Mathematicaの使い方をわかりやすく解説!押さえておくべき機能は?ダウンロードの手順と無料で使う方法もチェック
Mathematicaは、数式処理システムとして研究機関や学校機関でよく採用されています。
Mathematicaとは、早くに誕生した数式処理システムです。
一般的に計算や数式処理は、他のプログラミング言語が使用され、Mathematicaを使うケースがあまりありません。
しかし、研究機関や学校機関では採用されているケースがあるため、理系学生や研究機関に勤める研究者などには関わってくるシステムです。
今回は、Mathematicaについて紹介します。
Mathematicaとは
Mathematicaとは、ウルフラムリサーチ社が開発した数式処理システムです。
Wolframというシステム上にノートブックと呼ばれるインターフェースを使って数式処理のプログラミングを行います。
Mathematicaは、数式処理システムという特徴からMATLABと比較対象にあがります。
MATLABは数値解析ソフトウェアで、Mathematicaは、数式処理システムです。使用目的がそれぞれ異なります。
関連記事:
MATLABの特徴と使い方をわかりやすく解説!MATLABでできることは?ダウンロードの手順と行列・配列の演算方法も紹介
Mathematicaの特徴
Mathematicaの特徴は、数式処理に特化したシステムであることや組み込み関数が豊富であることです。
Mathematicaで使用するノートブックは、インタラクティブなコンテンツをWolfram Cloudへ配備できます。
ノートブックは、同時に複数立ち上げることが可能です。
複数の処理を同時に行う、授業などのレポートを作成する際に実験用と提出用に分けてなど用途によって使い分けられます。
Wolfram Mathematicaとは
Wolfram Mathematicaは、Mathematicaと混同しがちですが、Mathematicaのインターフェースです。
Wolframともいわれます。Wolfram Mathematicaは、Mathematicaのフロントエンドです。
Mathematicaを使って作業を行うためには、Wolframを起動してファイル作成をします。
Mathematicaでできること
Mathematicaでできることは、大きく分けて2種類あります。「計算処理」と「数式処理」です。
Mathematicaでできる「計算処理」と「数式処理」の具体的な説明をしていきます。
計算処理
Mathematicaを使って計算する場合は、使い方が電卓と一緒で数字や計算式を入力して行います。電卓代わりに使うことも可能です。
数式処理
Mathematicaを利用して数式処理をする場合は、関数や変数などを使用した式を介して処理をすることが可能です。
また、関数や変数などを使用することができるため、グラフの作成やプログラミングをすることもできます。
Mathematicaの使い方
Mathematicaの使い方は起動から保存まで手順があります。
Mathematicaは、操作が簡単で、初心者にも馴染みやすいシステムです。Mathematicaの使い方について紹介します。
起動
Mathematicaは、Windows、MacとLinuxなどのOSが対象です。スタートメニューやトップ画面からWOLFRAMを立ち上げて準備をします。
新規ドキュメントで立ち上がった真っ白なページがノートブックです。Mathematicaは、このノートブックのセルにスタイルを記入します。
Mathematicaは、それぞれのセルに境界を設けていて、これがブラケットです。
計算
ノートブックを立ち上げたらセルにtextや数字を打ち込みます。
ノートブックで計算式を入力する際、注意点は、アルファベットが常に半角設定でなければいけないということです。
アルファベットが半角でなければMathematicaは対応していませんので、全角で入力してもうまく作動しません。
式を入力したら、shift+enterを押し、計算結果が表示されて計算完了です。
保存
ノートブックで計算した結果を保存したい場合の保存方法について説明です。保存をするには、端的にいうとノートブックを保存するだけになります。
ファイルの保存を選択したら、ディレクトリを指定します。保存したいフォルダなどを選択して、ノートブックを保存すれば、保存完了です。
Mathematicaのメリット
Mathematicaのメリットがいくつかあります。
Mathematicaのメリットは、「操作が簡単」「組み込み関数やライブラリーが豊富」「Raspberry Piで無料利用」です。
ここでは一般的にプログラマーなどからよくあがるMathematicaのメリットを紹介します。
操作が簡単
Mathematicaは、操作方法が簡単です。初心者が使い始めるには、とても使いやすいシステムになります。
操作が簡単で覚えやすいところは、Mathematicaのメリットです。
計算式を入力して、shift+enterを押すだけで、計算結果が算出できます。
組み込み関数やライブラリーが豊富
Mathematicaは、6000個ほどの組み込み関数があります。
現行のプログラミングで使用されている組み込み関数のほとんど網羅しているため、Mathematicaの関数知識を他に活かせることはメリットです。
Mathematicaのライブラリーの中にある計算可能な科学計算式は、豊富です。
通常の計算処理だけでなく、科学計算式を用いた高度なデータがライブラリーにはたくさんあります。
組み込み関数やライブラリーの豊富さが大きなメリットとなり、研究機関や教育機関に好まれて採用されている理由です。
Mathematicaのデメリット
Mathematicaのデメリットがいくつかあります。Mathematicaのデメリットは、「高額」「ソース非公開」と「処理速度が遅い」ことです。
ここでは一般的にプログラマーなどからよくあがるMathematicaのデメリットを紹介します。
