Citrix XenAppとは?Citrix XenAppの特徴と使い方を徹底解説!使える機能とダウンロード方法も確認
Citrix XenAppは、アプリケーションを仮想化するCitrix System社が開発したシステムです。
とはいえ、「仮想化」といってもピンときにくいものです。
導入することでどのようなメリットがあるのでしょうか。
Citrix XenAppとは
Citrix XenAppは、Citrix System社の提供するソフトウェア製品の1つです。
Citrix System社はアメリカのフロリダ州にある企業で、元はソフトウェアメーカーでした。
1990年代からシンクライアント技術における先端企業として台頭。
現在ではデスクトップ仮想化やSaaS、クラウドコンピューティング技術における代名詞ともなる商品を提供しています。
Citrix XenAppはサーバー上のアプリケーションの画面を、ネットワークを通じてリアルタイムで配信できるシステムです。
所謂、「アプリケーション仮想化」といわれています。
アプリケーション仮想化
「アプリケーション仮想化」は一種のリモートデスクトップとされ、VDI(デスクトップ仮想化)とは区別されます。
デスクトップ仮想化について
デスクトップ仮想化(Virtual Desktop Infrastructure)というのは、デスクトップ全てをサーバー上に集約して使用するシステムの事。
それをアプリケーション単位で行うことが今回紹介しているアプリケーション仮想化になります。
「仮想化」というのは「物理的な部分」と「論理的な部分」を分けることです。
ITリソースの最適化を図ることでメリットを生み出す技術の事を指します。
この場合は「アプリケーションの実行環境」と「利用環境」を分割。
これによりセキュリティ対策を施したIT環境を作り上げることが出来るのです。
デスクトップ仮想化と、アプリケーション仮想化の違い
デスクトップ仮想化とは、ユーザーが自分の端末から仮想デスクトップサーバーにアクセスして、そこに格納されているOSを使うことを指します。
ユーザーの手元には「物理的なデバイスだけ」になりますのでOSを含むソフトウェアは全て遠隔で利用することになるのです。
仮想デスクトップサーバーにアクセスできる環境であれば、どこからでもそのOSを使用できます。
OSごと仮想化するデスクトップ仮想化に対して、アプリケーション仮想化は個々のアプリのみを仮想化。
ユーザーは端末とOSだけ持っていれば場所を選ばすにアプリケーションを利用することが可能です。
仮想化するアプリケーションはアプリ毎に決めることができます。
高頻度で使用するアプリは端末内に入れておいて、それ以外は必要に応じて仮想化されたものを使用するという運用も可能です。
デスクトップ仮想化の方式
VDI方式
サーバー上に各ユーザーの仮想デスクトップを設置するという方式です。
ユーザーは自身に割り当てられる仮想デスクトップにアクセスし、利用することができます。
ユーザー毎に利用する仮想デスクトップが異なることが特徴で、自分専用にカスタマイズすることが可能です。
業務によって使用するアプリケーションや設定が異なる場合に向いています。
関連記事:
VDI(仮想デスクトップ)とは?VDIの種類や仕組みをわかりやすく解説!導入のメリットとシンクライアントとの違いも比較
SBS方式
Server Based Computingの略で、サーバーベースのことです。サーバー上のOSやアプリケーションを複数のユーザーで共有します。
つまりユーザー全員が同じ環境を使用する方式です。
この場合はユーザー毎に個別環境を用意する必要がない為、消費するリソースが最小限で済みます。
これはユーザーの全てが同じ環境で業務を行う場合に向いている方式です。
アプリケーションの仮想化とは
一般的に、ユーザーがパソコンを使用する場合は、パソコンとその中にインストールするOSやアプリケーションを用意する必要があります。
インストール後にアプリケーションを起動した場合は、必要なファイルやレジストリをOSが読み込んで画面を表示するのです。
アプリケーション仮想化の場合、ファイルやレジストリがサーバー上の仮想アプリケーションと対になっています。
OSとアプリケーションを切り離した形で起動させることが出来るのです。
何故仮想化する必要があるのか
パソコンを管理する為にはアプリケーションがアップデートされた場合、全てのパソコンにそのアップデートを適用させなければいけません。
またアップデートの際にはアプリケーションとソフトウェアのバージョンにも気をつける必要があります。
多くの手間と時間をかけてパソコンを管理する事になってしまうでしょう。
