【R言語入門】R言語について徹底解説!R言語できることとPythonやC言語との違いは?役立つ資格やおすすめ本もご紹介
数あるプログラミング言語
プログラミングの言語は非常に数が多く年々様々な言語が注目され、流行の言語など話題を集めることがあります。
JavaやJavaScriptといった有名なものもあれば、マイナーな言語まで多岐に渡ります。
その中で、ジワジワと注目を集め始めている言語が「R言語」というプログラミング言語です。
一体なぜR言語が注目されているのでしょうか。
R言語に注目
今回の記事では、R言語がなぜ注目されているのかという理由を特徴を交えて解説します。
また、よく疑問に抱かれがちな「Python」や「C言語」との違いにも注目。
基礎的な文法にも触れつつ、R言語に関連した役立つ資格やおすすめの本も紹介いたします。
ちなみに「R言語」と呼ばれることが多いですが、単に「R(アール)」と呼ばれたり表記されることもあるので注意しておきましょう。
R言語の特徴
それでは早速、R言語の特徴に注目していきます。R言語には以下の特徴があります。
- 統計解析に特化している
- ユニークな機能
- ソースコードが単純
- OSを問わない
- オープンソース(無料)である
1つずつ解説いたします。
統計解析に特化した言語
R言語が「なぜ注目されているのか」というポイントですが、それにはR言語の1つの大きな特徴が起因しています。
R言語の大きな特徴、それは「統計解析だけに特化した」プログラミング言語であるというポイントです。
プログラミング言語というのは向き不向きはあれど「なんでも作れる」というイメージが定着しています。
しかしR言語はそうではなく、あくまで「統計解析」に特化している言語です。
JavaやC++といったメジャーな言語同様「オブジェクト指向型言語」という特徴も持っていますが、とにかく「統計解析」に特化しています。
Javaなどのように様々なサービスやアプリケーション、ソフトウェアを作れる汎用性は無い言語だといえます。
ユニークな機能
統計解析をするということは、結果のデータが得られるということになります。
R言語にはデータをグラフとして出力する関数が備え付けられています。
そして、そのグラフを画像として各フォーマット(JPG、PNG等々)で保存する関数も用意されています。
ある意味、非常にユニークなプログラミング言語ともいえるでしょう。
使い勝手の良い機能ともいえ、そういった意味でも注目を集めています。
ソースコードが単純
プログラミングは難しいイメージを持っている人も多いですが、R言語はシンプルな言語です。
ソースコードが単純ということもあり、初心者にとって取っ付きやすい言語だといえるでしょう。
プログラミング経験者であればそれは尚更で、そう時間を要さずに習得が可能です。
統計解析という分野において、専門家は必ずしもプログラミングができるわけではありません。
そういった背景もありR言語が注目され始め、普及しつつあるのです。
OSを問わない
R言語はOSを問いません。
WindowsやMacはもちろん、Linux・UNIXでも動かすことができます。
これも1つの大きな特徴であるといえるでしょう。
オープンソース(無料)である
R言語はオープンソースで提供されているプログラミング言語です。
無料で作業環境を作って利用できるという大きなメリットがあります。
無料ということは、プログラミング初心者にとっての敷居も非常に低いといえるでしょう。
R言語でできること
続いて、R言語では一体なにができるのかというポイントに注目します。
特徴と通ずる部分も多々ありますが、R言語が注目される要因となっている部分が更に分かるでしょう。
R言語がどの分野で用いられ、重宝されているのかという点についてもチェックしていきます。
R言語と機械学習
R言語が注目されている点において「AI」という観点も要因の1つです。
近年、AIが台頭し始めた影響もあり、機械学習やビッグデータの解析が注目されるようになりました。
そういったことも得意なのが「R言語」というプログラミング言語です。
AIの発展、より高精度のAIを開発するために活用されている言語といえます。
