こんにちは!

toiroフリーランス編集部です。

「VB.NETって、古いのかな?」

「いまから学ぶメリットはあるんだろうか?」

そうお考えのフリーランスエンジニアのみなさまへ。

Visual Basic .NET(VB.NET) は、マイクロソフトが提供する強力なプログラミング言語であり、現在でも多くの企業システムや業務アプリケーション開発で活用されています。

その学習しやすさや高い生産性から、特にWindowsアプリケーション開発においては根強い需要を誇ります。

本コラムでは、VB.NETの基本的な知識から、その特徴、メリット、具体的な文法、そして実践的なサンプルコードまでを網羅的に解説します。

さらに、開発環境の準備から学習リソース、よくある質問まで、VB.NETを学びたいフリーランスエンジニアの方々が知りたい情報を徹底的にご紹介します!

このコラムを読めば、VB.NETの全体像を把握し、自信をもって学習を進められるようになるので、ぜひ最後までお読みください!

VB.NET(Visual Basic .NET)とは

ここでは、VB.NETの基礎となる部分について解説します。

VB.NETがどのような言語であるか、その歴史的背景、そして関連する技術との違いを明確に理解することで、今後の学習がよりスムーズに進むはずです。

VB.NETの概要と歴史

VB.NETは、マイクロソフトが開発したオブジェクト指向プログラミング言語です。

2002年にVisual Basicの後継として登場し、Microsoft .NET Framework上で動作するように設計されました。VB.NETは、従来のVisual Basicがもっていた直感的でわかりやすいシンタックスを引き継ぎつつ、本格的なオブジェクト指向プログラミング機能や、.NET Frameworkの豊富な機能群を利用できるようになっています。

歴史を振り返ると、VB.NETはVisual Basic 6.0までのレガシーなVBとは一線を画す、全く新しい設計思想に基づいています。

より堅牢でスケーラブルなアプリケーション開発が可能になりました。

VB(Visual Basic)やVBAとの違い

VB.NET、VB、VBAは名前が似ていますが、それぞれ異なる特徴をもつため、混同しないように注意が必要です。

それぞれの違いを以下の表にまとめました。

項目VB.NET
(Visual Basic .NET)
VB
(Visual Basic 6.0以前)
VBA
(Visual Basic for Applications)
開発環境Visual StudioVisual Studio (旧版)Office製品内蔵
動作環境.NET Framework/.NETWindows (ランタイムが必要)Office製品内
特徴オブジェクト指向、豊富なライブラリ、Web・デスクトップ・クラウド対応容易なGUI開発、RAD(高速アプリケーション開発)Office製品の自動化・カスタマイズ
用途Windowsデスクトップアプリ、Webアプリ、業務システムWindowsデスクトップアプリExcelマクロ、Wordの自動化など

.NET Frameworkのリリースと同時にVB.NETが登場した背景には、従来のVBが抱えていたDLL Hell(DLLのバージョン競合問題)やCOMコンポーネント依存の問題を解決し、より現代的な開発に対応できる環境を提供しようとするマイクロソフトの狙いがありました。

.NETプラットフォームとの関係

VB.NETは、マイクロソフトが提供する.NETプラットフォーム上で動作する主要な言語の一つです。

.NETプラットフォームは、共通言語ランタイム(CLR)とクラスライブラリから構成されており、VB.NETで書かれたコードは、C#やF#など他の.NET言語で書かれたコードと同様にCLR上で実行されます。

異なる言語で書かれたコンポーネント間での連携が容易になり、開発者はそれぞれの言語の得意な分野を活かしながら、統一された環境でアプリケーションを開発できます。

また、近年では.NET Frameworkの後継である.NET(旧.NET Core)が登場し、クロスプラットフォーム開発も可能になりました。

VB.NETの特徴とメリット

プログラミングをしているイメージ

VB.NETがなぜ多くの開発現場で選ばれ続けているのか、その特徴とメリットを具体的にみていきましょう。

これらの利点を理解することで、VB.NETがあなたのプロジェクトにとって最適な選択肢となり得るかどうかが明確になります。

初心者にも学びやすい理由

VB.NETは、プログラミング初心者にとって非常に学びやすい言語です。

その理由としては、直感的な構文が多く、コードの意図を把握しやすい点があげられます。また、オンライン上には豊富なサンプルコードが存在しており、実践的な学習が可能となるでしょう。