よく話題になる「WindowsXPのサポート終了」等もその一つです。
OSのバージョンによってはセキュリティが脆弱になるために、どうしてもアップデートが必要になってしまいます。
もし使用していたアプリケーションが新しいOSのバージョンに対応しない場合、対応するように自分で改良するのは殆ど不可能でしょう。
従って、新しいOSで使用可能なアプリケーションに移行するなどの大規模な作業が必要になってしまう訳です。
アプリケーション仮想化によるメリット
アプリケーション仮想化を行うことにより、OSのバージョンに左右されることなくアプリケーションを使用することが出来ます。
またバージョンアップ等においても端末を集中管理し、セキュリティへの不安を無くすという点でアプリケーション仮想化は大きなメリットです。
さらにはポリシー設定などでユーザー毎にアプリケーションやプリンターへのアクセス制御もできるようになります。
使用するアプリケーションを社外と社内で分けることも可能です。
アプリケーション仮想化の種類
大きく分けて二種類あります。
Server Based Computing(SBC)方式
今回紹介しているのはこちらの種類になります。
デスクトップ仮想化のSBS方式と同じで、サーバー上にあるアプリケーションをユーザーで共有する方式です。
その都度、ユーザーの端末にアプリを配布する必要がありません。
しかしサーバー上の1つのアプリを複数人が使用するために、マルチユーザーに対応するアプリしか適用することが出来なくなります。
アプリケーションはサーバー上で実行される仕組みです。
ユーザーの端末には「キーボードやマウスの操作信号」と「ディスプレイ表示に必要な画面イメージ」のみが配信されます。
サーバー上で実行するためにオンライン状態を維持することが必要です。
アプリケーションストリーミング方式
アプリケーションを単独で実行できるようにパッケージにして、ユーザーの端末に配布する仕組み。
単独で使用できるというのは、端末の種類や都債するOSを問わずに利用可能という意味です。
互換性や競合問題を回避することが出来るために、独立した状態で使用することができます。
端末に配布されるという特徴から、アプリが実行されるのは端末の中であるために遠隔操作する必要がありません。
一度配布さればオフライン環境でも利用することが可能です。
Citrix XenApp概要
このシステムを使えばサーバー上でWindowsなどのOSを起動させ、画像のデータをユーザーの端末にネットワークを通じて配信します。
ユーザーは自分のキーボードや、マウスなどを通じて操作することが可能です。
ユーザー側では「端末を使用した画面の出力」及び「ユーザーによる操作や入力」を行っています。
ただし実際には、アプリケーションのプログラムやデータは全てサーバーに保管されているのです。
このシステムが導入されると、アプリケーションを利用した処理は全てサーバー上で行われることになります。
ユーザーの端末とサーバーでやり取りされる情報は限られており、暗号化した画面イメージや操作信号のみ。
使用するネットワークへの負荷も軽減されるため利用している回線の速度を問わず高いパフォーマンスを得ることが可能です。
Citrix XenAppの歴史
Citrix社は1997年に「WinFrame」を制作し、翌1998年に「MetaFrame」という名称でversion1が日本でもリリースされました。
2004年に「MetaFrame Presentation Server」という名前でWindows Server2003版が登場します。
現在では改良に改良が重ねられて、2005年にversion4の「Citrix Presentation Server」に。
そして2008年にversion5「Citrix XenApp」という名前になりました。
更に2018年11月には「Citrix Virtual Apps」と名前を変えてリリースされています。
MetaFrameは固有名詞なのですが、そのイメージが大変強いことから現在でも一般名詞の様に使われることがあります。
それは「アプリケーション仮想化のソフト」の事です。
Citrix XenAppの特徴
アプリケーションの管理が容易
端末1台でもアップデートを怠ると、脆弱性をついた攻撃を受けることになってしまいます。
ですがこの製品を使うことで端末の一括管理を行い、アップデートの際にはサーバー側で管理することになるのです。
ユーザー側がうっかりするということがありません。
データが端末に残らない
個人用端末に使用したデータが残らないようになっているのも特徴の一つです。
オフィスの外から自宅の端末を使用するなど端末に特化する必要がなく、緊急時でも容易にアクセスすることができます。
