ライブラリとは?使い方をわかりやすく徹底解説!フレームワーク、コンポーネント、モジュールとは何が違う?
プログラム開発をする上で欠かせない存在・ライブラリ。
ライブラリを使いこなすことができれば、プログラム開発をする時の効率がぐっとアップします。
今回は、そもそライブラリとはどんなものなのか、使うメリットや注意点、フレームワーク、コンポーネント、モジュールなどとの違いについて詳しく解説します。
使い方についても紹介しているので、ライブラリについて学びたい人は必見です。
- ライブラリについての知識を得たい
- ライブラリを使うとどういうメリットがあるのか
- ライブラリには欠点などはないのか
- フレームワークやコンポーネントなどと何が違うのか
- ライブラリの使い方が知りたい
上記の考えを持っている人に読んでほしい記事内容となっています。
それでは、ご覧ください。
ライブラリとは
この項目では、プログラム開発に使用する「ライブラリ」の基本情報についてご紹介します。
名称
ライブラリ(Library)は、英語で「図書館」という意味を持っています。
図書館が多くの本を保有する場所であるように、ライブラリは多くのプログラムを保有する場所です。
どういうもの?
汎用性が高い複数のプログラム(関数やクラス、データ、ソースコードの一部など)をまとめて中に入れているものがライブラリです。
ライブラリは実行ファイルではない場合が多く、単体では動きません。
他のプログラムに機能を与えるための部品のような役割を持っています。
ライブラリの種類
この項目では、ライブラリの種類についてご説明します。
ライブラリには主に3つの種類があります。
静的ライブラリ
プログラムを構築する時に組み込まれるものです。
ライブラリとして提供するプログラムについて、ソースコードを参照されずに済みます。
動的ライブラリ
プログラム実行中、所定の時点で読み込まれるものです。
必要と判断が下るまでは読み込まれないため、プラグインやモジュールを実装する際に役立ちます。
共有ライブラリ
プログラムが実行された時点でメモリ上で展開されます。
共有ライブラリをインストールしたあとに実行開始するプログラムは全て、共有ライブラリを使用します。
先に実行しているプログラムについては、再起動するまでは古いライブラリの使用を継続することができるという特徴あり。
ライブラリの特徴・メリット
ライブラリはどんな特徴やメリットを持っているのでしょうか。順に見ていきましょう。
プログラムの動作が軽くなる
複雑なプログラムを使用すると、その分動きが鈍ります。
せっかく良いアプリだとしても動作が重いと使い勝手が非常に悪いです。
そういう時に役立つのがライブラリです。
ライブラリは様々な機能が詰まったプログラムの部品たち。
そのため、プログラムがすっきりとして動作が軽くなります。
プログラム開発スピードがアップする
これがライブラリを使用する一番の目的という人も多いでしょう。
ライブラリを使えば、毎回プログラムを打たなくて良くなる上、ライブラリ部分の動作確認が不要となるため時間短縮に繋がります。
導入する時は少し手間がかかるかもしれませんが、全体の作業効率を考えるならぜひ導入しておきたいところです。
勉強になる
オープンソースで公開されているライブラリの場合、使いたい機能を実装するためのプログラムの記述を見ることが可能です。
実装のやり方がわからない人が学ぶのには最適な教材になります。
オープンソースのライブラリの中身をチェックし、自分のスキルにすべく学習すると良いでしょう。
他人の設計やコーディングスタイルを見ることができるため、非常に勉強になります。
ライブラリの注意点
ライブラリのメリットについて説明しましたが、ライブラリを使うにあたって注意しておきたいこともあります。
ここでは、ライブラリの注意点について記述しましょう。
言語によって使い分けが必要
プログラム言語によって、適切なライブラリは異なります。
使用する言語が決定しているのなら、使用言語に適したライブラリを探すようにしましょう。
全ての言語に適応できる万能タイプのライブラリは存在しないのでご注意ください。
ライブラリに設計が引っ張られてしまう