さらに、Visual Studioの強力なサポートがコード補完機能やエラー検出機能の充実によって学習を強力に支援してくれます。

プログラミング経験が少ない方でも、比較的短期間で基本的なアプリケーションを作成できるようになるでしょう。

可読性・保守性の高さ

VB.NETのコードは、その明確な構文と記述ルールにより、非常に高い可読性を誇ります。

例えば、制御構文の終了を示すキーワード(End IfEnd Forなど)が明示的に記述されるため、コードブロックの範囲がわかりやすいという利点があります。

複数人での開発や、後からコードを修正・改善する際に、他の開発者がコードの内容を素早く理解し、効率的に作業を進めることが可能になります。

これは長期的なプロジェクトにおいて非常に重要なメリットとなります。

オブジェクト指向・手続き型の両対応

VB.NETは、オブジェクト指向プログラミング(OOP)手続き型プログラミングの両方をサポートしています。

オブジェクト指向では、クラスやオブジェクトを用いて、現実世界の事物をモデル化し、再利用性の高いコードを作成できます。

一方で、手続き型では、処理の流れを順序立てて記述する、従来のプログラミングスタイルも可能です。

小規模なスクリプトから大規模なエンタープライズアプリケーションまで、プロジェクトの規模や要件に応じて柔軟な開発スタイルを選択できます。

豊富な標準ライブラリと開発環境

VB.NETは、.NET Frameworkや.NETの膨大な標準ライブラリを利用できます。

これらのライブラリには、ファイル操作、ネットワーク通信、データベース接続、UIコンポーネントなど、多岐にわたる機能が豊富に用意されています。

開発者はゼロから機能を実装する必要がなく、既存のライブラリを活用することで開発期間を大幅に短縮し、高品質なアプリケーションを構築できます。

また、統合開発環境(IDE)であるVisual Studioは、コードエディタ、デバッガ、GUIデザイナなど、開発に必要なあらゆるツールを網羅しており、高い生産性を実現します。

クロスプラットフォーム対応

VB.NETは、従来の.NET FrameworkではWindows環境に限定されていましたが、近年リリースされた.NET(旧.NET Core)の登場により、クロスプラットフォーム開発が可能となりました。

Windowsだけでなく、macOSやLinux上でもVB.NETで開発したアプリケーションを実行できるようになり、より幅広い環境でビジネスチャンスを広げることが期待できます。

ただし、GUIアプリケーションの開発においては、まだWindows FormsやWPFが主流である点に留意が必要です。

企業システム・業務アプリでの利用実績

VB.NETは、その堅牢性と開発効率の高さから、多くの企業システムや業務アプリケーション開発で長年にわたり利用されてきました。

特に、Windowsデスクトップアプリケーションや、社内システム、基幹システムといった分野での実績が豊富です。

安定稼働が求められるビジネスの現場で、信頼性の高いアプリケーションを構築するためにVB.NETが選択されるケースが少なくありません。

多くの企業がVB.NETで構築されたシステムを運用しているため、メンテナンスや機能追加の案件も継続的に存在します。

VB.NETの基本的な文法と構文例

プログラミング言語の学習において、基本的な文法を理解することは不可欠です。

ここでは、VB.NETを扱ううえで必要となる主要な文法要素と、それぞれの具体的な構文例を解説します。

変数宣言・データ型

VB.NETでは、変数を宣言する際にDimキーワードを使用し、Asキーワードの後にデータ型を指定します。

変数に格納されるデータの種類を明確にします。

主なデータ型

データ型説明
Integer整数(-2,147,483,648 ~ 2,147,483,647)Dim age As Integer
String文字列Dim name As String
Boolean真偽値(TrueまたはFalse)Dim isActive As Boolean
Double倍精度浮動小数点数Dim pi As Double
Decimal精度が高い10進数(通貨計算など)Dim price As Decimal
Date日付と時刻Dim today As Date
Objectあらゆる型の値を格納できる汎用型Dim obj As Object

