フリーランス協会とは?フリーランス協会の概要や評判から、入会メリットや入会方法について解説
これからフリーランスを目指している方や、すでにフリーランスとして働いている方のなかで、「フリーランス協会」という協会について聞いたことがある方や、興味があるという方も多いのではないでしょうか。
フリーランス協会は、フリーランス向けのベネフィットプラン提供や、フリーランス向けイベントの開催をはじめ、さまざまなフリーランス支援を行っている非営利団体であり、現在では国内最大規模のフリーランスネットワークの一つとなっています。
本記事では、まずは「フリーランス協会とはどういった協会なのか」ということを紹介した上で、入会するメリットや入会方法などについて詳しく解説します。
本記事を通じて、フリーランス協会についての情報収集をしている方や、入会を検討している方にとって、少しでも参考となる情報をお届けできれば幸いです。
なお、本記事では基本的にフリーランス協会の公式サイトに記載されている内容を参照しています。
また、本記事はフリーランス協会のPR記事などではなく、あくまでも第三者の立場からフリーランス協会に関する情報を提供することを目的としています。
フリーランス協会とは
フリーランス協会とは、国内最大級のフリーランス当事者ネットワークであり、「自分の名前で仕事をしたい人のためのインフラ&コミュニティ」です。
正式名称は「一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会」であり、2017年1月に設立されました。
代表理事の平田麻莉氏によれば、「多様な働き方をするフリーランスやパラレルワーカーがますます活躍できる土壌をつくり、 一人ひとりが自分らしい働き方を選択できる社会を実現する」ことをその目的としています。
コミュニティとしては「フリーランスによる、フリーランスのための、オープンでゆるやかなつながり」であることを掲げており、フリーランスの当事者ならではのきめ細やかな支援やサービスに定評があります。
フリーランス協会は多くの会員を抱えており、2023年6月時点で「会員総数84,908名」「一般会員数13,364名」と数万名単位での会員が登録しています。
また法人の会員については、2022年5月31日時点で法人会員が274社(内、コワーキングスペース128)となっています。
参照:フリーランス協会設立5周年を記念してWebサイトをリニューアル
フリーランス協会の主な事業内容としては、以下の通りです。
- フリーランス向けベネフィットプランの提供
- フリーランス支援・啓発イベントの企画運営
- フリーランスに関する各種調査の実施・政策提言
- 企業に対するフリーランス活用アドバイス・コーディネート
では、フリーランス協会では具体的にどのような活動が行われているのでしょうか。
続いては、フリーランス協会の活動内容について詳しくご紹介します。
フリーランス協会の活動内容
フリーランス協会では、「誰もが自律的なキャリアを築ける世の中」を実現するために、大きく以下の3つの活動をされています。
- 政府や自治体との取り組みを通じて「政策を実現する」
- 社会や世論に働きかけ「認識を変える」
- 企業との取り組みによって「マーケットを作る」
具体的には、以下の8つの活動が挙げられています。
フリーランス向けベネフィットプランの開発・提供
フリーランス向けの福利厚生制度として、賠償責任補償や弁護士費用保険をはじめ、さまざまな保険や優待が使えるベネフィットプランの開発および提供を行っています。キャリア支援
キャリア支援セミナーやワークショップ、キャリア相談のほか、自己PRデータベース「フリーランスDB」の運営などを行っています。
フリーランスとしてのキャリア形成や自己ブランディングに役立つ活動を通じて、フリーランスの成長を支援しています。
政策提言
フリーランスや、フリーランスを取り巻く当事者への調査を通じて明らかになった課題やニーズをもとに、政府や自治体への政策提言を行っています。
調査・白書
フリーランス協会では、フリーランスの実態調査などを通じて、フリーランスの年収や仕事の獲得経路のほか、フリーランスに関わるさまざまな調査を実施しています。
そしてその結果を「フリーランス白書」として年1回のペースで発行しています。無料で質の高い情報が得られるため、フリーランスに関する情報を集めている方におすすめの資料です。
コミュニティ・ネットワーク形成
