Android技術者認定試験とは?アプリ開発者に選ばれる理由や取得のメリットを解説!オススメの勉強法と問題集も紹介
スマートフォンで名前を聞くことも多いAndroid。現在、このOSで使えるアプリケーションやプラットフォームの開発ができる人材が求められています。
そして「自分はAndroidのアプリケーション・プラットフォーム開発ができる」ということを証明するのが「Android技術者認定試験」です。
いったいどんな資格なのでしょうか。取得のメリットと試験の難易度、勉強方法について解説します。
現在スマートフォン関連の業務が増えている
スマートフォンの普及に関連し、スマホ関連の業務が増えています。
それに伴い、スマホ関連業務に携わる人向けの資格も多くなってきているのです。
当然、Androidに関係する開発案件も急増しています。ソフトウェア業界は今、Androidエンジニアが枯渇しているようです。
各企業は優秀なエンジニアを集めることに苦労しており、実績のある企業への業務が集中しています。
そのような背景もあり、技術者のスキルを認定する公的な試験「Android 技術者認定試験制度」が実施されるようになりました。
Android技術者認定試験は、Androidの開発プラットフォームに対する知識や技術を持っていることを認定する試験です。
この資格を取得することで、Android技術者として認定されます。
Androidとは?
Androidとは、Googleが開発したモバイル向けのOS(オペレーションシステム/基本ソフト)のことです。
主に、スマートフォンやタブレットなどの、モバイルデバイス向けにデザインされています。
よくAppleのiPhoneと共に語られることも多く、日本でもAndroidのスマートフォンを使っている人は多いです。
アプリケーションマーケットとしても、Google Playがインストールされています。
アプリを追加したい場合は、Google Playから様々なアプリをダウンロードすることになるのです。
Androidはオープンソースで、ライセンス料が発生しません。そのため、企業や個人では、アプリの開発も積極的に行われています。
開発言語はJavaですので、この言語を使うことができれば自分でアプリを作ることも可能です。
この記事の主題であるAndroid 技術者認定試験制度は、Android開発の実力を証明するための制度です。
Android 技術者認定試験(ACE)とは
Android 技術者認定試験は、Androidのアプリケーション開発スキルやプラットフォーム開発者の技術力を測る試験です。
2010年から始まり、世界160カ国で実施されています。日本では、一般社団法人IT職業能力支援機構によって実施されています。
試験には「アプリケーション技術者認定試験」と「プラットフォーム技術者認定試験」の2つ。
それぞれベーシックとプロフェッショナルの区分があります。
ベーシックは、開発に必要とされる基本的な知識の問題が出題される試験です。
プロフェッショナルは、業務アプリケーションを対象としたより高度な技術力が試されます。
Androidの技術者やAndroidについて学んでいる人、またはJava開発者などが受験対象です。
Androidを使った様々なアプリを開発したい人は、「アプリケーション技術者認定試験」を受けましょう。
一方Androidのオープンソース開発に携わりたい場合は、「プラットフォーム技術者認定試験」を受けるのがおすすめです。
どちらの試験も、必要な言語を習得したり、スキルを積み重ねたりする必要があります。
合格することで自分のスキルを客観的に証明でき、履歴書や経歴書にも公正な評価として外部に知らせることも可能です。
仕事の面で恩恵を受けられる資格であることは間違いありません。
Androidアプリケーション技術者認定試験
Androidアプリケーション技術者認定試験は、Androidのアプリケーション開発スキルを測る試験です。
要するに、Androidのアプリケーションを開発する上で、どの程度の技術力があるのかを測る試験といえます。
「ベーシック」では、開発に必要とされる基本的な知識が主な内容です。
「プロフェッショナル」では、より高度な業務アプリケーションの開発者をターゲットにしている都合上、無論高度な技術力が試されます。
合格者には認定書がもらえるのは他の資格と同等です。
一般社団法人IT職業能力支援機構Android認定試験制度委員会より、認定書が送付されます。
Androidプラットフォーム技術者認定試験
Androidプラットフォーム技術者認定試験は、プラットフォーム開発者の技術力を認定する試験です。
例えば、ロギングやNDKについてなどの知識と技術力が試されます。