・構文例

' 変数の宣言と初期化
Dim message As String = "Hello, VB.NET!"
Dim count As Integer = 100
Dim isComplete As Boolean = True
Dim temperature As Double = 25.5

' 変数の値を表示
Console.WriteLine(message)
Console.WriteLine(count)
Console.WriteLine(isComplete)
Console.WriteLine(temperature)

制御構文(If文、For文、While文など)

プログラムの処理の流れを制御するために、様々な制御構文が用意されています。

条件分岐や繰り返し処理を記述できます。

・VB.NETでよく使用される制御構文

If...Then...Else If...Else...End If:条件に応じて処理を分岐させます。

For...Next:指定回数だけ処理を繰り返します。

For Each...In...Next:コレクションの各要素に対して処理を繰り返します。

While...End While:指定された条件が真である限り処理を繰り返します。

Do While...Loop / Do Until...Loop:条件が真である間、または条件が偽になるまで処理を繰り返します。

・構文例

' If文の例
Dim score As Integer = 85
If score >= 90 Then
    Console.WriteLine("A評価です。")
Else If score >= 70 Then
    Console.WriteLine("B評価です。")
Else
    Console.WriteLine("C評価です。")
End If

' For文の例
Console.WriteLine("--- For文 ---")
For i As Integer = 1 To 5
    Console.WriteLine($"現在の値: {i}")
Next

' For Each文の例
Console.WriteLine("--- For Each文 ---")
Dim fruits As New List(Of String) From {"Apple", "Banana", "Cherry"}
For Each fruit As String In fruits
    Console.WriteLine($"果物: {fruit}")
Next

' While文の例
Console.WriteLine("--- While文 ---")
Dim counter As Integer = 0
While counter < 3
    Console.WriteLine($"カウント: {counter}")
    counter += 1
End While

関数・サブルーチンの定義

VB.NETでは、特定の処理をひとまとまりにして再利用可能にするために、関数(Functionサブルーチン(Sub を定義します。

関数は値を返し、サブルーチンは値を返しません。

・定義方法

FunctionFunction 関数名(引数リスト) As 戻り値の型 ... End Function

SubSub サブルーチン名(引数リスト) ... End Sub

・構文例

' 関数の定義例 (2つの数値を足し算して結果を返す)
Function AddNumbers(ByVal num1 As Integer, ByVal num2 As Integer) As Integer
    Return num1 + num2
End Function

' サブルーチンの定義例 (メッセージを表示する)
Sub DisplayMessage(ByVal message As String)
    Console.WriteLine($"メッセージ: {message}")
End Sub

' 関数の呼び出し
Dim sumResult As Integer = AddNumbers(10, 20)
Console.WriteLine($"合計: {sumResult}")

' サブルーチンの呼び出し
DisplayMessage("VB.NETの関数とサブルーチンの学習は楽しい!")

クラスとオブジェクト指向の基本

VB.NETは、オブジェクト指向プログラミング言語です。

オブジェクト指向とは、データとそれを操作する処理(メソッド)を「オブジェクト」としてひとまとめにし、それらを組みあわせてプログラムを構築する考え方です。

・主要なオブジェクト指向の概念

クラス:オブジェクトの設計図となるものです。

オブジェクト:クラスから生成された実体(インスタンス)です。

プロパティ:オブジェクトがもつデータ(属性)です。

メソッド:オブジェクトが実行できる処理(動作)です。

・構文例

' クラスの定義例
Public Class Person
    ' プロパティ
    Public Property Name As String
    Public Property Age As Integer

    ' メソッド
    Public Sub Introduce()
        Console.WriteLine($"私の名前は {Name} です。年齢は {Age} 歳です。")
    End Sub

    ' コンストラクタ (オブジェクト生成時に呼び出される)
    Public Sub New(ByVal name As String, ByVal age As Integer)
        Me.Name = name
        Me.Age = age
    End Sub
End Class

