2026年開始の「大胆な設備投資促進税制」とは?フリーランスエンジニアが知るべきポイント
こんにちは!
toiroフリーランス編集部です。
変化の激しいIT業界で活躍されるみなさまにとって、税制改正はつねにチェックすべき重要事項ですよね。
今回は、2026年(令和8年度)から適用開始予定の「特定生産性向上設備等投資促進税制(いわゆる大胆な設備投資促進税制)」に焦点を当て、その概要と、特にフリーランスエンジニアのみなさまにどのような恩恵があるのかを徹底解説します。
新たな税制が、みなさまの事業拡大と案件獲得にどのように繋がるのか、最新情報をもとに整理していきましょう。
※本記事は2026年度税制改正大綱(2025年12月公表)時点の情報に基づいています。
今後の法令・通達などで内容が変更される可能性があります。
大胆な設備投資促進税制(特定生産性向上設備等投資促進税制)の概要
新税制の目的と背景
この新しい税制は、日本経済の持続的な成長を目指し、企業がデジタル技術や省力化投資をこれまでにない規模で積極的に行いやすい環境を整備するために創設されます。
背景には、深刻な労働力不足と、国際的なデジタル競争力の停滞があります。
国は、特に「生産性の飛躍的向上」を目的とした大規模な投資を税制面から強力にバックアップすることで、産業構造そのものをアップデートしようとしています。
主な優遇内容と対象範囲
本税制は、これまでの減価償却のルールを大きく超える優遇措置が特徴です。
| 優遇内容 | 「税額控除」または「即時償却」の選択制 税額控除は最大7%(建物・構築物等は4%)が適用 |
| 対象となる資産 | ソフトウェア、機械装置、建物、建物附属設備、構築物など 生産性向上に直結するものであれば含まれる |
| 投資規模要件 | 大企業: 35億円以上 中小企業者等: 5億円以上 |
| 制度の期間 | 2029年3月31日までに経産大臣の確認を受けた投資計画に基づく投資が 対象となる時限措置 |
フリーランスエンジニアが受けられる恩恵
直接の税優遇は限定的だが間接メリット大
前述のとおり、本税制の投資要件は「5億円以上」など非常に高額であるため、フリーランスエンジニア自身が直接この税制を活用する場面は想定しにくいでしょう。
しかし、「企業が数億〜数十億円規模のデジタル投資を加速させる」 という事実は、エンジニア市場にとって大きな追い風となる可能性があります。
大規模な予算が動くことで、ハイエンドなフリーランスエンジニアへの需要が高まると予想されます。
活発化が予測されるフリーランス向けプロジェクト
2026年以降、本税制の影響で以下のような領域の案件が大幅に増加することが期待されます。
クラウドインフラの刷新(AWS / Azure / GCP)
デジタル投資の基盤として、多くの企業がクラウドへの移行や最適化を加速させます。
AWS、Azure、GCPなどのクラウドインフラの設計・構築・運用の専門知識をもつエンジニアへの需要は高まるでしょう。
生成AI・MLOps・業務自動化
投資対象の目玉となるであろうAIやRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)を活用した業務自動化システムの開発案件が増加します。
特に、データサイエンスや機械学習のスキルが非常に求められます。
DX推進に伴う業務効率化支援
企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進するための、基幹システムの刷新やSaaS導入支援、それに伴うカスタマイズ開発やデータ連携のプロジェクトが増加します。
これは、幅広い開発経験をもつエンジニアにとって大きなチャンスとなります。
フリーランスの設備・デジタル投資を支える関連制度(2026年最新版)

本税制(大規模投資向け)以外にも、フリーランスのみなさまが2026年から直接活用できる「本命」の制度がアップデートされています。
青色申告特別控除の拡充(最大75万円)
目的・概要
個人事業主のデジタルトランスフォーメーション(DX)を促進し、記帳の正確性を高めることを目的とした制度です。2026年度(令和8年度)から、従来の65万円控除が最大75万円へと引き上げられます。
フリーランスの活用可能性
月単価70万円以上のエンジニアであれば、所得税・住民税の節税効果は年間で数万円〜十数万円にのぼります。「10万円の控除枠増」は、実質的にノーリスクで得られる利益と同じです。
注意点
「e-Taxによる申告」に加え、「優良な電子帳簿保存」の要件を満たす必要があります。利用している会計ソフトがこの要件に対応しているか(訂正・削除履歴が残るかなど)、2026年の期首までに必ず確認と設定変更を行ってください。
少額減価償却資産の特例(上限40万円)
目的・概要
中小企業や個人事業主の設備投資を後押しするため、一定額未満の資産を購入した際に、法定耐用年数で分割せず、購入した年に一括で経費計上(即時償却)できる制度です。
2026年度改正により、上限額が30万円未満から40万円未満に拡大されます。
フリーランスの活用可能性