Androidアプリケーション技術者認定試験と同様、ベーシックとプロフェッショナルの2種類です。
難易度は高めですが、世界で通用する資格ということもあり人気を集めています。
Android技術者認定試験のメリット
Android技術者認定試験は、2種類ともAndroidの開発には欠かせないスキルです。
そのためAndroidアプリケーション開発をしたいと思っている人は、どちらも取得して損はない資格だといえます。
求人情報を探してみればわかる通り、Android開発者を求める企業は増える一方です。
フリーランスでの案件を受注したり、就職や転職したりしやすいというメリットがあります。
スマホの歴史はまだまだ新しく、安定した職業に就きた人はAndroid技術者認定試験を取得するのがおすすめです。
Android技術者認定試験はどんな人におすすめなのか
Android技術者認定試験は、 Android開発の技術力があると証明したい人におすすめです。
フリーランスで案件を受注したいときや転職する時、また就職の際には技術力を証明できる方が有利となります。
Android技術者認定試験に合格することで、「Android開発の技術力があります」という証明ができるのです。
昇給を目指している人
Android技術者認定試験の資格を取得することで資格手当がつき、給料がアップする企業も実際に存在します。
実際に上がるかどうかはその会社によりますが、昇給を目指している方は認定試験を受験することを検討してみても良いでしょう。
スマホアプリエンジニアを目指している学生
スマホアプリのエンジニアを目指している学生にも、Android技術者認定試験の受験はおすすめできます。
難しいと思うかもしれませんが、アプリケーションやプラットフォームの開発は学生でも十分できるものです。
実際、世の中に出ているアプリケーションの中には学生が作ったものだってたくさんあります。
試験に合格できれば、確実に就職活動で有利になるでしょう。
スマホアプリエンジニアとは
「スマホアプリエンジニア」について簡単に説明しておきます。
スマホアプリエンジニアは、iOSやAndroid端末に対応したアプリを設計・開発する人のことです。
ITエンジニア・Webエンジニアよりも未だに数が少なく、企業からの求人需要が高いのが特徴といえます。
その反面スマートフォンが普及し、アプリの利用者は増える一方です。
ショッピングはもちろん、調べ物でさえgoogle検索ではなくSNSなど他のアプリで行う時代になりました。
スマホアプリはどんどん増えており、スマホアプリエンジニアの需要は高くなっているのです。
アプリ開発・WEB開発・Java開発を担うエンジニア
アプリ開発・WEB開発・Java開発を担当するエンジニアは、Androidに関する知識を業務で活かすことができます。
そのため今後のキャリアを考える上でも、Android技術者認定試験の受験はおすすめです。
Android技術者認定試験の試験内容
アプリケーション技術者認定試験・プラットフォーム技術者認定試験ともに、共通の試験項目と個別の試験項目があります。
共通項目
アプリケーション技術者認定試験・プラットフォーム技術者認定試験共に出題される項目があります。
片方を受ける際にしっかり勉強すれば、次に勉強する試験もぐっと楽になるでしょう。
- 開発環境
- NDK、JNI
- デバッグ技術
- デバック手法
Androidアプリケーション技術者認定試験項目
Androidアプリケーション技術者認定試験のみに出題される項目です。
- androidプログラミング
- Javaプログラミングの知識
- スクリプト言語
- アブジェクト指向
- android基本知識(アプリ視点)
Androidプラットフォーム技術者試験項目
Androidプラットフォーム技術者認定試験にのみ出題される項目です。
- Linuxの知識
- ライブラリ概要
- Bionic
- HAL
- 起動シーケンス
- android基礎知識(プラットホーム視点)
Android技術者認定試験の難易度
Android技術者認定試験はどれも偏差値50を超える試験となっており、決して簡単ではありません。
Androidアプリケーション技術者認定試験・ベーシックの難易度
Androidアプリケーション技術者認定試験・ベーシックの合格率は44.6%です。2人に1人近くが合格しています。
偏差値は55で、少し難易度の高い試験となっています。
Androidアプリケーション技術者認定試験・プロフェッショナルの難易度
Androidアプリケーション技術者認定試験・プロフェッショナルの合格率は公開されていません。
よって、現在は合格率から難易度を推定することは不可能です。