' オブジェクトの生成と利用
Dim person1 As New Person("山田太郎", 30)
person1.Introduce()

Dim person2 As New Person("鈴木花子", 25)
person2.Introduce()

オブジェクト指向の三大要素は「カプセル化」「継承」「ポリモーフィズム」です。

これらを学ぶことで、より複雑で再利用性の高いプログラムを設計できるようになります。

例外処理の書き方

プログラムの実行中に予期せぬエラー(例外)が発生した場合に、プログラムが停止しないように適切に処理する仕組みを例外処理と呼びます。

VB.NETではTry...Catch...Finally...End Try構文を用いて例外処理を記述します。

・各ブロックの役割

Try:例外が発生する可能性のあるコードを記述します。

Catch:Tryブロック内で例外が発生した場合に実行される処理を記述します。特定の例外型を指定して、種類に応じた処理を記述することも可能です。

Finally:Tryブロック内で例外が発生したかどうかにかかわらず、必ず実行される処理を記述します(リソースの解放など)。

・構文例

Sub DivideNumbers(ByVal numerator As Integer, ByVal denominator As Integer)
    Try
        Dim result As Integer = numerator / denominator
        Console.WriteLine($"計算結果: {result}")
    Catch ex As DivideByZeroException ' 0で割った場合の例外を捕捉
        Console.WriteLine("エラー: 0で割ることはできません。")
        Console.WriteLine($"例外メッセージ: {ex.Message}")
    Catch ex As Exception ' その他の例外を捕捉
        Console.WriteLine("予期せぬエラーが発生しました。")
        Console.WriteLine($"例外タイプ: {ex.GetType().Name}")
        Console.WriteLine($"例外メッセージ: {ex.Message}")
    Finally
        Console.WriteLine("例外処理が終了しました。")
    End Try
End Sub

' 例外が発生するケース
DivideNumbers(10, 0)

' 例外が発生しないケース
DivideNumbers(100, 5)

サンプルコードで学ぶVB.NET

コード画面のイメージ

実際にコードを書いてみることで、VB.NETの理解は深まります。

ここでは、具体的なアプリケーションの種類に応じたサンプルコードをご紹介します。

これらのコードを参考に、ご自身の環境で動かしてみましょう。

コンソールアプリケーションの例

コンソールアプリケーションは、コマンドプロンプトやターミナルで実行されるテキストベースのアプリケーションです。

VB.NETの学習初期段階で、基本的な文法やロジックを確認するのに最適です。

簡単なコンソールアプリケーションの例として、「ユーザーからの入力を受け取り、挨拶メッセージを表示するプログラム」を以下に示します。

Module Module1

    Sub Main()
        ' ユーザーに名前の入力を促す
        Console.Write("あなたの名前を入力してください: ")

        ' ユーザーの入力を受け取る
        Dim userName As String = Console.ReadLine()

        ' 挨拶メッセージを表示する
        If String.IsNullOrWhiteSpace(userName) Then
            Console.WriteLine("名前が入力されませんでした。")
        Else
            Console.WriteLine($"こんにちは、{userName}さん!VB.NETの世界へようこそ!")
        End If

        ' プログラムがすぐに終了しないように待機
        Console.WriteLine("何かキーを押すと終了します...")
        Console.ReadKey()
    End Sub

End Module

Windowsフォームアプリケーションの例

Windowsフォームアプリケーションは、GUI(Graphical User Interface)をもつデスクトップアプリケーションです。

VB.NETは、Windowsフォームアプリケーションの開発において非常に強力なツールとなります。

シンプルなWindowsフォームアプリケーションとして、「ボタンをクリックするとメッセージボックスが表示されるプログラム」の例を以下に示します。

※このコードはVisual StudioのWindowsフォームアプリケーションプロジェクトで作成されることを想定しています。Form1.vbのデザインビューにボタンを配置し、Button1_Clickイベントハンドラに以下のコードを記述します。