フリーランスが集まるオンラインコミュニティ運営のほか、全国4拠点を中心としたオフラインイベント「曲がり角」の運営を行っています。フリーランスになると、会社員に比べてコミュニティを作りにくくなりやすいため、フリーランス同士のつながりを作りたいという方には魅力となるでしょう。
ジョブ創出
フリーランスの活躍の場をさらに広げることを目的に、プロ人材・副業人材活用の相談窓口「求人ステーション」という企業向けの相談サービスや、フリーランスパートナーシップアワードというアワードの開催などをしています。地方創生
ワーケーションをはじめとする、フリーランスとして場所にとらわれない働き方に関するイベントやツアーの企画・開催、自治体との連携やコンサルティングなどを行っています。情報提供
各種SNSなどを通じ、フリーランス向けのお役立ち情報やニュース、イベント情報などを発信しています。フリーランス協会は「フリーランスによる、フリーランスのためのコミュニティ」であるからこそ、フリーランスの当事者視点での有意義な情報が提供されています。
フリーランス協会の評判
ここまでフリーランス協会の概要について紹介をしてきましたが、その評判はどのようになっているのでしょうか。
まずは気になる点として、「フリーランス協会」と検索エンジンで検索すると、検索候補に「フリーランス協会 怪しい」などと表示されることから、おそらくはフリーランス協会という名前を知り「怪しい」あるいは「怪しいのではないか」と考えて検索している人が一定数いるようです。
特に協会の設立当初や、知名度が高まってくる過程においてその実態がわからず怪しいと印象を持った方がいたのかもしれませんが、現在では非常に透明性の高い公式サイトを運営しており、また大学の教授や研究員の方などをアドバイザリーボードに迎え、法人パートナーには大手企業を含む多くの企業が名を連ねています。
一般社団法人として活動するなかで定期的な活動報告もされており、しっかりと運営されている法人であるように見受けられます。
また、続々とフリーランス向けのサービスを拡充しており、実際に会員数も増加を続けていることから、少なくともフリーランスからの高い信頼・安心を得ている法人と言えるでしょう。
フリーランス協会に入会するメリット
続いては、フリーランス協会に入会するメリットについてご紹介します。
スキルアップやキャリアアップ支援が受けられる
まずは、フリーランス協会に入会することでスキルアップ・キャリアアップの支援を受けられることがメリットの一つです。
フリーランスはスキルが収入に直結するため、スキルを伸ばしたいと思いながら活動している人が多いものの、仕事と並行して自分だけの力でスキルアップ・キャリアアップをはかっていくのは簡単ではありません。
フリーランス協会では、そういったフリーランスの方にスキルアップ・キャリアアップの場を提供しており、専門スキルやビジネススキルなど、フリーランスの要望をもとにセミナー形式などの勉強会が開催されています。
人脈が広がり、ビジネスチャンスが増える
また、フリーランス協会が提供している勉強会などのイベントの場はフリーランス同士の交流の場にもなっており、フリーランス協会はコミュニティとしての役割も担っています。
こういったコミュニティはフリーランス同士の人脈形成にも繋がっており、フリーランスが新しいビジネスチャンスを掴む場所としても役立っています。
さまざまなサービスや福利厚生が受けられる
かつては、個人のフリーランスで気軽に受けられるような福利厚生や優待サービスは多くなく、また費用負担も小さくありませんでした。
しかし、フリーランス協会では年々フリーランス向けの福利厚生や優待サービスを拡大しており、以前に比べるとはるかに充実したサービスや福利厚生を手軽に受けられるようになりました。
このことは、フリーランス協会に登録する大きなメリットといえるでしょう。
では、具体的にはどういったサービスや福利厚生が受けられるのでしょうか。
コワーキングスペース
フリーランス協会の提供するサービスにはさまざまなものがありますが、その一つにコワーキングスペースがあります。
フリーランス協会ではさまざまなコワーキングスペースと提携しており、フリーランス協会の会員であれば、以下のページで紹介されているコワーキングスペースで優待サービスを受けることができます。
※一部、一般会員(有料会員)限定の優待が含まれます
福利厚生WELBOX
