステムも、基本的には以下の3つの層で構成される「3層クライアントサーバアーキテクチャ」を採用しています。

これは、システムの役割を明確に分離することで、拡張性やメンテナンス性を高めるための重要な設計です。

1. プレゼンテーション層(入力・表示層)

ユーザーがシステムを操作するためのインターフェース層です。伝統的な「SAP GUI」や、S/4HANA時代の新しいUI/UXである「SAP Fiori」がこの層にあたります。ユーザーからの入力を受けとり、アプリケーション層に送る役割を担います。

2. アプリケーション層(ビジネスロジック層)

SAPシステムの「頭脳」にあたるもっとも重要な層です。ユーザーから送られてきた要求に基づき、ABAPで書かれたビジネスロジック(業務処理プログラム)を実行します。

この層は、負荷分散のために複数のアプリケーションサーバで構成されることが多く、内部ではユーザー操作を処理する「ダイアログワークプロセス」や、夜間バッチ処理などを行う「バックグラウンドワークプロセス」が稼働しています。

3. データベース層(データ管理層)

業務データやプログラムなど、全ての情報が格納される層です。プリケーション層からの要求に応じて、データの読み出しや書き込みを行います。

S/4HANAでは、この層に超高速インメモリデータベース「SAP HANA」が採用されたことで、システム全体のパフォーマンスが劇的に向上しました。

ABAPディクショナリ(DDIC):データ定義の中心

SAPにおいて、すべてのデータ定義は「ABAPディクショナリ(DDIC)」というリポジトリで一元管理されます。

これは非常に重要な概念です。

個別のプログラム内でデータ型を定義するのではなく、DDICに「データエレメント」(項目定義)「ドメイン」(技術属性定義)を登録し、それを各プログラムが共有して利用します。

これにより、データ定義の統一性が保たれ、変更時の影響範囲の特定も容易になるのです。

もちろん、データベースの「テーブル」そのものも、このDDICで定義・管理されます。

移送管理システム(TMS):変更内容の品質を保証

SAPでは、システムの変更管理が厳格な仕組みで行われます。

一般的にシステムランドスケープは「開発機 → 検証機 → 本番機」と分離されており、開発機で行ったカスタマイズやABAPプログラムの変更は、「移送リクエスト」というコンテナに格納されます。

そして、この移送リクエストを検証機、本番機へと順番に「移送」することで、変更内容の品質を保証し、システムの整合性を維持します。

この一連の流れを管理するのが移送管理システム(TMS)です。

その他の重要な技術要素

・トランザクションコード

前述の通り、アプリケーション層の特定のABAPプログラムを呼び出すためのショートカットです。ユーザーはこれをプレゼンテーション層で入力します。4〜5桁の英数字コードで、例えば「VA01」は受注伝票登録、「ME21N」は購買発注登録を意味します。

・権限管理

ユーザーが実行できるトランザクションや参照できるデータを、役割(ロール)や権限オブジェクトによって厳密に制御する仕組みが備わっています。

・拡張フレームワーク

SAPの標準プログラムに直接手を加えることなく、企業独自のロジックを追加するための仕組み(BAdI、拡張スポットなど)が用意されています。これにより、将来のバージョンアップへの影響を最小限に抑えることができます。

開発者を目指すなら、まずABAPディクショナリの概念と、データエレメント・ドメイン・テーブルの関係性を深く理解することが第一歩です。

一方、インフラや運用管理(Basis)に興味があるなら、3層アーキテクチャとワークプロセスの役割、そして移送の仕組みを重点的に学ぶことをおすすめします。こ

の土台の知識が、あなたの専門性をより強固なものにします。

【機能別】SAPの主要モジュールを徹底解説!あなたの専門性はどこにある?

