C言語プログラミング能力認定試験の難易度・合格率をレベル別に解説!資格取得のメリットと勉強方法・独学におすすめの本も紹介
「C言語」の習得を目指す人なら取得を考えておきたいのが、「C言語プログラミング能力認定試験」です。
その名の通り「C言語」によるプログラミング能力を測る試験ですが、認定を受けることででエンジニアとしてはもちろん、IT業界での就職やフリーランス活動が有利になります。
ではC言語プログラミング能力認定試験に合格するためにはどんな勉強をすれば良いのでしょうか。
本記事では、試験の難易度と難易度や合格率・学習方法について解説します。
C言語プログラミング能力認定試験
資格の概要
「C言語プログラミング能力認定試験」とは、サーティファイ情報処理能力認定委員会が主催する資格試験です。
初級コースの3級から上級コースの1級まで、全部で3つのレベルがあります。どの級も正解率60%以上で合格となります。
合格率
2018年度の平均合格率は65.2%です。半数以上が合格するとはいえ、3割ほどは不合格となることからそれなりの対策が必要となることが伺えます。
受験などの詳細は以下のサーティファイのホームページで公表されています。
プログラミングの能力を問う資格試験の内容
元々それなりの知識がある人にとってはそれほど難しいとは感じない問題が多いです。
しかしその反面、プログラムが苦手な人や慣れていない人にとってはかなり敷居が高いと感じるかもしれません。
大切なのは、テキストをしっかり読み込むことです。
3級と2級はプログラムの基本的な記述や、ライブラリ関数などがしっかりと理解出来ているかを問う問題となります。
とはいえテキストを丸覚えすれば良いわけでもありません。プログラムとはコンピュータが行う処理の方法の台本のようなものです。
そのため、仕組みと理論を理解する必要があります。
たとえば、「1を10回足しなさい」という問題の場合、どのように処理するかは千差万別です。
「1+1=2」その答えにまた「1」を加えて「3」。またその答えに「1」を加えて「4」と10回加える方法があります。
他にも、掛け算や半分に分けて5回ずつ足して計算する人もいます。
プログラムも同じで、色々な処理の仕方があるのです。どんな方法であれ、最後の処理の結果が正しければ問題ありません。
資格試験の時点ではこのプロセスまでは問われませんが、今後エンジニアなどIT業界でのキャリアを積んでいく方であればプロセスの理解もしておくべきでしょう。
初心者にも「C言語プログラミング能力認定試験」はおすすめ
これからプログラムを目指そうと思っている人は、最初に何の言語を学習しようか迷っている人もいるのではないでしょうか。
プログラム初心者に「C言語」はおすすめできる言語の1つといえます。他の言語と比べると比較的シンプルで、学習しやすいからです。
さらに現時点では、「C言語」で作成されているプログラムはたくさんあります。
求人数もかなり多いので、就職に有利な言語でもあるといえるでしょう。
「C言語」を学習し、実力があると客観的に証明してくれるのが「C言語プログラミング能力認定試験」です。
IT系の資格の場合、どの資格試験でも2級以上であれば履歴書に記載することができます。
就職やフリーランスで企業に自分のスキルをアピールしたいのであれば、2級以上を目指すのがおすすめです。
「C言語プログラミング能力認定試験」3級
3級の難易度
3級の難易度は初級編となります。簡単なプログラミングが書ける程度です。
試験形式は多岐選択式マークシート。技能を問う問題では、プログラムコードの空欄を補完する形式です。
- C言語の歴史
- 定数
- 演算子
- 型指定子
- 変数
- 基本制御文
- プリプロセッサ機能
- ライブラリ関数
以上を問う問題もあります。
大問は6つで、全ての解答が必須です。
注意点
どのプログラムを学習するにしても、この基本定型を身に着けておかないことにはプログラムが書けません。
プログラミング初心者にとっては最初の壁となる、変数や「=(イコール)」の取り扱いといった基本事項が出題されます。
3級で登場するこれらの基本は非常に重要なカテゴリーです。当然、これらが理解できていないとプログラムを書くことはできません。
テキストをよく読んでしっかりと勉強して下さい。またメモ帳でも良いので、実際に打ち込むことも重要です。
実際に打ち込むと、初めの内は入力ミスや変数の設定ミスなどがたくさん出てきます。
本来コンパイルまで行えばそのエラーが早く分かるのですが、C言語のコンパイルやデバッグは有償のものが多いです。
負担になるなら、誰かにコンパイルしてもらうのも良いかもしれません。
出題の傾向は過去問題を解くことで把握していきましょう。
