IoTシステム技術検定試験の難易度を徹底解説!過去問の調べ方や基礎・中級の出題範囲は?
こんにちは!
toiroフリーランス編集部です。
ITはもちろん、様々な業界で注目されているシステムがIoTシステムです。
そのシステムをある程度理解し、実践的な技術力を持っていることを証明するのが「IoTシステム技術検定」となります。
ITエンジニアだけではなく、様々な業界の技術者が受けに来る試験です。
この試験の種類は基礎・中級・上級の3段階ですが、今回は誰でも受験ができる基礎と中級を中心に試験について解説していきます。
エンジニアとしてステップアップを目指している人へ
フリーランスでエンジニアとして活躍している人や、これからエンジニア業界に入ろうとしている人。
特にSIer系のエンジニアの中には、今後の自分のことを考えてスキルアップを考えている人もいるのではないでしょうか。
そして、その結果「IoTシステム技術検定」の受験を視野に入れている人もいるでしょう。
この記事では「IoTシステム技術検定」の試験について、難易度や過去問の調べ方・試験の出題範囲について徹底的に解説していきます。
そもそも「IoTシステム技術検定」とは?
知っている人もいるでしょうが、詳しくない人のためにも改めて試験の概要について考えておきましょう。
「IoTシステム技術検定」とは、MCPC(モバイルコンピューティング推進コンソーシアム)が主催で行っている試験です。
検定するのはその名の通り、IoTシステムを構築・活用に関する技術知識となります。
そのため、IoTシステムの実践的な技術知識の習得を目指す人が対象です。
知識を中心に、その習熟度を検定することでIoTシステム構築に関係する技術者の対応力の向上を目的としています。
検定は基礎・中級・上級の3段階で認定しています。
検定の体系
3種類の認定は、それぞれ名前があります。
- 基礎の合格で「アドバイザ」:IoTに関する基礎知識を保持している
- 中級の合格で「エキスパート」:システム構築に取り組むための基本技術を保持している
- 上級の合格で「プロフェッショナル」:様々な業界にまたがるサービスを構築する実践的な専門技術を保持している
と定められています。
必要とするレベル
基礎では、IoTに関する基礎知識の理解のみが求められます。
IoTだけでなく、BD(ビッグデータ)・AI(人工知能)も実務で適用可能なレベルです。
一方、中級は知識だけでなく、IoTシステムを構成する基本技術の習得が求められます。
中級レベルを習得すると、顧客の要求や提案を的確に把握でき、システム構成の概要を描くことができます。
申し込み方法と受験料について
受験料
受験料は基礎・中級・上級でそれぞれ異なります。
- 基礎:11,000円(税込)
- 中級:15,400円(税込)
- 上級:55,000円(税込)
以上が基本的な受験料となっております。
試験なので決して安いものではありませんが、他の資格や検定試験と比べるとそこまで高いものでもありません。
しかし少し高価に感じる人もいるのではないでしょうか。
その場合は、公式ホームページにて受験する階級によって学生割引や会員割引、協力団体割引などがあります。
これらの利用を考えておくのも良いでしょう。
申し込み方法
公式ホームページで検定の申し込みができます。
検定は年に2回(7月・12月)です。
募集受付期間は試験日の2ヶ月程度前~1ヶ月程度前までなので、受付期間に注意して申し込むようにしましょう。
参照:MCPC公式ホームページ
受験資格・合格するにはどの程度の知識がいるのか
受験資格
基礎・中級は誰でも受験することが可能です。
無論検定なので、誰でも受けられるとはいっても必要な知識がなければ合格はできません。
システムインテグレーションの基礎知識があり、IoTシステムを構築・活用するための技術知識の習得を目指している人が中心でしょう。
対象としてはIT/ICT業界の人は勿論、IoT技術を取り入れる業種の人も対象に入ります。
環境エネルギーや運輸交通から農業まで、様々なモノのシステム構築に関係するすべての技術者も検定の対象者です。
必要とする知識レベル
基礎は、以下のIoTに関する基礎知識の理解が必要です。
- IoT
- BD(ビッグデータ)
- AI(人工知能)
中級はIoTシステムを構成する基本技術を習得している必要があります。
- IoTシステム構成と構築技術
- センサ/アクチュエータ技術と通信方式
- IoTデータ活用技術
- IoT情報セキュリティ対策技術
- IoTシステムのプロトタイピング技術
上級を受けるには?