ERPの中にたくさんのモジュールがあるイメージ

SAPは「モジュール」と呼ばれる機能単位の集合体です。

これらは互いに連携し、企業活動全体の情報をリアルタイムに統合します。

ここでは、特に重要なモジュールを紹介していきます。

SAP FI(財務会計):企業の外部会計を司る

企業の「カネ」の流れを管理する中心的なモジュールです。

貸借対照表や損益計算書といった、株主や銀行などの社外ステークホルダーに報告するための財務諸表を作成する役割を担います。

あらゆる企業活動の結果は最終的にこのFIモジュールに集約されるため、SAPの根幹ともいえる存在です。

SAP CO(管理会計):経営の意思決定を支援する

FIが社外向けの「結果」を管理するのに対し、COは社内向けの「管理」を目的とします。

製品別の原価計算や部門別の採算性分析などを行い、経営陣が的確な意思決定を下すための情報を提供します。

予算策定や業績評価にも使われる、経営の羅針盤となるモジュールです。

SAP SD(販売管理):受注から請求までを管理

顧客からの見積依頼や受注、製品の出荷、そして代金の請求といった、販売に関わる一連のプロセスを管理します。

企業の売上に直結する非常に重要なモジュールであり、多くの企業で複雑なカスタマイズが要求されるため、コンサルタントやエンジニアの活躍の場が広い領域です。

SAP MM(在庫購買管理):資材の調達と在庫を最適化

製品をつくるための原材料や、社内で使用する備品などの購買活動と、それらの在庫を管理します。

適切な価格で、適切なタイミングで、適切な量の資材を調達することは、企業のコスト競争力に大きく影響します。

需要予測に基づいて発注を自動化するなど、業務効率化への貢献度が高いモジュールです。

SAP PP(生産計画/管理):モノづくりの心臓部

特に製造業において中心的な役割を果たすモジュールです。

「どの製品を、いつまでに、いくつつくるか」という生産計画を立案し、その計画に基づいて製造現場での作業を管理・統制します。

需要と供給のバランスをとり、生産能力を最大限に活用するための機能が詰まっています。

SAP EWM(拡張倉庫管理):高度な倉庫業務を実現

従来の倉庫管理機能をさらに発展させた、高度な倉庫業務に対応するモジュールです。

複雑な倉庫レイアウトの管理や、ピッキング・梱包作業の最適化、複数拠点にまたがる在庫の可視化などを実現します。

EC市場の拡大に伴い、物流の高度化が求められるなかで重要性が増しています。

SAP HR/HCM(人事管理):企業の最も重要な資源「ヒト」を管理

従業員の採用から退職までの人事情報、勤怠管理、給与計算などを一元管理します。

近年はクラウドベースの「SAP SuccessFactors」への移行が進んでおり、タレントマネジメントや人材育成といった戦略的な人事施策を支援する機能が強化されています。

SAP PS(プロジェクト管理):大規模プロジェクトを成功に導く

プラント建設や大規模な研究開発、システム導入など、期間が長く複雑なプロジェクトの進捗、コスト、資源を管理するためのモジュールです。

WBS(Work Breakdown Structure)と呼ばれる手法でプロジェクトを階層的に管理し、全体の状況を可視化します。

SAP PM(プラント保全):工場の安定稼働を支える

工場の生産設備や機械が、故障なく安定して稼働しつづけるための保全活動を管理します。

定期的なメンテナンス計画の立案、故障発生時の修理指示、予備部品の管理などを行い、生産停止による損失を最小限に抑える縁の下の力もちです。

SAP QM(品質管理):製品のクオリティを保証する

原材料の受け入れから生産工程、製品の出荷に至るまで、製品の品質を維持・管理するためのモジュールです。

品質検査の計画・実施、不良品の追跡、品質証明書の発行など、企業のブランド価値を守るうえで欠かせない役割を担います。

SAP Basis:システムの土台を支える技術基盤

特定の業務ではなく、SAPシステム全体のインストール、設定、監視、パフォーマンスチューニング、ユーザー管理などを担う技術領域です。

アプリケーションの安定稼働を支えるインフラの専門家であり、システムトラブルが発生した際には最前線で対応します。

SAP BW/BI(ビジネスインテリジェンス):データを価値ある情報に変える

SAPシステム内外に蓄積された膨大なデータを抽出し、分析・レポーティングするためのモジュールです。

経営層やデータサイエンティストが、データに基づいた意思決定を行えるように支援します。

近年はクラウドベースの「SAP Analytics Cloud(SAC)」がその後継として注目されています。

【歴史と進化】SAP ERP(ECC6.0)からS/4HANAへ

SAPの歴史を知ることは、現在のトレンドを理解するうえで欠かせません。

特に「2027年問題」は、全てのITエンジニアが知っておくべきキーワードです。

SAP ERP Central Component (ECC6.0) とは

長年にわたりSAPの中心であった製品が、SAP ERP Central Component(通称ECC6.0)です。

現在も多くの企業で稼働していますが、従来のディスクベースのデータベースを前提とした設計になっています。

「2027年問題」の真相と企業が迫られる選択

ECC6.0の標準保守サポートが、2027年末に終了する問題、それが「2027年問題」です。(※有償の延長保守で2030年末まで利用可能ですが、あくまで延命措置です)。

