日本を支える基幹システム

ビジネスを行なっていく上で欠かせないシステムである「基幹システム」

名前からその重要性はそれとなく伝わってくるかもしれませんが、実際にどのような働きをしているかまではご存じない方も多いのではないでしょうか。

今回の記事ではそんな「基幹システム」とよばれる業務には欠かせないシステムについて解説していきます。

実は基幹システムは、日本の経済を影から支えているシステムともいえるほどに重要な存在です。

基本的な情報から、導入・寿命などについてはもちろん、混同されがちなERP・情報系システムとの違いについてもチェックしていきましょう。

徹底的に解説いたします。


基幹システムとは

では早速、基幹システムとは何なのかという点を解説します。

基幹システムは「何かを動かすために必須の」システムです。

特に業務システムに用いられることが多いため、基幹システムは一言でいえば「企業が業務を行う上で根幹となるシステム」と表現できるでしょう。

業務内容に直接関わるシステムとも表現できるかもしれません。

実際に基幹システムといわれるものとして多いのが「人事給与システム」や「生産管理システム」、「販売管理システム」などが挙げられます。

どれも企業が業務活動をしていく上で絶対に欠かせないシステムということが分かるのではないでしょうか。

基幹システムは企業にとってそれほど重要です。

もし仮に基幹システムがトラブル等で停止してしまえば、業務活動が行えなくなるほどまでに重要なシステムになります。


基幹システムとERPなどとの違い

そんな基幹システムですが、度々ERPや情報系システムと混同されます。

特にERPは顕著で、一緒くたに扱われることが非常に多いです。

確かに共通する部分や同じカテゴリに分類される面などはあるものの、決して「同じものではない」ので注意してください。

ここからは、実際に基幹システムとERPの違いを解説していきます。


ERPとは

まず前提としてERPがなんなのかということについて知っておく必要があります。

ERPというのは、本来システムのことではなく「マネジメント手法」のことを指す単語です。

Enterprise Resource Planning、日本語では経営資源計画といい経営効率を良くするための概念となっています。


情報システムとしてのERP

そして、このERPがITシステムとしてもすっかり定着しています。

ITシステムとしてのERPは統合的なITシステムといえるでしょう。

つまりERPは基幹システムのことだけでなく、それ以外の業務に関わるシステムも統合したもののことを指しています。

言い方を変えれば、いくつかある基幹システムをベースとして全て統合したシステムです。

つまり、ERPと基幹システムは似ている部分はあれど本来別物であるということです。


情報系システムとは全くの別物

また、企業は基幹システムとは別に情報系システムを導入しています。

この情報系システムと基幹システムは全くの別物です。

もし仮に基幹システムが停止してしまえば、業務活動が行えなくなるほどに大変な事態になることは既にお伝えしました。

対して、情報系システムは「仮に停止しても大変ではあるものの業務活動自体は行える」システムのことを指します。

具体的には「メールシステム」や「グループウェア」などが挙げられるでしょう。

どれも「ないと不便だけど業務は行える」ということが分かります。

そのため、基幹システムと情報系システムはその重みや企業にとっての重要性が全く異なる別物ということです。


基幹システムに重要なこと

大抵の場合、扱うデータが定型的なものという特徴があります。

そのため、シンプルなインターフェースや安定性、正確さが求められます。

反面、柔軟性や凝ったインターフェースは不要ともいえるでしょう。

あくまで機能面や操作性の良さ、安定性が求められるシステムです。


基幹システムの課題は「老朽化」

さて、昨今の企業は基幹システムではなくERPを新たに導入する流れが一般的になっています。

つまり、基幹システムは既に「古い」のです。

現在基幹システムは様々な課題を抱えています。


基幹システムは老朽化している

その中でも特に大きな課題として挙げられるのが「老朽化」というポイント。

導入したのが古ければ古いほど当然基幹システムも古いことになります。

時代の移り変わり、技術の進歩が目覚ましいITシステムにおいて、老朽化は致命的ともいえるでしょう。

現に、多くの基幹システム開発企業がサポート終了をアナウンスしました。

そのため、現在の基幹システムを止めて新たなシステムを構築しなければなりません。


IT業界の人材不足も課題

そして近い将来、この老朽化した基幹システムを運用・保守・メンテナンスできる人材が枯渇するとされています。

既に老朽化している基幹システムを運用・保守できるのはやはり高齢のエンジニア

ただでさえIT業界は人手不足に悩まされていますから、若手のエンジニアが老朽化した基幹システムの運用・保守というニッチな分野に手を出すはずがありません

今後老朽化した基幹システムで業務を行っている企業は、新たに基幹システムを再構築するか、ERPを導入せざるをえない状況に立たされているということです。


基幹システムの寿命

老朽化しているといわれる基幹システムですが、そもそもの寿命は一体どの程度の期間なのでしょうか。

よくいわれるのは平均14年前後という数字です。

寿命自体は約14年となりますが、その間も外部環境は常に変化しています

企業も当然その外部環境の変化に対応する必要があり、一定以上の変化が生じた場合は既存の基幹システムでは対応できなくなるかもしれません。

つまり基幹システムの「限界」がきてしまうということです。

寿命自体は14年前後かもしれませんが、実際にはもっと短い段階で基幹システムが使い物にならなくなる可能性があります。

手遅れになる前に、基幹システムの再構築を行わなければなりません。


基幹システム再構築で重要なこと

では実際に基幹システムを再構築しなければならなくなった時、一体何が重要でしょうか。