今回は基礎・中級の検定についてなので深くは触れませんが、上を目指すなら上級も視野に入れておきたいところでしょう。
上級を受けるには以下の条件を達成する必要があります。
- MCPC 「IoTシステム技術検定」の中級を合格している
- 情報処理学会のCITP有資格者である
- 早稲田大学スマートエスイー修了者である
以上の条件のいずれか1つを満たしていなければなりません。
試験内容も基礎・中級とは大きく異なるため、まず中級からの受験で良いのではないかと思います。
ちなみに、試験の内容は1.5日の講習の受講と、180分/1,500~1,800文字程度の論述式試験です。
試験の難易度について
実際の試験はどのくらい難しいのでしょうか。
実際に受けるなら試験の難易度は気になるところです。ここで試験について詳しく解説していきます。
出題形式
試験の出題形式は、「基礎・中級」と「上級」で異なります。
「基礎・中級」の試験についての解説なので、ここでは「基礎・中級」のものだけピックアップして解説します。
「基礎・中級」はどちらもマークシート方式(4択問題)です。
ただし、基礎と中級では問題数と試験時間が異なります。
基礎は60問60分の試験ですが、中級は80問90分の試験です。
試験科目
こちらも受験する人にとっては気になる部分でしょう。
基礎と中級で出題される試験科目は以下の通りです。
基礎:基礎知識を保持している
- IoTシステム構成と構築技術(IoTシステムアーキテクチャ・IoTサービスプラットフォーム)
- センサ/アクチュエータ技術と通信方式(IoTデバイス、ネットワーク、LPWA、プロトコル)
- IoTデータ活用技術(AI)(ビッグデータ分析技術、活用事例)
- IoT情報セキュリティ対策技術(脅威と脆弱性、セキュリティ対策技術、情報セキュリティの標準と法制度)
- IoTシステムのプロトタイピング技術(プロトタイピング活用)
中級:システム構築に取り組むための基本技術を保持している
- IoTシステム構成と構築技術(出題比率5~15%)(IoTシステムアーキテクチャ、IoTサービスプラットフォーム)
- センサ/アクチュエータ技術と通信方式 (IoTデバイス、ネットワーク、LPWA、プロトコル)
- IoTデータ活用技術(AI) (ビッグデータ分析技術、活用事例)
- IoT情報セキュリティ対策技術(脅威と脆弱性、セキュリティ対策技術、情報セキュリティの標準と法制度)
- IoTシステムのプロトタイピング技術
難易度
次に難易度ですが、基礎はやはりやや易しく、中級は普通といわれています。
というのも「IoTシステム検定」は合格点や合格率が非公開となっていて、難易度もわかりにくいためです。
しかし、中級はIoTに関する広い技術分野を勉強するにはベストな試験です。IoTについて知らない人にとっては勉強に手頃な試験でしょう。
ですが、既に本業でIoTを利用している人にとっては簡単だと感じるレベルかと思われます。
基礎・中級は上級と違い誰でも受験可能な検定なので、しっかり勉強すれば不合格になる事はないでしょう。
しかし高を括っているとうっかり落としてしまう可能性もあります。検定に申し込んだら悔いを残さないように勉強に取り組みましょう。
合格率
前述の通り「IoTシステム検定」は合格点や合格率については非公開なので、試験の難易度もわかりにくくなっています。
大体65~70%の正答率で合格基準が定められているのではないかといわれていますが、実際のところはわかりません。
あくまでも勝手な推測ですのであまり当てにせず、正答率100%を目指してみましょう。
過去問の調べ方は?