その際に、サーバーに全て集約されるために取り扱っている情報の漏洩や、万が一の場合の端末の紛失や故障による心配がありません。
いくつもの端末から使用可能
ネットワークから、いくつものタブレットや端末からデータに同時にアクセスすることも可能です。
事前に登録する必要もない為、出先での急な利用もできます。
多様な端末環境で使用可能
このソフトウェアを使用して仮想化することにより、あらゆるOSの、あらゆるユーザーでアプリケーションが利用できるようになります。
- Windows
- Mac
- Linux
- UNIX
- シンクライアント
他にも多くのデバイスやSymbianやJava対応のデバイス上でも、アプリケーションを実行することが可能です。
セキュリティ対策
日本での震災の際、会社のサーバーがダウンしてしまい、アクセスすることが出来ないなどの大きな問題が露見しました。
その経験から、「アプリケーション仮想化」について、データを管理する手法として非常に重要性が高いと再認識されたのです。
アプリケーション仮想化では、継続的にアプリケーションを使用し、更にその一括管理を行うことが出来ます。
そして個人用の端末から、サーバー上のアプリケーションにアクセスすることも可能です。
これにより、震災などの際にサービスを停止する事を防ぐことが出来ます。
Citrix XenAppを使用する環境
仮想化
Citrix社は「Citrix HDX(High Definition Experience)」というテクノロジーを提供しています。
デスクトップ仮想化やアプリケーション仮想化において、ネットワークへの依存性が非常に高くなるでしょう。
そのため、高品位にユーザーエクスペリエンスで提供する機能セットです。
「Citrix XenDesktop」や「Citrix XenApp」を使用した仮想化環境下で、ローカルのデスクトップ環境と同等のユーザー体験が出来るようにしています。
コンポーネント
Virtual App構成の必須コンポーネントは以下の通りです。
Windowsコンポーネント
- アクティブディレクトリ(AD)
- リモートデスクトップサーバー(旧ターミナルサーバー)
- リモートデスクトップライセンスサーバー(旧ターミナルライセンス)
- Citrix virtual Appコンポーネント
- Citrix Virtual Appサーバー
- Citrixライセンスサーバー
- Citrix ADC
Citrix Virtual Appサーバーは、StoreFront、Delivery Controller、 Virtual Delivery Agent、Site DB(SQL Server))に分かれています。
- StoreFront
仮想アプリケーションにユーザーがアクセスするコンポーネント。
このポータルにアクセスし認証を受けると、利用可能なアプリケーションなどが表示されます。
- Delivery Controller
中核となるコンポーネントで、所謂管理サーバーにあたります。ユーザーの端末と接続先リソースを仲介し、その管理を行うものです。
- Virtual Delivery Agent
接続先リソースに導入するエージェントです。
導入するとDelivery Controllerの管理下に入り、リソースをユーザーに割り当てられるようになります。
またユーザーの端末とのリモート通信もこのエージェントが担っています。
- Site DB(SQL Server)
静的情報(設定など)と、動的情報(ユーザーセッションやパフォーマンスデータ)を格納するデータベースです。
まとめ
Citrix XenAppを導入する際、まずは使用するコンピューター環境での製品の動作確認が必要です。
Citrix DaaS(旧称Citrix Virtual Apps and Desktopsサービス)
自分で用途と製品の合致を確認するだけではなく、専門家へシステムの構築などについて相談することもできます。
上記サイトでは
- クラウドサービスのデモをリクエスト
- デモをリクエスト
- パートナーへ問い合わせ
なども行えるようになっています。
シンプルでかつ安全に、低コストでアプリケーションが利用できるシンクライアント環境を用意することができる製品です。
コストの削減は勿論ですが、管理にかかる負担も大幅に削減することができます。
導入を検討する場合は、是非一度要望を含めて相談してみましょう。
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エージェントによるサポートもありますので、ご利用を検討してみてはいかがでしょうか。