この期限に向けて、企業は後継製品である「S/4HANA」への移行を迫られています。

これは単なるバージョンアップではなく、ビジネスプロセス全体を見直す大規模な変革プロジェクトなのです。

「2027年問題」は、見方を変えればSAPエンジニアにとって巨大なビジネスチャンスです。

S/4HANA移行プロジェクトの需要は、今後数年間、非常に高い水準で推移するでしょう。

インメモリデータベース「SAP HANA」がもたらした革命

S/4HANAの根幹を支えるのが、インメモリデータベース「SAP HANA」です。

従来のデータベースがハードディスクにデータを保存していたのに対し、HANAは全てのデータをメモリ上に展開します。

その結果、桁違いの高速なデータ処理が可能となり、経営状況のリアルタイム分析といった、これまで不可能だったことが実現できるようになりました。

【UX革命】SAP Fioriがビジネスにもたらす価値とは

S/4HANAや最新のクラウド製品を扱ううえで、絶対に避けては通れないのが「SAP Fiori(フィオーリ)」です。

これは単なる新しい画面デザインではありません。

ユーザーの働き方を根本から変える、SAPの新しい“顔”であり、UX(ユーザーエクスペリエンス)の設計思想そのものです。

かつてのSAPの画面といえば、多くの項目が並ぶ複雑な「SAP GUI(通称:青い画面)」が一般的でした。

しかしFioriは、「役割ベース(Role-Based)」「応答性(Responsive)」「シンプル(Simple)」といった原則に基づいています。

・役割ベース

経理担当者、営業担当者など、ユーザーの役割に応じて本当に必要な機能や情報だけがタイル状に表示されます。

・応答性

PC、タブレット、スマートフォンなど、利用するデバイスの画面サイズに最適化して表示されるため、いつでもどこでも業務を行えます。

・シンプル

一つの画面で一つのタスクを完結できるよう、直感的でわかりやすい操作性を追求しています。

このUX革命は、ユーザーの生産性を劇的に向上させるだけでなく、トレーニングコストの削減や、システム利用に対する満足度の向上に直結します。

ITエンジニアにとって、Fioriの理解は必須です。

コンサルタントは、このFioriを前提として業務プロセスを設計する能力が求められます。

開発者にとっては、Fioriアプリの開発技術(SAPUI5)や、標準アプリを拡張するスキルが新たな価値の源泉となります。

もはやFioriは、SAPのトレンドを語るうえで中心的な存在なのです。

SAPの公式サイトSAP Fiori Apps Reference Libraryでは、標準でどのようなFioriアプリが用意されているかを確認できますので、ぜひ見てみましょう。

【開発の要】プログラミング言語ABAPとは?

SAPの心臓部でビジネスロジックを動かしているのが、独自に開発されたプログラミング言語「ABAP(アバップ)」です。

正式名称はAdvanced Business Application Programmingで、その名の通り、企業の業務アプリケーションを開発するために最適化されています。

ABAPの主な特徴

ABAPは、一般的なWeb開発言語とは異なる、いくつかの際立った特徴をもっています。

✔ ビジネスデータ処理に特化

大量のデータを効率的に処理し、複雑な業務要件を実現するための命令体系が充実しています。特に、データベースからデータを効率的に取得するための「Open SQL」が言語仕様に組み込まれている点は大きな特徴です。

✔ 強力なデータディクショナリ連携

前述の「ABAPディクショナリ(DDIC)」で定義されたテーブルやデータ構造を、プログラム内で直接参照して利用します。これにより、データ定義とプログラムが密に連携し、一貫性と生産性が保たれます。

✔ 安定性と後方互換性

SAPは企業の基幹業務を担うため、プログラムの安定性と長期的な互換性が非常に重視されています。古いバージョンで作成されたABAPプログラムも、基本的には新しいバージョンのSAPシステムで動作するように設計されています。