ライブラリによっては、アプリの設計に多大な変更を及ぼす可能性があります。
作業効率が低下する場合もある
先にライブラリを利用すると、プログラム開発の効率が向上すると述べました。
しかし場合によっては、作業効率が低下してしまうことがあります。
「ライブラリを適当に選んでしまう」ことが原因です。
ライブラリの中身を理解しないまま選んでしまうと、エラーが起こってしまったりバージョンアップによって機能を拡張しなければならなくなった時に非常に困ります。
ライブラリの中身を理解することからスタートしなければなりません。
結果的に開発工数が多くなってしまう恐れがあるでしょう。
実行環境がバージョンアップすることで使えなくなる
開発環境も言語も日々バージョンアップしています。
その流れに乗り、開発したアプリケーションをアップデートした際「ライブラリが新しい環境下で使えない!」という最悪な事態に陥ってしまうことも。
ライブラリが動作しないために、プログラム全体の動作がストップし、ライブラリを導入したことを悔やむことがあるかもしれません。
バグが見つかることもある
オープンソースで配布しているライブラリの中には、バグがあることも。
バグ報告をしたとしても、修正されるかどうかは開発者次第です。
ライセンスの存在
ライブラリによっては、使用方法を明確に定めているものが存在します。
ライセンスの確認は必須です。
知識が抜け落ちる可能性あり
ライブラリ内に記述されたプログラムは、内容がわからないままでも動作させてしまえます。
便利ではありますが、ライブラリを使わず自分で実装することができない…という状況に陥る可能性が。
この先、仕事でプログラムを記述するのであれば自力で実装できないのは致命的な欠点となるでしょう。
ライブラリに記述されているプログラムも自力で実装できる技術を蓄えるようにしましょう。
ライブラリとフレームワークの違い
ライブラリとフレームワークは、似ているようで異なるツールです。
フレームワークとは
一言で説明するなら、必要なものをまとめた枠組みのことです。
開発作業の労力を軽減するもの
フレームワークは、枠組みを準備することで開発作業をラクにしてくれるものです。
一方、ライブラリは複数のプログラムを再利用できるようにまとめたもの。
アプリケーション全体の枠組みキットと、プログラム開発を簡単にするためのキットというのが「ライブラリ」と「フレームワーク」の違いです。
ライブラリとコンポーネントの違い
ライブラリとフレームワークの違いがわかったところで、次はコンポーネントとの違いについです。
コンポーネントとは
コンポーネントは画面上にあるテキストエリアやボタンなどの部品を意味します。
見た目と機能を併せ持った部品、GUI部品と呼ばれるものです。
ライブラリをソフトウェアに組み込むもの
ライブラリはソフトウェアの中にソースコードやデータ、関数などを組み込んだ部品です。
それに比べ、コンポーネントはソフトウェア部分と画面部分の境目に存在するGUI部品。
両者は全くの別物といえます。
ライブラリとモジュールの違い
混同しやすいライブラリとモジュールの違いについても説明します。
モジュールとは
ソフトウェアのモジュールは、プログラム全体のうち、1つの機能(部品)を指します。何かと組み合わせて使う点はライブラリと同じ。
簡単に追加したり削除できる、ソースコード内の部品です。
単体か集合体か
モジュールは1つの機能ごとのまとまりで、ライブラリは複数のプログラムをまとめたものという違いがあります。
ライブラリを使う前に理解しておくこと
この項目では、ライブラリを使用する前に、知っておきたいことを述べています。
ライブラリ導入のデメリット
ライブラリを入れても効率が上がらない、逆に工数が増える恐れがあることをきちんと理解しておく必要があります。
今後のランニングコスト
ライブラリを使うことによって考えられるコストを計算しましょう。
たとえば、導入するライブラリについて知らない人が開発する場合、最初はそれなりの時間を要するでしょう。
ライブラリの大きさ
ライブラリのサイズが大きすぎると、アプリが膨大になってしまう恐れがあります。
ライブラリの使い方①探し方
それでは実際に、言語に合うライブラリを探してみましょう。
