Exchange Serverとは?導入のメリットを徹底解説!ダウンロード方法と構築の手順は?
Exchange ServerとはMicrosoft社が提供する、スケジュールの共有管理やメールを統合するサーバーアプリケーションです。
導入するとどんなメリットがあるのでしょうか。使い方やダウンロード、構築の方法について解説します。
Exchange Serverの歴史は結構長い
Exchange Serverは耳新しい様に聞こえますが、実はかなり古い歴史を持ちます。
マイクロソフト社が従来のXENIXベースのメッセージングシステムからExchange Serverへの移行を開始したのが1993年でした。
当時は500程のユーザーから始まっています。
最初に製品として販売されるのは1996年からなので概ね25年を経て進化を続け、今日にまで生き残る強者です。
世に衝撃を与えたWindows95の爆発的発売頃から、既に動き出していた製品という事になります。
また、LDAP準拠ディレクトリーサーバーとして既にスタンダードなActive Directoryは、Exchange Serverから派生したディレクトリということです。
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OSの存在
OS(オペレーティングシステム)はWindows95でハードウエアのオマケ的な位置づけから、独自の製品としての存在を示すようになりました。
システムプラットフォームとして担う役割は多面的です。
OS上で稼働する独立して魅力あるアプリケーションソフトが続々と商品として開発、販売されるようになります。
多くの業界・業種に用途を広げ、より特化したシステム・ソフトウエアを適切に機能させて安定稼働をさせる重要な基盤的位置づけとなることに。
信頼できる優れたOSの存在はITの核といえます。
サーバー OSの役割
必要機能と期間
システム構築時には、それぞれの役割を担ったServerを利用目的や機能別に特化して導入する事があります。
構築においては利用者規模や、拡張性・冗長化・ネットワーク化等の適正を考慮しますが、いつまで使うのかも重要な構築要素です。
マイクロソフトでいえば5年ほどの周期で新しいOS製品がリリースされます。
サーバーOSはハードの保守期間を考慮すると、更新サイクルは5年から7年ほどです。
その間満足できる性能を維持し、適時新しいアプリケーションに対応したり、リスクにも対応したりできる製品を選定することとなります。
システム構築におけるサーバー
サーバーは役割・機能に応じて複数となることも珍しくはありません。
基本的にはクライアントサーバー(CS)方式で構築する場合、配置する機器は同じコンピュータでも利用は可能です。
とはいえ、処理情報量や安定性・稼働時間やシステム負荷・またサーバー側に様々な情報資産を保持させなければなりません。
管理させる為にクライアントとは別のコンピュータを準備しサーバーとします。
パソコンなどとは違う堅牢で安全性を重視した仕様の機器です。
その為、サーバーに利用するOSも専用仕様の製品となります。
2010年以前は新しいシステムアプリケーションをインストールする都度いちいち再起度を必要としていました。
しかしサーバーOSは24時間連続稼働も当たり前なので、再起動やシャットダウンは簡単にはできません。
そういう事からサーバーOSでは稼働したままアップデートや各種インストール、メンテナンスが行える設計となっています。
サーバーOSの種類
現在主要なサーバーOSといえるのは、Windows Server、Linux、UNIXです。
利用されているクライアント側のパソコンがWindows OSやアップル社製のiOSがほとんどになります。
メインサーバーOS もWindows Serverで、取扱いベンダーも圧倒的にWindows系が多いのが現状です。
Windows Serverの特徴
当然クライアントがWindows系のパソコンであれば、
- マイクロソフトアプリケーションとの親和性が高く相性が良い
- Windowsユーザーには使いやすい
- アプリケーション障害時サポートも一元化対応が可能
- サーバーソフトウエアが豊富
以上の様なメリットがあります。
サーバーに求められるのは、安全性や連続稼働にも耐える堅牢性、障害時のメンテナンスやサポートです。
Windows Serverは実績に裏打ちされた安心感が一番の特徴といえるでしょう。
サーバープリケーションの役割
なぜ必要なのか
サーバーには機能を特化したものや、特定の役割を担うようシステム構築時に設定されたものがあります。
例えば、企業内で各自が単独で処理・作成した電子データを保存する、ファイルサーバーや外部ネットワークと接続するとしましょう。
それだけでも
- 社内の各IDと結び付けて処理するメールサーバー
- 社内のリソース管理を行うサーバー
- 社員各人のスケジュールを統合的に管理するスケジュール管理サーバー
等があり、特化された機能のアプリケーションを適切に管理するためのサーバープリケーションが必要となります。
小規模であれば、1サーバー内でそれぞれのアプリケーションを稼働させても問題ありません。
