
.NET(旧.NET Core)とは?最新バージョンと使い方を解説!クロスプラットフォーム対応の魅力もご紹介
こんにちは!
toiroフリーランス編集部です。
「.NETってよく聞くけど、結局何ができるの?」「.NET Coreと何が違うんだろう?」
そんな疑問を抱えているフリーランスエンジニアのあなたへ。
本コラムでは、クロスプラットフォーム開発の強力な味方である.NETについて、その概要から最新バージョン、具体的な使い方まで徹底的に解説します。
このコラムを読み終えるころには、あなたの.NETに関する理解が深まり、自身のスキルアップや案件獲得に役立つヒントを得られます!
.NET(旧.NET Core)とは
まずは、.NETがどのようなものであるか、その全体像を把握していきましょう。
.NETの概要と歴史
.NETは、マイクロソフトが開発したオープンソースの開発者プラットフォームです。
単一のフレームワークや言語を指すのではなく、さまざまな種類のアプリケーションを開発するためのランタイム、ライブラリ、ツール群の総称です。
その歴史は長く、2002年にWindows向けの「.NET Framework」として誕生しました。
その後、クロスプラットフォーム対応の「.NET Core」が登場し、さらに進化を遂げて現在の「.NET」へと統合されています。
.NET Frameworkとの違い
かつて、マイクロソフトの主要な開発プラットフォームとして「.NET Framework」が存在しました。
現在の「.NET」と「.NET Framework」は、以下に示すようにいくつかの重要な違いがあります。
特徴 | .NET | .NET Framework |
---|---|---|
対応OS | Windows、Linux、macOS | Windowsのみ |
オープンソース | ○ | ×(一部例外あり) |
提供形態 | モジュール型(必要なコンポーネントのみ導入) | 一体型(すべてのコンポーネントが導入される) |
パフォーマンス | 高い(高速な実行と低メモリ使用量) | 良好 |
開発の活発さ | 活発に開発中 | 新機能追加は限定的で、既存システムの保守が中心 |
これらの違いから、新規開発では基本的に「.NET」を選択することが推奨されます。
.NET Coreから.NETへの名称変更の経緯
2020年11月にリリースされた「.NET 5」より、「.NET Core」という名称は廃止され、単に「.NET」となりました。
この変更は、Windowsに限定されていた.NET Frameworkと、クロスプラットフォーム対応の.NET Coreが統合され、すべての.NETの未来を単一のプラットフォームに集約するというマイクロソフトの明確な意思表示です。
開発者はターゲットプラットフォームを意識することなく、より一貫性のある開発体験を得られるようになりました。
.NET Standardとの関係性
.NET Standardは、異なる.NET実装(.NET Framework、.NET、Xamarinなど)間でコードを共有するための、APIの仕様です。
ライブラリ開発者がさまざまな.NET環境で動作するライブラリを作成できるよう、共通のAPIセットを提供します。
例えば、.NET Standard 2.0に準拠したライブラリは、.NET Framework 4.6.1以降や.NET Core 2.0以降など、多くの.NET実装で利用可能です。
コードの再利用性が大幅に向上し、開発効率を高めることに繋がります。
.NETの主な特徴
次に、.NETがフリーランスエンジニアにとって魅力的な理由となる、その主要な特徴をみていきましょう。
クロスプラットフォーム対応(Windows、Linux、macOS)
.NETの最大の強みの一つは、Windowsだけでなく、LinuxやmacOSといった複数のOS上でアプリケーションを実行できるクロスプラットフォーム対応です。
この特性により、開発者は特定のOSに縛られることなく、幅広い環境で動作するアプリケーションを開発できるようになります。
例えば、開発はmacOSで行い、デプロイはLinuxサーバー上で行うといった柔軟な選択肢が可能です。
高パフォーマンスと軽量性
.NETは、JIT(Just-In-Time)コンパイルやAOT(Ahead-Of-Time)コンパイルといった技術を組みあわせることで、高いパフォーマンスを実現しています。
特にWebアプリケーションの分野では、競合する他のフレームワークと比較しても、優れた処理速度と低いメモリ使用量を発揮します。
大規模なシステムや高負荷なアプリケーションでも、安定した動作が期待できます。
