現在のCCNP試験の概要は?

CCNP試験とは、Cisco Certified Network Professionalの略で、Cisco社が主催、認定するベンダー資格です。

このシスコ技術者認定資格はネットワーキング技術に関係するベンダー資格であって、難易度が低い順に、アソシエイト(CCNA)、プロフェッショナル(CCNP)、エキスパート(CCIE)の3レベルがあります。

CCNPはその2段階目の資格となります。


CCNPの位置付けとは?

現在はいちばん低いレベルであるCCNAを取得しているのが前提条件であって、その次の段階でCCNPを取得するケースがほとんどです。

(後述しますが、2月24日からはこの前提資格が不要となり、取得していなくてもCCNPが受験できるようになります。)

これからネットワークエンジニアを目指す人のみではなくて、すでにネットワークエンジニアとして最低3年以上働いていて、さらなるスキルアップの高みを目指す人にも向けた試験といえます。


どんな人が資格を取得するべき?

具体的には主にCisco機器のネットワークの運用や構築を経験し、すでに基礎知識と実務経験が備わっている人が受験する資格だといえるでしょう。

難易度でいえば中級の上程度になります。

100~500台以上のノードからなるLANとWANに関する機器の設置や設定、およびトラブルシューティング能力などを認定するプロフェッショナルレベルの試験です。


CCNP試験に合格するとどうなる?

CCNPは、シスコ資格のエントリー資格であるCCNA(Cisco Certified Network Associate)の上位資格となります。

前提条件でも挙げられている通り、CCNA資格を取ってからCCNPを取得するというルートになっています。

この試験はCisco社の認定資格なので、Cisco社員、またはその関連のベンダーなどに勤務する場合、この試験に合格すると2,000円~20,000円と、会社によって金額に変動がありますが資格手当が与えられます。

また概して外資系は年俸制で契約していることもあり、資格手当が出ない傾向にあるようです。

また、ネットワークスペシャリストに次ぐ難関資格なので、履歴書にも堂々と書くことができるでしょう。

この資格を取っておくと一目置かれるのは間違いないです。


CCNP合格者像と年収

では、CCNPを受験して合格する人というのは、どのような人なのでしょうか?

CCNPを受験する段階で、まずネットワーク関連の実務が3年以上あり、すでに前提資格であるCCNA資格も取得済みです。

年収で考えると500~700万くらいは稼いでいる方と想像できます。

さらに上級資格のCCIEだと、650万から上は1,000万円も夢ではないでしょう。


CCNP試験合格までの道のりと内容

CCNPは全国のピアソンVUE公認テストセンターでの受験、または自分の好きな時間と場所で受験する2通りの方法があります。

会場受験の場合、空席があればその場で申し込み、現金での支払もできます。


受験コース

ひとくちにCCNPといっても現在は受験コースが次の8つあります。

  •  CCNP Routing and Switching 3科目
  •  CCNP Security 4科目
  •  CCNP Collaboration 4科目
  •  CCNP Data Center 4科目
  •  CCNP Wireless 4科目
  •  CCNP Service Provider 4科目
  • CCNP Cloud 4科目
  • CCDPネットワークデザイン 3科目

またCCNPの前段階の資格CCNAを受験していない、または失効している場合、CCNAから受験する必要があります。(※2020年2月24日からは変更点あり)

すでに公式サイトには2月24日からの新コースが掲載されていますが、個人が作ったサイトなどだと旧制度のものだけが掲載されているサイトもありますので注意が必要です。


おすすめのコースは?

この中で「王道」と呼ばれるのが最初のCCNP Routing and Switching の3科目の合格です。

この3科目とは、TSHOOTはROUTEとSWITCHの内容も合わせて総合的な内容になっているため、ROUTEとSWITCHのうちどちらかを先に受けて、最後にTSHOOTを受けるのが一般的のようです。

Routing and Switchingの試験時間はそれぞれ120分で、出題数はROUTEが50~60問、SWITChが30~40問、TSHOOTが15~25問となっています。


CCNP試験の出題形式は?