どんな試験でも、試験を受けるにあたって過去問はやはり見ておきたいところです。
しかしながら、「IoTシステム技術検定」に過去問の問題集などはありません。
たしかに過去問はないものの、サンプル問題なら公式のもので少数存在します。
模擬試験や公式が掲載しているサンプル問題を解いておくだけで全然違う筈です。
合格する上で大切なサンプル問題は、どうやって調べれば良いのでしょうか。
公式ホームページ
まずおすすめなのは、やはり公式のホームページです。
公式ホームページでは、「IoTシステム技術検定試験」の基礎・中級に対応したサンプル問題をPDFファイルでダウンロードすることができます。
サンプル問題の解答もダウンロードできるので、受験を迷っているのならまずはこちらを見てみましょう。
実践と同じく4択の問題が掲載されているので、本番前に1度は解いておきたいところです。
スクールの公式ホームページ
MCPC認定校である「株式会社 日立アカデミー」の公式サイトなどにも、模擬試験のサンプルなどが掲載されています。
IoTシステム技術のスクールの公式ホームページなどを調べてみるのも良いでしょう。こちらも本番と同じ4択の問題となっております。
ただし全体的に問題の数が少ないので、ある程度勉強した後に実際のテストのつもりで解いてみるのがおすすめです。
MCPC認定校は3校あるので、気になった人は実際に講座にも出席してみるのも合格への一つの方法でしょう。
おすすめの勉強方法
スクールの利用
MCPC認定校による受験対策講座は、以下の3校によって開催されます。
- 財団法人KDDI財団
- 株式会社日立アカデミー
- 東芝ビジネスエキスパート株式会社
基礎も中級も、説明会や入門セミナーは無料でも受講することが可能です。自分で勉強するほかにスクールに行ってみるのも良いでしょう。
説明会だけでも勉強するべきポイントや、技術項目の組み立て方について教えてもらえます。
家での勉強はもちろんですが、人から教えてもらうことで自分では分からなかったポイントにも気付けるかもしれません。
テキストの利用
勉強といえばテキストの利用を思い浮かべる人は多いでしょう。
「IoTシステム技術検定」の過去問の問題集はありませんが、「IoTシステム検定試験」のためのテキストは存在しています。
そのため、このテキストを利用して勉強するのが一番の近道ではないでしょうか。
また、試験はマークシートの4択問題です。
細かい内容を暗記するというよりは、基礎的なところを幅広く押さえることが重要となります。
もちろん、一方で専門知識はしっかり理解しましょう。専門知識を自分の知識にできれば怖いものなしです。
おすすめの参考書
参考書については、前述の通り試験のためのテキストであれば存在しています。
MCPC公式が出版している試験用のテキストです。
基礎編の技術テキスト2,500円(税抜)と中級対応のテキスト2,800円(税抜)の2冊が販売されています。
どちらも試験の対象分野を全般的にカバーしており、1冊でまとまった知識が得ることができるテキストです。
サイズもA5判とB5判で持ち歩きやすく、電車などの空き時間にもテキストを見て勉強をすることができます。
基礎編は仕組みをイラスト化しており、テキストも丁寧でとてもわかりやすいです。
中級対応テキストではAI関連、LPWA等の注目すべき新技術も解説されています。
2冊とも書籍だけでなく電子書籍(Kindle)でも販売されているため、手持ちの端末でいつでも勉強することも可能です。
「書籍を持ち歩くのは荷物になる」という人はこちらを選ぶと良いのではないでしょうか。
人によっては両方買って家でしっかり勉強する用と、出先で空き時間に目を通す用に分けて利用している人もいるようです。
自分に合った勉強法で試験の合格を目指しましょう。
「IoTシステム技術検定」を習得してワンランク上のエンジニアに
「IoTシステム技術検定試験」について、難易度や出題範囲・勉強方法と参考書などを解説しました。
エンジニアとして力をつけるためにも、「IoTシステム技術検定」はおすすめです。
現在インターネットはどんどん発達を続けており、これからも進化していくことが予想されます。
特にIoTはITに関わらず、様々な業界が取り入れつつあるものです。
そのためIoTシステムを理解している技術者の需要も、比例して高まっています。
その中で自分が学んだこと・身に着けた技術が役に立つ日はそう遠くありません。
検定に合格することで今後の仕事の幅も、今よりもさらに一段と広がることでしょう。
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