また、必要なコンポーネントのみをデプロイできるモジュール構造により、アプリケーションの軽量化も図れます。
オープンソースとコミュニティ主導の開発
.NETは完全にオープンソースで開発されており、そのコードはGitHub上で公開されています。
よって、世界中の開発者が開発プロセスに参加し、バグの修正や新機能の提案、ドキュメントの改善に貢献できます。
活発なコミュニティは、開発における疑問の解決や技術的な知見の共有を容易にし、フリーランスエンジニアにとっても心強いサポートとなるでしょう。
豊富な対応言語とライブラリ(C#、F#、VBなど、NuGetパッケージ)
.NETは、複数のプログラミング言語に対応しています。主要な言語は以下の通りです。
・C#(シーシャープ)
.NET開発の中心となるオブジェクト指向プログラミング言語です。モダンで表現力豊かな構文をもち、幅広いアプリケーション開発に利用されます。
・F#(エフシャープ)
関数型プログラミングを主軸とした言語です。データ分析や並列処理など、特定の分野で高い生産性を発揮します。
・VB.NET(Visual Basic .NET)
Visual Basicの現代版であり、直感的でわかりやすい構文が特徴です。
ビジネスアプリケーション開発などで利用されることがあります。
さらに、.NETには「NuGet(ニューゲット)」という強力なパッケージ管理システムがあります。
NuGetを使用すると、オープンソースや商用ライブラリを簡単に検索、インストール、管理できます。
開発者はゼロからコードを書く手間を省き、既存の高品質なコンポーネントを再利用することで、開発効率を飛躍的に向上させることができます。
.NETでできること

.NETは、その汎用性の高さから、多岐にわたるアプリケーション開発に対応しています。
具体的なユースケースをみていきましょう。
Webアプリ開発(ASP.NET Core)
.NETのWebアプリケーション開発は、ASP.NET Coreが中心となります。
ASP.NET Coreは、高パフォーマンスでスケーラブルなWebアプリケーションやAPIを構築するためのフレームワークです。
MVC(Model-View-Controller)パターンやRazor Pagesといったアーキテクチャを採用し、モダンなWeb開発に対応しています。
近年では、Blazorという技術を用いることで、C#を使ってフロントエンド開発も行えるようになり、より一層開発の幅が広がっています。
デスクトップアプリ開発(Windows、Linux、macOS)
かつて.NET FrameworkがWindows FormsやWPFでデスクトップアプリを開発していたように、.NETでもデスクトップアプリケーションを開発できます。
現在、主なデスクトップアプリケーション開発フレームワークには以下のものがあります。
・WPF(Windows Presentation Foundation)
Windows向けの豊かなUIをもつデスクトップアプリケーション開発に適しています。
・Windows Forms
シンプルなWindowsデスクトップアプリケーションの迅速な開発に適しています。
・Avalonia UI
クロスプラットフォーム対応のUIフレームワークで、Windows、macOS、Linuxで動作するデスクトップアプリを開発できます。
・MAUI(Multi-platform App UI)
後述のモバイルアプリ開発に加え、デスクトップアプリ開発もサポートしており、単一コードベースでクロスプラットフォーム展開が可能です。
モバイルアプリ開発(Xamarin、MAUI)
モバイルアプリ開発においては、長らくXamarin(ザマリン)がその役割を担ってきました。
XamarinはC#を使ってiOS、Android、macOS、Windowsのネイティブアプリを開発できるプラットフォームです。
そして、Xamarinの後継として登場したのが.NET MAUI(マウイ)です。
MAUIは、単一のC#コードベースから、Windows、macOS、iOS、Androidのネイティブアプリを構築できるフレームワークであり、モバイルアプリ開発における生産性を大幅に向上させます。
クラウド・IoT・ゲーム開発などのユースケース
.NETは、Webやデスクトップ、モバイルアプリ開発にとどまらず、以下のような多様な分野でも活用されています。
・クラウドアプリケーション開発
Microsoft Azureはもちろん、AWSやGCPといった主要なクラウドプラットフォーム上でのアプリケーション開発にも対応しています。
サーバーレス機能(Azure Functionsなど)やコンテナ技術(Docker、Kubernetes)との連携も強力です。
