システムエンジニアが持っておきたい資格と難易度を解説!独学可能なおすすめ資格とメリットは?資格なしの場合との差も検証!
IT業界とシステムエンジニアの今後
これまでは会社員で勤続年数が長いことがよしとされる世の中でした。
しかし働き方が多様化した現代、副業解禁やフリーランスへの認識も広がりつつありその常識自体が変わっていこうとしています。
IT業界と社会の関わり
技術大国・日本の中でも目まぐるしく成長を遂げているのがIT業界です。
AIやICTなどが企業にも採用されはじめ、もはや私たちの生活には欠かせないツールとなっています。
システムエンジニアの社会での役割
IT業界の成長の一端を担っているシステムエンジニア。
SEはシステムの設計や開発、テストなどを行う職種ですが顧客の要求から仕様を決定して大まかな設計をするまでのシステム開発における上流工程を担当します。
よって必然的に企業とコミュニケーションをとる場面やチームを組んで設計を行うことも多いため高度な知識やスキルはもちろんのこと、コミュニケーション能力やチームワークも求められます。
SE不足のIT業界では、そういった能力を持つ方はとても重宝されるのです。
システムエンジニアとフリーランス
特にIT業界では特定の会社と雇用契約を結ばずにクライアントと直接契約を結ぶ、業務委託のフリーランスを選択する方も増えています。
システムエンジニア(SE)も例外ではなくフリーランスへの道も視野に入れてエンジニアという業種を選択する方も多くいるのが現状です。
会社員として働いてきた方はある程度のコミュニケーション能力やチームワークをこなしてきた方がほとんどでしょう。
フリーランスになった後も会社員時代に培った人脈を活用して、同業者同士切磋琢磨して技術を磨いていくのも立派なスキルのひとつとなるのです。
フリーランスのシステムエンジニアが年収アップするには
フリーランスといえば決まった時間に会社に出社することなく、自宅やカフェなど自由な場所で働いているイメージを持つ方も少なくないでしょう。
しかし、実際には案件によります。
システムエンジニアの働き方
SEに関しては「出向型」という決まった企業に一定期間出勤するといった働き方が一般的です。
会社員と同じようにクライアントのオフィスで仕事をしますが案件ごとの業務委託契約のため、副業禁止などの制約もありません。
フリーランスSEが年収アップするにはどうすればいい?
フリーランスSEは会社員としての制約がない分、異なる企業のプロジェクトに同時進行で参加することも可能です。
参加する案件を増やしてどんどん経験を積みましょう。
スキルが上がれば市場価値が上がります。
新しいプロジェクトに参加する場合はこれまでのポートフォリオなどを求められる場合も多く、経験があるほど信頼してもらいやすくなるのです。
システムエンジニアで独立するには資格試験を受けるべき?!
SEで独立するためには特定の資格は必要ありませんし、資格を一切持っていないSEももちろん存在します。
しかし資格は対外的にスキルを証明する手段のひとつです。
持っていて損はありません。
難易度の高い資格ほど個人の実力を証明しやすくなるためぜひ前向きに資格取得を検討しましょう。
システムエンジニアが持っておきたい資格試験と難易度は?