ただ、ライブラリを探そうとしても1つ1つ探していたのでは時間がかかって仕方ありません。
この項目では、ライブラリの効率的な探し方についてご紹介します。
トレンドから探す
GitHub(プログラムコードなどを公開できる場所)で各言語やプラットフォームごとにトレンド検索すると、良さそうなライブラリを探し出すことができます。
リポジトリやまとめサイトから探す
GitHubでリポジトリ検索したり、人気が高いライブラリをまとめたサイトでチェックするのも良いでしょう。
ライブラリの使い方②選び方
使用する言語に合いそうなライブラリを複数見つけた場合、どのライブラリを選ぶかは非常に悩むところです。
この項目では、ライブラリを選ぶ際のポイントをお伝えします。
リクエストや問題点などの報告に対して返信があるか
ライブラリを使った人の声を開発者がちゃんと拾い上げているかは、ライブラリを選ぶ上でとても大切な要素です。
返信がないライブラリの場合、今後バグや対応が不可欠なことが起こったとしても修正されない可能性が高いです。
メンテナンスがストップしていないか
絶対にバグがないライブラリはほぼないといって良いでしょう。
バグをなくすために継続的なメンテナンスは必要です。
そのメンテナンス作業を定期的におこなっているかどうかはコミットログを見ればわかります。
最後のコミットがいつ頃かは必ずチェックするようにしましょう。
使用実績があるか
他アプリで使用されたことがあるライブラリであれば、開発シーンで役立つライブラリだと判断できるでしょう。
アプリのライセンス欄を見れば、どんなライブラリを使用しているのか知ることができます。
ライセンスの種類は何か
オープンソースのライブラリには、いずれかのライセンスに属しています。
どのライセンスかによって、使用できる範囲が狭かったりするのでライセンスの種類のチェックは重要です。
目的にも合っており使いやすそうなものでも、ライセンスの制限が厳しい場合は使用するのが難しいことも。
読みやすいマニュアルがついているか
ライブラリに付属しているマニュアル(README)には、そのライブラリが持つ機能や使い方が記載されています。
マニュアルがとても丁寧で読みやすいライブラリは、開発者の気配りが行き届いたライブラリである可能性が高いです。
バグ修正など自力できそうか
バグや動作環境の更新によってライブラリが動作しなくなった時などに自分で修正できるかどうかは、とても重要な判断材料となります。
ただ、適宜メンテナンスがされているライブラリの場合は開発者や他の使用者が修正したりすることもあります。
ライブラリの使い方③ライブラリを組み込む
どのライブラリを使うかを決めたら、まずはマニュアル(README)に目を通してください。
マニュアルを読まないまま、ライブラリを使いこなすことは難しいです。
ライブラリを正しく使うためにも、マニュアルは必ず読むようにしましょう。
マニュアルに目を通したら、動作テストをしてみることをおすすめします。
触った感じや使い勝手などが見えてきます。
もし「このライブラリは自分に合わないかも」と思ったら他ライブラリの使用を検討してみてください。
動作テストが終わったら、開発環境に組み込みましょう。
ライブラリの使い方④合うものがないなら作ってみる
もし、ライブラリを探してみたけれど目的に沿ったライブラリを発見できなかった時は、自分でライブラリを作ってみても良いでしょう。
自分の使い勝手が良いライブラリは、他の人が探し求めているものの可能性があります。
ライブラリは色んなプログラムを詰め込んだもの。
高度なスキルが必要な訳ではありません。技術力を磨くのにも最適なのでチャレンジしてみても良いでしょう。
まとめ
以上、ライブラリについての詳細を解説しました。
ライブラリは最近のプログラム開発のシーンで利用されることが多いツールです。
ネット上には色んな機能を備えたライブラリが公開されています。
公開されているライブラリや自作ライブラリを使って、プログラム開発の作業効率アップを目指しましょう。
この記事の中で触れた注意点にだけは十分気をつけてライブラリを使用してみてください。
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