画像処理エンジニア検定の難易度や合格率を徹底解説!おすすめの職種は?
画像処理分野に必要とされる知識を評価する検定・画像処理エンジニア検定。
今回は、そんな画像処理エンジニア検定について隅々までご紹介しましょう。
この記事は以下に該当する人向けです。
- 画像処理エンジニア検定に関心がある
- 現在エンジニアで、どの資格を取るか迷っている
- 画像処理エンジニア検定はどんなことを学べるのか知りたい
- 画像処理エンジニア検定の学習方法が知りたい
こういった気持ちを抱いているなら、この記事を読んで損することはありません。どうぞご一読ください。
画像処理エンジニア検定について
まずは画像処理エンジニア検定の基本情報を見てみましょう。
基本情報
学術分野や産業で、一定の条件(システム環境や予算など)下において、ソフトウェア・関連するハードウェアやシステムの開発ができるスキルを求められる検定です。
主催
公益財団法人 画像情報教育振興協会(CG-ARTS)主催の検定です。
レベル
画像処理エンジニア検定には2種類のレベルが用意されています。
その2つとは「画像処理エンジニア検定べーシック」と「画像処理エンジニア検定エキスパート」です。それぞれどの程度のレベルなのかについては以下をご覧ください。
画像処理エンジニア検定ベーシック
画像処理の基礎知識とプログラミング知識について問われます。もとは3級という名称でした。
全10問で制限時間は60分。マークシート式です。
画像処理エンジニア検定エキスパート
画像処理の深い知識と、それをソフトウェアやハードウェア・システムの開発に応用することができる知識・スキルを問われる試験です。元は2級という名称でした。
全10問で制限時間は80分となっています。「ベーシック」と同じくマークシート式の問題となっています。
名称の変更
2005年後期は画像情報技能検定画像処理部門2級・3級(画像処理検定2級・3級)。
2005年後期~2006年後期にかけてはCGエンジニア検定2級・3級と名称が変わりました。
2007年前期~2009年後期はCGエンジニア検定画像処理部門2級・3級、2010年前期~2011年後期は、CGエンジニア検定画像処理部門ベーシック・エキスパート。
そして2012年、現在の「画像処理エンジニア検定」と呼ばれるようになりました。
ちなみに名称変更前の資格を保有している場合、資格は無効になることなく継続して使えます。
費用
画像処理エンジニア検定ベーシックは5600円。
画像処理エンジニア検定エキスパートは6700円の受験料がかかります。
午前中はベーシックを受験し午後はエキスパートを受験する、という併願が可能です。
試験日時
年2回、7月と11月におこなわれます。
テストの実施場所
20都道府県にて実施予定です。
実施予定の都道府県についてはこちらをご覧ください。
画像処理エンジニア検定の難易度と合格率
この項目では、画像処理エンジニア検定はどれくらいの難易度と合格率なのかについてお伝えします。
難易度
「ベーシック」も「エキスパート」も、難関レベルとはいえません。
平均より少し易しいレベル設定となっています。
合格率
画像処理エンジニア検定ベーシックの合格率は大体6割です。
2019年後期の場合だと、602人受験したうち67.90%が合格しています。70点(100点満点)以上が合格基準です。
画像処理エンジニア検定エキスパートの合格率は大体3割です。
2019年後期の場合だと、484人受験したうち32.60%が合格しています。70点(100点満点)以上が合格基準です。
※難易度により、合格基準が多少変動する可能性があります。
画像処理エンジニア検定の範囲
画像処理エンジニア検定で出題される内容について見てみましょう。
画像処理エンジニア検定では、工業分野や医療・ロボットビジョン、画像映像系製品などのソフトウェアやシステムについて。
そして、製品開発の際に必要な知識が出題されます。
画像処理エンジニア検定ベーシック
デジタルカメラモデル・ビジュアル情報の処理原理についての知識
画像の濃淡変換処理テクニックに関する基礎知識
画像の解析の基礎知識
パターンや特徴を検出するテクニックやパターン認識の基礎知識
3次元シーンの復元処理についての基礎知識
システムや周辺機器の基礎知識
知的財産権や情報セキュリティなどの関連知識
引用元:https://www.cgarts.or.jp/kentei/about/img_engineer/third.html
