こんにちは!

toiroフリーランス編集部です。

フリーランスエンジニアとして働くなかで、現在の業務委託契約に不満を感じているが「直接契約解除を申し出るのが怖い」と悩んでいませんか。

クライアントからの引き止めや嫌がらせを恐れて、つらい状況を我慢しつづけるのは精神的にも大きな負担です。

実は、個人事業主や業務委託として働いている人も、退職代行サービスを利用して契約解除することが可能です。

ただし、正社員の退職とは異なる注意点やリスクがあります。

本コラムでは、フリーランスが退職代行を安全に利用するための知識とトラブル回避策を詳しく解説します!

退職代行は業務委託契約でも使える?

業務委託契約と雇用契約の違い

業務委託契約と雇用契約は法的な性質が大きく異なります。

雇用契約では労働者が使用者の指揮命令下で働くのに対し、業務委託契約では独立した事業者として対等な立場で契約を結びます。

請負契約は請負人が仕事を完成することに対して依頼者が報酬を支払う契約で、委任契約は請負人が特定の業務を遂行する契約となっています。

この違いにより、業務委託契約の解除では労働基準法の保護を受けられません。

そのため正社員の退職とは異なり、契約書の内容や民法の規定に従って手続きを進める必要があります。

業務委託でも退職代行サービスは利用できる?

個人事業主を含む業務委託契約の場合でも、退職代行サービスを利用すれば即日契約解除することは可能です。

ただし、業務委託契約における「退職」は厳密には「契約解除」「契約終了」という表現が適切です。

退職代行サービスは本人に代わってクライアントに契約解除の意思を伝える役割を果たします。

フリーランスの場合も正社員と同様に、精神的負担を軽減しながら契約を終了させることができるのです。

退職代行を利用する際の基本的な流れ

退職代行を利用する場合の一般的な流れは以下の通りです。

1.初回相談・状況確認
退職代行業者に連絡し、現在の契約状況や抱えている問題を詳しく説明します。 契約書の内容、クライアントとの関係性、希望する退職時期などを伝えましょう。

2.対応可否の判断・見積もり
業者が契約内容を確認し、対応可能かどうかを判断します。 料金や手続きにかかる期間、リスクについても詳しく説明を受けます。

3.正式依頼・料金支払い
サービス内容に納得できれば正式に依頼し、料金を支払います。 必要書類や貸与物の一覧、クライアントの連絡先などを業者に提供します。

4.契約解除の意思伝達
業者がクライアントに対して契約解除の意思を正式に伝達します。 引き継ぎ事項や貸与物の返却方法についても同時に調整を行います。

5.手続き完了・アフターフォロー
契約が正式に終了し、必要な手続きがすべて完了します。 問題が発生した場合のアフターフォローも含まれている業者が多いです。

最終的に契約が正式に終了し、必要な手続きが完了すれば、新しい案件探しに集中できるようになります。

フリーランスが退職代行を使うメリット

直接交渉の精神的負担を減らせる

フリーランスにとって最大のメリットは、クライアントとの直接的な対話による精神的負担を回避できることです。

特にパワハラやセクハラなどの問題がある現場では、直接契約解除を申し出ることは非常に困難な場合があります。

退職代行を利用することで、第三者が間に入って冷静に状況を整理し、感情的になりがちな場面を避けながら契約終了を進めることが可能になります。

引き止めや嫌がらせを回避できる

クライアントによっては、優秀なフリーランスを手放したくないという理由で強引に引き止めを行う場合があります。

また、契約解除を申し出ることで嫌がらせを受けるリスクも存在します。

退職代行を利用すれば、業者が代理で意思を伝えるため、直接的な引き止めや嫌がらせを受ける可能性を大幅に減らすことができます。

即日で契約終了できるケースもある

退職代行サービスを利用すれば即日契約解除が可能な場合もあります。

ただし、これは契約書の内容や状況によって大きく左右されるため、事前に詳細な確認が必要です。

民法では期間の定めのない委任契約については、各当事者がいつでも解約の申入れができると規定されています。

しかし実際の業務委託契約では、予告期間や引き継ぎ期間が設定されている場合が多いため、即日解除が困難なケースも少なくありません。

フリーランスの業務委託契約解除における注意点

契約書の内容確認は必須(解除条件・通知期間など)

