Linux関連資格の種類や特徴・難易度を徹底解説!LPICとLinuCの違いは?組み込みエンジニアへのおすすめ資格は?
需要が高まる中で供給が追いついていない分野の一つに「組み込みエンジニア」が挙げられます。
供給が追いついていないとはいえ、組み込みエンジニアを目指し勉強をしているエンジニアは多く、関連資格も注目されています。
今回紹介するLinux関連資格は、組み込みエンジニアにとって強みとなる資格です。
組み込みエンジニアに有用な資格にはどのようなものがあるのでしょうか。
Linux関連資格の種類や特徴・取得難易度などを幅広く解説します。
Linux関連資格の種類と特徴から難易度までを解説します
Linux関連の資格にはLPICとLinuCという2種類の認定試験があり、 LPICはレベル1〜レベル3まで、LinuCはレベル1からレベル3、そしてシステムアーキテクトという4つの難易度で構成されています。
さて、ここまでお読みいただいたならLinuxの資格について組み込みエンジニアが取るべき資格だということがお分かり頂けたかと思います。
そこで、Linuxにはどんな種類の資格試験があるのでしょうか。
Linuxにはいくつかの種類と数段階のレベルによって資格が分けられています。
Linux認定資格試験の種類「LPIC,LinuC」
LPIC(エルピック)はカナダに本部を置くLPIという組織が運営しています。LinuC(リナック)はLinuxをはじめとするオープンテクノロジーの技術者認定を行なっているNPO(非営利団体)であるLPI-Japanが運営を行なっています。
また、LPIC(エルピック)に関しては世界で最大規模の資格といわれ国際標準となり日本国内だけでなく全世界で対応しています。
それぞれの具体的な内容は専門サイトなどに記載がありますので、ここでは全体像を解説していきます。
LPIC,LinuCレベル1試験
LPICレベル1ではLinuxの基本的な操作や管理を中心に必要な知識が問われる資格となり2つの試験に合格することで資格取得となり、晴れてLPICレベル1認定技術者となります。
LinuCレベル1は物理/仮想Linuxサーバーの操作と運用に必要な知識が問われる資格となります。LPICと同じように2つの試験に合格することで資格取得となり、LinuCレベル1の認定技術者となります。
先ずは初級編ですので気持ちよく合格し次へ繋げたいところですし、少し勉強すれば合格可能な資格となります。
因みにですが2種類の対象試験は同時受験しなくてもよく、5年以内に受験し合格すれば一つずつ受験しても問題はありません。
LPIC,LinuCレベル2試験
LPICレベル2ではLinuxの応用的な操作や管理を中心に必要な知識が問われる資格となり、こちらもレベル1と同じく2つの試験が存在します。
LinuCレベル2は仮想マシン・コンテナを含むLinuxシステム、ネットワーク設計・構築についての知識が問われる資格となり、LPICと同様に2つの試験が存在します。
レベル2では実際にサーバーの構築やトラブルシューティングであったりと文字通りLinuxを使ったシステム構築ができる技術者資格となります。
勿論レベル1の資格を持っていないとレベル2の資格の取得はできませんが、受験方法などはレベル1と同様です。
LPIC,LinuCレベル3試験
LPICレベル3はLinuxのスペシャリストといえる知識が問われる資格となります。
即ち、Linux資格の最高峰となり分野も3種類とレベル1、レベル2、のそれを凌駕します。
また、LPICレベル3ではそれぞれの分野が独立して存在し、レベル1、レベル2の様に全分野の合格が必要ではなく、それぞれの分野において合格すれば、その分野の認定資格技術者として認定を受けることができます。
LinuCのレベル3はLPICと同様にそれぞれの分野でのスペシャリストとしての知識が問われる資格となります。
LPICと同様に3つの試験が独立して存在し、どれか一つに合格すればその分野での資格取得者となります。
LinuCシステムアーキテクト試験
LinuCシステムアーキテクト試験はLinuCにのみ存在する認定試験で、ITプロジェクトを成功に導くことができる上級エンジニアとしてのスキルを証明できる資格となります。
システム構築の前に行われるアーキテクチャ設計ができるだけの知識やスキルが求められます。
Linux認定資格試験の「LPIC,LinuC」はどちらを受験するべきなのか
LinuCはLPICと同じくLinuxの資格ですが、大きく違うところがLinuxだけでなくシステム構築に必要となる知識やスキルの所有を証明できる資格であるというところです。
LinuCは日本のI T企業などがサポートをすることで日本において資格取得者の価値を下がりにくく構成されていたり、学習の過程においても学習手段の豊富さが特徴です。
また、LinuCはLinuxだけでなくシステム開発の現場で本当に必要となる技術領域について問う内容となっているので、より実践的な資格であるといえます。
とはいえ資格自体はL P I Cと同じLinuxの認定資格なのでLinuxの認定資格者に変わりはありません。
今後、日本国内においてはLinuCに統一されていく可能性もあるようですので日本で資格取得する場合はL P I CよりLinuCを受験した方が賢明だといえそうです。
Linux認定資格試験の難易度
ここでは、Linux認定資格試験のレベル1〜レベル3まである難易度について解説していきます。
LPIC,LinuC,レベル1の難易度
Linux資格試験を受験する上で先ず初めのレベルがLPIC,LinuCレベル1認定資格試験です。
内容的にはシステム運用や管理または一部の構築ができる技術者であることを証明する資格でLinux初級管理技術者のレベルです。