Pythonと比較されがちな理由もこの「AI」との関連性の強さが原因です。
Pythonとの違いに関しては、後ほど詳しく解説いたします。
統計解析
記事の冒頭で「R言語は統計解析に特化した言語」と紹介しましたが、まさにR言語の代表的な「できること」の1つです。
統計学や金融学、生命科学分野ではBioconductorというパッケージが利用されていたりと、その活躍シーンは多岐に及んでいます。
ビッグデータを解析し、様々な業界の戦略などの組み立てに貢献しています。
そのため、データサイエンティストなど「データを解析するエンジニア」などにとって馴染みの深い言語といえるでしょう。
このように幅広い分野で活躍しているのが「R言語」です。
R言語と他言語との違い
続いては、R言語が比較されがちな他の言語との「違い」を解説いたします。
特にPythonとは度々比較されていますね。
しかし、プログラミング言語ではないExcelと「グラフを作れる」という観点で比較されることもあります。
それぞれと「どんな違いがあるのか」というポイントに注目してみましょう。
Python・C言語との違い
まずはPython・C言語との違いです。
度々混同されがちなのが、C言語。
これは「○言語」という字面が似ているからであって、言語仕様や用途などはほとんど関連性がありませんので、注意してください。
そしてPythonですが、こちらは機械学習に強くAIとの結び付きが強いという点が非常に似ています。
そのため、比較されがちな傾向にあります。
用途等が似ていることに加え、どちらも学習コストは低いと共通している部分は多いですが、PythonはWebアプリケーションなどが作れる汎用性の高い言語です。
対して、R言語はこの記事でも触れた通り汎用性の低いプログラミング言語であり「統計解析」に特化しています。
Webアプリケーションなどの開発はできません。
そしてR言語はグラフ等に書き起こしやすいうえに、高度なグラフを作成できます。
Pythonもグラフ等に出力できるライブラリ等は用意されているものの、R言語ほど高度なグラフ描写は得意ではありません。
どちらの言語も一長一短であることがわかります。
ちなみに、C言語と名前が似ているということで混同されますが「R言語」という名前はベースとされたS言語の一歩手前という意味などから付けられたといわれています。
Excelとの違い
Excelはプログラミング言語ではなくアプリケーションですが、表計算ソフトとしてデータ収集、解析、グラフ出力などが可能です。
統計解析に用いられることもあり、そういった意味でR言語とも共通する部分があり、比較されることがあります。
とはいえ、2つは全くの別物です。
ExcelはGUI上で操作しますが、R言語はプログラミングをしなければなりません。
処理速度に関してもR言語のほうが高速です。
R言語の基礎
それでは、R言語の基礎的な文法などに注目してみましょう。
最初にチェックしたいのは「ベクトル」です。
ベクトル
R言語では「多次元ベクトル」を作ることができます。
数字の列をベクトルとして扱っています。
ベクトルを生成する際には「C()」と記述すればOKです。
例:x <- c(1,2,3,4,5)
これで、xというベクトルができました。
また、記述方法は他にもあり「x <- c(1:3,3:1)」と記入すれば「1 2 3 3 2 1」が中に代入されます。
「:」を使うことで連続した整数を代入可能ということです。
注意すべきは「<-」が「代入」を意味するということになります。x<-yと入力すれば、xにyを代入できます。
また「rep」というコマンドも。
これは「x <- c(rep(2,4))」と記述することで「2」を「4個」並べるという意味になります。
R言語は実数
大抵のプログラミング言語では、整数同士の割り算を行うと演算結果も「整数」になります。
しかし、R言語では整数同士の割り算を行っても演算結果が実数となるため、他の言語とギャップがあるので注意が必要です。
小数点以下を丸めるための関数も用意されているので、必要に応じて使いましょう。
いくつか種類がありますが、代表的なのは 「round(x, digits = 0)」や「ceiling(x)」、「floor(x)」といったものがあります。