システムエンジニアが持っておきたい資格には何があるのでしょう。
資格といっても国家資格もあれば民間資格も多くあり、何から手をつければ良いかわからないとい方も多いのが現状かもしれません。
そこでSEで独立するために持っておきたい資格と難易度を中心にご紹介していきます。
国家資格
まずは国家資格をご紹介していきます。
「情報処理技術者」はIT企業からの評価が高く、SEとして幅広い知識を習得しているというアピールにも最適な国家資格です。
また情報処理技術者試験では近年の技術動向や環境変化などを反映することで、現代社会で必要とされる知識・技能を問われるような問題が出題されます。
レベルは1〜4まであり、レベル4が最高位となります。
レベル1:情報社会において、基礎的な知識の有無を判断する試験です。
SEに限らず、IT関連の職種につく全てのスタッフが身につけておくべきレベルの問題で該当資格は『ITパスポート』となります。
レベル2:情報技術の基盤となる知識とスキルを持ち、実践に対応できるような応用スキルを習得しているかどうかを判断する試験です。
SEなら必要最低限のレベルともいえ『基本情報技術者試験』が該当します。
レベル3:情報を扱う技術者として実践的な知識やスキルを持っており、プロジェクトにおいて戦略を立てられるかを判断する試験です。
SEの現場では各技術者が生産性や信頼度が高いシステムを自らが組み立てられるスキルを備えていることも重要な条件となります。
この試験ではより実践的なスキルを要求されるので、取得しておけばSEとして即戦力になることをアピールできるでしょう。
こちらの該当資格は『応用情報技術者試験』です。
レベル4:経済産業省が認定する情報処理技術者試験のうち、より高度とされる9つの試験が該当します。
合格率は10%程度ですがレベル4までを取得していれば確かな専門スキルを持っていることの証明が可能です。
該当する資格は以下の通りです。
- 『ITストラテジスト試験』
- 『システムアーキテクト試験』
- 『プロジェクトマネージャ試験』
- 『データベーススペシャリスト試験』
- 『エンベデットシステムスペシャリスト試験』
- 『情報セキュリティスペシャリスト試験』
- 『ITサービスマネージャ試験』
- 『システム監査技術者試験』
ベンダー資格
ベンダー資格とは企業が自社製品に関する技術を認証するために設けた資格のことです。
こちらでは3つのベンダー資格をご紹介します。
【Linux技術者認定】
受験者数は世界最大規模の多さでOSの中で圧倒的なシェアを占める資格です。
大変人気の高い世界水準のIT資格のため取得するとシステムエンジニアとしての幅が広がるだけでなく、企業からの信頼も大変厚いものとなります。
【シスコ技術者認定】
ネットワークエンジニアを対象に様々なネットワーク関連スキルを証明する資格です。
こちらもIT企業全体から高い評価を得ており、認定資格に期限があることも特徴となっています。
継続的に更新する必要がある点に注意しましょう。
【オラクルマスター】
ベンダー資格の中では比較的知名度が高い資格です。
情報処理データベースの資格で難易度は4段階あり、ブロンズ→シルバー→ゴールド→プラチナの順に取得していきます。
SEとしてのスキルが認められる試験のため、企業などでは大変重宝される資格です。
SE関連の資格試験を突破するには?
ここからは、SE関連の資格試験を突破するために必要なことを解説します。
独学で勉強する場合
SE関連の資格を独学で勉強する場合、仕事の合間や通勤時間などを有効活用することが鍵となります。
自分のペースでコツコツ進めることが得意な方は独学での勉強がおすすめです。
プログラミングに関する参考書はたくさんあるので自分の性格や勉強スタイルに見合ったものを組み合わせて選択しましょう。
ただし個人で勉強していくには会社員としてすでに実践経験を積んでいたり専門の学校に通っていたりするなど、ある程度の基礎知識を保有していることが前提となります。
最初の基礎知識から本格的に学びたいという方はまず個人や企業単位のスクールやセミナーに参加してみましょう。
個人でスクールに通う
スクールというと授業料が高いイメージですが、スクールに通うメリットとしてシステムエンジニアに必要な技術を磨き上げた専門の講師に直接指導してもらえることが挙げられます。
基礎から学ぶ場合でも行き詰まったら講師に直接質問できるので着実なステップアップが見込めるため資格取得の近道となるでしょう。
会社単位の研修に参加する
会社員SEの方は企業単位での研修に参加できる機会も多いでしょう。
企業単位の研修は費用が会社持ちであることがほとんどですのでこれを利用しない手はありません。
現在会社員の方はまずは研修に参加して確実な知識を身に付けることからはじめるのをおすすめします。
独学可能なおすすめ資格試験は?
