Xcode(エックスコード)とは?使い方、特徴を初心者向けにわかりやすく解説!ダウンロード、インストール方法も紹介
iOSアプリを作るのに役立つ統合開発環境
iOSアプリやMacのアプリを作るのに役に立つ統合開発環境、Xcode。
XcodeはMac環境下でのみインストール・使用ができる統合開発環境であるため、使用にはMacのパソコンが必須となります。
Macを所有していないWindowsユーザーにとっては不便に感じる点かもしれません。
しかし、iOSを開発・リリースしているのがApple社ですから、仕方のない部分であるといえます。
SwiftやObjective-Cの開発を行っているのもAppleです。
Xcodeについて初心者向けに解説
今回の記事では、大抵のiOSアプリ開発などで扱うことになるXcodeに注目していきます。
基本的な使い方や搭載している機能をはじめとして、持っている特徴を初心者の方でも分かりやすいよう解説。
また、ダウンロード・インストール手順についても取り扱います。
Xcodeを使って、iPhone・iPadアプリなどの開発にチャレンジしてみましょう。
早速ダウンロード・インストールを行う
使い方や機能などに注目する前に、早速ダウンロード・インストール手順を解説いたします。
Xcodeは、ダウンロード自体は非常に簡単です。
ダウンロードはMac App Storeから
Mac内にある「App Store」内で「Xcode」と検索し、ダウンロードボタンをクリックするだけで完了します。
もしくは、こちらのリンクページをお開きください。
ただし、サイズが非常に大きい(7.8GB)ため、ダウンロードの際には時間やデータ量などにご注意ください。
また、アップデートの際にも同じく大容量のデータ通信が発生することを頭に入れておきましょう。
これで、ダウンロード作業は完了になります。
初回起動時にインストールを行う
さて、Xcodeのダウンロードが完了したら、いよいよ起動して実際にインストールを行います。
Launchpadを見ると、新たにXcodeのアイコンが追加されていることを確認できるので、クリックして起動しましょう。
すると「Xcode and iOS SDK License Agreement」、つまりXcodeとiOS SDKのソフトウェア利用許諾契約が表示されます。
内容を確認し、Agree(同意)をクリックしましょう。
その後、ユーザーのパスワードを入力してOKをクリックすると、インストールがスタート。
ほどなくして「Welcome to Xcode」と表示されたウィンドウが出力されたら、インストールは完了です。
Xcodeを立ち上げると表示される選択肢
「Welcome to Xcode」は、Xcodeを立ち上げる度に目にする画面です。
「Playground」を立ち上げられる「Get started with a playground」。
アプリを開発するときにプロジェクトを作成する「Create a new Xcode project」。
リモートリポジトリを取り込むときに使う「Check out an existing project」。
上記3つの選択肢が表示されていますので、都度必要に応じて自分の求めるものを選択・立ち上げることができます。
playgroundとプロジェクトの新規作成については、後ほど詳しくチェックしましょう。
Xcodeの基本的な使い方
それでは、Xcodeの基本的な使い方に注目していきましょう。
今回は「新しくプロジェクトを作成する」、つまり「新しくアプリ開発を行う」手順について解説します。
プロジェクトを作成する
先ほど解説した「Welcome to Xcode」の画面から「Create a new Xcode project」をクリックしてください。
そうすると、アプリのテンプレート選択画面へと遷移します。
テンプレートを選択すると、ある程度が最初から作られている状態のプロジェクトを作成可能です。
ただし、初作成でテンプレートを選択するとかえって複雑になる可能性も潜んでいるので注意が必要かもしれません。
今回は最もシンプル(空っぽ)なSingle View Appを選択して「Next」をクリックしましょう。
アプリの名称などを設定する
続く画面では、アプリの名称などを具体的に設定可能です。
項目ごとの意味は以下の通り。
- Product Name:プロジェクトの名前・アプリ名の初期値
- Organization Name:会社名など(入力不要)
- Organization Identifier:ドメイン名を逆さまから並べたものを設定することが推奨されている
- Language:SwiftかObjective-C(使用するプログラミング言語)
- Device:iPhoneかiPad、もしくは両方に対応するUniversalアプリどれにするかの選択
- User Interface:UI作りをグラフィカルに設定できるStoryboardか、コマンドラインのSwiftUI
- Use Core Data:データを永続的に保存できる仕組み、フレームワークを使うかどうか
- 適宜設定の入力・選択ができたら「Next」をクリックします。
プロジェクトの保存場所を設定する
最後に、プロジェクトを保存する場所を指定します。
好みや必要に応じて、適切な場所を選択してプロジェクトを保存してください。
これで、プロジェクトの作成が完了しました。
こうしてプロジェクトを作成し、実際にアプリ開発を行っていきます。
新しくアプリケーションを開発する際にはこの工程を繰り返すことになるので、ぜひ流れだけでも覚えておきましょう。
Xcodeの持つ特徴
続いては、Xcodeが持つ特徴を紹介いたします。
- 扱えるプログラミング言語
- SwiftとObjective-Cを扱えるというメリット
1つずつチェックしていきましょう。
扱えるプログラミング言語は?
Xcodeといえば「Swift」や「Objective-C」というApple開発しているプログラミング言語のイメージが強いです。
しかし、実はJavaやC++といったメジャーな言語にも対応しているので、しっかり認識しておきましょう。
とはいえ、JavaであればEclipseやIntelliJ IDEA、C++であればVisual Studioといった統合開発環境を使うことが多いのも事実。
やはりXcodeは、SwiftやObjective-Cを扱うのがメインとなるでしょう。
SwiftやObjective-Cを扱えるというメリット
SwiftやObjective-Cをビルドできるのは、Xcodeの持つ大きなメリットであり特徴です。
アプリを開発しながら、要所要所でビルドし、シミュレータで挙動などの確認をできるため、毎回実機でテストを行う必要はありません。
もちろん、実機でテストを行うことも可能です。
Xcodeが備えている機能に注目
さて、Xcodeは統合開発環境です。
そのため、非常に数多くの機能が備えられています。
今回はその中から主要となる機能、特徴的な機能をピックアップしてみました。
エディタ
基本的な機能であるエディタとしての機能を搭載しています。
実際にプログラミング・コーディングを行う画面です。
Xcodeの中でもかなりの時間をエディタ画面に費やすことになるでしょう。
Storyboard
先ほどのプロジェクト作成手順の際に名前だけ登場した「Storyboard」。
こちらは、アプリの画面(UI)を、コマンドではなく「GUIで配置できる」というものです。
ボタンやテキストの表示を視覚的に、パズル感覚で自由に配置可能なため、初心者の方でも楽しみながらUIを作れるでしょう。
ある程度はStoryboardで設計して、細かい部分はソースコードで調整・修正を行うという使い方もできます。
ビルドとシミュレータ
Xcodeは統合開発環境(IDE)ですから、記述したプログラムコードをビルドし、実行することができます。
例としてiPhoneアプリを開発している場合で考えてみましょう。
プロジェクト開発ウィンドウの左上を見てみると、iPhoneの機種(11やXsなど)と、再生ボタン(ビルドボタン)が表示されています。
ここでシミュレーションを行いたい機種を選択してビルドボタンをクリックすると、指定した機種のシミュレータが立ち上がります。
この画面で、実際のアプリの挙動を確認することが可能です。
シミュレータが上手く立ち上がらないときには
稀に上手くシミュレータが立ち上がらないことがありますが、その時はXcodeのクリーンをしてみましょう。
「Product」から「Clean Build Folder」をクリックするだけでクリーンできます。
また、Xcodeの再起動やMac本体そのものの再起動で解決することも。
「Xcodeのクリーン」、「Xcodeの再起動」、「Macの再起動」をそれぞれ試してみてください。
playgroundで気軽にお試し
Xcodeには、playgroundという機能が用意されています。
playgroundは遊び場
playgroundとはその名の通り「遊び場」のようなもの。
Swiftのコードを打ち込んで、様々な挙動などを確認できます。
それも、プレビュー(実行結果)を画面横で確認できるので、結果をチェックするのが非常に容易であり便利です。
playgroundの使い方
Welcome to Xcode画面で選択できた「Get started with a playground」で立ち上げられます。
立ち上げると、空っぽの「Blank」や「Game」、「Map」、「Single View」といったテンプレートをプロジェクト作成時同様選択可能です。
今回はBlankを選択してみましょう。
ファイル名および保存場所を入力し、「Create」をクリックすればplaygroundの作成が完了します。
エディタ画面の操作
playgroundを作成すると、こちらのコードだけが記述されたエディタ画面に遷移します。
- import UIKit
- var str = “Hello, playground”
ここに、様々なコードを打ち込んで試すことができます。
例えば「Hello, playground」の部分を「こんにちは」に書き換えて、行番号の部分に表示されている青いボタンをクリックしてください。
そうすると、ウィンドウ右側に実行結果「こんにちは」が表示されることが確認できます。
- var a = 1
- var b = 1
- a + b
また、上記のようなコードを記入すれば、a+bの結果も右側に表示されます。
このように、playgroundでは様々な処理や挙動を手軽にチェック可能です。
Swiftの学習にも最適な環境ともいえるでしょう。
ぜひ活用してみてください。
iPhoneアプリ開発の強い味方・Xcode
今回の記事では、Xcodeに注目してきました。
Xcodeは、iPhoneやiPadアプリを作る上で便利な機能が数多く備えられています。
Storyboardがあれば、プログラミングの経験がない方、初心者の方でも楽しみながら画面(UI)部分を作ることができるでしょう。
直感的に、視覚的に画面の部品を配置して作ることができるというのは、非常に大きなメリットです。
また、シミュレータを立ち上げてMac単体(パソコンだけ)でテストができるのも嬉しい要素の1つだといえます。
テストを行う度に実機を利用するのも本来の挙動が確認できるというメリットがありますが、毎回は面倒だからです。
Xcodeは、アプリを開発するうえで強力な味方になります。
iPhoneやiPadなどの、いわゆるiOSアプリ開発に興味がある方は、Xcodeをインストールしてみてください。
無料でリリースされているので、Macさえあれば基本的にどなたでもチャレンジすることができます。
スマホアプリエンジニアへ
現代社会において、もはや携帯電話といえばスマートフォンが当たり前になっています。
一人一台は当たり前で、仕事などで使い分けて複数台所有している方も全く珍しくありません。
そのため、スマホアプリは老若男女にとって非常に近しい存在になっています。
何か便利なスマホアプリを開発できれば、一躍有名デベロッパ・エンジニアになる可能性も十分に考えられます。
各企業もスマホアプリへ注力しているため、常に転職求人やフリーランス向け案件も一定量が掲載されている状況です。
今回のXcodeなどを触ってみて、少しでも「楽しいな」と感じた方はスマホアプリエンジニアを目指してみてはいかがでしょうか。