それぞれで挙動も変わりますので、実際に扱う際には相応しい関数をチョイスするといいでしょう。
配列の注意点
プログラミングにおいて配列は基礎中の基礎といえるでしょう。
R言語でも配列という概念はあるのですが、特に他のプログラム言語に触れたことのある方が注意しておかなければならない点があります。
それは配列が「1」から始まるという点。
大抵プログラミング言語の配列といえば「0」からスタートします。
しかしR言語は「1」からなので、他の言語を勉強されたことがある方や、業務で普段何かの言語に触っている方にとっては落とし穴になりがちなポイントです。
よく注意しましょう。
最初は代入や配列の独特な記述方法や文法に戸惑うかもしれませんが、慣れてしまえば非常に分かりやすいというのがR言語の大きな特徴です。
R言語の資格はまだない
現状、R言語はまだまだ普及段階であり「R言語の資格」というものは実施されていません。
しかし、R言語と関わりの深い「データサイエンティスト」が所持しておくと強みになるという意味であればいくつか資格が実施されています。
今回は「データサイエンティスト」向けの資格に少しだけ注目してみましょう。
統計検定
1つ目に紹介するのは「統計検定」です。
その名の通り統計にスキルを認定するための資格であり、4級〜1級(準1級あり)が実施されています。
1級のみ部門が「統計数理」と「統計応用」の2つに分かれており、より具体的なスキルの証明に繋がるでしょう。
R言語は「統計解析」に秀でた言語ということもあり、こちらの統計検定は共通する部分もあるといえるかもしれません。
G検定・E検定
G検定とE検定は、日本ディープラーニング協会が実施している検定試験です。
データサイエンティストにとってメジャーな資格試験であるため、将来R言語を用いたデータサイエンティストを目指そうと考えている方は勉強しておきたい試験です。
ディープラーニングと密接に関連している検定試験でもあるため、やはりR言語との関連も深い資格であるといえるでしょう。
R言語を勉強するのにおすすめの本
プログラミング言語を勉強する際に参考書・技術書を読みながら勉強されるエンジニアの方は多くいらっしゃいます。
R言語もその例外ではなく、数々の参考書が販売されています。
かの有名なO’Reilly(オライリー)が出版している「RStudioではじめるRプログラミング入門」などを読み込めば、R言語に対しての理解をしっかりと深めることができるでしょう。
こちらの本は「統計学のことを知らない人でもR言語の勉強ができる」内容で構成されているため、統計学にあまり興味がない、知識がない方などにもおすすめできる本です。
ただ、R言語は統計と密接に結びついている言語です。
勉強に関しては、やはり統計学に関する本などを読むのが役に立ちます。
R言語は可能性に満ちた言語
今回紹介してきたR言語は、統計解析に特化した言語としてデータ解析において重宝されてきました。
そして、昨今AIや機械学習が注目を浴び出し、今後更に需要が高まっていくようになるでしょう。
また、R言語はプログラミング未経験者でも取っ付きやすい言語であるということも大きなポイントです。
エンジニアはもちろん、プログラミング未経験の方、統計学に携わる人や統計解析でも手軽にソースコードを記述できる言語であるというのも魅力です。
今後AIや機械学習、ビッグデータ解析などはますます注目され、当たり前のものになっていくことが予想されます。
その中でデータ解析が得意であるR言語が今以上に注目され、輝く可能性は十分に考えられるといえるでしょう。
フリーランスとR言語
R言語はフリーランスの案件としても幅広く募集されているプログラミング言語です。
そのため、R言語を扱えるエンジニアの方はフリーランスの案件などを調べてみてもいいかもしれません。
また習得もそれほど難易度が難しくない言語なので、自分の武器を新たに身に着けるという意味で勉強にトライしてみてもいいでしょう。
フリーランスエンジニアとして魅力のある人材になるためには、常に最新の技術を身に着けることが重要です。
引き続き努力を続け、エンジニアライフを満喫しましょう。