SE関連の資格をみてきましましたが実際に受けるなら結局どの資格がいいのか、システムエンジニアにとって登竜門となる資格をご紹介します。
SE関連の資格の中でも独学可能なおすすめの資格試験を確認していきましょう。
ベンダー資格は取得を支援してくれるコンテンツや企業支援が多数
企業が自社製品に関する知識やスキルが一定水準以上であることを証明してくれるのがベンダー資格です。
そして企業は製品を広く普及したいと考えているため、資格取得のためのコンテンツが豊富にあるのも嬉しいポイントとなっています。
ただし受験料が10,000〜15,000円とお手頃とはいえない費用が一般的にかかることと、有効期限を設けている資格もあるため選ぶ際にはその点も考慮しておきましょう。
ベンダー資格の中でも特におすすめなのが『オラクルマスター』です。
資格の難易度は4段階あり、その2段階目であるシルバーまでは独学で取得できるといわれています。
国家資格は永遠にライセンス保持者になれる
情報処理技術者試験などの国家資格は特定の製品に限定されないため、現場で即刻役に立つ知識ではないかもしれません。
しかしIT業界で働く者にとっては知識の整理や基盤となるスキルを身に付けるためにとても有効な資格であるといえます。
しかもベンダー資格は有効期限を設けられている場合もありますが、国家資格は一度取得すれば一生涯そのライセンス保持者となれるのも特徴であり大きなメリットです。
IT企業に就職した新社会人は情報処理技術者試験のレベル2に該当する『基本情報技術者試験』に合格しなければならないといった社内ルールがある場合も多く、社内勉強会やセミナーなどを開催している企業も多く存在します。
国家資格の取得を目指す足がかりとしてまずは新社会人と同等レベルの資格の勉強からはじめてみてもいいかもしれません。
システムエンジニアに必要なスキル3つ
それでは、システムエンジニアにはどのようなスキルが必要なのでしょうか。
3つのスキルをチェックしていきます。
技術的知識と能力
日々進歩するIT業界でフリーランスのシステムエンジニアとして生き残っていくには技術的能力を常日頃から磨いていく他ありません。
クライアントやチーム間で問題解決のためのコミュニケーションを図るのにも、専門的技術がなければ最適なシステムを提案することもできないでしょう。
開発プロジェクトをマネジメントする際も専門知識をベースに様々なリスクや解決方法を探っていかなければならないのです。
またシステムエンジニアには資格を取得できるくらいの技術力は必須ですが、そういったスキル以外にも重要な能力があります。
コミュニケーション能力
システムエンジニアはクライアントが抱えるニーズを汲み取り、問題解決の方法をわかりやすく説明する必要があります。
チーム単位でプロジェクトを進めることも多くあるためシステムエンジニアにとってもコミュニケーション能力は欠かせないスキルのひとつなのです。
マネジメント能力
システム開発は複数のメンバーで行うことが多く、なおかつスケジュールも厳しいのがIT業界です。
そのためスケジュール管理を行ったり特定のメンバーに負担がかからないよう調整したりするマネジメント能力もシステムエンジニアには求められます。
コミュニケーション能力と同等に重要なスキルであることを念頭に置いておきましょう。
『未経験・資格なし』でもIT業界で働けるか?
昨今、IT業界は凄まじいスピードで変化を遂げ続けています。
日々変化していく技術やそのような変化に柔軟に対応できる人材がどこの業界でも求められているのが現状です。
そのため未経験だからという理由でチャレンジしないのはもったいないといえます。
しかし全く畑違いの業種からIT系で働くには膨大な知識や経験を積まなくてはなりません。
また前述した通り資格を持たずともシステムエンジニアとして活躍している方は多数存在しています。
システムエンジニアにとって資格は必ずしも必要ではないともいえるでしょう。
しかし仕事を受注する際に資格を取得していれば分かりやすく自分のスキルを提示してくれる需要な戦力になり得ます。
特にフリーランスとしての活躍を目指しているのなら後に受注面で差が出てくることも大いにあり得るのです。
クライアントの信頼を得るのはもちろん、システムエンジニアとしてのスキルアップや自分のモチベーションアップのためにも資格取得から目指してみるのもひとつの手段といえるでしょう。
おわりに
システムエンジニアとして活躍するには特別な資格は不要ですが企業を相手にすることも多いため自身の実力の証明のために資格を取得するエンジニアも増えています。
レベルによっては独学で突破できる資格もご紹介してきました。
ぜひこれを機に、まずはそこからチャレンジしてみることをおすすめします。