Public Class Form1

    Private Sub Button1_Click(sender As Object, e As EventArgs) Handles Button1.Click
        ' ボタンがクリックされたときにメッセージボックスを表示する
        MessageBox.Show("ボタンがクリックされました!", "お知らせ", MessageBoxButtons.OK, MessageBoxIcon.Information)
    End Sub

End Class

オブジェクト指向プログラミングのサンプル

オブジェクト指向プログラミングの概念を理解するために、少し複雑なサンプルとして、「簡単な計算機クラス」を以下に示します。

このクラスは、加算、減算、乗算、除算の機能をもつことができます。

Public Class Calculator
    ' プロパティ (現在の計算結果を保持)
    Private _currentResult As Double = 0.0

    Public ReadOnly Property CurrentResult As Double
        Get
            Return _currentResult
        End Get
    End Property

    ' コンストラクタ (初期値を設定)
    Public Sub New(Optional ByVal initialValue As Double = 0.0)
        _currentResult = initialValue
    End Sub

    ' メソッド (加算)
    Public Sub Add(ByVal value As Double)
        _currentResult += value
    End Sub

    ' メソッド (減算)
    Public Sub Subtract(ByVal value As Double)
        _currentResult -= value
    End Sub

    ' メソッド (乗算)
    Public Sub Multiply(ByVal value As Double)
        _currentResult *= value
    End Sub

    ' メソッド (除算)
    Public Sub Divide(ByVal value As Double)
        If value = 0 Then
            Throw New ArgumentException("0で割ることはできません。", NameOf(value))
        End If
        _currentResult /= value
    End Sub

    ' メソッド (結果をクリア)
    Public Sub Clear()
        _currentResult = 0.0
    End Sub

End Class

Module Module1

    Sub Main()
        ' Calculatorオブジェクトを生成
        Dim myCalculator As New Calculator() ' 初期値は0

        ' 計算を実行
        myCalculator.Add(100)
        Console.WriteLine($"現在の結果: {myCalculator.CurrentResult}") ' 出力: 100

        myCalculator.Subtract(30)
        Console.WriteLine($"現在の結果: {myCalculator.CurrentResult}") ' 出力: 70

        myCalculator.Multiply(2)
        Console.WriteLine($"現在の結果: {myCalculator.CurrentResult}") ' 出力: 140

        Try
            myCalculator.Divide(7)
            Console.WriteLine($"現在の結果: {myCalculator.CurrentResult}") ' 出力: 20
            myCalculator.Divide(0) ' 例外が発生するはず
        Catch ex As ArgumentException
            Console.WriteLine($"エラー: {ex.Message}")
        End Try

        myCalculator.Clear()
        Console.WriteLine($"クリア後の結果: {myCalculator.CurrentResult}") ' 出力: 0

        ' プログラムがすぐに終了しないように待機
        Console.WriteLine("何かキーを押すと終了します...")
        Console.ReadKey()
    End Sub

End Module

VB.NETの開発環境とはじめ方

VB.NETの学習をはじめるには、適切な開発環境を準備することが重要です。

ここでは、必要なツールのインストール方法から、実際にプロジェクトを作成する手順までを解説します。

必要なツール・インストール方法

VB.NETを開発するうえで、もっとも推奨される統合開発環境(IDE)はVisual Studioです。

Visual Studioは、コードエディタ、デバッガ、GUIデザイナなど、開発に必要なすべての機能が統合されています。

インストール手順の概要

1. Visual Studioのダウンロード

公式サイトからVisual Studio Communityエディション(個人利用やオープンソース開発向けは無料)をダウンロードします。

2. インストーラーの実行

ダウンロードしたインストーラーを実行します。

3. ワークロードの選択

インストーラーが起動したら、「.NET デスクトップ開発」などのワークロードを選択します。必要に応じて、「ASP.NET と Web 開発」なども選択できます。

4. インストール

選択したワークロードをインストールします。

以上で、VB.NETの開発に必要な環境が整います。

Visual Studioでのプロジェクト作成手順

Visual Studioを使ってVB.NETプロジェクトを作成する手順を以下に示します。

プロジェクト作成手順

1. Visual Studioの起動

Visual Studioを起動し、「新しいプロジェクトの作成」を選択します。

2. テンプレートの選択

プロジェクトテンプレートの一覧から、「Windowsフォームアプリケーション (.NET Framework)」または「コンソールアプリケーション (.NET Framework)」など、目的に合ったVB.NETのテンプレートを選択します。