CCNPの試験はすべてコンピューター上で行われます。

その回答形式は単一ではなく、ラジオボタンやチェックなどで複数の選択肢の中から正解を選ぶ「選択式」

または、いくつかの選択肢の中から正しいものを「ドラッグ&ドロップ」で配置するもの、トラブルシューティングなどの時に用いるコマンドなどを「直接入力」するものもあります。

更に実際の設定のように「シミュレーション」で行うもの、そして、1つのネットワーク構成に記述式で回答する「シナリオ問題」とバラエティに富んでいます。

これはCCNP試験が単なる記憶系の試験ではなく、実技を伴った試験であることを示しています。

例えばトラブルシューティングを解決するという問題ならば、選択式ではなく、ドラッグ&ドロップで正しい解決法を選ぶ、あるいは実際の設定さながらにシミュレーションで行うというように、回答方法が異なっています。

これは普通の試験のようにマークシートなど単一の回答方式ではなく、実技を総合的に判定する試験なのでこのような回答形式になったのだと思われます。


CCNP試験の合格率は?

このCCNP試験の合格率は10~20%で、その年によって違うようです。

また、正解率は「約8割」の正解率を求められ、かなり合格ラインのレベルが高くなっています。

しかし、LANやWAN、ネットワークの知識だけならともかく、普段から実際の機器に触っていないとわからないCisco機器に関するも出題されますので、普段からCisco機器に接していて実務がないとなかなか合格が大変だといわれています。

また受験コースの1つである、CCNP Routing and Switchingは、公式サイトでは以下のように謳われています。

実務経験が3年以上で、さらに技術を磨いて独力でネットワーク構築を担当することを目指している人に適しています。

出典元:https://www.cisco.com/c/ja_jp/training-events/training-certifications/certifications/professional/ccnp-enterprise.html

この試験を受験する以前にすでに3年以上ネットワークに従事してきて、まさに油が乗りかかったネットワークエンジニアが受験する資格だといえます。


CCNP試験の制度改正ではどこが変わるのか?

これまでたびたび制度改正が行われてきたCCNP試験ですが、2020年2月24日よりCCNP試験認定の制度やトレーニングプログラムを改定する予定になっています。

変更点は次の通りです。


CCNP Enterpriseへの変更

8つの受験コースのうち、いちばん受験者が多く「王道」といわれている「CCNP Routing and Switching (3科目)」の認定は 「CCNP Enterprise 」という認定に置き換えられることになります。

さらに現在は3科目すべての合格が必須でしたが、2科目となります。


8つから6つのCCNPへ変更

さらに8つに分かれているCCNPが次の6つとなります。

  • CCNP Enterprise
  • CCNP Data Center
  • CCNP Security
  • CCNP Service Provider
  • CCNP Collaboration
  • Cisco Certified DevNet Professional


前提資格の廃止

さらに現在は「前提資格」としてCCNAがありますが、こちらは廃止となります。そのままCCNPを受験しても認定されます。

すでに現在のシステムで勉強している人はそのまま勉強を続け、新しい制度に移行する際には、勉強の習熟度に応じたクレジットを取得できるシステムになっています。

このCCNP Enterpriseは、「コア試験」と「コンセントレーション試験(選択式)」の2つの試験があります。

コア試験の内容としては、デュアルスタック(IPv4 および IPv6)アーキテクチャ、仮想化、インフラストラクチャ、ネットワークアシュアランス、セキュリティ、自動化など、エンタープライズインフラストラクチャの知識が必要となります。

またコンセントレーション試験には、ネットワークデザイン、SD-WAN、ワイヤレス、自動化などがあり、この中から自分の受けたいものを選択して受験する形となります。

どちらも最新のテーマと業界固有のテーマから幅広い出題がなされます。


CCNP試験の受験料は?

それでは、CCNP試験の受験料はどのくらいかかるのでしょうか?

現在はCCNP受験料金:38,880円(税込) 3科目受験すると116,640円(税込)

CCIE受験料金:58,320円(税込) ラボ受験を含めると265,680円(税込)と大変高額となっています。

しかし制度が変更されて、3科目受験が2科目に、ラボ受験も廃止となるので、かなり負担も軽減されます。


CCNPの勉強の仕方は?

