Poderosaの使い方、利用方法を解説!旧Poderosaとの違いとは?
はじめに
ターミナルソフトは、Windowsユーザーに馴染深いTeraTermやPuTTY、PoderosaやRLoginなどがあります。
初心者に優しいのはPuTTY、馴染が深いのはTeraTerm、最近普及が広まっているのがRLoginです。
Windowsユーザーの特にエンジニアに好まれているのが、Poderosaになります。
今回、Poderosaについて特徴やメリット、他のターミナルソフトとの比較について解説していきます。
Poderosaとは
Poderosaとは、Apache Licenseが開発したリモートログオンターミナルソフトで、もともとVeratermとシェアウェアです。
Poderosaは、バージョン4までオープンソースの無料ソフトでしたが、バージョン5になってからは有料です。
また、Windows対応もしています。
MacでPoderosaを利用したい場合は、同じく有料版のPoderosa TerminalをダウンロードすることでPoderosaの機能を利用することが可能です。
Poderosaの対応通信プロトコルは、SSH、telnetとGygwinになります。また、Poderosaの比較対象として、TeratermやPuTTYなどです。
Poderosaの特徴
Poderosaは、タブ型UIで画面分割して作業できます。複数のホストに接続して、作業が可能です。
エンジニアがPoderosaの複数ホストに同時接続して操作できる特徴を重宝しています。
遊び心が採用されているバージョン5は、映画のエンディングエフェクトの真似ができるオプション付きです。
通信プロトコルは、telenetやCygwin、SSH1とSSH2にそれぞれ対応しています。
Poderosaは、Windows専用になりますが、同じ開発者によって作成されたPoderosa Terminalは、Windowsだけでなく、Macも利用可能です。
Ponderosaのインストール順
ここからPoderosaのダウンロードやインストール方法について紹介します。
Poderosaのダウンロードやインストール方法は、難しくないので初心者でダウンロードやインストール可能です。
準備
Poderosaをインストールする前に準備として、対応バージョンの確認が必要です。
Poderosaは、Windows対応したターミナルソフトなので、WindowsのバージョンとダウンロードするPoderosaのバージョンをチェックします。
問題なければ、ダウンロードのプロセスに移るため、ダウンロードのボタンをクリックしてファイルを保存します。
インストール
ダウンロードが完了したら次は、インストールです。ダウンロードしたファイルをクリックして、ファイルを解凍します。
インストール時の注意点
Windowsでダウンロードする際、最新版をダウンロードしたユーザーの中にはエラーが起こっています。
インストール時の注意点としては、zipファイルをダウンロードする際、セキュリティ制御がかかっているかどうかを確認することが必要です。
プロパティからセキュリティのタブへアクセスし、ブロック解除にチェックを入れます。
もう一つの要因は、.NET Frameworkが有効かどうかを確認することです。
Poderosaは、ダウンロードするファイルの種類によって、.NET Frameworkが有効なバージョンが異なります。
Mac版インストール
Macを利用している場合、WindowsでダウンロードできるPoderosaは、OS対応していないため、ダウンロード不可です。
代わりに類似機能が備えられているPoderosa Terminalをダウンロードします。
PoderosaとPoderosa Terminalは共に同じ開発者で、現在は両方とも有償提供です。
Poderosaの使い方
Poderosaの使い方はPuTTYやTeraTermと同様、リモート環境へアクセスし、ファイルやソースコードを取り出すことです。
Poderosaは、ウィンドウを分割して作業ができるため、エンジニアに好まれています。
背景の色を変える
複数の画面を同時に立ち上げるとどれがどれかわからなくなるので、各サーバーで背景の色を変えることが可能です。
背景の色の他には、テキストの色を変えることもできます。
背景の色やテキストの色を変えるには、接続状態でコンソールをクリックして表示プロファイルの編集で編集可能です。
背景の色とテキストの色を選んで設定できます。
背景の色などは変える必要ありませんが、色分けしておくことでどれがどれか区別がつきやすく、ケアレスミスなどを防ぐことが可能です。
ファイルの保存方法
Poderosaのファイルを保存するためには、ファイルから接続へのショートカットを保存でクリックして、.gts形式でファイルを保存することができます。
Poderosaの対象ファイルがgtsのため、gtsファイルで保存しなければ次にファイルを開く時、開くことが不可能です。
Poderosaのメリット
Poderosaは、エンジニアに好まれるメリットがあります。2画面分割で操作できることは、Poderosaの元々の魅力です。
今回、新たなメリットとしては、AWSをサポートしていることになります。
AWSは、アマゾンのクラウドシステムですが、最近、AWSを採用する企業が増加傾向です。
システムエンジニアは、AWSの知識を求められることが増えました。AWSの環境構築のため、Poderosaがサポートしていることがメリットです。
2画面操作
Poderosaを好んで使うエンジニアは、2画面分割して操作できることにメリットを感じています。
画面を分割することで、複数のホストに同時接続して使い分けることができる、ログを見ながら編集作業ができるところがメリットです。
AWS
Poderosaの新バージョンからAWS対応していることがエンジニアにとって大きなメリットです。
AWSのEC2インスタンスに接続する際、予め、Poderosaを設定しておくと手間を省くことができます。
