Kotlin言語の特徴や仕様を徹底解説!KotlinのメリットとScalaやJavaとの関係は?
Googleが格上げしたKotlin
プログラミング言語は数多くありますが、ある日突然脚光を浴び、注目を集めるようになるものもあります。
Kotlin(読み:コトリン)は、Googleが突如Androidアプリ開発言語として「格上げ」したことで注目を集めるようになりました。
従来のAndroidアプリ開発といえば、Javaを用いるのが一般的。
他にもJavaScriptやRuby、PHPなども一般的でしたが、突如としてGoogleが格上げをしたことで否が応でも注目を集めることになったということです。
Androidアプリ開発言語として推奨されている
Kotlinは、Androidアプリ開発言語として推奨されるようになりました。
Android開発はKotlinファーストになっていくとまでいわれており、相当な期待も込められていることも分かります。
事実、Kotlinは今や人気プログラミング言語といっていいほどにまで浸透し始めました。
これから「Androidアプリ開発に挑戦してみたい!」という方は、Kotlinでチャレンジしてみるといいかもしれません。
Kotlinに注目
今回の記事では、そんなKotlinに注目していきます。
Androidアプリ開発推奨言語として格上げされたKotlinの持つプログラミング言語としての特徴や、メリットをチェックしていきましょう。
また、ScalaやJavaとの関係性についても注目いたします。
Kotlinファーストになるともいわれるプログラミング言語をチェックして、エンジニアとして更に磨きをかけていきましょう。
Kotlinの特徴
それでは早速、Kotlinというプログラミング言語が持っている特徴から注目していきます。
オブジェクト指向型言語である
まずチェックしておきたいのが「オブジェクト指向型言語」だというポイントです。
JavaやC++などと同じくオブジェクト指向プログラミングができるので、同じ考え方で取り組むことができるでしょう。
Kotlinは「簡潔」
また、Kotlinは「簡潔」という特徴を持っています。
Kotlinは「Javaを簡潔にした言語」といわれることもあり、そのシンプルさが言語の売りの1つです。
モダンな言語という表現がされていることもあり、セミコロンや型指定は不要。
プログラムの記述もシンプルにできるように工夫されており、可読性も高いソースコードを書くことができます。
JVM言語である
Javaは、プラットフォームやハードウェアを問わず実行できるよう「JVM(Java仮想マシン)」上で実行するという特徴を持っています。
実はKotlinも、そのJVM上で動作する言語です。
そのため、JavaのプログラムやJava用のライブラリ、フレームワークなどを流用可能。
KotlinはJavaとの相互運用性が100%だとも語られており、その高い互換性も特徴の1つであり、大きな強みでもあります。
Kotlinを使うメリット
それではここからは、Kotlinを使うメリットに注目していきましょう。
Kotlinは以下のようなメリットを持っています。
- KotlinはAndroidアプリ開発に特化している
- コードをシンプルに記述できる
- エラーを未然に防いでくれる
- 学習コストが低い
- 平均年収が高い
- 将来性がある
1つずつ簡単に解説していきます。
KotlinはAndroidアプリ開発に特化している
まず1点目ですが、KotlinはAndroidアプリ開発に特化したプログラミング言語といえます。
Javaは今でも広く親しまれている言語ですが、少し古臭く冗長的なコードが多いというデメリットがありました。
そういった要因もあり、KotlinはGoogleからAndroidアプリ開発言語として格上げがされることになったようです。
Googleの方針としてはKotlinファーストの流れを作り出そうとしているようなので、今後更にAndroidアプリ開発において便利な言語になっていくでしょう。
Androidアプリ開発言語としてメジャーになればなるほど、ヘルプや情報も増えて誰もがより開発に取り組みやすくなるはずです。
そういった意味でも今後に大きく期待が持てる言語です。
コードをシンプルに記述できる
先ほどKotlinの特徴でも触れましたが、シンプルなコード(簡潔)でプログラミングができるという大きなメリットもあります。
コードがシンプルになるということは、その分コードが読みやすくなります。
読みやすくなれば、エラーに気づいたり、記述上のミスを発見しやすくなるでしょう。
結果的にバグなどを減らしたり、解消しやすくなるため案外大きなメリットともいえる部分です。
「一度Kotlinに慣れたらJavaには戻れない」といわれることもあるほどに、Kotlinのシンプルなコードに魅了されてしまうプログラマーの方は多いようです。
また、2019年人気プログラミング言語ランキングでは4位にも輝いており、プログラマー・Androidアプリエンジニアから愛され始めている言語だということが明らかでしょう。
エラーを未然に防いでくれる
また、Kotlinはエラーを未然に防いでくれるセーフティさも持ち合わせています。
nullの扱いが厳格です。
例えば、プログラミング経験がある方なら一度は直面したことがあるであろう、定番のエラーの「NullPointerException」。
頭の中では分かっていてもつい起こしがちなエラーですね。
しかしKotlinは、nullの扱いが厳しいということもあってそんなお馴染みのNullPointerExceptionを防いでくれます。
いくら対処法が分かっていたとしても、エラーを防いでくれるにこしたことはありません。
学習コストが低い
Kotlinは学習コストが低い言語としても有名です。
その要因はやはり「コードがシンプル」ということや「モダンな言語である」というものが挙げられるでしょう。
プログラミング未経験者の方でも比較的容易に習得できるため、入門言語としてもピッタリです。
オブジェクト指向についても学べる一石二鳥ともいえるプログラミング言語かもしれません。