・IoT(Internet of Things)開発
軽量性とパフォーマンスの高さから、Raspberry Piなどの組み込みデバイス上で動作するIoTアプリケーションの開発にも利用されます。
・ゲーム開発
Unityというゲーム開発エンジンはC#をスクリプト言語として採用しており、.NETの技術がゲーム業界でも広く活用されています。
・機械学習/AI開発
ML.NETという機械学習フレームワークが提供されており、C#を使って機械学習モデルを構築し、アプリケーションに組み込むことができます。
.NETの最新バージョン情報
つねに進化をつづける.NETの最新情報を把握することは、フリーランスエンジニアにとって不可欠です。
ここでは、そのバージョン情報とサポートポリシーについて解説します。
バージョンの変遷とサポートポリシー
.NETは年に一度、新しいメジャーバージョンがリリースされるという、非常に活発な開発サイクルをもっています。
リリースされたバージョンは、以下のいずれかのサポートポリシーが適用されます。
・LTS(Long Term Support)
長期サポートバージョン。通常3年間サポートが提供され、安定性と信頼性が重視されます。本番環境での利用に推奨されます。
・Current
短期サポートバージョン。通常18ヶ月間サポートが提供され、最新の機能や改善が迅速に提供されます。最新技術を試したい開発者向けです。
開発者は、プロジェクトの要件やリリースサイクルに合わせて、適切なバージョンを選択することが重要です。
最新バージョン(例:.NET 8)の主な新機能
現時点での最新のLTSバージョンは.NET 8です(2025年6月時点)。
.NET 8では、以下のような多岐にわたる新機能や改善が加えられています。
✔ パフォーマンスのさらなる向上:特にJITコンパイルの改善により、多くのシナリオでアプリケーションの実行速度が向上しました。
✔ ASP.NET Coreの機能強化:Blazorの機能拡張、最小APIの改善、HTTP/3の公式サポートなど、Web開発の利便性が向上しています。
✔ .NET MAUIの安定性向上と新機能追加:モバイルおよびデスクトップアプリ開発の生産性が高まっています。
✔ AI関連の機能強化:ML.NETの改善や、新しいAI関連のライブラリ連携が強化されています。
✔ コンテナ開発の強化:コンテナイメージのサイズ削減や、より効率的なコンテナ利用のための機能が追加されました。
これらの新機能は、開発者がより効率的かつ高性能なアプリケーションを構築するうえで大きな助けとなります。
LTS(長期サポート)とCurrentリリースの違い
LTSとCurrentリリースの主な違いは、サポート期間の長さと機能の安定性にあります。
特徴 | LTS(長期サポート) | Currentリリース |
---|---|---|
サポート期間 | 通常3年間 | 通常18ヶ月間 |
新機能の追加 | 安定性が重視され、新機能追加は限定的 | 最新の機能や改善が迅速に提供される |
本番環境への適用 | 安定性と長期的なサポートが保証されるため推奨される | 最新機能を試すための開発環境や短期プロジェクト向け |
新規プロジェクトや長期にわたる運用が想定されるシステムではLTSバージョンを、最新技術を積極的にとり入れたい場合や短期間のプロトタイプ開発などではCurrentバージョンを選ぶとよいでしょう。
.NETの使い方ガイド

ここでは、実際に.NETを使った開発を始めるための具体的な手順と、基本的な使い方について解説します。
開発環境の構築方法(インストール、Visual Studio/VS Code)
.NET開発を始めるには、以下のツールを準備します。
1 . .NET SDKのインストール
.NET SDKは、.NETアプリケーションを開発、ビルド、実行するために必要なツール群です。
公式Webサイト(Microsoft .NET ダウンロード)からインストーラーをダウンロードし、お使いのOSにあわせてインストールします。
2. 統合開発環境(IDE)の選択とインストール
・Visual Studio
Windows環境での.NET開発において、もっとも高機能で統合されたIDEです。
デバッグ機能やUIデザイナー、豊富な拡張機能が魅力です。
コミュニティ版は無料で使用できます。
・Visual Studio Code (VS Code)
軽量でクロスプラットフォーム対応のエディタです。
C#拡張機能などを導入することで、強力な.NET開発環境として利用できます。
macOSやLinuxでの開発に特に人気があります。
これらのツールをインストールすることで、あなたは.NET開発の準備が整います。