S/4HANAとクラウド時代で進化するABAPの役割

「クラウドの時代に、独自のレガシー言語はもう古いのでは?」と感じるかもしれません。

しかし、ABAPはいままさに、大きな進化の渦中にあります。

✔ モダンな構文の採用

近年のバージョンでは、より簡潔で可読性の高いモダンな構文(インライン宣言など)が次々と導入されています。

✔ SAP S/4HANAへの最適化

超高速データベースHANAの性能を最大限に引き出すための新しい開発モデル「ABAP Core Data Services(CDS)」「ABAP Managed Database Procedures(AMDP)」が登場しました。これにより、データ処理のロジックをデータベース層に押し込み(プッシュダウン)、アプリケーションのパフォーマンスを極限まで高めることが可能になっています。

✔ クラウドへの対応

SAP BTP上で動作する「ABAP on Cloud」環境が提供され、クラウドネイティブなアプリケーション開発もABAPで行えるようになりました。ここでは、将来のバージョンアップに影響を与えない、厳格なルールに則った開発が求められます。

かつてのABAPエンジニアの主な仕事は、標準機能にない独自の画面や機能を追加する「アドオン開発」でした。

しかしこれからは、BTP上でFioriアプリのバックエンドロジックを構築したり、CDSビューを駆使して高度なデータモデルを設計したりと、その役割はより高度でモダンなものへと変化しています。

開発者としてのキャリアを考えているなら、伝統的なABAPの知識はもちろんのこと、これからの時代に価値をもつ「ABAP Core Data Services(CDS)」と、クラウド開発モデルである「ABAP RESTful Application Programming Model(RAP)」の学習をはじめることを強くおすすめします。

この2つが、今後のABAP開発の主流となります。

【最重要】SAPのクラウド戦略と今後のトレンドを完全マスターする

ここがもっとも重要なセクションです。

現在、SAPのトレンドは「クラウド」「AI」に集約されます。

これらの動向を制する者が、今後のSAP市場を制するといっても過言ではありません。

2025年以降のSAP戦略の柱:「クラウド」と「AI」

SAP社は現在、「クラウド・ファースト」戦略を強力に推進しています。

オンプレミスでの運用から、より柔軟でスピーディなクラウドサービスへと舵を切っているのです。

この大きな流れを理解することが、エンジニアとしてのキャリアを考えるうえで極めて重要です。

RISE with SAPとGROW with SAP:企業の規模で異なるクラウドERP戦略

SAPのクラウドERP戦略には、企業の規模や状況に応じた2つの柱があります。

「RISE with SAP」は、主に既存のSAPを利用する大企業向け。

S/4HANAへの移行を、インフラやツールを含めて包括的に支援するビジネス変革サービスです。

一方、「GROW with SAP」は新規・中堅企業がターゲット。

業界のベストプラクティスを基に、S/4HANA Cloudを迅速に導入し、企業の成長を後押しします。

これからのSAP開発の常識:「クリーンコア」アプローチを理解する

過去のSAP導入では、企業の要件に合わせて大規模なアドオン開発が行われるのが一般的でした。

しかし、アドオンはバージョンアップの障壁となり、システムの複雑化を招きます。

そこでSAPが提唱するのが「クリーンコア」です。これは、S/4HANA本体(コア)は標準機能のまま利用し、必要な拡張は後述するBTP上で行うという考え方。

この思想は、今後のSAP開発の基本となるでしょう。

クラウドネイティブな拡張を実現するSAP BTPの核心

SAP Business Technology Platform(BTP)は、SAPのクラウド戦略の中心に位置するPaaS(Platform as a Service)です。