また、Java経験者であれば更に容易に習得することができるでしょう。
特徴について紹介した際お伝えしたとおり、KotlinはJVM上で動作します。
Javaのライブラリやフレームワークも利用できるので、別の言語だけどJavaと同感覚でプログラミングができるかもしれません。
平均年収が高い
Kotlinはプログラミング言語別のエンジニア平均年収が高いです。
プログラミング言語別年収ランキングにてPythonに次いで4位に位置しています。
RubyやSwiftなどを抑えての第4位であることからも、Kotlinの可能性を感じる結果といえるでしょう。
プログラミング言語そのものとは直接関連性がない部分かもしれませんが、大きなメリットといえます。
将来性がある
Kotlinは将来性に溢れています。
GoogleにAndroidアプリ開発に推奨するプログラミング言語として格上げされ、ジワジワと注目を集め始めているKotlin。
それでも、まだ完全に定着したとは到底いえません。
そのため、今後更にKotlinがAndroidアプリのエンジニアに広まっていく可能性は大いに考えられます。
KotlinはAndroidアプリ開発という現場において、大きな可能性を秘めている将来性のあるプログラミング言語だといえるでしょう。
Kotlin・Scala・Javaの関係
さて、Kotlinは度々ScalaやJavaと一緒に取り上げられることがあります。
Javaとの関係性は「JVM上で動作する」ということを記事中で既に取り上げましたが、Scalaとも比較される理由はなぜでしょうか。
続いてはこの点を紐解いていきましょう。
JavaとScalaの関係性
KotlinとScalaの関係性について考える前に、JavaとScalaの関係性を知っておく必要があるかもしれません。
というのも、ScalaもKotlin同様「JVM上で動作する」プログラミング言語という特徴を持っています。
そのため、ScalaもJavaのライブラリやフレームワーク、コードを用いることが可能です。
Scalaは「Javaでできることは何でもできる」といわれることもあるほどの言語であり、非常に高い互換性を持っています。
また「オブジェクト指向」に加えて「関数型プログラミング」という両方の特性を持っているという特殊な言語でもあります。
KotlinとScalaの関係性
JavaとScalaの関係性をチェックしてみると、KotlinとScalaが似ている部分を持っている言語だということが分かるでしょう。
どちらも「JVM上で動作」し、「Javaと高い互換性を持っている」という特徴があります。
両言語ともにJavaのコードを呼び出したり、呼び出されたり、ライブラリやフレームワークを利用できるという要素も持っています。
オブジェクト指向型言語という部分も似ていますが、こちらに関してはScalaは更に「関数型プログラミング」という性質も持っているため少し毛色が異なってくるでしょう。
ただし、Scalaは学習コストが高いといわれており、新しく習得する場合はKotlinが適しています。
また、Androidアプリ開発という面に関していえば公式に推奨されている言語は「Kotlin」です。
そのため、今後新しくAndroidアプリを作ってみたいと考えている方は「Kotlin」を選択した方が良いといえるかもしれません。
Kotlinを学習するために
さて、いざ実際にKotlinを学習しようと思い立った場合はどのような方法があるでしょうか。
最もおすすめなのは、やはり「とにかくプログラミング(コーディング)」することです。
もちろん、参考書や技術書などを読みながらで構いません。
指を動かしてコードを書くことが大切
大事なのは「読むだけ」ではなく「実際にコードを書いて実行してみながら勉強する」ということです。
まさに「習うより慣れよ」という言葉の通り、プログラミングは「とにかくやってみる」ことが習得への近道。
インターネット上にも多くの参考になる記事やWebサイトがあるほか、オンラインで学習できるサービスも運営されています。
ぜひ自らプログラミングをするという習慣を付けて、実際にKotlinへチャレンジしてみてください。
Kotlinのサンプルコード
せっかくなのでKotlinのサンプルコードを少しだけチェックしてみましょう。
変数宣言とHello, Worldを紹介いたします。
変数の宣言は型推論してくれる
まずは変数宣言について簡単にチェックしてみましょう。
Double型やFloat型、Int型など基本は他のプログラミング言語と同様です。
ただし、型推論があるため型をコード上で指定せずともコンパイラが推論してくれます。
以下に、実際の変数宣言のサンプルコードを記述します。
- var a = 1
- val b = 7 //イミュータブルな変数
- val c: Int = 2 //型を指定する場合
上記の通り、型を推論してくれるためわざわざIntなどを書く必要はありません。
もちろん明示することも可能で、3行目のように記述ができます。
そして、varがミュータブルな変数、valがイミュータブルな変数だということも覚えておきましょう。
Hello, World
どのプログラミング言語でも最も基本的とされる「Hello, World」。
Kotlinで記述すると以下のようになります。
- fun main(args: Array) {
- println(“Hello, World”)
- }
非常にシンプルで簡潔なコードであることが分かります。
これからのAndroidはKotlin
今回の記事では、Kotlinというプログラミング言語について注目してきました。
KotlinはAndroidアプリ開発の推奨言語として一躍注目を集め、ジワジワと伸びてきている言語です。
今後更に普及していき、Androidアプリ開発といえばKotlinという時代が到来しても一切おかしくありません。
これからAndroidアプリを開発してみたい、興味があるという方はぜひKotlinの習得を目指しましょう。
学習する際には必ず「実際にプログラミングをしながら」勉強するようにしてください。