プロジェクトの作成と基本的なコマンド
.NET SDKには、コマンドラインインターフェース(CLI)ツール .NET CLI が含まれており、これを使ってプロジェクトの作成や管理を行うことができます。
一般的なプロジェクト作成の流れと、よく使うコマンドは以下の通りです。
1. 新しいプロジェクトの作成
dotnet new console -n MyConsoleApp
このコマンドは、MyConsoleApp
という名前の新しいコンソールアプリケーションプロジェクトを作成します。
console
の部分を web
や wpf
などに変更することで、さまざまな種類のプロジェクトを作成可能です。
2. プロジェクトのディレクトリへ移動
cd MyConsoleApp
3. プロジェクトのビルド
dotnet build
ソースコードをコンパイルし、実行可能なファイルやライブラリを生成します。
4. アプリケーションの実行
dotnet build
プロジェクトをビルドし、そのまま実行します。
開発中のデバッグによく使われます。
これらのコマンドを覚えることで、.NETプロジェクトの基本的な操作を効率的に行えるようになります。
アプリケーションのビルドと実行
dotnet build
コマンドでアプリケーションをビルドすると、デフォルトでは bin/Debug/{Target_Framework}
ディレクトリにコンパイル済みの実行ファイルが生成されます。
例えば、Windowsでコンソールアプリケーションをビルドした場合、MyConsoleApp\bin\Debug\net8.0\MyConsoleApp.exe
のような実行ファイルが生成され、これを直接実行することでアプリケーションを起動できます。
リリース用のビルドを行う場合は、dotnet publish
コマンドを使用します。
dotnet publish -c Release
これにより、本番環境へのデプロイに適した形式でアプリケーションが出力されます。
パッケージ管理(NuGetの使い方)
前述の通り、NuGetは.NETのパッケージ管理システムです。
プロジェクトに外部ライブラリを追加する際に利用します。
NuGetパッケージを追加する方法はいくつかあります。
・.NET CLIを使用する
dotnet add package Newtonsoft.Json
これは Newtonsoft.Json
というJSON操作ライブラリをプロジェクトに追加するコマンドです。
・Visual StudioのNuGetパッケージマネージャーを使用する
Visual StudioのGUIから、パッケージの検索、インストール、更新、アンインストールを簡単に行えます。
・プロジェクトファイル(.csproj)を直接編集する
プロジェクトファイル内に <PackageReference Include="Newtonsoft.Json" Version="13.0.1" />
のように記述することもできます。
NuGetを効果的に活用することで、開発者は豊富な既存の機能を活用し、開発期間の短縮と品質向上を図れます。
デプロイと運用のポイント
.NETアプリケーションのデプロイは、ターゲットとする環境によって異なりますが、一般的なポイントを以下に示します。
・自己完結型デプロイ
アプリケーションの実行に必要な.NETランタイムをすべて含めてデプロイする方法です。
ターゲット環境に.NETランタイムがインストールされていなくても動作します。
・フレームワーク依存デプロイ
ターゲット環境に.NETランタイムがインストールされていることを前提として、アプリケーションのコードのみをデプロイする方法です。
デプロイサイズが小さくなります。
・コンテナ化
Dockerなどのコンテナ技術を利用してアプリケーションをコンテナイメージとしてパッケージ化し、Kubernetesなどのコンテナオーケストレーションツールで管理する方法です。
環境の一貫性が保たれ、スケーラビリティやポータビリティが向上します。
・クラウドサービスへのデプロイ
Azure App Service、AWS Elastic Beanstalk、Google Cloud Runなど、各クラウドプロバイダーが提供するPaaS(Platform as a Service)を利用することで、簡単にアプリケーションをデプロイし、運用できます。
デプロイ方法を適切に選択し、CI/CD(継続的インテグレーション/継続的デリバリー)パイプラインを構築することで、リリースプロセスを自動化し、安定した運用を実現できます。
.NETを選ぶべきケースと注意点
.NETは非常に強力なプラットフォームですが、すべてのプロジェクトに最適というわけではありません。
