人々の関心を惹くためにはグラフィックが重要



昨今の世の中では、すっかりIT技術やゲームが人々にとって密接な、当たり前の存在になってきました。

特にスマートフォンアプリは顕著で、数多もの新しいアプリが毎日続々とリリースされています。

その中には、競合となる同じような機能を提供しているアプリも数多く存在しているのは明らかです。

ユーザー目線で考えれば、求める機能を満たしているアプリが沢山リリースされている状態。

つまり、選択肢が無数に存在しているといえるのではないでしょうか。


グラフィックはユーザーに選ばれる大きな要因の1つ

そうなると、ユーザーはより便利なものをチョイスすることになりますが、機能面以外でも「選ぶ要因」になり得る要素があります。

そう、それが今回紹介するテーマの1つ「グラフィック」です。

どれほど機能が素晴らしく、他のアプリと比較して優れていたとしても。

グラフィック、つまりビジュアル面がみすぼらしければ、魅力を感じないユーザーがいて当然です。


ゲームならグラフィックはなおさら重要



ゲームであればその傾向はなおさら当てはまるでしょう。

ゲーム性がどれほど楽しく斬新なものだったとしても、3Dモデリングが粗末だったり貧相なモデルであれば、魅力は半減してしまいます。

もちろんグラフィックが全てではありません。

とはいえ、自分の開発したアプリやゲームを他のユーザーに楽しんでもらうため。

そして何より、興味や関心を惹くためには、ある程度のグラフィックは必要不可欠だといえます。


よく聞くOpenGLとは?