CCNPの試験の勉強の仕方は、次の4通りがあります。


シスコ認定ラーニングパートナーの教育プログラムを利用する

まず、スタンダードなやり方としては、シスコ認定ラーニングパートナーの教育プログラムが推奨されています。

5日間の集合研修で、オンライン上で勉強することができます。


シスコ・ラーニング・ネットワーク・ジャパンを利用する

上記の集合研修とは別に、シスコ・ラーニング・ネットワーク・ジャパンというポータルサイトも提供されています。

資格に関する最新情報の他、無料の練習問題や、受験者同士の情報交換のサイトなど総合的な内容が日本語で提供されています。

また、英語であればポッドキャストや動画なども提供されていますので、英語に抵抗がない人で、より理解を深めたければ利用してみるといいでしょう。

特に練習問題は、出題傾向がわかる内容となっているため、繰り返しの利用をおすすめします。


CCNP受験対策書籍で勉強する

次の方法は、CCNPの受験対策書籍での勉強です。

書店には、CCNPの受験対策の書籍が数多く置いてあります。

中でも翔泳社の「シスコ技術者認定教科書 CCNP Routing and Switching」という本は、受験者の間では「白本」と呼ばれています。

受験のエッセンスがギュッと詰まった内容になっているため、この1冊で合格できることもあるとされています。

また、インプレス社の「徹底攻略Cisco CCNP Routing & Switching」は、教科書と問題集が別になった2冊体制になっています。

受験者の間では「黒本」と呼ばれており、解説が丁寧で、合格後も手元に置いておくと実務で役に立つと評判です。


CCNP Routing and Switchingの勉強サイトで勉強する

以下はシスコ社提供ではなく、有志提供のCCNP資格のための勉強サイトです。

それぞれ無料版、有料版となります。


CCNPイージス

無料版の「CCNPイージス」では慣れないとややこしい、CCNP Routing and SwitchingのROUTE(300-101J)と、SWITCH(300-115J)の試験範囲を確認することができます。

わかりやすい解説で、いわばCCNPのサブ教科書的な存在なので、いつでもどこでもPCやスマホでアクセスして、スキマ時間にも勉強することができます。

さらに今までも仕様変更が多いCCNP試験ですが、その更新範囲も書いてあるので親切です。

問題集もあり、登録をすれば無料で使えるようになっています。

ユーザーの合格体験記もあるので、どのような勉強方法をして合格したのかなどがわかるため、かなりためになります。

Ping-t

こちらは有料のサイトで企業によるサイトです。

CCNPだけではなく、LPICやオラクル、ITパスポートの受験対策もできます。

CCNPの問題集の部分はプレミアムコンテンツとなるので、有料です。

科目別に合わせて1,000問以上の問題が用意されており、出題範囲をすべて網羅していてやりがいがあります。

シスコ認定ラーニングパートナーサイトや、シスコ・ラーニング・ネットワーク・ジャパンと合わせて学習すれば、かなり強力な受験対策になるのではないかと思われます。


CCNP合格を目指す価値とは?

Cisco関連の会社に勤務している、もしくはCisco機器を日常的に触っているのであれば、資格取得の価値は十分にあるでしょう。

ですが、CCNPは大変受験料も高く、合格率も低い試験です。

ネットワーク技術者を3年以上も経験したのであれば、一通りの技術は身についていますので、「ネットワークスペシャリスト」の方が取得も考えてみてはいかがでしょうか。

資格の難易度を4段階で表すのであれば、CCNPは3、ネットワークスペシャリストは一番難易度の高い4です。

国内での認知度も高く、受験料もリーズナブル、履歴書に記載しても申し分ない評価を受けられる資格なので、こちらもおすすめです。


まとめ

ここではCCNPに関する概要(難易度、合格率、受験料)や2020年2月24日からの制度改正のポイント、受験対策の勉強方法などをご紹介しました。

度々制度改正をしてきたCCNP試験ですが、2020年2月24日から新たに制度改正となります。

しかし、現在の制度で勉強されている受験者はそのまま勉強を続けてもよく、のちに勉強の習熟度に合わせてしかるべきクレジットを取得できるシステムになっています。

合格率が10~20%、正解率は80%以上を要求される難しい試験で、受験料もネットワーク試験の中では群を抜くくらいに高いことで知られています。

ネットワーク関連の資格の中では4段階中3の難易度で難関な資格ですが、ぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか。