Scalaでできることや役立つ資格・将来性を紹介!Javaとの関係は?
オブジェクト指向・関数両面を合わせ持つ「Scala」
Javaの後継ともいわれるプログラミング言語「Scala」。
JVMで実行できるほか、Javaで利用されているライブラリの多くを利用できるなど、Javaエンジニアにとって非常に取っ付きやすく移行しやすい言語でもあります。
数多くのWebアプリを生み出している言語でもあり、年々注目度が高まりつつある言語です。
こちらの記事では、Scalaでできることや特徴、関連する資格をはじめとし、Javaとの関係性にも注目していきます。
Scalaの凄い所
JavaやC++などと比較すると、あまり耳にしたり目にする機会が多くないといえるScala。
定着こそしていませんが、実は既にScalaは生活に浸透しているプログラミング言語です。
TwitterやLinkedinはScalaで実装されており、数多くの人が知らぬ間に「Scalaで作られたサービス」を利用しています。
他にもScalaが採用されているサービス・システムは多数存在しており、非常に可能性に満ちている言語といえます。
そして、Scalaの最大の特徴は「オブジェクト指向プログラミングと関数型プログラミングが融合している」という部分でしょう。
従来であれば考えられないような特徴ですが、それを実現しているのが「Scala」。
業務システムから、Webアプリケーション、モバイルアプリまで、様々な開発に応用が利くという特徴も持っています。
オブジェクト指向プログラミングのいい所と、関数型プログラミングのいい所、両方を兼ね備えた言語なのです。
Javaでできることが全てできる
Scalaは基本的に「Javaでできることは全て」できます。
Javaのほとんどのライブラリを使用できるため、開発において余計な混乱や迷いが生じにくいのです。
そのため、スムーズに開発取り掛かることができます。
既にJavaエンジニアとして開発を経験してきたプログラマーの方などは、Javaの知識を活かしながらScalaの開発に取り組むことが可能です。
JVMで実行できる
ScalaはJVM(Java Virtual Machine)上で実行が可能です。
これはつまり、OSを問わずJVMが動作さえしていれば実行できるということになります。
開発において、OSごとに言語の違いや仕様・挙動のことを考える手間が省けるというのは非常に大きなメリットです。
開発マシンと別のマシンでもすぐに実行が可能。
そして、一度開発してしまえばプラットフォームを気にせずにリリースが可能というのも魅力的です。
実際にサービスやシステムを利用する側のユーザからしても、自分の使っているデバイスや環境のせいで使いたいのに使えないという悲しい気持ちを味わうことがありません。
役立つScalaの資格はまだない
一般的にまだまだ認知度は低いScala。
そのため、資格制度などはまだ用意・実施されていません。
しかし、徐々に徐々に注目を浴び始めている言語であるというのは事実です。
今後近い将来に、何かしら「資格試験」という制度などがスタートする可能性は大いに考えられるでしょう。
裏を返せば、資格がない今はScalaを勉強するチャンスともいえます。
今の段階から資格がスタートする時に備えて勉強し、開始直後に合格できれば、他のエンジニアとのリードを広げることができるでしょう。
また、後ほど詳しく解説しますが、Scalaは非常に将来性のあるプログラミング言語です。
そのため、資格がなくとも今のうちから勉強・習得しておく価値は十分にあるといえます。
Scala独特の使い方
ここからは、Scalaの特徴的な変数定義などを簡単に紹介します。
「Scalaにはこんなものがあるんだな」といったご参考程度にご覧ください。
「val」は他の言語でいえば「final」
Scalaには「val」という変数定義が存在します。
他の言語でいう「final」のようなもので、宣言時に定義した変数の値の変更はできません。
違う型の代入も当然エラーを吐きます。
Scalaではvalを使う機会が多く、ざっくりいえば「定数」と認識しておけばいいかもしれません。
メソッド定義はdefでする
Scalaでメソッドを定義する際には「def」を利用します。
メソッド名を「test」としてみて例えると以下のような形になります。
- def test(引数名:型){
- /* 処理内容を記述 */
- }
戻り値がある場合は複数の記述方法がありますが、一例として以下のような形で記述できます。
- def test(引数名:型): 戻り型 = {
- /* 処理内容を記述 */
- }
Javaと大差こそありませんが、Scala独特な文法とも感じる部分があるのではないでしょうか。
Scalaの特徴
続いてはScalaのもつ「特徴」に注目します。
既にJavaとの互換性の高さやJVMで動作すること、オブジェクト指向型と関数型を組み合わせているということは触れましたが、他にもたくさんの特徴を持つ言語です。
まず、Scalaは「静的型付け言語」です。
しかし、型推論が実装されているため、変数などを宣言するときに大抵の場合型指定を行う必要がありません。
そしてScalaには対話型の実行環境があるため、動作を確認しながらのプログラミングが実現しています。
XMLをプログラム内に直接書き込むことも可能なほか、非同期プログラミングということもあって、高速処理を実現しています。
また、Scalaはオープンソースのプログラミング言語です。
エンジニアたちが求める仕様にカスタムすることができてしまいます。
開発の幅が広がる特徴ばかりです。
明確なScalaのメリットは4つ
では一体、Scalaがなぜ注目され始めているのでしょうか。
それは、明確な4つのメリットがあるからです
- コード量が少ない
- コードがシンプル
- バグが少なくなる
- Javaとの互換性が高い
1つずつ紹介いたします。
メリット1:コード量が少ない
目に見える大きなメリットが「コード量が少ない」という点です。
Javaと比較してみると、ソースコードをおよそ半分ほどの文量に抑えることができます。