今回の記事で注目するのは、グラフィックスインターフェースであるOpenGLというものになります。

OpenGLはKhronos Groupが策定しているAPI。

グラフィックに関連する技術などを調べていると、何かと聞く機会の多いインターフェースです。


OpenGLについて基礎情報から導入手順まで解説



今回の記事では、グラフィックスのAPIであるOpenGLがどんなものなのかについて解説いたします。

基礎的な部分はもちろん、OpenGLを利用することによって得られるメリットについてもチェックしていきましょう。

また、実際にOpenGLを導入するときの手順や、バージョンの確認方法などもご紹介。

知識的な部分だけでなく実践的な部分も解説するので、OpenGLについて興味・関心のある方はぜひご覧ください。

まず頭に入れておきたいのが、OpenGLはライブラリであるというポイントです。


OpenGLは汎用グラフィックスライブラリである

様々な環境、ハードウェア、OSに対応したマルチプラットフォームで使用できる汎用グラフィックスライブラリです。

本記事の導入で特に「3Dグラフィックス」について触れましたが、OpenGLが活躍するのは何も3Dグラフィックスだけではありません。

平面・立体的に描画するための様々な機能が用意されており、2Dグラフィックス・3Dグラフィックスどちらも扱うことが可能です。


GPUを活用して高速な映像処理を実現

OpenGLは、IntelやNVIDIA、AMDが開発・製造しているグラフィックボード(GPU)を活用して、高速な映像処理を実現しています。

正確にいうとGPUベンダが提供しているグラフィックスドライバを利用しています。

もちろん俗にいうオンボード、CPUでも処理自体は可能です。

しかし、GPUを利用した方が圧倒的に高速なため、OpenGLはGPUを利用します。


OpenGLが使われるシーン



先ほどお伝えした通り、OpenGLはマルチなプラットフォームで使用することができます。

クロスプラットフォーム開発で親しまれる

そのため、複数機種での使用を前提として開発を行う場合に利用される傾向があります。

Windowsのみでの展開であればDirectXのDirect3Dなどが利用されることが多いです。

反面、他の環境でもリリースを予定している場合などはOpenGLが採用されることが多いということになります。


Windowsで有力なDirectXと迷った時には

もしOpenGLかDirectXで迷ったとしましょう。

その際には開発するソフトウェア・アプリケーションをマルチプラットフォーム展開するのか、それともWindowsだけにするのか

そういった要素を基準に判断するといいでしょう。

OpenGLのもたらすメリット



それでは、OpenGLを使うことでどのようなメリットが得られるのでしょうか。

以下のものが挙げられます。

  • マルチプラットフォームで動作すること
  • 構造が単純
  • 勉強しやすい
  • 連携できる外部ライブラリが多い

1つずつチェックしていきましょう。


マルチプラットフォームで動作すること

既に記事内で触れている内容ですが、OpenGLはマルチプラットフォームで動作します。

プラットフォームに応じて作り直したり、修正を施す必要がありません。

開発のコストや難度を大幅に下げることができるでしょう。

また、プラットフォームごとに異なるグラフィックスライブラリで開発すれば、当然新たなバグが発生します。

その都度、デバッグやバグ取りをしていかなければなりません。

果的にはバグの発生を未然に防ぐことにも繋がるといえるでしょう。

それによって生じるデバッグなどの工程も省略できるので、マルチプラットフォームで動作するのは非常に大きなメリットだといえます。

比較的容易にクロスプラットフォーム開発ができるといえるでしょう。


構造が単純

OpenGLは、比較的構造が単純だといわれています。

そのため学習コストが低く、3Dグラフィックスについて勉強する際に入門としておすすめされることも少なくありません。

簡素かつ綺麗なコードが書きやすくいというのもポイント。

CGの基本に忠実だともいわれており、どのように画像を描画しているのかが理解しやすいでしょう。


勉強しやすい



OpenGLが入門として良いのは、技術面だけではありません。

シンプルに勉強がしやすいというのも大きな要因といえます。

というのも、OpenGLについて取り扱っている書籍や情報は、世の中に大量に満ちています。

参考にできる情報元が多いので、初心者の方でも様々な媒体でOpenGLについて学習することが可能だということです。

仮に最新技術を学ぼうと思っても、大抵の場合ドキュメントや情報は英語。

習得したいけれど、言語の壁が立ちはだかったり情報が少なくて挫折するというのは決して珍しいことではありません。

OpenGLであれば、そういった心配をする必要はないということです。

多くの情報を日本語で、書籍からインターネットまで、様々な媒体で調査できます。


連携できる外部ライブラリが多い



OpenGLのメリットとしてもう1つ挙げられるのが、連携できる外部ライブラリの豊富さという点です。

OpenGL系の外部ライブラリの数は凄まじく、様々なものと連携できます。

OpenGLから派生したOpenGl ESや、そのOpenGL ESをJavaScriptへほぼそのまま移植しているWebGL

補助ライブラリでは、ウィンドウやコンテキストの生成ができるGLUT、GLFWが有名です。

iOSなどApple環境用のフレームワークとしてGLKitというものも存在しています。

このように、OpenGLそのものの亜種といえる派生形や、外部ライブラリが数多く存在しています。

開発や用途に応じて適切なものを選択できれば、間違いなく取っかかりやすいでしょう。