これらの範囲から問題が出題されます。
画像処理エンジニア検定エキスパート
デジタル画像の撮影・性質・色空間について
各画素の濃淡変換・領域に基づいた濃淡変換
フィルタリング・画像の復元や生成
幾何学的な変換について
2値画像の処理・領域処理
図形やパターン、特徴の検出・マッチングやパターン認識
動画の処理や3次元復元・光学的な解析などについて
画像圧縮・符号化について
知的財産権
引用元:https://www.cgarts.or.jp/kentei/about/img_engineer/second.html
これらの範囲から問題が出題されます。
出題範囲を見るとわかるとおり、ベーシックよりもエキスパートのほうがより高度な範囲をカバーしています。
画像処理エンジニア検定のメリット
この項目では、画像処理エンジニア検定の資格を取得するメリットについて解説します。
専門的な知識を保有している証明ができる
画像処理エンジニア検定エキスパートを取得すれば、画像処理分野で深い知識・スキルを持っていることを証明することが可能です。
出題される問題がその道のプロの意見をもとに作られている
画像処理エンジニア検定の場合、画像処理のプロや研究者などの声をふんだんに反映した問題を出題しています。
変化があった時は最新の情報に沿った問題が出されるので、画像処理の専門知識を学びたい人にとっては有り難いメリットといえるでしょう。
表現の幅が広がる
画像処理についての知識を深めれば「画像の魅せ方」がわかるようになります。
どこに画像を置けばより画像を際立たせることができるか、色味を調整して温かいイメージにする方法、などの知識は仕事だけでなくプライベートでも活かすことできるでしょう。
段階的なレベルで学習できる
基礎知識を問う画像処理エンジニア検定ベーシック、より深い知識・スキルを問う画像処理エンジニア検定エキスパートと段階をおって画像処理について学べます。
いきなり高レベルな問題にチャレンジしなくても良く、現状の自分のスキルに見合った問題に触れることができます。
画像処理エンジニア検定を活かせる職種
画像処理エンジニア検定で得た知識を活かせる職種の一部をご紹介します。
- 映像通信関係の仕事(制作会社・エンジニア・プログラマー)
- コンピュータ周辺機器に関する仕事
- ロボットビジョンに関わる仕事(開発者・研究者など)
- 製品検査に携わる仕事
- 印刷に関わる仕事(印刷会社)
二次元コードの読み取り、顔認識によってピントを合わせるなどの画像処理テクニックを学習できるため、エンジニアの強みとなる資格といえます。
仕事に画像処理エンジニア検定を活かしたい人は「画像処理エンジニア検定ベーシック」ではなく「画像処理エンジニア検定エキスパート」の合格を目指しましょう。
検定に合格するため必要な学習時間の目安
画像処理エンジニア検定に合格するためには、どれくらい勉強すれば良いのでしょうか。
この項目では、画像処理エンジニア検定を合格するのに必要な学習時間の目安についてお伝えします。
画像処理エンジニア検定ベーシック
基礎知識を持っていれば合格できる画像処理エンジニア検定ベーシック。
ですが、基本的な知識だからといって甘く見て何も勉強しないと不合格になってしまう可能性もあります。
最低でも30時間以上の学習時間を確保するのが良いでしょう。
画像処理エンジニア検定エキスパート
画像処理未経験で画像処理エンジニア検定エキスパート試験に合格したいなら、50時間以上の学習時間を確保しましょう。
2ヶ月間はエキスパート試験対策をすることをおすすめします。
ただ、学習時間よりも「どの程度の知識をつけたか」が重要となってくるので時間を気にするよりも勉強の密度に注目するようにしましょう。
画像処理エンジニア検定の試験対策①参考書と問題集
画像処理エンジニア検定の試験対策として有効なのは「参考書を読むこと」と「問題集を解くこと」です。
この項目では、画像処理エンジニア検定の参考書・問題集の中でも公益財団法人 画像情報教育振興協会(CG-ARTS)がおすすめする参考書と問題集をご紹介します。
どの書籍もiBooks版・Kindle版が用意されているので、いつでもどこでも画像処理エンジニア検定の勉強ができます。
画像処理エンジニア検定ベーシック対応
「ビジュアル情報処理 -CG・画像処理入門- [改訂新版]」はCGと画像処理の基礎知識が詰まった参考書です。