高額
Mathematicaを使用するのにネックとなるのが価格です。
Mathematicaのデメリットにもなりますが、購入価格がかなり高額でバージョンにもよりますが、最高20数万円になります。
学生の場合、半年間だけ利用できるライセンスは、7千円~、年間の場合、1万円~です。
一般に比べたらリーズナブルですが学生には高額になります。
また、一般でライセンス年間契約したら一番リーズナブルでも10万円前後コストが必要です。
計算処理できるプログラミングやシステムは他にあるため、ライセンス費用が高額なことは、Mathematicaのデメリットになります。
処理速度が遅い
計算処理を行うプログラミングは、現在MATLABやMapleなどがあります。
他のプログラミング言語とMathematicaを比べると処理速度が遅いことは、Mathematicaのデメリットです。
他のプログラミング言語は、計算処理速度が速く、使いやすいことや中にはオープンソースで無料なところが好まれています。
ソース非公開
Mathematicaは、計算処理中、ソースが非公開になっているため、途中の計算処理が見えません。
そのため、どういう計算がされたのか、エラーが起こった場合はどこで起こったのか特定するのが困難です。
他のプログラミング言語と比較
Mathematicaとよく比較対象に名前が挙がるプログラミング言語は、MATLAB、MapleやPythonです。
MATLAB、MapleやPythonとMathematicaがそれぞれどう違うのかについて比較します。
MATLAB
MathematicaとMATLABは、似たような場面で使用されるため、よく比較対象になります。
同じような使い方をするケースもありますが、基本的にMathematicaは、数式処理システムです。
一方MATLABは数式処理も行いますが、数値解析もできます。数値の処理と解析がMathematicaとMATLABの違いです。
計算処理だけに特化しているならMathematicaが用いられ、値や数値を解析したい場合、MATLABが用いられます。
ただ、同じようで違うシステムなので、並行して使うことも可能です。
MATLABについては、以下の記事で詳しくご紹介しています。宜しければこちらも併せてご参照ください。
関連記事:
MATLABの特徴と使い方をわかりやすく解説!MATLABでできることは?ダウンロードの手順と行列・配列の演算方法も紹介
Maple
Mapleは、記号計算の能力が高いため、研究者などからの信頼性が高く、世界的に論文への採用率が高いシステムです。
MapleもMATLAB同様、Mathematicaの比較対象によく挙がります。
MapleとMathematicaの違いは、Mathematicaが計算処理や数式処理のシステムに対して、Mapleは、さらに精度高く計算処理するところです。
言い換えると、Mathematicaは、計算結果がすぐに算出できることに対して、Mapleは、その算出結果の精度をさらに高めて解を導き出します。
Mapleは、Mathematicaの類似システムであるMATLABとコラボすることでシナジー効果を発揮することが可能です。
Python
Pythonは、オープンソースのプログラミング言語です。計算処理システムだけでなく、プログラミングで開発などにも用いられています。
PythonとMathematicaは、直接の比較対象にはなりませんが、比較対象になるのは、Sympyです。
Sympyは、計算処理をするにあたり、Pythonで用いられる記号計算のライブラリーになります。このSmpyがMathematicaの直接的な比較対象です。
Sympyは、Pythonの記号計算ライブラリーなので、無料で利用できます。
簡単な計算処理は、Mathematicaより、Sympyの方が使いやすく人気です。
同じような機能を兼ね備えたSympyとMathematicaですが、互いのデメリットを補うことも可能です。
例えば、コストがかかることやライブラリーに依存しているところ、複数業のコードを読まないことなどMathematicaのデメリットがあります。
これらのMathematicaのデメリットをSympyは補うことが可能です。
高度な計算式は、今やSympyが使いやすいと感じているプログラマーや研究者などがいます。
しかし科学計算を行う上では、SympyよりMathematicaの方が最適です。高度な計算もある程度は、Sympyで処理できます。
それでもMathematicaの方が最適なのは、Mathematicaが処理できる科学計算データがSympyより豊富であるところです。
Mathematicaの将来性
Mathematicaはプログラマーの間であまり馴染みがないため、マイナーなシステムに考えられますが、研究機関や学校機関では非常に有名です。
プログラマーでなくても簡単に始めることができる、研究の数値を簡単に算出できるなどのメリットを活用しています。
Raspberry Piに組み込まれたことで、大きなデメリットであったコスト問題も解消されました。
実際、医療機関やAI、宇宙開発などの分野で導入している機関や研究者が点在しています。
まとめ
Mathematicaは研究機関や教育機関で好まれるシステムのため、一般ではあまり巡り合わない可能性があります。
ただ研究機関や教育機関からは、使いやすさや計算処理能力、科学計算への信頼性からMathematicaは根強い人気です。
一般的に使う場合、SympyやMapleが利用しやすいことや無料で利用できる便利さがあります。
特に高度な科学データを算出する場合などは、Mathematicaが最適です。
加えて、以前までネックだった高額なコスト問題が解消され、手軽に計算処理や数式処理できることからさらに使いやすくなりました。
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