EC2インスタンスをリストして、アカウント情報を入力するだけで作業効率を向上することが可能です。
Poderosa vs 旧バージョン
Poderosaは、2016年にバージョン5が登場しました。
バージョン4と比べてリニューアルされたところがいくつか紹介です。バージョン5は、バージョン4から改善されて使いやすくなっています。
アニメーション付きキャレット
Poderosaの新バージョンは、アニメーション付きキャレットが追加されました。
接続先ごとに設定することも可能です。旧バージョンは、画面を複数に分けて同じキャレットばかりでは区別が困難でした。
新バージョンから追加されたアニメーション付きキャレットを有効活用することで、容易に区別が可能です。
例えば、開発段階やテスト段階、本番と環境を変えることで区別しやすくなります。
エフェクト効果のおまけ
エフェクト効果のオプションはあくまでもおまけです。ただ、エンジニアの遊び心をくすぐるエフェクト効果は、ちょっとしたジョークに使えます。
アシスト機能追加
Poderosaの新バージョンには、シェル入力のアシスト機能が追加されました。
シェルとは、ユーザーとコンピューターがコミュニケーションするインターフェースです。シェルアシスト機能は、過去の入力履歴から候補を抽出します。
アシスト機能が追加されたことでコマンド入力が楽になり、作業効率改善につながります。
Poderosaと他のターミナルソフト
Poderosaと他のターミナルソフトは、各々にメリットデメリットがあります。
ここでは、Poderosa以外に人気やシェアのあるターミナルソフトについての紹介です。
RLogin
RLoginは、20年以上も前に開発されたターミナルソフトウェアで、PuTTYやTeraTermのメリットを集めたターミナルソフトとして有名です。
実際にエンジニアの中には、PuTTYやTeraTermのデメリットを解消したくて、RLoginへ切り替えるケースがあります。
PuTTYと仕様が近く、PuTTYユーザーは、馴染みやすい構造です。
一方、Poderosaは、接続しやすさや画面分割で作業ができることなどがメリットになります。
RLoginは、Poderosaの要素も吸収しているターミナルソフトになるため、好みはエンジニア次第です。
PoderosaとRLoginを比べると、RLoginは、コピー・ペーストがしにくい状況が発生することがあります。
他には、スクロールがしづらい、デフォルトのフォントが見づらいこともデメリットです。
このようにPoderosaにはない別の悩みがRLoginにはあります。
TeraTerm
Windowsユーザーのエンジニアにとっては、TeraTermは、古くから付き合いのあるターミナルソフトではないでしょうか。
Windowsユーザーのネットワークエンジニアならほとんどが使用しています。
TeraTermのメリットは、サーバーへの接続が簡単であること、日本語対応している、マクロが組めるやSSHに対応していることです。
過去に開発中断となったため、PoderosaやPuTTYへシェアを奪われました。
PoderosaとTeratermの違いは、TeraTermは、画面分割やタブ編集ができないことです。
Poderosaが得意としているこの機能が、TeraTermにはありません。
また、TeraTermは接続がとても簡単です。これはPoderosaより簡単に接続が簡単なので、初心者に向いています。
PuTTY
PuTTYとは、TeratermやPodersosa同様のターミナルソフトで、動作が安定していることがエンジニアに受け入れられています。
TeraTermが一時期開発を中断している際にTeraTermユーザーがPuTTYへ移動してきた歴史があることは有名です。
PoderosaとPuTTYを比較すると、PuTTYは、動作が安定していることやポータビリティに優れています。
一方で、Poderosaが得意とする画面分割やタブ機能、接続のしやすさは、Poderosaが優位です。
また、Poderosaは、PuTTYよりサーバーへ接続しやすいため、初心者には、PuTTYよりPoderosaが使いやすくなっています。
MobaXterm
海外では有名でしたが、最近注目度を増しているのが、MobaXtermです。MobaXtermは、フランスの会社が開発したターミナルソフトになります。
エンジニアの間では、TeraTerm、PuTTY、Poderosaなどのいいところどりをしたターミナルソフトと高い評価です。
MobaXtermの最大の特徴は、MultiExecという複数のホストを同時に接続するだけでなく、同じコマンドを同時に実行することができる機能があります。
PoderosaとMobaXtermの比較をすると、MobaXtermのコマンドインクジェクションは、Poderosaより脆弱であることです。
セキュリティ面では、Poderosaに劣っています。
Poderosaのデメリット
Poderosaは、他のターミナルソフトに比べてデメリットの報告が少ないターミナルソフトです。
当初は、PuTTYやTeraTermに比べて、起動が遅いとの報告がありましたが、開発会社の改善計画に組み込まれています。
また、使えないキーがありましたが、これもキー設定変更が可能です。
他にもマイナーなデメリットが報告されていますが、作業などで使用する上で大きな支障となるものはありません。
他のターミナルソフトと比べて起動が遅いことが改善されたらますます使いやすいターミナルソフトであることは間違いないです。
まとめ
PoderosaはTeraTermやPuTTY同様、エンジニアにとても好まれているターミナルソフトです。
TeraTermやPuTTYより後発ですが、利用者の間には浸透しています。
Poderosa、TeraTermやPuTTY、最近はRLoginやMobaXtermなど、ターミナルソフトの種類が豊富です。
どのソフトにもメリットデメリットがありますので目的や使用OSなどを考慮してターミナルソフトを選択して下さい 。