フリーランス協会の一般会員(有料会員)向けになりますが、フリーランス協会に登録すると、付帯サービスとしてWELBOXを利用することができます。
フリーランスに嬉しい健康診断や人間ドックの割引を始め、子育て支援や旅行・レジャーなどをお得に利用することが可能です。
このWELBOXは大手企業の福利厚生としても利用されていることが多く、大企業と変わらない水準の優待を受けることができます。
フリーランス向けの保険サービス
また、フリーランス協会の一般会員(有料会員)にはさまざまなフリーランス向けの保険サービスが付帯されており、一般会員になることでこれらの保険に自動的に加入することができます。
こちらでは、フリーランス協会の保険サービスの一部をご紹介します。
・賠償責任保険
フリーランス協会が知られるようになったきっかけに、この賠償責任保険が大きく関わっています。
賠償責任保険は、業務遂行中の対物・対人の事故や情報漏洩・著作権の侵害などフリーランス特有の賠償リスクに備えた保険です。国内で初めて広い範囲の補償を実現したことから、フリーランスだけではなく企業からも注目されています。
大手保険会社4社による共同保険ということもあり信頼性が非常に高く、クライアント側としても安心して業務を依頼しやすくなるというメリットがあります。発注主であるクライアント側も補償対象となるため、フリーランス協会に加入しているかを重視する企業も一定数あるようです。
フリーランスのインフラエンジニアなど、大企業や大きな案件を担当するフリーランスから特に支持されています。
・報酬トラブル弁護士費用保険「フリーガル」
フリーランスにおいてトラブルとなりがちなことの一つに、報酬の未払いが挙げられます。
そこで登場したのが、報酬トラブル弁護士費用保険「フリーガル」です。
報酬未払いなどのトラブルが発生した時だけではなく、トラブル防止のためのアドバイスや契約内容の相談も可能です。
・所得補償制度
こちらは任意での加入になります。
所得補償制度は、ケガや病気で万が一働けなくなったときに保険金を受け取ることができる制度です。
フリーランス協会を通すことで団体価格にて加入することができるので、割安で加入することが可能です。
企業に勤める会社員には労災保がありますが、フリーランスにとってその代わりとなる補償制度といえるでしょう。
こちらでご紹介した以外にもさまざまなサービスが提供されていますので、ご興味がある方はこちらのページをご参照ください。
フリーランス協会の個人向けサービス
会員向け優待&おすすめサービス
フリーランスとしての信頼度の向上
フリーランス協会に登録することで、フリーランス協会認定のロゴを使用することができるようになるというのもメリットの一つでしょう。
近年ではフリーランス協会および、フリーランス協会が加入している保険についても認知度が高まっています。
特にクライアント側にとっては、初めてのフリーランスの方に仕事を依頼する際には少しでもトラブルなどのリスクをヘッジしたいと考えますが、そうした際にフリーランスの方が協会の保険に加入していることがわかれば、安心して契約しやすくなる一つの材料となります。
フリーランス協会のロゴは名刺などにも記載することができるため、ロゴによる信頼度のアップが期待できます。
フリーランス協会はこんな方におすすめ
このように、フリーランス協会にはさまざまなメリットがあります。
では、具体的にはどういった方が登録するとメリットが大きいと言えるのでしょうか。
大きな案件を担当している方
まずは、大きな案件を担当しているフリーランスの方が挙げられます。
もし大きな案件で何か問題があったときには、個人であるフリーランスだけでは手に負えません。
会社員であれば基本的にフォロー体制が整っており、会社が責任を取ってくれますが、フリーランスの場合は自分で責任を取らなければなりません。
そういったときに、フリーランス協会ではフリーランスを守るための保険などが数多く用意されているため安心です。
年間1万円(税込)の会費で大きなリスクを回避できるのであれば、フリーランス協会に登録するメリットは大きいと言えるでしょう。
家族がいる方
家族がいる方もまた、フリーランス協会に登録するメリットが大きいと言えます。
フリーランス協会の福利厚生には、家族がいるフリーランスにとってもお得な特典が多数用意されており、特に小さなお子さんがいる場合には、ベビーシッターや家事代行といった両親が仕事に集中できる環境を提供してくれるサービスも豊富です。