ここでは、.NETを選択すべきケースと、留意すべき点について解説します。
.NET Frameworkからの移行のポイント
もしあなたが現在.NET Frameworkで開発を行っており、.NETへの移行を検討しているのであれば、いくつかのポイントを考慮する必要があります。
✔ 互換性の確認
.NET Frameworkと.NETでは、APIの互換性がない部分があります。
移行ツールや互換性アナライザーを活用し、影響範囲を特定することが重要です。
✔ プロジェクトの種類
Webアプリケーション(ASP.NET MVC/Web Forms)やWCFサービスなど、プロジェクトの種類によって移行の難易度が異なります。
✔ サードパーティ製ライブラリ
使用しているサードパーティ製ライブラリが.NETに対応しているか確認が必要です。
対応していない場合は、代替ライブラリの検討や自力での移行が必要になることがあります。
移行は手間がかかる作業ですが、パフォーマンス向上、クロスプラットフォーム対応、最新技術の恩恵を受けられるという大きなメリットがあります。
他の開発フレームワークとの比較
.NETは多くの開発フレームワークと競合します。以下に、一般的な比較ポイントを挙げます。
フレームワーク | 主な特徴 | .NETとの比較 |
---|---|---|
Java/Spring | ・巨大なエコシステム ・豊富なライブラリ ・安定性 | ・歴史が長く実績豊富 ・パフォーマンス面では.NETが優位な場合もあり |
Node.js/Express | ・非同期I/O ・高速開発 ・JavaScriptの統一性 | ・Webアプリケーション開発で競合 ・パフォーマンスは.NETが優位なことが多い |
Python/Django/Flask | ・学習コストが低い ・データサイエンス/AIに強み | ・Web開発で競合 ・汎用性では.NETが広範な分野をカバー |
Go/Gin | ・高いパフォーマンス ・軽量 ・並行処理に強み | ・パフォーマンス面で競合 ・開発コミュニティの規模は.NETが圧倒的 |
選択するフレームワークは、プロジェクトの要件、チームのスキルセット、将来の拡張性などを総合的に考慮して決定することが肝要です。
よくあるトラブルと対策
.NET開発において、フリーランスエンジニアが遭遇しやすいトラブルとその対策をお伝えします。
・ビルドエラー
依存関係の問題、参照パスの誤り、構文エラーなどが原因で発生します。
エラーメッセージを注意深く読み、原因を特定しましょう。
Visual StudioやVS Codeの「問題」ウィンドウも活用するとよいでしょう。
・NuGetパッケージの復元失敗
ネットワーク接続の問題、NuGetソースの不正、キャッシュの破損などが考えられます。
dotnet restore
コマンドの再実行や、NuGetキャッシュのクリアを試してみてください。
・ランタイムエラー
実行時例外や、必要なDLLが見つからないといったエラーです。
スタックトレースを確認し、どの部分でエラーが発生しているかを特定します。
デバッガーを使ってステップ実行することも有効です。
・パフォーマンスの問題
不要なオブジェクトの生成、非効率なアルゴリズム、データベースアクセスなど、さまざまな要因でパフォーマンスが低下することがあります。
プロファイラーツール(Visual Studioの診断ツールなど)を利用して、ボトルネックを特定し改善策を検討しましょう。
・クロスプラットフォームでの問題
OSごとのパスの違い、環境変数の設定、ネイティブライブラリの依存関係などが原因で、異なるOSで問題が発生することがあります。
各OSでの動作確認を徹底し、可能な限りOSに依存しないコードを書くよう心がけましょう。
これらのトラブルシューティングの知識は、円滑な開発を進めるうえで非常に役立ちます。
よく使う用語集(.NET(旧.NET Core)用語解説)
.NET開発で頻繁に登場する用語を以下の表にまとめました。
用語 | 説明 |
---|---|
.NET SDK | .NETアプリケーションを開発、ビルド、実行するためのツールキット。 |
.NET Runtime | .NETアプリケーションを実行するために必要なランタイム環境。 |
CLI(Command Line Interface) | コマンドラインから.NETの操作を行うためのインターフェース。 |
CLR(Common Language Runtime) | .NETアプリケーションを実行するランタイム環境の核となるコンポーネント。ガベージコレクションなどを担当。 |