また偏差値は59で、ベーシックより4高くなっています。こちらも難易度の高い試験であることが分かるのではないでしょうか。
Androidプラットフォーム技術者認定試験・ベーシックの難易度
Androidプラットフォーム技術者認定試験・ベーシックの初年度の合格率は、43%でした。
しかし合格率は年々低下傾向で、低い時には20%を記録することもあったようです。
偏差値は55で、偏差値だけを見れば難易度は中くらいといえます。
Android技術者認定試験の申し込み方法
基本的にインターネットから申し込みをします。
ただし、「試験を実施する団体」と「試験を配信する団体」が違っているので注意しましょう。
試験を実施するのが「一般社団法人IT職業能力支援機構」、配信するのが「Prometric社」です。
まずはPrometric社のHPより、プロメトリックIDを取得します。
そして試験会場や試験日程・予約状況を確認して予約をします。
受験料は15000円(税抜き)。
制限時間は90分、問題は70問で全て四択です。7割以上の正答で合格です。
Android技術者認定試験の勉強方法
まずは、参考書と問題集を一冊ずつ揃えましょう。そして問題集の問題が完璧に解けるまで、繰り返してください。
しかし実際の試験では、問題集に乗っていない用語が出ることがあります。
より正答率を高めるためには実際にコーディングや開発機能を試したり、サンプルプログラムを作ったりする練習も必要です。
参考書をしっかりと読もう
まずが参考書に書かれている内容を、隅々まで理解しましょう。
コードを書きながら読むと、より覚えやすくなります。
参考書を読んで理解を深めることで、より合格へ近づくのです。
問題集の問題を解こう
問題集を繰り返し問いて、解答を覚えましょう。
また解答を覚えるだけでなく、「なぜその答えになるのか」についても理解するようにしてください。
そのような形で勉強することで、より多くの知識が身に付きます。
更に、効率良くより多くの問題に対処できるようにもなります。
実際にアプリを開発しよう
Javaを使って実際にアプリの作成をすることも、効果的な勉強方法の一つです。
実践的な経験を積むことで、アプリ制作の知識がより具体的になります。
Android技術者認定試験に合格するための参考書や問題集
Android技術者認定試験の勉強におすすめの参考書や問題集を紹介します。
Androidアプリケーション技術者認定試験ベーシック対策実践問題集
OESF(一般社団法人Open Embedded Software Foundation)公認・監修
出題範囲である「Android技術スキル標準」を網羅した模擬問題を掲載しています。
3週間完全マスター ANDROIDアプリケーション技術者認定試験ベーシック
Androidアプリケーションの仕組みを、初歩から学べる学習書です。
初歩からAndroidアプリケーション開発を始めて、3週間で試験に合格することを目指します。
JDK、Android SDK、Eclipseといったソフトウェア開発キットをダウンロードすることも可能です。
実際に手を動かして、Androidアプリケーション開発の面白さを体験できます。
携帯OS教科書 Androidアプリケーション技術者ベーシック
「アプリケーション技術者認定試験ベーシック」を受験する人向けの学習書です。
合格に必要な知識が丁寧に解説されています。
練習問題も多数掲載されており、この一冊で参考書と問題集が併用できます。
ベーシックをマスターすることで、プロフェッショナルの方の試験にも応用が利くようになるのです。
徹底攻略 Androidアプリケーション技術者認定試験ベーシック問題集
Androidに精通した著者陣が問題300問を掲載し、一問ごとに丁寧に解説してくれています。
巻末には試験1回分を想定した総仕上げ問題が掲載されているので、模試として是非取り組みましょう。
ANDROIDアプリケーション技術者認定試験ベーシック対策実践問題集
Android技術スキル標準をカバーする210問の模擬問題を掲載しています。
時代の最先端を行くAndroid 技術者
Android 技術者認定試験制度について紹介しました。
Androidはオープンソースであり、今後さらにシェアを伸ばすことが見込まれます。
日本はiPhoneが人気といわれていますが、世界に目を向けるとAndroidの方が利用者が多く、需要も高いのが実情です。
現時点ではAndroidの技術開発者は依然として足りない状況とされています。引く手あまたな存在なので、とっておいて損はありません。
是非Android 技術者認定試験を受験し、自分のプロフェッショナルなスキルを証明しましょう。