アプリケーション開発、自動化、データ分析、AI活用など、S/4HANAの拡張に必要なあらゆる機能を提供します。

クリーンコアを実践するうえで、BTPのスキルは不可欠です。

さらにいうと、いますぐ学ぶべきは、間違いなく「BTP」です。

SAP公式サイトにはBTPの無料トライアル環境が用意されています。

SAPアカウントを登録またはログインすることで、BTPのさまざまなサービスを実際に試すことができます。

SAP Business Technology Platform 無料トライアル公式サイト

生成AI Jouleが変えるSAPの操作とビジネスプロセス

SAPに搭載された生成AIアシスタントが「Joule(ジュール)」です。

自然言語で「来月の売上予測を見せて」と話しかけるだけで、Jouleが必要なレポートを提示してくれます。

まだ発展途上ではありますが、将来的にはSAPの操作方法や業務プロセスを根本から変える可能性を秘めています。

サステナビリティ経営の鍵を握るGreen Ledger

企業のESG(環境・社会・ガバナンス)へのとり組みが重視されるなか、SAPは「Green Ledger」というコンセプトを発表しました。

これは、従来の財務データに加えて、CO2排出量などのサステナビリティデータを同じ台帳で管理するというもの。

環境価値を企業価値に組み込む、新しい会計の形です。

業種特化のイノベーションを加速するIndustry Cloud

各業界特有のビジネスプロセスに対応するため、SAPとパートナー企業が提供するクラウドソリューション群が「Industry Cloud」です。

BTP上で構築されており、企業は必要な機能を迅速に導入できます。

パブリッククラウド(AWS/Azure/GCP)との関係性

RISE with SAPなどを利用する際、そのインフラ基盤(IaaS)として、AWS、Azure、GCPといった主要なパブリッククラウドが利用されています。

SAPの知識に加えて、これらのクラウドインフラのスキルをもつエンジニアは、非常に高い価値をもつことになります。

【実践編】SAPの導入・運用事例

理論だけでなく、実際の現場でSAPがどのように活用されているのかを見ていきましょう。

国内外の成功事例から学ぶべきポイント

(例)大手製造業A社:S/4HANAコンバージョンによる経営のリアルタイム化

ECC6.0からS/4HANAへ移行したことで、膨大な生産実績や販売データの集計が数時間から数秒に短縮。

経営陣はリアルタイムのデータに基づいた迅速な意思決定が可能になりました。

(例)海外小売業B社:Industry Cloud活用による顧客体験の向上

需要予測や在庫最適化の業界特化ソリューションを導入。

欠品を減らし、顧客満足度を向上させると同時に、パーソナライズされたマーケティングを実現しました。

【企業規模別】中小企業・大企業での活用ポイントの違い

・大企業

複数の国にまたがる拠点の業務プロセスを標準化し、グループ全体の経営状況を可視化するためにSAPを活用します。

ガバナンス強化が大きな目的です。

・中小企業

かつてSAPは高嶺の花でしたが、「GROW with SAP」の登場で状況は変わりました。

ベストプラクティスが詰まったクラウド版を迅速に導入し、大企業レベルの経営基盤を構築する事例が増えています。

ITエンジニアが関わる現場のリアル

SAPプロジェクトの現場は、華やかな成功ばかりではありません。

S/4HANA移行プロジェクトでは、現行アドオン資産の扱いや、ユーザー部門との要件調整で困難を極めることも多々あります。

また、運用保守フェーズでは、原因不明のパフォーマンス劣化や、深夜の緊急対応など、泥臭い業務も少なくありません。

しかし、そうした困難を乗り越えてシステムが安定稼働し、ユーザーから感謝されたときの達成感は、何物にも代えがたいものです。

【キャリア編】SAPエンジニアの仕事と将来性

コンサルタントと開発エンジニアのイメージ

SAPスキルを身につけた先に、どのようなキャリアが待っているのでしょうか。

SAPエンジニアの主な役割と仕事内容

SAPエンジニアのキャリアは、大きく「コンサルタント」「開発エンジニア」「Basisエンジニア」にわかれます。

コンサルタントは顧客の業務要件を整理し、SAPの機能に当てはめる役割。

開発エンジニアはABAPやBTPを用いて機能を追加・拡張する役割。

Basisエンジニアはシステムの安定稼働を支えるインフラの専門家です。

SAPエンジニアの年収と市場価値を高めるスキルセット

SAPエンジニアは、IT業界のなかでも比較的高い年収レンジにあります。

特にS/4HANAやBTPのスキル、そして特定の業務モジュールに深い知見をもつエンジニアは引く手あまたです。

年収1,000万円を超えるプレイヤーも珍しくありません。

市場価値をさらに高めるには、技術力に加えて、プロジェクトマネジメント能力や、後述する英語力が鍵となります。

多様なキャリアパス:事業会社、コンサル、SIer、フリーランス

・事業会社の場合

ユーザー企業のIT部門で、自社のSAPシステムの企画・運用に携わります。