ASP.NET Core | WebアプリケーションやAPIを構築するための.NETフレームワーク。 |
Blazor | C#を使ってクライアントサイドのWeb UIを構築できるフレームワーク。 |
MAUI(Multi-platform App UI) | 単一コードベースでクロスプラットフォームなネイティブアプリを構築するフレームワーク。 |
NuGet | .NET向けのパッケージ管理システム。外部ライブラリの追加・管理を行う。 |
MSBuild | マイクロソフトが提供するビルドプラットフォーム。プロジェクトのビルドプロセスを制御する。 |
JIT(Just-In-Time)コンパイル | 実行時に中間言語(IL)をネイティブコードに変換する方式。 |
AOT(Ahead-Of-Time)コンパイル | アプリケーションのデプロイ前に中間言語(IL)をネイティブコードに変換する方式。 |
IL(Intermediate Language) | .NET言語(C#、F#など)がコンパイルされた後の中間コード。 |
Roslyn | .NETコンパイラプラットフォーム。C#やVB.NETのコンパイラAPIを提供する。 |
Entity Framework Core | .NET向けのオープンソースなオブジェクトリレーショナルマッパー(ORM)。データベース操作を簡素化する。 |
これらの用語を理解することで、.NETに関する情報をより深く読み解けるようになります。
まとめ
本コラムでは、.NET(旧.NET Core)について、その概要から最新バージョン、具体的な使い方、さらにはフリーランスエンジニアとして知っておきたいポイントまで幅広く解説しました。
.NETは、クロスプラットフォーム対応、高パフォーマンス、オープンソースといった強力な特徴をもつ、現代のアプリケーション開発に欠かせないプラットフォームです。
Web、デスクトップ、モバイル、クラウド、IoT、ゲーム開発など、その適用範囲は非常に広く、あなたのスキルセットを大きく広げる可能性を秘めています。
つねに進化をつづける.NETの最新情報をキャッチアップし、積極的に新しい技術をとり入れることで、フリーランスエンジニアとしての市場価値を高めることができます。
今日からあなたも.NETの世界に足を踏み入れ、新たな開発の可能性を探求してみてはいかがでしょうか。
.NET(旧.NET Core)に関するよくある質問
Q1. .NET Coreはもう使えないのですか?
A. いいえ、使えないわけではありませんが、.NET 5以降で「.NET」という名称に統合されました。新規開発では「.NET」を利用することが推奨されます。
Q2. C#しか使えないのでしょうか?
A. いいえ、C#の他にF#やVB.NETなど、複数のプログラミング言語に対応しています。
Q3. .NET Frameworkで開発したアプリケーションは、そのまま.NETで動きますか?
A. いいえ、直接動くわけではありません。互換性の問題があるため、移行作業が必要です。
Q4. .NETは無料で使えますか?
A. はい、.NET自体はオープンソースであり、無料で利用できます。Visual Studioコミュニティ版も無料です。
Q5. .NETで開発したアプリケーションの実行速度は速いですか?
A. はい、JITコンパイルやAOTコンパイルなどの技術により、高いパフォーマンスを発揮します。
Q6. .NETの学習コストは高いですか?
A. プログラミング経験者であれば、比較的スムーズに学習できます。特にC#はJavaやTypeScriptなどと似た構文をもつため、習得しやすいでしょう。
Q7. フリーランスエンジニアとして.NETの案件は多いですか?
A. 日本国内でも.NET(特にASP.NET Core)を利用したWebアプリケーション開発の案件は多く、需要は安定しています。
Q8. .NETで開発する際、どのIDEを使うのがおすすめですか?
A. Windows環境ではVisual Studio、クロスプラットフォームではVisual Studio Codeがおすすめです。
Q9. .NETのLTSバージョンとCurrentバージョン、どちらを使うべきですか?
A. 本番環境や長期プロジェクトではLTSバージョンを、最新機能を試したい場合や短期プロジェクトではCurrentバージョンを選ぶのがよいでしょう。
Q10. .NETの学習におすすめのリソースはありますか?
A. Microsoft Learnの公式ドキュメント、UdemyやCourseraなどのオンラインコース、GitHubのリポジトリなどがおすすめです。
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