必要に応じて、クロスプラットフォーム開発を行う場合は「Windows フォーム アプリ (.NET)」などを選択します。

3. プロジェクトの構成

プロジェクト名、保存場所、ソリューション名などを設定します。

4. プロジェクトの作成

「作成」ボタンをクリックすると、新しいプロジェクトが生成されます。

以上ですぐにコードを書きはじめるための準備が完了します。

Visual Studioの直感的なインターフェースにより、はじめての方でも簡単にプロジェクトを開始できるでしょう。

VB.NETを学ぶうえでのアドバイス・参考情報

ここまで、VB.NETの基本的な概念から、その特徴、メリット、具体的な文法、そしてサンプルコードまでを幅広く解説してきました。

VB.NETは、その学習しやすさと堅牢性から、特にWindowsアプリケーション開発においていまなお現役で活躍している言語です。

これからVB.NETを学ぶ人へのアドバイス

フリーランスエンジニアとしてVB.NETを習得するみなさんへ、いくつかの実用的なアドバイスがあります。

まず、もっとも重要なのは、実際に手を動かしてコードを書いてみることです。

サンプルコードを動かすだけでなく、小さなプログラムを自分で作成し、エラーを恐れずに試行錯誤を繰り返すことで、理解が深まります。

次に、Microsoftの公式ドキュメントはもっとも正確で詳細な情報源であるため、困ったときには必ず参照する習慣をつけましょう。

さらに、VB.NETのフォーラムやQ&Aサイトなどのオンラインコミュニティに参加し、他の開発者と交流することも非常に有効です。

そこでは疑問を解決できるだけでなく、新たな知識や知見を得ることが可能です。

また、オープンソースプロジェクトや企業の既存システムなど、実際に動作しているVB.NETのコードを読むことも、実践的な書き方や設計パターンを学ぶうえで役立ちます。

最後に、学んだ知識を活かして、実際に役立つアプリケーションを作成し、自身のポートフォリオとして公開することで、将来の仕事獲得にも繋がるでしょう。

継続的な学習と実践が、あなたのスキルを大きく向上させる鍵となりますので、ぜひこれらのアドバイスを参考に学習を進めてください。

公式ドキュメント・学習リソース紹介

VB.NETの学習に役立つ公式ドキュメントや信頼できる学習リソースを以下にまとめました。

Microsoft Docs - Visual Basic ガイド
VB.NETの基本的な構文から高度なトピックまで、網羅的に解説されています。

Microsoft Docs - .NET
VB.NETが動作する.NETプラットフォームに関する情報が豊富です。

Visual Studio 公式サイト
Visual Studioのダウンロードや機能に関する情報が提供されています。

これらのリソースを積極的に活用し、VB.NETの知識を深めていきましょう。

よく使う用語集(VB.NET用語解説)