腰を据えて自社ビジネスに貢献できるのが魅力です。

・コンサルティングファーム/SIerの場合

さまざまな業界のクライアントに対し、SAP導入プロジェクトを遂行します。

多様な案件を経験し、スキルを磨くことができます。

・フリーランスの場合

高い専門性を武器に、プロジェクト単位で独立して働きます。

高収入が期待できる一方、つねに最新スキルを学びつづける姿勢が求められます。

SAPエンジニアとしてのキャリアプランニング

「広く浅く」よりも「狭く深く」がSAPの世界では有効です。

まずは一つのモジュールを徹底的に極め、自分の「コアスキル」を確立しましょう。

そのうえで、BTPやAI、クラウドインフラといった周辺のトレンド技術をかけわわせることで、あなただけのユニークな市場価値が生まれます。

【完全網羅】レベル別SAPの学習方法とおすすめ資格

では、具体的にどうやってSAPを学べばよいのでしょうか。

レベル別にご紹介します。

【初心者・未経験者向け】SAPの世界への第一歩

✔ 書籍で全体像を掴む

まずは入門書を1冊通読し、SAPの全体像と主要な用語を理解しましょう。

✔ openSAPを活用する

SAPが提供する無料のオンライン学習プラットフォーム「openSAP」には、S/4HANAの概要や最新技術に関する質の高いコースが豊富にあります。

英語のコースが多いですが、学習意欲のある方には宝の山です。

✔ SAP公式ドキュメントに触れる

少しハードルは高いですが、SAP Help Portalで公式ドキュメントを読む習慣をつけると、正確な一次情報を得る力がつきます。

【経験者向け】スキルを深化・アップデートする方法

✔ S/4HANAの新機能を学ぶ

SAP Learning Hubなどの有償トレーニングで、ECC6.0との差分やS/4HANA特有の新機能を体系的に学びましょう。

✔ BTPを実際に触る

前述の通り、BTPの無料トライアル環境で、実際にアプリケーションを開発してみることがもっとも効果的な学習方法です。

✔ コミュニティに参加する

国内外のSAPコミュニティに参加し、他のエンジニアと情報交換することで、独学では得られない知見や最新情報を得ることができます。

キャリアに直結するSAP認定資格の価値と選び方

SAP認定資格は、あなたのスキルレベルを客観的に証明する強力なツールです。

特にS/4HANA関連の資格や、BTP、SuccessFactors(人事クラウド)といったクラウド製品の資格は、転職や案件獲得の際に高く評価されます。

まずは自分の専門領域の「アソシエイト」レベルから挑戦するのが一般的です。

■ キャリアに直結する主要SAP認定資格一覧

【S/4HANA アプリケーション】

資格名(例):

・SAP Certified Application Associate - SAP S/4HANA Sales (販売)

・SAP Certified Application Associate - SAP S/4HANA Sourcing and Procurement (在庫購買)

・SAP Certified Application Associate - SAP S/4HANA Financial Accounting (財務会計)

主な対象者:

・アプリケーションコンサルタント

概要とキャリア価値:

各業務モジュール(SD、MM、FIなど)の専門知識を証明します。

S/4HANA移行プロジェクトの中心を担うコンサルタントとしての基礎能力を示し、現在最も需要の高い資格群です。

【S/4HANA 開発】

資格名(例):

・SAP Certified Development Associate - ABAP with SAP NetWeaver

・SAP Certified Development Associate - SAP S/4HANA Cloud, public edition - Development

主な対象者:

・ABAP開発者、テクニカルコンサルタント

概要とキャリア価値:

伝統的なABAP開発スキルや、最新のS/4HANA Cloud環境での開発スキルを証明します。

「クリーンコア」思想に沿った拡張開発能力は今後さらに価値が高まります。

【クラウド プラットフォーム(BTP)】

資格名(例):

・SAP Certified Development Associate - SAP BTP (Business Technology Platform)

主な対象者:

・アプリケーション開発者、テクニカルアーキテクト

概要とキャリア価値:

SAPのクラウド戦略の核であるBTP上での開発・拡張スキルを証明します。

S/4HANAと連携するカスタムアプリ開発案件などで必須のスキルとなり、将来性が非常に高い資格です。

【クラウド アプリケーション】

資格名(例):

・SAP Certified Application Associate - SAP SuccessFactors Employee Central

・SAP Certified Application Associate - SAP Ariba Sourcing

主な対象者:

・クラウド製品専門コンサルタント

概要とキャリア価値:

人事クラウド(SuccessFactors)や購買クラウド(Ariba)など、特定のSaaS製品の導入・設定スキルを証明します。

クラウド化の波に乗り、専門性を武器にできる分野です。

【技術基盤(Basis)】

資格名(例):

・SAP Certified Technology Associate - SAP S/4HANA Conversion and SAP System Upgrade

主な対象者:

・Basisエンジニア、インフラエンジニア

概要とキャリア価値:

S/4HANAへのシステム移行(コンバージョン)や、OS/DBマイグレーションといった高度な技術スキルを証明します。

クラウド(AWS、Azureなど)知識とあわせもつと市場価値が飛躍的に向上します。

【補足】知っておくべきSAP用語集

SAPプロジェクトを円滑に進めるためには、共通言語となる専門用語の理解が不可欠です。

最後に、基本的なコンセプトからS/4HANA特有の用語、クラウド時代の最新キーワードまで、ITエンジニアが押さえておくべき重要用語を分野別に解説します。

用語解説
ERP企業の経営資源「ヒト・モノ・カネ・情報」を統合管理し、経営を効率化する考え方やシステム。
SAP S/4HANASAP HANAをデータベースに採用した、第4世代の超高速リアルタイムERPスイート。
現在のSAPの主力製品。
ECC6.0S/4HANAの先代バージョン(第3世代)。
2027年(延長保守で2030年)に標準サポートが終了予定。
SAP HANASAPが開発したインメモリデータベース。
S/4HANAの高速処理の根幹を支える。
モジュールFI(財務会計)やSD(販売管理)など、特定の業務領域に対応するSAPの機能単位。
ビジネスパートナ(BP)S/4HANAで採用された新しいマスタデータコンセプト。
これまで別々だった「顧客」と「仕入先」を単一のオブジェクトで統合管理する。
ユニバーサルジャーナルS/4HANAの新しい会計テーブル(ACDOCA)。
従来、複数テーブルにわかれていた会計データを単一テーブルに統合し、データ構造を大幅にシンプル化した。
SAP GUISAPシステムを操作するための伝統的なクライアントソフトウェア。
通称「青い画面」。
FioriS/4HANAの標準UI/UX設計思想。
役割ベースで直感的、かつマルチデバイスに対応する。
ABAPSAP独自の開発言語。
S/4HANAやクラウド時代に合わせて、その役割と構文は進化しつづけている。
CDSビューCore Data Servicesビューの略。
HANAデータベース上で仮想データモデルを定義する、S/4HANA時代の新しいデータアクセスの中心技術。
RAPABAP RESTful Application Programming Modelの略。
S/4HANAやBTP上で、FioriアプリやWeb APIを効率的に開発するための最新開発モデル。
BTPSAP Business Technology Platformの略。
機能拡張やシステム連携を行うためのSAP純正クラウドプラットフォーム(PaaS)。
カスタマイズABAP開発を伴わない、SAP標準機能のパラメータ設定。
アドオンABAPなどを用いて開発した、SAP標準にない企業独自の機能やプログラム。
拡張フレームワークSAP標準プログラムを直接改修せず、独自の処理を追加するための仕組み(BAdI、拡張スポットなどど)。
クリーンコアS/4HANA本体は標準のまま保ち、拡張機能はBTP上で開発する、SAPが推奨する開発思想。
Fit-to-Standard企業の業務プロセスを、SAPの標準機能に合わせて変革するアプローチ。
クラウド導入の基本。
SAP ActivateSAPが提唱する、S/4HANA導入プロジェクトの標準的な進め方(導入方法論)。
クライアントSAPシステム内の論理的な独立単位。
「開発機」「検証機」「本番機」のように用途別にわける。
移送開発機で行った変更(カスタマイズや開発物)を、検証機や本番機に反映させるための仕組み。
トランザクションコード各機能を直接呼び出すための英数字コード(T-Code)。
BasisSAPシステムの導入、設定、監視、運用保守などを担当する技術基盤、またはその専門チームのこと。
RISE with SAP既存の大企業向けに、S/4HANA Cloudへの移行を包括的に支援するサービスパッケージ。
GROW with SAP新規・中堅企業向けに、S/4HANA Cloudを迅速に導入するためのサービスパッケージ。
SuccessFactorsSAPが提供する、人事・人材管理(HCM)領域の主要なクラウドソリューション(SaaS)。
SAP Analytics CloudSACと略される。
BI、予算計画、拡張分析を単一のプラットフォームで提供するSaaS。