しかし障害時対応や特定アプリケーションとの不具合解消には心許ないでしょう。
負荷の大きい業務アプリケーションには、専用のサーバーや管理アプリケーションがあると安心です。
またクライアント数やセキュリティレベル、企業のポリシーにより様々ですが、相性や信頼度・実績を参考に製品・構成検討が必要です。
PCに欠かせないアプリケーションの存在とOS
マイクロソフトではWindows同様ビジネス活動では欠かすことができないアプリケーションをリリースしています。
主にExcel・Word・PowerPoint等がパッケージ化されたマイクロソフトOfficeが有名です。
ほとんどの人が聞いたことや、使ったことのあるアプリケーションではないでしょうか。
個人が仕事をこなすには画期的なアプリケーションです。
電子媒体として保存や持ち運びはもちろん、電子メールによる送受信もできるので、画期的に業務効率を向上させました。
グループウエアとインターネットリスク
企業では重要な機密や個人情報を保持しており、個人ユースよりかなりの利用リスクがあるといえます。
CS網自体が他拠点を擁する企業では、インターネット上に仮想専用回線として接続できるサービスを利用して構築をしているでしょう。
しかしインターネットを利用することを考えると、100%安心とはいえません。
この構築網上に、電子メール等のグループウエアがあるのでセキュリティ対策は必須となります。
更に少し前まで、モバイルパソコンにネット経由で社内ネットワークにアクセスするのが出張ビジネスマンのよく目にする光景でした。
近頃は更に携帯性の高いスマートフォンやタブレットで、社内のグループウエアにアクセスするニーズが高まっています。
よりセキュアな環境を構築するには
最近は、情報流出や悪意のあるウィルスによる事故や事件が多発傾向です。
これらは
- 作為的な人的被害
電子メールに添付されたファイルや貼り付けられたURLをクリック
による事故が多く、中にはセキュリテイホールを狙ったサイバー攻撃の様に企業を狙い撃ちするものまで様々です。
これらのリスクの中で安全にアプリケーションやメールを動作させる為には、もはや管理者や利用者による人的レベルでは限界があります。
自動的にセキュアな環境をグループウエアかそれぞれ特化した機能を持つサーバープリケーションに任せるほかありません。
定期的にメンテナンス・再構築していくことが企業に求められます。
Exchange Serverの優位性
ビジネスツールとしては必須のマイクロソフトOfficeにあるOutlookは、Exchange Serverクライアントの名称です。
個人利用でもインターネットに接続できるので、利用している人も多いでしょう。
現在利用しているユーザーや今後メールサーバーを検討する際には、Exchange Serverでの再構築・新規構築を検討してみるのがおすすめです。
Exchange Serverは豊富なアプリケーションを統合的に管理することが可能です。
導入のメリットを徹底解説!
Exchange Serverでできること
Exchange Serverならではの機能はこのようなものがあります。
- スマートフォンによるActive Sync接続に対応
- Active Directoryのアカウントの一元管理(Exchange ServerのアカウントはActive Directoryと統合)
- Active Directoryで作成したユーザーは自動的にメールが使用可能
- メールBOXデータ複製機能を搭載
障害発生時に自動的にサーバーを切り替えることができるので、ビジネスを停止させないメッセージシステムを構築できます。
これらは、サーバー管理者にとっては非常にありがたい機能ではないでしょうか。
Exchange Serverを経由する全てのメールに対しポリシー設定が可能になります。
社内のセキュリティポリシーに従ってメールの送受信を制御できるため、よりセキュアな環境を構築できるのです。
大規模なクライアント管理であれば、管理者のユーザーアカウント管理の手間を大幅に削減できます。
クライアント端末はPCだけではない
今はタブレットやスマートフォンで職場や自宅と同様に情報を取ったり、メールをチェックしたり、スケジュールを共有するのは当たり前です。
多様化するニーズ
今後ネットワークが5G環境になると、時間が掛かっていたアップロードがストレスなくできるようになります。
そのため更に社外でのビジネスワークのニーズレベルが更に上がってくると思われます。
しかしセキュリティを重視するあまり、外出先での電子メールアクセスに何度もセキュリティガードをクリアするのも煩わしいもの。
これらの負荷を軽減することも、効率化を考えれば当然です。
外部からの有害な電子メールやファイルを、あらかじめ設定したセキュリティポリシーに従って自動的にブロックできます。
セキュアな環境で使用できることは、統合機能として求められることです。
このような厳しい条件下でMicrosoft Exchange Serverはアプリケーションと統合・調和され、安全性を担保しています。
ダウンロード方法と構築の手順は?