反面、ライブラリの種類が豊富過ぎてどれを選べばいいのか分からない…といった事態に陥る可能性もあるかもしれません。

ある種デメリットといい換えることもできなくはないですが、これは贅沢な悩みだといえます。


ゲーム開発であればC++と組み合わせるのが一般的



OpenGLを利用すれば、ゲームを作ることも可能です。

その際使用するプログラミング言語は一般的に、C++です。

OpenGLの学習の題材でも、C++もしくはC言語で解説されていることも多いのを頭に留めておきましょう。


OpenGLの導入手順



さて、ここからは知識面ではなく、より実践的な内容について触れていきます。

まずチェックするのはOpenGLの導入手順です。

OpenGLを使う環境を構築していきましょう。


WindowsのVisual StudioでOpenGLを使う

まずは、Windows環境下、Visual StudioでOpenGLを用いる際の環境構築手順です。

何か適当なプロジェクトファイルを作成してください。

作成したら、上部メニューの「プロジェクト」から「NuGetパッケージの管理」を選択しましょう。

検索欄に「nupengl」を記述し、検索。

検索結果として出てきた「nupengl.core」を選択してインストールしてください。

「正常にインストールされました」と表示されれば完了です。

これで、Visual StudioでOpenGLを使うための環境構築が完了しました。

シンプル・簡潔であるため非常にハードルが低いですね。

導入手順の容易さも、学習コストが低い要因の1つといえます。


MacのXcodeでOpenGL環境構築

続いてはMac環境下、XcodeでのOpenGL環境構築手順です。

まずは、Xcodeで新しくプロジェクトを作成しましょう。

プロジェクトのテンプレート選択画面で「OS X」内にある「Application」から「Command Line Tool」を選択してください。

ProductNameは任意で問題ありません。

Sampleから「Build Phases」、「Link Binary With Libraries(0 times)」を開きます。

ここで追加ができるので「+」をクリックして「GL」と検索してください。

幾つか検索にヒットするので「GLUT.framework」・「OpenGL.framework」をAddしましょう。

これで、XcodeでOpenGLを使うための環境構築が完了となります。

Visual Studioと比較すると若干複雑に見えますが、操作自体はとてもシンプルです。

数回行えばすぐに覚えてしまうでしょう。


OpenGLのバージョン確認するためにソフトを導入しよう



OpenGLは、インストールした状態でバージョンを調べる方法がありません。

バージョンを調べるためのプログラムを自作するか、何かソフトをダウンロード・インストールする必要があります。

今回はrealtech VRがリリースしている「OpenGL Extensions Viewer 6」を利用してバージョンをチェックしていきましょう。


OpenGL Extensions Viewer 6のインストール

早速、OpenGL Extensions Viewer 6をインストールしていきましょう。

こちらのリンクからインストーラのダウンロードが可能です。

OpenGL Extensions Viewer 6ダウンロードページ – realtech VR

ちなみに、iOSアプリもApp Storeでリリースされています。

OpenGL Extensions Viewer – App Store


インストールが完了したら起動するだけでOK

OpenGL Extensions Viewerのインストールが完了したら、実際に起動してみましょう。

OpenGL Extensions Viewerを利用すれば、OpenGLのバージョンをチェックするのは非常に簡単

起動するだけで、お使いのコンピュータのグラフィックスドライバの情報が一覧で表示されます。

数々の情報が表示されているので、その中から「OpenGL」という項目を見つけてください。

OpenGLの中に「Version:」という項目があります。そこに書かれている数字が現在利用しているOpenGLのバージョンです。

バージョンをチェックするのにひと手間かかり、面倒に感じられる方もいらっしゃるでしょう。

しかし、一度OpenGL Extensions Viewerをインストールさえしてしまえばあとはいつでも簡単にバージョンを確認できます。

OpenGLを利用する際にはぜひ導入しておきたいソフトウェアです。


OpenGLはマルチプラットフォームで動作する便利なライブラリ



今回の記事では、グラフィック関連のライブラリ・OpenGLについてチェックしてきました。

基本的な情報からOpenGLの持っているメリットといった知識面、そして導入手順やバージョンの確認方法などもチェックできましたね。

OpenGLはなんといってもマルチプラットフォームで動作するというのが最大の特徴であり、メリットです。

クロスプラットフォーム開発がしやすいほか、学習コストが低く構造も単純なので、3Dを勉強する入門としても適切なライブラリといえます。


OpenGLだけでなく様々なIT技術を習得しよう



アプリやゲームなど、幅広い用途で使えるのも魅力。

今後更にIT技術が一般的になり、アプリやゲームなどが生活と密接に関わり合っていくことが予想されます。

ぜひOpenGLだけでなく、様々な技術やフレームワーク、ライブラリなどに精通しておきましょう。

あなたの手で便利で豊かで未来を切り拓いていくためにも、必ず役立ちます。


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