まとめ】SAPスキルを武器に、市場価値の高いITエンジニアを目指そう

ここまで、SAPの基礎から最新トレンド、キャリア戦略まで、網羅的に解説してきました。

SAPの世界は広大で、学ぶべきことは尽きません。

しかし、その複雑さこそが、SAPエンジニアの高い専門性と市場価値を生み出しているのです。

このコラムで紹介した知識を元に、まずは興味のある分野から一歩を踏み出してみてください。

これからのSAPエンジニアに求められるのは、単一のモジュールや技術に詳しいだけでなく、クラウドやAIといった最新トレンドを理解し、ビジネスの変革に貢献できる能力です。

変化を恐れず、日々学びつづける姿勢こそが、あなたを替えの効かない、市場価値の高いITエンジニアへと成長させてくれます。

SAPに関するよくある質問

Q1. SAPとOracleの違いは何ですか?

A. どちらも世界的なERPパッケージですが、SAPは製造業の業務プロセスに強みをもち、標準機能の豊富さが特徴です。一方、Oracleはデータベース技術に定評があり、金融分野などで高いシェアをもっています。

Q2. プログラミング未経験でもSAPエンジニアになれますか?

A. 可能です。特にコンサルタントやBasisの領域では、プログラミングスキルよりも業務知識やインフラ知識が重視されます。ただし、ABAPやSQLの基礎知識があれば、キャリアの幅は大きく広がります。

Q3. ABAP言語の将来性はありますか?今後も必要ですか?

A. はい、今後も必要です。「クリーンコア」の思想により、大規模なアドオン開発は減る傾向にありますが、BTP上での開発(ABAP Cloud)や、既存システムの保守など、ABAPエンジニアの需要がなくなることはありません。

Q4. SAPの導入には、どれくらいの費用と期間がかかりますか?

A. 企業の規模や導入範囲によって大きく異なります。大企業では数十億〜数百億円、期間も数年がかりになることがあります。一方、クラウド版であれば、数千万円から、期間も数ヶ月で導入できるケースもあります。

Q5. 「2027年問題」は結局どうなったのですか?

A. ECC6.0の標準保守サポートは2027年末に終了します。これは変わりません。ただし、高額な延長保守料金を支払うことで、2030年末までサポートを延長できるオプションが提供されています。多くの企業は、それまでにS/4HANAへの移行を完了させる計画です。

Q6. S/4HANAの導入形態(オンプレミス、クラウド)はどう選べばいいですか?

A. 業界の規制や既存システムとの連携要件が厳しい場合はオンプレミスやプライベートクラウド、標準機能を活用して迅速に導入したい場合はパブリッククラウドが選択される傾向にあります。SAPはクラウド利用を強く推奨しています。

Q7. SAP Fioriとは何ですか?なぜ重要視されているのですか?

A. SAP Fioriは、S/4HANAの標準UI/UX(ユーザー体験)です。PC、タブレット、スマートフォンなど、さまざまなデバイスで直感的に操作できるデザインが特徴です。従来の複雑な画面(SAP GUI)から脱却し、ユーザーの生産性を向上させるために非常に重要視されています。

Q8. 中小企業でもSAPは導入できますか?

A. はい、できます。「GROW with SAP」という中堅・中小企業向けのクラウドサービスが登場したことで、以前よりもはるかに低いコストと短い期間で導入可能になりました。

Q9. SAPエンジニアに英語力はどれくらい必要ですか?

A. 必須ではありませんが、あると市場価値が格段にあがります。最新の技術情報は英語で発信されることが多く、また、グローバルプロジェクトに参加するチャンスも広がります。TOEIC 700点以上が一つの目安になるでしょう。

Q10. SAPの資格は本当に転職やキャリアアップに有利ですか?

A. 有利に働くケースが多いです。特に未経験の分野に挑戦する際や、客観的なスキル証明が難しい場合に、資格はあなたの知識レベルを保証してくれます。ただし、資格以上に実務経験が重視されることも忘れてはいけません。

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