これまで「30万円」の壁で一括経費化を諦めていたハイエンドな開発用PC、高精細な大型モニター、検証用の最新モバイルデバイス、Apple Vision Proのような空間コンピュータなども、40万円未満であればその年の経費として全額落とせるようになります。
注意点
合計で年間300万円までという総額制限は維持される見込みですが、一般的なエンジニアの設備投資額であれば十分カバー可能です。2026年4月1日以後の取得分から適用予定のため、買い替えタイミングに注意してください。
中小企業経営強化税制
目的・概要
特定の設備(ソフトウェアや器具備品など)を導入して「経営力」を向上させる計画が国に認定された場合、即時償却(全額経費化)または10%の税額控除が受けられる制度です。2026年度も延長して実施予定です。
フリーランスの活用可能性
40万円を超える高額なサーバー構築、専門的なシミュレーションソフト、特殊な計測機器などを導入する場合に有効です。少額減価償却資産の特例(40万円)を超える投資を行う際の切り札となります。
注意点
あらかじめ「経営力向上計画」を策定し、国の認定を受けるという事務作業が発生します。
投資を行う「前」に認定を受ける必要があるため、スケジュールに余裕をもった準備が必要です。
IT導入補助金 / ものづくり補助金(2026年度まで延長される予定)
目的・概要
業務効率化や新サービス開発のためのITツール導入・設備投資費用の一部を国が補助する制度です。2026年度も、生産性向上や省力化をテーマとした枠が継続される見通しです。
フリーランスの活用可能性
SaaSの利用料(複数年分)や、独自AIアルゴリズムの開発に必要な計算リソース、受託開発の効率化を目的としたツールの導入に活用できます。
注意点
補助金は「後払い」であり、審査(採択)を通る必要があります。また、事務局に登録されたツールのみが対象となるケースが多いため、自身が導入したいツールが対象か事前のチェックが不可欠です。
【最後に】
補助金・助成金は、それぞれ申請期間や採択要件が異なります。
ご自身の事業計画と最も合致する制度をみつけ、
公募開始と同時に準備に取り掛かることが採択の可能性を高めます。
特にIT導入補助金はデジタル投資に直結するため、詳細をつねにチェックしてみてください。
今後の展望とフリーランスエンジニアが収集すべき情報
税制施行後の実務情報の収集
2026年の税制施行後は、「どのような企業が、どの程度の規模で投資を始めたのか」という実務的な情報が、案件獲得に直結します。
具体的には、
✓ 大企業・中小企業の投資事例
特に優遇対象となるAI、クラウド、省力化技術への投資規模や内容
✓ 優遇適用を受けた企業のIR(投資家向け広報)情報やプレスリリース
✓ 経済産業省や財務省から発表される税制利用状況の統計データ
といった情報を追いかけることで、市場で実際に動いているプロジェクトの傾向を把握することが重要です。
フリーランス向け補助金最新情報の収集
税制優遇とは別に、フリーランスのみなさまの事業拡大を支援する補助金や助成金は、毎年、公募内容や予算が変動します。
収集すべきは、
✓ IT導入補助金や小規模事業者持続化補助金といった主要な制度の公募開始時期と要件の変更点
✓ 各自治体独自のDX支援、IT導入支援に関する補助金・助成金の情報
✓ 補助金の採択事例から、どのような計画が評価されているのかの傾向分析
これにより、自己投資を最小限に抑えつつ、事業に必要な設備やソフトウェアを導入する機会を逃さずに済みます。
DX案件の増加とスキル需要の変化分析:需要が伸びる言語・フレームワーク

デジタル投資の増加は、企業が求めるエンジニアのスキルセットにも変化をもたらします。今後の案件獲得に必須となるスキルを見極め、学習計画に活かすことが重要です。
特に注視すべき変化と、需要増が見込まれる言語・フレームワークは以下のとおりです。
1. AI・データ関連技術のコア言語
Python(パイソン):
AI・機械学習分野で圧倒的なシェアをもちます。
特に、TensorFlowやPyTorchといったフレームワークを用いた生成AIやデータ解析案件で、需要はさらに高まります。
R:
統計解析やデータ可視化において依然として強力で、専門的なデータサイエンス分野でのニーズがあります。
2. クラウド・モダンインフラ構築技術
Go(ゴー):
Googleが開発した言語で、高速処理と並行処理に優れており、クラウドネイティブなマイクロサービスや大規模なバックエンドシステム構築で需要が伸びています。
TypeScript(タイプスクリプト):
大規模なWebアプリケーション開発において、コードの信頼性を高めるために利用が加速しています。フロントエンドだけでなく、Node.jsと組み合わせたフルスタック開発で必須となりつつあります。
3. 企業システム・業務効率化技術
Java(ジャバ)/ Kotlin(コトリン):
企業の基幹システム刷新や大規模なバックエンド開発において、安定性と実績から引き続き主要な選択肢です。特にJavaはSpring Framework、KotlinはAndroid開発やサーバーサイドで需要が堅調です。
JavaScript/Node.js(ノードジェイエス):
言語であるJavaScriptは、ReactやVue.jsといったモダンなフロントエンドフレームワークの開発に不可欠です。
