【Oracle】データベースの特徴と使い方を解説!ダウンロードやバージョン確認方法は?ライセンス価格やサポート料金も紹介
超有名で圧倒的なシェアを誇る「Oracle Database」
Oracle社が開発・リリースしているリレーショナルデータベースマネジメントシステム(RDBMS)である「Oracle Database」。
データベースソフトの中でも特に知名度が高く、少しずつ減少傾向にこそあるものの依然として高いシェアを保持しているRDBMSです。
日本のみならず、世界的な知名度を誇っています。
Oracle Databaseに注目
今回はそんな「Oracle Database」に注目していきます。
Oracle DBの持つ特徴や、基本的な使い方まで解説。
ダウンロードやバージョン確認手順はもちろん、気になる製品の価格についても紹介いたします。
Oracle Databaseの特徴
それでは早速、Oracle DBの持っている特徴をチェックしていきましょう。
- 堅牢性
- レベルロック
- ダーティ・リードを防ぐ
- 移植性
- 高額である
1つずつ注目しながら解説していきます。
信頼できる堅牢性
Oracle DBの大きな特徴であり、ウリでもあるのが高い「堅牢性」です。
「Oracle Data Guard」と呼ばれるデータを保護するためのシステムが構成されています。
災害やデータが破損してしまった際などからもデータを保護してくれるという、何か不測の事態が起きてしまった時に頼りになるポイントです。
普段利用しているデータベースが破損・全損した際に用いるためにスタンバイしているデータベースが構築されています。
何かインシデントなどが起きてしまった際にほとんど時間をかけずに継続して運用できるような設計がなされており、障害復旧などにかかる時間が少なくて済みます。
データを失うリスクもかなり減らせるため、信頼できるデータベースであるということが分かります。
行レベルロック
行レベルロックは、多くのユーザからのリクエストを同時に処理する機能のことです。
リクエスト数が多いと、まだリクエストを実行していないユーザの行までロックされてしまう「ロック・エスカレーション」という問題が発生するケースがあります。
しかし、Oracle DBではこれを解決する「行レベルロック」を実現。
データベースの利便性の高さを増しています。
ダーティ・リードを防ぐ
データベースには「ダーティ・リード」と呼ばれる問題があります。
これは、ユーザがデータベースにアクセスしたとほぼ同時にDB管理者がDBを更新すると、更新前・更新後の両方の情報が取得できてしまう現象のことです。
Oracle DBではこのダーティ・リードを防ぐために、更新前のデータのみを取り扱うようになっています。
移植性の高さ
Oracle DBは移植性で優れているという特徴を持っています。
というのも、Oracle DBはエンジンからコアAPI、様々な機能がC言語で構成されています。
他のプラットフォームへの移行が比較的容易であるということです。
「Oracle DBに決めたら他のに移植するのが難しいから、移行の決断がしづらい」ということがなく、幅広い運用が実現しているといえます。
この移植性の高さも大きな特徴の1つです。
高額である
そして、これはある種導入を躊躇う要因にもなり得る特徴といえますが、Oracle Databaseは高額です。
後ほど料金については詳しく解説いたしますが、例えばProcessorライセンスのStandard Edition 2のライセンス料は2,100,000円です
無料で利用できるデータベース等々もリリースされている中でこの料金を支払う決断をするのは、大きな決定といえるでしょう。
とはいえその分確かなサポートや「Oracle Data Guard」といったメリットも数多くあるため、一概に「高い」とは言い切れません。
料金についてはまた後ほどさらに注目していきます。
Oracleのプロファイルを作る
先ほど触れた通りOracle Databaseは有料です。
しかし個人利用や社内での開発目的(顧客向けではない)であれば、Oracle Database Enterprrise EditionやStandard Edition 2が無償で利用ができます。
こちらのリンクからダウンロードしていきましょう。
ダウンロードに際してOracleへのユーザ登録(プロファイル作成)が必要なので、メールアドレスや住所、勤務先など必要情報を記入してプロファイルを作成してください。
プロファイル作成後ダウンロードが可能になる
無事プロファイル作成が完了したらソフトウェアのダウンロードが可能になるので、ご利用の環境に合わせたものをダウンロードしてください。
3GB弱の大容量ファイルとなります。
環境によってはウイルス対策ソフトウェアに誤検知されるケースもあるそうなので、ホワイトリストに追加するなど適宜設定変更等を行うようにしましょう。
また、別途クライアントなどについても「See All」から選択してダウンロード可能です。
Oracle Databaseの使い方を解説
それでは、Oracle DBの基本的な使い方を解説していきます。
基本的な操作コマンドなどを1つずつ簡単に触れていくので、参考程度にご覧ください。
接続コマンド
まずは接続の方法です。
Oracle DBへの接続はこちらのコマンドを打ち込みましょう。
「sqlplus user(ユーザ名)/password(パスワード)」
これで接続できます。
また、 SYSDBA権限でアクセスしたい場合は末尾に「as sysdba」を付けることでSYSDBA権限でアクセスが可能です。
表領域の作成
続いてはDBの基本である表領域の作成方法です。
表領域の作成にはこちらのコマンドを打ち込みます。
- CREATE TABLESPACE 表領域の名前 DATAFILE
- ファイルパス SIZE ファイルサイズの指定
- AUTOEXTEND OFF;
これで作成できます。
しかしこれは自動拡張はOFF。
仮に最初に指定したファイルサイズ容量の上限に達してしまうと、新たにデータなどを格納できなくなってしまいます。
Oracle DBでは、表領域の自動拡張機能が備わっています。
自動拡張は先ほどの最後に入力した「AUTOEXTEND OFF;」の部分を以下の通り変更します。