VB.NETを学ぶue

で頻繁に登場する専門用語をまとめました。

これらの用語を理解することで、ドキュメントや他の開発者とのコミュニケーションがスムーズになります。

用語説明
.NET FrameworkWindows上で動作するアプリケーション開発のためのマイクロソフトが提供するフレームワーク。VB.NETはこのうえで動作する。
.NET.NET Frameworkの後継であり、クロスプラットフォーム対応になったオープンソースのフレームワーク。
CLR (Common Language Runtime).NETプログラムを実行するための実行環境。共通言語仕様に準拠したコードを実行する。
IDE (Integrated Development Environment)統合開発環境。Visual Studioのように、コードエディタ、コンパイラ、デバッガなどが統合されたソフトウェア。
DLL (Dynamic Link Library)プログラムが実行時に必要に応じて読み込む共有ライブラリファイル。
GUI (Graphical User Interface)グラフィカルユーザーインターフェース。ボタンやウィンドウなど、視覚的に操作できるインターフェース。
RAD (Rapid Application Development)高速アプリケーション開発。短い期間でアプリケーションを開発する手法。VB.NETはこの特性をもつ。
コンパイル人間が書いたソースコードを、コンピュータが実行できる形式(機械語など)に変換すること。
デバッグプログラム内のエラー(バグ)をみつけ出し、修正する作業。
イベントハンドラ特定のイベント(ボタンクリックなど)が発生したときに実行されるプログラムの一部。
プロパティオブジェクトがもつデータや属性。
メソッドオブジェクトが実行できる操作や機能。
クラスオブジェクトの設計図。データとそれを操作するメソッドを定義する。
インスタンスクラスから生成された具体的なオブジェクトの実体。
名前空間 (Namespace)クラスや型などを整理し、名前の衝突を避けるための論理的なグループ化の仕組み。
参照 (Reference)プロジェクト内で他のライブラリやアセンブリを使用するために設定すること。

まとめ

本コラムでは、フリーランスエンジニアのみなさんがVB.NETを深く理解し、実践的なスキルを習得するための包括的な情報を紹介しました。

VB.NETの歴史、特徴、基本的な文法、そして具体的なサンプルコードを通じて、この言語のもつ可能性を感じていただけたのではないでしょうか。

VB.NETは、学習のしやすさと高い生産性を兼ね備え、Windowsアプリケーション開発を中心に多くの場面で活躍しています。

クロスプラットフォーム対応の進展により、その活躍の場はさらに広がると考えられます。

このコラムをきっかけに、VB.NETの奥深さに触れ、みなさんのスキルアップの一助となれば幸いです。

VB.NETに関するよくある質問

Q1. VB.NETは古い言語ですか?

A. いいえ、最新の.NETプラットフォームに対応しており、現在でも多くの企業システム開発で利用されています。

Q2. VB.NETとC#、どちらを学ぶべきですか?

A. どちらも.NETプラットフォームの主要言語ですが、VB.NETは構文が直感的で学びやすく、C#はより汎用性が高く、Web開発やゲーム開発でもよく使われます。目的によって選択が異なります。

Q3. フリーランスエンジニアとしてVB.NETの案件はありますか?

A. はい、既存の企業システムの保守・改修や、新しい業務アプリケーション開発など、Windowsデスクトップアプリケーションを中心に案件は継続的に存在します。

Q4. VB.NETはMacでも開発できますか?

A. はい、最新の.NET(旧.NET Core)を使用すれば、Visual Studio Codeなどを用いてMacでもVB.NETのコンソールアプリケーションやWebアプリケーションの開発が可能です。WindowsフォームアプリケーションはWindowsが必要です。

Q5. VB.NETでWebアプリケーションは開発できますか?

A. はい、ASP.NET CoreやBlazorなどの技術と組み合わせて、VB.NETでWebアプリケーションを開発することが可能です。

Q6. VB.NETの学習におすすめの書籍はありますか?

A. 初心者向けには、Visual Studioの操作方法から丁寧に解説している入門書がおすすめです。中級者向けには、オブジェクト指向やデータベース連携に特化した書籍がよいでしょう。

Q7. VB.NETの資格はありますか?

A. 直接的なVB.NETの公式資格は現在ありませんが、Microsoft Certified: Azure Developer Associateなどの.NET関連の資格は、VB.NETの知識にも役立ちます。

Q8. VB.NETの学習時間はどれくらい必要ですか?

A. 個人の経験や学習スタイルによりますが、基本的な構文や簡単なアプリケーションが作成できるようになるまでには、数週間から数ヶ月程度の学習時間を見込むとよいでしょう。

Q9. VB.NETで作成されたシステムをC#に移行することは可能ですか?

A. はい、可能です。VB.NETとC#は同じ.NETプラットフォーム上で動作するため、言語間の変換ツールや手動での書き換えによって移行できます。

Q10. VB.NETを学ぶメリットは他にありますか?

A. 既存のVB.NET資産をもつ企業の案件に参画しやすくなる点、また直感的な構文により、プログラミング思考を養いやすい点などがメリットとしてあげられます。

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