一見、高難易度に見えますが実は初心者から受験する人もわりと多いといわれていまして、正解率は公開されていませんが、65%程度で合格ラインとなります。
ここで重要な要素を一つお伝えすると、問題集などでの正解率が65%〜70%程度あれば十分なので直ぐに受験してしまいましょうということです。
既にフリーランスエンジニアなど、独立生活されている方などは理解しているポイントでもあると思いますが、どんなことでも「初めから完璧を目指す必要はない」わけなのです。
先ずは問題集などで5割程度正解できるまでスピーディに学び、徐々に精度を上げていきコンスタントに7割程度の正解率になった時点でもう受験してしまっても問題ないのです。
あくまでも合格し技術者資格を得ることが目的で高得点を取ることが目的なTOEIC等の試験とは別だと考えてください。
まだ後にはレベル2もレベル3も控えているわけですので合格していち早く次のレベルへ進みましょう。
勉強期間の目標は1〜2ヶ月程度で大丈夫です。
LPIC,LinuC,レベル2の難易度
LPIC,LinuC,レベル1に合格し次に受験するべきはLPIC,LinuC,レベル2資格試験です。
Linuxレベル2では高度な管理や実際にサーバーの構築や環境管理が求められLinux上級管理技術者のレベルとなります。
勿論、レベル1より実践的な内容になっているため難易度は上がりますが、とはいえレベル1に合格している場合は3ヶ月程度を目標に勉強していくと良いでしょう。
なお、レベル1からの応用で理解できる部分と新たに出現する分野とがあるため、勉強時間の配分に気をつけ予習と復習の繰り返しで大丈夫です。
レベル2に合格すれば人材として存在価値も上がり自分自身の自信にも大きく繋がると思います。
LPIC,LinuC,レベル3の難易度
さて、残るは最高管理技術者、LPIC,LinuC,レベル3の受験となります。
流石にレベル3となると容易でないことはご想像できるかと思います。
内容に関しましては、レベル1レベル2までは2種類の分野でしたがレベル3では3種類の分野から1つ選んでの受験となります。
LinuxとWindowsの連結させて管理していく技術であったりアクセスの制御関係、ホストといったセキュリティ管理技術など、需要もあるが高難易度の技術が求められるためLinux最高管理技術者レベルです。
とはいえ、こちらも合格不可能なほど高難易度な試験ではありません。
あなたは普通にレベル1、レベル2、と合格してきたわけですので同じく3ヶ月みっちり学習すれば合格ラインに達することは可能でしょう。
スクールなどもありますが、レベル1レベル2と問題集などで独学してこれたならば費用面も含め問題集で十分合格を狙えます。
心配であれば問題集を2周回すと良いです。
2周目には理解度も深まり恐らく合格ラインに到達しているでしょうし、そうすれば自ずと自信がつきます。
合格するには勉強が大切ですが、それは「少しの緊張と大きな自信」を得るためでもあります。
LinuCシステムアーキテクトの難易度
LinuCの最上位の試験であるLinuCシステムアーキテクトは、それまでのレベル1〜レベル3までとなことなり個別の技術について掘り下げるというより、開発するシステム全体を俯瞰して見て設計し構築ができるといった「広く深い」視点が求められる内容になっています。
それなりのキャリアを積んだ上で受験に臨むのが良い試験と言えるでしょう。
Linux認定資格試験の難易度まとめ
全体的に簡単ではありませんが、超高難易度というわけでもありません。
問題集などで勉強するというのは大前提となりますが、逆に数ヶ月しっかりと勉強すれば初心者からでも合格することは可能です。
初心者orベテランエンジニアの方からフリーランスエンジニアを目指している正社員の方、或いは既にフリーランスエンジニアになっている方まで、Linux認定資格は誰でも受験できる資格ですが取得した後の市場価値は大きいです。
また、大切なことは各レベルにおいて「合格後すぐに次レベルの資格試験を受験していく」ことです。
鉄は熱いうちにうてというように脳内にインプットされている状態で即座に行動していくことでアウトプットし、結果的に勉強時間の短縮は勿論、合格率も大きく向上します。
この機会に、ぜひ資格取得を目指してみてはいかがでしょうか。
Linuxの特徴は組み込みエンジニア向けの資格
これまでの内容の通りLinuxはOSやシステムの開発から家電や携帯電話、車やゲームといった多岐にわたる需要がある中で、これらの共通点を考えると答えが出てきます。
組み込みエンジニアにLinux認定資格は非常に向いています。
なぜLinux認定資格は組み込みエンジニア向けなのか
結論から申しますとLinux環境下においての仕事の多くが組み込みエンジニアの仕事であるということです。
それは全ての組み込みエンジニアの働き方においていえることですのでLinuxの資格は確実に組み込みエンジニア向けの資格です。
また現在、組み込みエンジニアで働いている人がフリーランスになるとしても組み込みエンジニアとしてフリーランスになるはずです。(これまで組み込みエンジニアとして知識を詰め込み、多大なる経験を積んできたのにも関わらず突然コピーライターとしてフリーランスに転身する方は余程の理由がない限り、いらっしゃらないと思うのです)
そして組み込みエンジニアとしてフリーランスになるためには事前にしっかりと準備はしておいた方が良くてその場合一番のメリット=強みになるのは、やはりLinux資格の取得だといえます。
詰まるところ組み込みエンジニアの仕事ではLinux環境がその殆どと多く、且つLinuxには資格があり資格者は重宝される。
即ちLinux認定資格は組み込みエンジニアに向いている資格であり、且つ、フリーランサーでも正社員でもフリーランスを目指す上でも必ず取得しておくべき資格であるといえます。