「 AUTOEXTEND ON NEXT 増加させる量(例:100M) MAXSIZE UNLIMITED;」
指定した増加量ごとに、DBの容量が自動拡張されるようになります。
予めデータ量などを踏まえて適切な量を指定しておくことを心がけましょう。
表領域の削除はシンプル
そして、表領域を削除したい場合は「DROP TABLESPACE 削除したい表領域名 INCLUDING CONTENTS;」とコマンドを叩きます。
とてもシンプルです。
末尾についている「INCLUDING CONTENTS」は、削除する表領域に既にデータが格納されている場合のみ必須となる一文です。
そのため、中身が空の表領域を削除する場合は必要ないため付けても付けなくてもどちらでもOKです。
Oracle DBのバージョン確認方法
利用している際に、バージョンが分からない場合もあるかもしれません。
そういった際にはコマンドプロンプトで「sqlplus -version」もしくは「sqlplus -v」と入力してみてください。
Oracle DBのバージョンが表示されます。
また、SQL PLUSで「SELECT * FROM V$VERSION」とコマンドを打つことでもバージョンの確認が可能です。
SQL PLUSでDBに接続した際にもバージョンが表示されているので、そちらを確認するという方法もあるでしょう。
幾つか方法がありますが、どれも難しい操作ではないので安心です。
Oracle Databaseの料金関連情報
さて、続いてはOracle Databaseの料金について紹介いたします。
Oracle DBの特徴を紹介する際に少しだけ触れましたが、かなり高額です。
ライセンスの形式によっても異なるという特徴もあります。
ライセンス料金
まずはライセンス料金をチェックしてみましょう。
以下の表をご覧ください。
(税別価格) | Standard Edition 2 | Enterprise Edition | Personal Edition |
Processor | ¥2,100,000 | ¥5,700,000 | – |
Named User Plus | ¥42,000 | ¥114,000 | ¥55,200 |
Named User Plusは、1ユーザに対するライセンス料金です。
そのため、もし仮にユーザが10人いれば10ライセンス必要となるので注意が必要です。
またProcessorライセンスは単純にこの価格ではなく、サーバのCPU数によって必要ライセンス数が変動するため実際の料金を知るためには計算が必要です。
サポート料金
続いてはサポート料金です。
こちらも表をご覧ください。
(税別価格) | Standard Edition 2 | Enterprise Edition | Personal Edition |
Processor | ¥462,000 | ¥1,254,000 | – |
Named User Plus | ¥9,240 | ¥25,080 | ¥12,144 |
このサポート料金は年間サポート料金となります。
そのため継続して支払わなければなりません。注意が必要です。
こうしてライセンス料金とサポート料金を見るとかなり高額であることが実感できます。
しかし高いシェアを誇っているという現実を見ると、Oracle Databaseという製品がどれほど高い信頼性を得ているのかが改めて分かるのではないでしょうか。
Oracle Databaseの資格が実施されている
Oracle Databaseは、Oracleがベンダ資格として「ORACLE MASTER(オラクルマスター)」という資格試験を実施しています。
データベースの管理や運用に加えて、SQLへの習熟度が問われる問題が出題される試験です。
階級はBronze・Silver・Gold・Platinumの4階級が実施されています。
実技試験を実施
Platinumでは実技試験も行われ、受験者に専用のサーバが用意されて実際にDBを操作するといった超本格的な試験です。
仮にPlatinumに合格していれば、自分の持っているOracle Databaseスキルを証明するのにとても役に立つ資格だといえるでしょう。
とはいえ、Platinumを受験するためにはGoldに合格している必要があります。
そのためどれだけ豊富な知識を既に保持していたとしても「いきなりPlatinumを受験する」ということはできないのでご注意ください。
海外でも通用する
海外では「Oracle Certification Program」として同様にベンダ資格が実施されており、オラクルマスターもSilver以上のクラスであれば世界基準の資格として認定されます。
日本国内のみならず、海外でも通用する資格だということです。
所持階級にもよりますが、オラクルマスターは昇給にも繋がり、転職やフリーランスの案件探しにおいても大きな武器となる資格です。
積極的に上の階級を取得するよう努力してみてはいかがでしょうか。
Oracle Databaseを扱えるDBエンジニアになる
今回の記事ではOracle Databaseについて、使い方から特徴、基本的な操作まで一気にチェックしてきました。
Oracle DBの国内シェア率は約50%。
近年Oracle DBのシェアは減少しているといわれています。
しかしそれでもまだおよそ半数がデータベースとしてOracle DBを採用しており、トップのシェア率を誇っています。
この現実から考えると、DBエンジニアとして「Oracle DBを扱える・知識を持っている」ことが重要だということが分かります。
Oracle Databaseを勉強していこう
DBエンジニアとして日本で活躍したいと考えていらっしゃる方は、嫌でもOracle DBについて勉強する必要があるといえるでしょう。
そのためには実際にOracle DBに触れてみることや、今回の記事でも触れたオラクルマスターの勉強をするなどといった方法があります。
Oracle DBを確かな自分のスキルとして定着させることで、仕事に困らないDBエンジニアになることも決して夢ではありません。
魅力のあるDBエンジニアになるためにも、Oracle DBに対する深い理解や知識、高いスキルは非常に重要な要素です。
まずはオラクルマスター取得を目指してみてはいかがでしょうか。