図がたくさん挿入されていること・注釈がわかりやすく書かれていることなど、画像処理初心者でも取り組みやすい工夫がされています。
こちらからサンプルページの閲覧が可能です。
画像処理エンジニア検定エキスパート対応
「ディジタル画像処理[改訂新版]」は画像処理の基礎知識とテクニックやアルゴニズム。応用例などが詰め込まれた参考書です。
サンプルもたくさん掲載されており、画像処理についてわかりやすく深い知識とスキルを吸収できます。
こちらからサンプルページの閲覧が可能です。
画像処理エンジニア検定ベーシック&画像処理エンジニア検定エキスパート対応
「画像処理エンジニア検定エキスパート・ベーシック公式問題集 [改訂第三版]」は、ベーシックとエキスパートの試験で実際に出された問題を収録している公式の問題集です。
ベーシック・エキスパートともに3回分の練習問題を解くことができます。
解答と解説は別冊となっており、答え合わせや理解を深めるために読み込むのに便利です。
こちらからサンプルページの閲覧が可能です。
画像処理エンジニア検定の試験対策②過去問
主催しているCG-ARTSは、公式サイトで過去2回分の試験問題を公開しています。
試験問題の公開は、検定が実施されてから1週間ほどで更新されるとのこと。
過去2回分以前の試験問題や解答については公開されておらず、対応することができない旨が公式サイトに記載されています。
「問題集で勉強したけれど、もっと過去問に取り組みたい」という人はこれを利用してみると良いでしょう。
なお、解説はありませんので「間違っていたけど、理由がわからない」という場合は参考書や問題集を開き、間違った問題に対応する項目を振り返ってみましょう。
画像処理エンジニア検定試験対策③オンライン
画像処理エンジニア検定の合格を目指している人にぜひ知っておいてほしいサイトがあります。
それは、「CG-ARTS検定 WEB TRIAL」というサイトです。
「CG-ARTS検定 WEB TRIAL」ではCG-ARTSが主催している下記の資格の過去問にトライすることができます。
- 画像処理エンジニア検定
- CGクリエイター検定
- CGエンジニア検定
- Webデザイナー検定マルチメディア検定
CG-ARTS検定 WEB TRIALにアクセスする
まずはサイトにアクセスしましょう。
「画像処理エンジニア検定」をクリック
「今すぐウェブトライアルに挑戦する!」という文字の下にある「画像処理エンジニア検定」を押下します。
過去問題に挑戦する
画像処理エンジニア検定についての概要が書かれたページに飛びます。「ENTER」を押してスタートしましょう。
問題を解く
全5問の問題を解いていきます。
正解と思う答えを選んで次へ進みます。1問終わるごとに解答・解説は出ませんのでご注意ください(最後にまとめて結果を見ることができます)。
採点結果
全ての問題が終わったら採点結果が表示されます。
CG-ARTS協会からのコメントも。「解答の解説はコチラ」をクリックすると、各問題の解説を閲覧することが可能です。
参考問題も確認してみる
画像処理エンジニア検定の公式トップページからは、「画像処理エンジニア検定ベーシック」「画像処理エンジニア検定エキスパート」それぞれの出題範囲をチェックできるページへのリンクがあります。
そこに飛ぶと、「参考問題を見る(PDF)」というボタンがあるので押下してみてください。各参考問題の確認ができます。
問題のテーマや出題のねらいなども知ることができるので、試験対策をする時に傾向を掴む手助けとなるはず。確認しておいて損はないでしょう。
画像処理エンジニア検定で自分のスキルを証明しよう
Web系の仕事が注目される中、画像処理スキルを要求される機会は多くなることでしょう。
画像処理エンジニア検定を所持していることは、画像処理をおこなえる証拠となります。
これから先、Webに関連する仕事をしていく上でさまざまな場面で活用できる資格となるはず。
よりキャリアを積み上げたい人は、取得を検討してみてはいかがでしょうか。
まずは、段階的にスキルをレベルアップさせるために画像処理エンジニア検定ベーシックの資格取得からチャレンジしてみてください。
画像処理エンジニア検定ベーシックを取ったら、次は画像処理のスキルを実際の仕事に応用できる画像処理エンジニア検定エキスパート資格の取得を目指しましょう。