業務委託契約を解除する前に、必ず契約書の内容を詳細に確認する必要があります。

特に重要なのは解除条件、通知期間、損害賠償に関する条項です。

多くの業務委託契約では「1ヶ月前の予告」「プロジェクト完了まで継続」といった条件が設定されています。

これらの条件を無視して一方的に契約を解除すると、後述する損害賠償リスクが発生する可能性があります。

企業からの損害賠償リスクについて

業務委託契約の一方的な解除は、クライアント企業に損害を与える可能性があります。

特に重要なプロジェクトの途中で契約を解除した場合、代替人材の確保費用や納期遅延による損失について損害賠償を請求される可能性があります。

どのようなケースで損害賠償請求されるのかを事前に理解し、リスクを最小限に抑える対策を講じることが重要です。

契約書に明記された解除条件を遵守し、適切な引き継ぎを行うことで、このリスクを大幅に軽減できます。

業界内での信用低下リスク

IT業界は意外に狭い世界であり、無責任な契約解除を行うと業界内での評判が悪化する可能性があります。

将来的な案件獲得に悪影響を与える可能性もあるため、慎重な判断が必要です。

ただし、違法な労働環境やハラスメントが存在する場合は、自身の身を守ることを最優先に考えるべきです。

適切な理由があれば、業界内でも理解を得られることが多いのです。

貸与物(PC・スマホなど)の返却と情報管理

フリーランスの場合でも、クライアントから貸与されたPCやスマートフォン、アクセスカードなどの返却が必要です。

また、業務で得た機密情報の適切な削除や管理も重要な義務となります。

退職代行を利用する場合は、これらの物理的な手続きについて事前に業者と相談し、スムーズな返却方法を検討しておくことが大切です。

退職代行利用時によくあるトラブルと事例

退職代行を使っても契約解除できないケース

退職代行を利用したからといって、必ずしも希望通りに契約解除できるわけではありません。

契約書に明記された拘束期間がある場合や、重要なプロジェクトの責任者として不可欠な立場にある場合は、即座の契約解除が困難な場合があります。

また、クライアント企業が退職代行業者との対話を拒否し、本人との直接交渉を要求するケースもあります。

このような状況では、最終的に本人が直接対応せざるを得ない場合もあるのです。

非弁行為によるトラブル(弁護士資格のない業者の利用リスク)

退職代行サービスに、非弁行為が含まれる場合があります。

弁護士資格をもたない業者が契約条件の交渉や損害賠償の対応を行うことは、弁護士法違反となる可能性があります。

弁護士資格のない民間業者や労働組合と提携する民間業者による退職代行で会社と交渉を行う行為は違法(非弁行為)にあたると明言されています。

このような業者を利用した場合、交渉が無効となり、かえって状況が悪化する可能性があります。

会社が退職代行とのやりとりに応じない場合

民間の退職代行サービスからの要求に対しては、会社側は拒否することができます。

特に弁護士資格のない業者からの交渉には、法的な拘束力がないため、クライアント企業が対応を拒否する場合があります。

このような状況では、結局本人が直接対応する必要が生じ、退職代行を利用した意味がなくなってしまう可能性があります。

即日退職の誤解と民法上のルール

「退職代行を使えば即日で辞められる」という認識は必ずしも正しくありません。

民法上、期間の定めのない委任契約では各当事者がいつでも解約の申入れができますが、相手方に不利な時期における解約には損害賠償責任が生じる可能性があります。

また、多くの業務委託契約では予告期間が設定されているため、契約書の内容を無視した即日解除は契約違反となるリスクがあります。

失敗しない退職代行サービスの選び方

インカムをつけたコールセンタースタッフのイメージ

弁護士・労働組合運営のサービスを選ぶ理由

安全に退職代行を利用するためには、弁護士事務所が運営するサービスか、適切な労働組合が運営するサービスを選ぶことが重要です。

安心して利用できるのは、法的な問題に適切に対応できる体制が整った業者です。

弁護士運営のサービスでは、契約解除に関する法的な交渉や損害賠償請求への対応も可能です。

労働組合運営のサービスでは、団体交渉権に基づいた適法な交渉を行うことができます。

実績・口コミ・サポート体制のチェックポイント

退職代行業者を選ぶ際は、過去の実績や利用者の口コミを必ず確認しましょう。

特に業務委託契約の解除実績があるかどうかは重要なポイントです。

また、24時間対応や相談回数無制限などのサポート体制も重要な判断材料となります。

フリーランスの場合は特殊な事情があることが多いため、丁寧なヒアリングと個別対応ができる業者を選ぶことが大切です。

事前に伝えるべき情報・準備しておく書類

退職代行業者に相談する際は、以下の情報や書類を準備しておくとスムーズです。

契約書の写し、現在の業務内容や問題点の詳細、クライアントとの過去のやりとり記録、貸与物の一覧などを整理しておきましょう。

これらの情報により、業者はより適切なアドバイスや対応方針を提示することができます。

退職代行サービス一覧

業務委託契約の解除に対応可能な主要な退職代行サービスを比較しました。

各サービスの特徴を理解し、自身の状況に最も適したサービスを選択することが重要です。

サービス名料金目安追加費用の有無サポート体制
弁護士法人みやび55,000円~交渉内容により追加費用あり弁護士による完全サポート
退職代行SARABA24,000円追加費用なし労働組合運営・24時間対応
退職代行辞めるんです27,000円追加費用なし24時間LINE対応
退職代行ニコイチ27,000円追加費用なし創業16年の老舗
退職代行Jobs29,000円基本的に追加費用なし弁護士監修・労組提携