また、旅行やレジャーの優待も豊富にあるため、フリーランスの自由さを活かした楽しみ方もできます。
コミュニティや安心が欲しい方
フリーランスは、病気やケガで働けなくなると収入が減少してしまうリスクと隣合わせです。しかし、フリーランス協会の任意加入保険に入ることである程度リスクを軽減・回避することが可能となります。
また、フリーランスになると一般的には人づきあいが減ってしまうことが多いと言われていますが、フリーランス協会のコミュニティを通じてフリーランス同士の繋がりも作りやすいというメリットがあります。
フリーランス協会への入会資格
では、フリーランス協会に入会するにはどのようにすればよいのでしょうか。まずは、フリーランス協会への入会資格についてみてみましょう。
フリーランス協会への入会資格は、以下のように明記されています。
- フリーランス・パラレルワーカーとして現在活動している方
- フリーランス・パラレルワーカーのプロとして常にキャリアアップを目指している方
上記のように、入会条件として年齢や学歴・経験・職種などが問われることはなく、フリーランスやパラレルワーカーの方を広く受け入れていることがわかります。
そのため、会社員であっても副業などを行っていれば兼業フリーランスとして入会することが可能です。
この入会のしやすさも、フリーランス協会の会員数が増加している一つの要因と考えられます。
フリーランス協会の入会費用
続いては、気になるフリーランス協会の入会費用についてご紹介します。
フリーランス協会には一般会員(有料会員)と無料会員が用意されています。
入会のメリットでご紹介したような福利厚生や保険などのサービスを受ける場合には、一般会員として年会費1万円(税込)がかかります。この年会費は、経費として計上することが可能です。
一方、無料会員では以下のような一部のサービスを無料で利用することが可能です。
メールマガジン
役立つニュースやイベント情報が毎週届く、フリーランス目線のメールマガジンです。
フリーランス DB
経歴やポートフォリオ、つながりを可視化し、直接問い合わせをもらえる自己PRデータベースです。
フリーランスの仲間が欲しいときや仕事の依頼などに活用することが可能です。
オンラインスキルアップ講習
ビギナーからプロフェッショナルまで、IBMが提供する6000以上のコースを無料受講することができ、スキルアップがはかれます。
オンラインコミュニティ
同業種・同エリアなど、フリーランス仲間と出会えるつながるオンラインコミュニティに参加することができます。
フリーランス協会への入会方法
続いては、具体的なフリーランス協会への入会方法についてご紹介します。
フリーランス協会には、以下の4ステップで入会が可能です。
- 無料会員登録
※無料会員になりたい方は、ここまでで入会完了 - 一般会員入会申込
- 審査・決済
- 入会承認・利用開始
無料会員のみの登録であれば、会員登録フォームからgoogleアカウントでログインし、自分の名前など必須項目を入力するだけで簡単に登録が完了します。
一般会員(有料会員)への登録をする場合は、無料会員登録後にマイページから申し込みが可能です。本人確認書類が必要となるため、運転免許やパスポート、マイナンバーカードなどを用意しましょう。
申し込み後審査があり、審査完了後に入会が承認され、利用開始となります。
詳しくは以下のページをご確認ください。
まとめ
本記事では、フリーランス協会やそのサービスの概要、メリット、入会の流れなどについてご紹介いたしました。
冒頭でも述べた通り、本記事はフリーランス協会のPR記事などではありませんが、年会費1万円(税込)で賠償責任保険やWELBOXといった福利厚生を受けられるというのは、フリーランスにとってメリットの大きいサービスと言えるのではないでしょうか。
フリーランス協会には有料会員だけではなく無料会員もあるため、まずは無料で登録をしてみて色々な人から話を聞いてみたり、検討を深めたりするのが良いでしょう。
フリーランスは、基本的には会社員に比べてリターンが大きな分リスクも大きいという働き方になりますが、だからこそフリーランスとして長く活躍していくためには、フリーランス協会のようなリスク軽減につながるサービスをうまく活用していくことが重要です。
フリーランス向けのサービスにはさまざまなものがありますが、どのようなサービスが自分に最もフィットしているかを精査し、最適なサービスを選択するようにしましょう。