Exchange Serverの導入方法
Exchange Serverの導入は簡単です。マイクロソフトの以下サイトから入手できます。
このサイトは、「Exchange/Exchange Server」のダウンロードサイトです。
ダウンロードは一般のアプリケーション同様ウィザードに従ってクリックして進めるだけ。
インストール作業は以前に比べて非常に簡単に進める事ができます。
仮にExchange Server2019をExchange Server2016環境にインストールするのであれば、途中で先に進めなくなってしまうでしょう。
その場合、以下のプログラムを事前にインストールしておく事をおすすめします。
- NET Framework 4.7.1
- Microsoft Unified Communications Managed API 4.0、Core Runtime
- Visual C++ 2013 再頒布可能パッケージ
必要なインストールディスク領域を見ると、以下の表示を確認できます。
- 必要ディスク領域 6352.4MB
- 利用できるディスク領域 3643.6MB
参考URL:Microsoft公式サイト
Exchange Serverを使う時に知っておきたいこと
ダウンロードして指示に従って導入する場合に、事前に知っておくと便利なことも紹介しておきましょう。
マイクロソフトの専用サイトに「Exchangeドキュメント」があります。
ここで「展開に関するトピックス」として関連リンクが用意されていて、重要情報を確認する事ができます。
導入する際には一度確認しておくと安心です。
参考URL:Microsoft公式サイト
価格や利用環境を確認
更新・導入の際の構築コスト、手間を考えてみましょう。
Exchange Serverの製品価格は、依頼するシステムインテグレータの見積もりにもよりますが最小ライセンス(5クライアント)です。
ソフト費用を見ると、Server OSとExchange Serverで153,800円。更新・導入費用は、これにハード費用とベンダー費用が加算されます。
クラウド版「Exchange Online」では「Office365」同様、ユーザーライセンス課金で一番安価なプランでは430/月(年間契約 税別)。
5クライアントであれば月額2,150円程度の費用となります。
プランのメイン内容は以下の様になっていて、基本それ以外の機能には差はありません。導入時からハード機能を含む分お得感が高いです。
- 1ユーザーメールボックス:50GB容量 最大150MBメッセージ送信可能
- 利用OutlookからExchange Onlineに接続し、引き続き利用できる
- webクライアントアクセス用にOutlook on the webができる
- 優先受信トレイで最重要メールを簡単に追跡可能
- コラボレーション機能
コラボレーション機能は以下のようなことができます。
- 共有予定表
- グループ
- グローバルアドレス一覧
- 社外連絡先
- タスク
- 会議室
- 代理人機能
ユーザー規模にもよりますが、小規模から中規模ユーザーであればハード購入費用・導入費用・管理コストを考えると魅力的な価格設定です。
さらにOfficeアプリケーションを利用したい場合は、Office 365 Business Premium (1ユーザー1,360/月(年間契約 税別)があります。
Windows Serverユーザー更新であれば是非検討してみたいものです。
導入のメリットと注意点
比較する基準を考える上でのメリット
「Exchange Online」と「Exchange Server」を選ぶ場合、今後のIT環境をどう構築すべきかを考慮の上進めることが重要になります。
クラウド利用はシステムインテグレータ企業にとっても取り入れたいものでしょう。
ベンダーからすると構築からアフターメンテナンスまで現地作業を軽減でき、導入時のイニシャルコストは導入企業側でも軽減できます。
月額利用であれば、開始時期・終了時期がユーザー側で計画的に進め易く、双方ともメリットが大きいです。
オンプレミスでのサーバー構築であれば、購入前提で当初のイニシャルコスト・社内作業費用・構築期間はそれなりに掛かります。
ただし、稼働しだせば維持コストはあまり掛かりません。
このコスト比較は簡単で、月額利用単価×ユーザー数の費用とオンプレミスの機器購入費用、構築作業費等を経年累積で比較すれば良いのです。
損益分岐点がすぐに試算できます。
仮に導入から3年が分岐点だとすれば、次回更新を5年から7年を想定しましょう。
「Exchange Online」でかなりコストダウンできることになります。
注意点
実際注意点もあります。
頻繁に発生する情報流出事故等による損失被害等を自社に置き換えて考えてみて、重要情報を社外サーバーに置くことに対する不安があります。
また、多くの企業はISO15000「情報セキュリティ」/プライバシーマークを取得している筈です。
そこでもリスクを避けるため、サーバーをどう構築し管理するかは重要なポイントとなっています。
単なる比較ではなく、「クラウド型の方が常にコストは安い」という魅力との天秤になるといわざるを得ません。
そういう意味でもマイクロソフトはユーザーに選択肢を提供していることになります。
今後の方向性と導入更新の方針を整理
Exchange Serverを導入・更新には述べてきたようなポイントを整理し、今後の企業戦略とセキュリティポリシーを考慮のうえ進めるべきです。
検討すべき内容を最後に整理してみましょう。
- 適正な利用ユーザー数(従前のPCだけでなくスマホやタブレットでも利用できるようにするのか)
- 利用アプリケーションの検討(従前の電子メールやスケジューラ等の利便性を高める等、業務効率化)
- セキュリティレベルの目標点(単に安全性や利便性だけでなく、どこまでのレベルを設定するか)
- 更新までに想定される変化(次回更新までの機器の更新予定や、拠点展開等変化要因)
- 社内リソース管理のシンプル・スリム化(導入更新を機会に社内組織や業務をスリム化)
- 社会的ニーズとして注目される「テレワーク」をどう実現してゆくか(業態業種マッチした導入)
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