注意点:民間業者による退職代行は非弁行為のリスクがあるため、弁護士もしくは労働組合が運営しているサービスを選ぶことをお勧めします

フリーランスとして安全に契約解除するための対策

契約書に基づいた手続きの徹底

最も重要なのは、契約書に記載された解除手続きを正確に守ることです。

予告期間、引き継ぎ事項、貸与物の返却など、すべての条項を確認し、適切に履行することで法的リスクを最小限に抑えることができます。

退職代行を利用する場合でも、この基本原則は変わりません。

業者と相談しながら、契約に沿った適切な手続きを進めることが重要です。

感謝や誠意を伝えるコミュニケーションの工夫

契約解除の際も、これまでの協力に対する感謝や誠意を示すことは重要です。

退職代行を利用する場合でも、業者を通じて適切な感謝の気持ちを伝えることで、円満な契約終了につながりやすくなります。

将来的に同じクライアントから新しい案件を紹介される可能性もあるため、関係性を完全に断つのではなく、良好な印象を残すことを心がけましょう。

トラブル回避のための事前相談(専門家・退職代行業者)

契約解除を検討している段階で、早めに専門家や退職代行業者に相談することをお勧めします。

状況が悪化する前に適切なアドバイスを受けることで、より安全で円滑な契約終了が可能になります。

多くの退職代行業者では無料相談を提供していますので、まずは気軽に現状を相談してみることからはじめましょう。

まとめ:退職代行利用後のキャリアや案件獲得への影響

退職代行を適切に利用すれば、精神的負担を大幅に軽減しながら不満のある契約から脱出することが可能です。

しかし、業務委託契約の特殊性を理解し、適切な業者選びと手続きを行うことが成功の鍵となります。

業務委託契約に詳しいか、信頼性があるかをしっかり確認することが大切です。

適切に処理された契約解除であれば、将来のキャリアや案件獲得に悪影響を与えることは基本的にありません。

むしろ、問題のある環境から早期に脱出することで、よりよい案件に集中できるようになり、長期的にはキャリアアップにつながる可能性が高いのです。

重要なのは、感情的にならず冷静に状況を判断し、適切な専門家のサポートを受けながら行動することです。

業務委託契約の退職代行利用に関するよくある質問10選

退職する様子のイメージ

Q1: 業務委託契約でも退職代行は本当に使えますか?

A: はい、業務委託契約でも退職代行サービスを利用することは可能です。 ただし、正社員の退職とは法的な性質が異なるため、契約書の内容を詳細に確認し、適切な手続きを踏む必要があります。

Q2: 即日で契約解除できますか?

A: 契約書の内容によって異なります。 期間の定めのない委任契約では理論上可能ですが、多くの業務委託契約では予告期間が設定されているため、即日解除は困難な場合が多いです。

Q3: 損害賠償を請求される可能性はありますか?

A: 契約書の条項に違反した場合や、クライアントに重大な損害を与えた場合は、損害賠償を請求される可能性があります。 適切な手続きを踏むことでリスクを最小限に抑えることができます。

Q4: どんな退職代行業者を選べばよいですか?

A: 弁護士事務所が運営するサービスか、適切な労働組合が運営するサービスを選ぶことをお勧めします。 非弁行為のリスクを避け、法的な問題にも適切に対応できるためです。

Q5: 退職代行の費用はいくらぐらいですか?

A: 一般的に3万円〜10万円程度が相場ですが、業者によって大きく異なります。 弁護士運営のサービスは高額になる傾向がありますが、その分安全性が高いといえます。

Q6: クライアントが退職代行業者との対話を拒否したらどうなりますか?

A6: 弁護士資格のない業者の場合、クライアントが対話を拒否する権利があります。 その場合、最終的に本人が直接対応する必要が生じる可能性があります。

Q7: 契約期間中でも解除できますか?

A: 契約期間中の解除は可能ですが、契約書に定められた解除条件を満たす必要があります。 正当な理由なく一方的に解除すると、損害賠償責任が生じる可能性があります。

Q8: 貸与されたPCなどの返却はどうすればよいですか?

A: 退職代行業者と相談し、適切な返却方法を検討します。 多くの場合、郵送での返却や第三者を通じた返却が可能です。

Q9: 業界内での評判に影響しませんか?

A: 適切な理由と手続きに基づいた契約解除であれば、業界内での評判に悪影響を与えることは基本的にありません。 むしろ、問題のある環境から脱出することで、長期的にはプラスになることが多いです。

Q10: 退職代行を使った後、同じクライアントから案件をもらえなくなりますか?

A: 契約解除の経緯や方法によって異なりますが、適切に処理された場合は将来的な関係継続の可能性もあります。 感謝の気持ちを示し、円満な解決を心がけることが重要です。

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