このメリットだけでも、Scalaの人気や注目が高まりつつある理由が分かるかもしれません。
メリット2:コードがシンプル
ソースコードの文量が減ることとも関連しますが、Scalaのコードは非常にシンプルです。
関数型言語ということもあり、数式によるシンプルな構文となります。
さながらスクリプト言語のようにライトに記述できるため、可読性も非常に高い言語だといえるのです。
メリット3:バグが少なくなる
コードがシンプルになり簡素化されることで、デバッグも容易となります。
チェックもしやすくなるため、結果的には「バグ」も減ることになるのです。
開発をスムーズに進められ、より質の高いプログラムを組むことができます。
メリット4:Javaとの互換性が高い
Javaの後継言語ともされるScala。
後ほどScalaとJavaの関係性について触れる際に詳しく解説いたしますが、互換性が非常に高いのもメリットの一つです。
Javaで開発したものをScalaへ移行させるということはもちろん、JavaからScalaを呼び出すことも可能。
とても利便性が高いのです。
Javaの大半のライブラリを使用できるというのも魅力の1つです。
デメリットは4つ
メリットだらけのように感じるほどにScalaは魅惑的な言語ですが、デメリットも確かに存在しています。
- 敷居が高い
- 現状、求人が少ない
- IDEが微妙
- コンパイルが遅い
これら4つのデメリットについても、1つずつ注目していきましょう。
デメリット1:敷居が高い
Scalaは、プログラミング初心者の方にとっては敷居の高い言語だといえます。
オブジェクト指向プログラミングと関数型プログラミングの両面を理解していなければ、扱うのが難しいのです。
そのため、プログラミング未経験の方がいきなり「Scalaを勉強する」というのは少し無謀かもしれません。
Javaなど他の言語を先に学ぶ必要があるといえるでしょう。
また、既にプログラミング経験者からしても「学習コストが高い」といわれています。
Scalaは全く新しい斬新な面も数多く持っている言語ということもあり、習得するまでにどうしても時間がかかってしまうのです。
デメリット2:現状、求人が少ない
Scalaは注目こそされ始めているものの、求人はまだまだ少ない現状があります。
仮にScalaだけをマスターしたとしても、実務経験がなければ採用してもらえない可能性も考えられるのです。
とはいえ、求人は徐々に増加傾向にあります。
この点は今後Scalaの需要が更に増していけば改善されるであろう点といえるでしょう。
デメリット3:IDEが微妙
プログラミングをするうえで欠かせないのがIDE(統合開発環境)。
しかし、ScalaのIDEは、Javaなど他言語のIDEと比較すると微妙です。
IDEはコーディングをサポートしてくれる、プログラミングにおいて心強い存在です。
しかし、Scalaに関してはIDEのサポートが充分とはいえず、あまり頼りにならないのです。
デメリット4:コンパイルが遅い
IDEとも関連しますが、Scalaはコンパイル速度が非常に遅いです。
コンパイル速度が遅いと、余計な待ち時間が発生することになります。
必然的に生産性が下がることに繋がってしまい、大きなデメリットだといえるでしょう。
Scalaのコンパイルは高度な処理をしているらしく「仕方のないこと」ともいわれています。
マシンスペックに依存する部分ともいえますね。
ScalaとJavaの関係性
もともと、ScalaはJavaの機能を使えるように互換性を優先して開発された言語です。
記事の冒頭でも触れたとおり、JVMで動作するというのが体現しています。
Javaの便利な機能はそのままに、さらに開発のしやすさを実現する言語、それがScalaです。
「Javaの後継言語だ」ともいわれているのは、その高い互換性とJVMで動作するという2点が大きいでしょう。
その高い互換性は、Javaで使われてきた膨大とまでいえるライブラリがそのまま使えるというだけで本当に嬉しいポイント。
そして、逆にJavaがScalaのライブラリを参照することもできてしまうのです。
相互にメリットが及ぼされる関係性にある言語同士ともいえます。
他の言語と比較した際に、それだけで圧倒的なメリットです。
Scalaの将来性
少しずつ注目度が高まってきているScalaですが、将来性という観点では期待できるプログラミング言語なのでしょうか。
結論からいえば、間違いなく将来性に溢れているといえます。
今回の記事でも触れていた通り、オブジェクト指向と関数型の両面を併せ持つ言語というのは非常に魅力的。
そして何よりもJVMで動作し、コードがJavaの半分ほどに済んでしまうという大きなメリットがあります。
シンプルながら高機能な言語であり、今後ますます注目を集めていくことは間違いありません。
またScalaからJavaへ移行させるということも実現できます。
将来的には「Scalaも扱えるJavaエンジニア」、両言語の知識に精通して使いこなせるような人材が求められるようなIT業界へと変化しているかもしれません。
現に、徐々に徐々にScalaに関する求人数は増加傾向にあります。
フリーランスとScala
Scalaは今後どんどんと需要が高まっていくことが予想されるプログラミング言語です。
フリーランスエンジニアの方も、Scalaの知識・スキルを身につけておけば間違いなく仕事に繋がります。
需要が高まるにつれてフリーランスの方を対象にした案件の募集も自ずと増加していくことが予想され、早め早めにScalaを学習しておくことは将来ほぼ間違いなく役に立つでしょう。
将来性も抜群なScalaに手を出さない理由はありません。
既に複数の言語を扱えるフリーランスエンジニアはScalaもマスターすれば、多方面から求められ仕事探しに困らない、魅力的なエンジニアになることができます。
今のうちからScalaを習得しておけば、フリーランスエンジニアとして更に磨きをかけ、仕事や生活に困らない人生を歩むことに繋がるかもしれません。
Scalaを扱えるエンジニアが多く求められるような未来は、そう遠くないでしょう。将来性も抜群なScalaに