基幹システムの再構築は多くの企業が失敗しています。

何に注意すれば成功を収められるのか、そのポイントをチェックしましょう。


再構築で大事なのは2点

基幹システムを再構築する際に大事な要素が2つあります。

それが、基幹システム再構築の「目的」現基幹システムへの「課題」を明確にするということです。

それぞれ具体的に解説します。


基幹システム再構築の目的

基幹システムを再構築する目的は一体なんでしょうか。

それがはっきりしていなければ、再構築に失敗してしまう可能性がグッと高まります。

「そろそろ寿命だから」だとか「新しくしたいから」という理由は明確ではありません。

基幹システムを再構築することによって得られるメリットや価値を明確にする必要があります。


基幹システム再構築の課題

基幹システムを再構築するにあたり、現在運用しているシステムが抱えている課題を明確にしておくことも重要です。

業務活動を行う上で、外部環境の変化などによって生じた現在使用している基幹システムの様々な「課題」を明らかにしましょう

業務プロセス全体を見て、現在の基幹システムの課題を浮き彫りにする必要があります。

先ほどお伝えした再構築の「目的」とこちらの現期間システムへの「課題」を明確にすることで、基幹システム再構築での失敗を避けることができるでしょう。


ERPの導入の進め方

ERPが定着してきた現代社会において、新たに基幹システムを導入しようと考える企業はなかなかいらっしゃらないでしょう。

新たに導入するなら「ERP」を採用するケースが多いです。

そのERPですが、実際に導入するとなるとどのようなフローになるのでしょうか。

続いてはERP導入の流れを解説します。

大まかな流れは以下の通りです。

  • 導入体制の整理
  • ERPの選定
  • インフラ整備
  • ユーザへの教育

1つずつ簡単にチェックしていきましょう。


導入体制の整理

ERPを導入する際に起こりがちなのが、トップ層の経営陣のみで物事を進めていってしまうパターンです。

しかし、実際には現場で働いている社員たちの声を聞き入れることが重要です。

現場の声を反映したERPを導入できるよう、体制を整理する必要があります。

ヒアリングやその内容から様々な分析を行うといった流れです。


ERPの選定

ヒアリングや分析などを基に、実際に導入するERPを選定します。

ベンダとのコミュニケーションをしっかり取ることも重要です。

サポート体制についても確認しておきましょう。


インフラ整備

いざERPを導入する際に、サーバやネットワーク構成などを確認する必要があります。

場合によってはインフラを再構築しなければならない可能性もあるでしょう。

導入後にネットワーク構成を変更するとなると、非常に厄介な事態に陥りかねません。

導入前にじっくりと最適なネットワーク構成などインフラ整備をしておく必要があります


ユーザへの教育

ERPを導入したら、当然利用するユーザたちがいます。

そのユーザを教育しなければなりません。

せっかくERPを導入したのにも関わらず、ユーザが満足に使いこなせなければ全く意味がなくなってしまいます。

各ユーザに向けてしっかりとした教育を施しましょう。


クラウドERPの時代が到来する

さて、IT業界ではなんでもかんでも仮想化やクラウド化していくというのがトレンドです。

ERPも同様でクラウドERPが台頭し始めており、主に外資系のベンダがSaaS、つまりクラウドERPを開発しています。


クラウドERPの特徴

クラウドERPは従来のオンプレミスソフトウェアとは異なり、文字通り「クラウド上にあるERP」になります。

日本ではまだまだ定着していませんが、北米などではすっかり当たり前の存在になっているようです。

このクラウドERPは、ベンダ側がERPを運営することになります。

つまり、複数企業で同じERPを利用するということです。

そのため、アップデートなどはベンダ側が好きなタイミングで行うことになります。

となると、ある日突然インターフェースや操作性が全くの別物になったという事態が起こり得るかもしれません。

しかし、導入時にサーバなどへの投資などが不要になるため、圧倒的にコストを削減できるというメリットもあります。


クラウドERPと日本

この記事でも触れましたが、日本における基幹システムには安定性や操作性が求められているのが現状です。

つまり、安定性などを求める日本企業にはある日突然UIが刷新されたり、機能が追加・削除される可能性のあるクラウドERPは定着しづらいであろうことが推測できます。

とはいえ、約4割ほどの企業がクラウドERPに関心を抱いているというデータもあり、一概に拒否されているというわけではありません。

今後SaaSやクラウド化していく流れはますます普及していくでしょう。

たとえ導入を渋っていても、せざるを得ない状況へと変化していく世界になっていくのかもしれません。


基幹システムとERPは企業にとって必要不可欠なものである

今回の記事では、基幹システム、および昨今当たり前となってきた情報システムとしてのERPに注目してきました。

どちらも、企業が業務活動を行なっていく上では欠かせないシステムであることが伝わったかと思います。

そして、基幹システムとERPが本来別物であるということも解説いたしました。

基幹システムは老朽化しているという現状の問題などもあり、これから新たに導入する場合は基本的にERPを選択する企業が多くなるでしょう。

そしてそのERPにも「クラウドERP」という新たな選択肢が登場してきました。

何にせよ大切なのは、なぜERP(クラウドERP)を導入する必要があるのかという点を明確にしておくということです。

これは基幹システムを再構築する場合にも同様で、記事中で触れた通り「目的」と「課題」を明確にする必要があります。

これらを企業として強く意識して導入および再構築を行えば、失敗を避けることができるでしょう。

ERPおよび基幹システムを使いこなし、企業として行う活動の効率化などが図れます。

自社に最適なERP・基幹システムを導入・再構築するためにもよく注意しておきましょう。