さらに、Node.jsという実行環境を活用することで、JavaScriptをサーバーサイドでも動作させ、API開発やバックエンド処理を行う案件も急増しています。フロントエンドからバックエンドまで一貫して同じ言語で開発できる「フルスタック開発」の需要が増しているため、その万能性が大きな強みとなります。
これらの情報を分析し、自身のスキルを市場の動向に適合させることが、長期的な成功を確実なものにするでしょう。
よくつかわれる用語集
| 用語 | 意味・説明 |
| 特定生産性向上設備等投資促進税制 | 2026年度から開始される大規模投資向け税制。通称「大胆な設備投資促進税制」。 |
| 税額控除 | 税金そのものを直接減らす仕組み。節税効果が非常に高い。 |
| 即時償却 | 設備投資額を、買ったその年に全額経費(費用)にできること。 |
| 中小企業経営強化税制 | 中小企業や青色申告の個人事業主が、「経営力向上計画」の認定に基づき、特定の設備(ソフトウェア含む)を取得した場合に、即時償却または10%の税額控除が適用される制度。 |
| 経営力向上計画 | 企業や個人事業主が、生産性向上や経営目標達成のために策定する計画のこと。国に認定されると、税制・金融の支援措置を受けられる。 |
| IT導入補助金 | 中小企業・小規模事業者(個人事業主含む)のITツール導入費用の一部を補助する経済産業省の制度。業務効率化やDX推進が目的。 |
| 小規模事業者持続化補助金 | 小規模事業者(個人事業主含む)が、販路開拓や生産性向上のための取り組みに要した経費の一部を補助する制度。 |
| DX(デジタルトランスフォーメーション) | 企業がデジタル技術を活用し、製品・サービス、ビジネスモデル、業務プロセス、組織、企業文化などを変革し、競争上の優位性を確立すること。 |
| 生成AI | テキスト、画像、コードなどの多様なコンテンツを、自ら学習し生成する能力をもつ人工知能モデルのこと。 |
| クラウドインフラ | AWS、Azure、GCPといったクラウドサービス事業者が提供する、サーバーやストレージ、ネットワークなどのコンピューティング資源の総称。 |
| RPA | 定型的な事務作業を、ソフトウェアロボットにより自動化する技術のこと。企業の業務効率化や省力化投資の代表的な手段。 |
| Python(パイソン) | AI、機械学習、データサイエンス分野で最も広く使用されているプログラミング言語。データ解析やシステム連携の案件で需要が高い。 |
| Node.js(ノードジェイエス) | プログラミング言語JavaScriptを、Webブラウザの外、特にサーバーサイドで実行するための環境のこと。 |
特定生産性向上設備等投資促進税制に関するよくある質問10選
Q1: 特定生産性向上設備等投資促進税制はいつからはじまりますか?
2026年からの開始が予定されています。
Q2: フリーランスエンジニアも直接、税優遇を受けられますか?
本税制の対象は原則として法人であり、投資規模も5億円以上と大きいため、フリーランス個人が直接利用する場面はほとんど想定されません。
個人事業主向けには「青色申告控除75万円への拡充」や「少額減価償却資産の40万円拡大」が用意されています。
Q3: どのような投資が優遇対象になりますか?
生産などに用いる建物・建物附属設備・構築物・機械装置・工具・器具備品・ソフトウェアなど、一定金額以上の生産性向上設備が対象です。
Q4: この税制がはじまると、本当に案件は増えますか?
はい。特に数億円〜数十億円規模の予算が「ソフトウェアやシステム構築」に割り当てられるため、上流工程やクラウドネイティブ設計の案件が増加することが見込まれます。
Q5: 新しいPCやモニターの購入も対象になりますか?
本税制は5億円以上の投資計画を前提とした制度であり、PCやモニター単体の購入が対象になることは通常想定されていません。
Q6: 制度を利用するために必要な手続きはありますか?
投資計画について経済産業大臣の確認を受けることなど、一定の手続きが必要です。
具体的な要件やプロセスは、今後の政省令・通達で示されます。
Q7: 制度の最新情報はどこで確認できますか?
財務省の「税制改正大綱」や経済産業省のホームページが一次情報となります。
Q8: クラウドサービスの利用料も対象になりますか?
クラウドサービス利用料のような経費として処理する費用は、本税制の対象外となるのが一般的です。一方で、クラウド移行に伴うシステム構築用ソフトウェアなど、資産計上される投資は対象となり得ます。
Q9: 制度の適用期間はどれくらいですか?
2029年3月31日までに経済産業大臣の確認を受けた投資計画に基づき、その確認の日から5年以内に行われる投資が対象となる予定です。
Q10: いますぐ案件獲得に向けて何をすべきですか?
本税制の対象になりやすいクラウド基盤・AI・省力化技術に関連するスキル(AWS / Azure / GCP、生成AI、MLOpsなど)を強化し、それらを打ち出したポートフォリオや提案資料を準備しておくことが有効です。
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