「C言語プログラミング能力認定試験」2級
2級の難易度
難易度としては小規模のプログラムが書ける、基本アルゴリズムを理解しているかを問われる程度です。
3級と同じく、多岐選択式マークシートで回答します。
3級の基本的なものから範囲は広がり、
- 浮動小数点定数
- ポインタ/アドレス演算子
- 構造体共用体指定子
なども出題対象です。
ライブラリ関数も数多く追加されます。
大問は8つで、こちらも全ての解答が必須です。
注意点
3級の基本事項から拡張され、少し難しい概念が入ってきます。特に「ポインタ」という概念は慣れていない人にとっては難しいでしょう。
初心者からすると、プログラムを書く思考になるための最初の難関です。
プログラムは基本的に論理的な思考に基づいて書いていけば良いのですが、概念が少し変わっています。
プログラムの歴史からなるものですが、その概念を理解するのに少し時間がかかります。
ここでつまずいてプログラムの学習を諦める人もいるほどです。
プログラミングに慣れていない人なら特に、ここは時間をかけて慣れていくと良いでしょう。
「C言語プログラミング能力認定試験」1級
1級の難易度
難易度は一気に跳ね上がり、応用プログラム(言語処理系、ユーティリティなど)が作成できる能力が必要となります。
使用しているOSについても理解している事が問われます。
さらに実技試験(テーマプログラムの作成)があり、実際にパソコンを使用して入力を行い、コーディングします。
具体的に説明すると、公開されている1,700行程度のプログラムに「仕様変更」や「仕様追加」を行うというものです。
実際のコーディングからコンパイル・デバッグまでを実践し、変更仕様書の作成を行います。
1級は大問が2問で、こちらも両方の解答が必須です。
注意点
現実にコーディングからコンパイル・デバッグまでを行う1級。
そのため、自分のパソコンにもC言語をコンパイル・デバッグできる機能があるソフトウェアを使用する必要があります。
基本的には、簡単なプログラムなら日頃コーディングして身につけておくべきでしょう。試験当日だけ頑張ったところで急にできるようなものではありません。
できればこの資格試験のサーティファイが出版している過去問題集などを購入して、実際にコーディングすることで理解を深めることをおすすめします。
面倒くさがらず、全て最初からコーディングした方が早くコーディングも身につくはずです。
その後、問題にあるような仕様の変更や様式変更を行うと良いでしょう。
資格取得のメリット
就職に有利
「初心者にも『C言語プログラミング能力認定試験』はおすすめ」でも解説した通り、2級以上を取得すると履歴書に書くことができます。
つまり、エンジニアやIT企業への就職・転職に有利というわけです。
特に実務経験がない学生の人や、これからIT関連の会社への転職を考えている人にも、面接の場で大きな自己アピールができます。
「C言語」は現在も多くの企業で必要とされているので、習得しておいて損はありません。
「C言語」によるプログラミングの実力を客観的に証明できる
「C言語プログラミング能力認定試験」に限らず、資格とは取得した人の客観的な実力を証明できるものです。
「C言語プログラミング能力認定試験」の場合、C言語である程度のプログラミングができるスキルがあるという証明になります。
「実力がある」と口だけでアピールするのは、嘘でもできてしまうものです。
しかし資格を取得するのは、実際に相応の実力がなければできません。
これは就職だけでなく、フリーランスで自分を売り込む際や業務で他の企業とタッグを組む時にも有利になります。
学習方法
学習の方法として、3級と2級であれば他の資格試験と同じように、まずはテキストを覚えることが大切です。
そして過去問題をできるだけ多く解くようにしましょう。
多岐選択式マークシートなので、特に自分で考えて記述するわけではありません。問題の答えを解答群の中から探し出す形です。
とはいえ、どちらが正解か分からないような解答が必ず2つ以上あるので、油断して良いわけでもありません。
とにかく、日頃からコツコツとまじめに学習することが必要です。
またテキストを読むだけでなく実際にプログラムを入力し、自分の頭で考えることも必要になっていきます。
特に2級になると、その必要性がより多くなっていくでしょう。2級の学習時には1級を目指す勢いで学習しておくと後に繋がっていきます。
出来るだけ自分の手で入力する事です。コーディングの作業で手を抜くと、思わぬ落とし穴にはまる危険性があります。
この資格だけに限りませんが、プログラムの学習を本格的にするのならコーディング作業は手を抜いてはいけません。
独学におすすめの本の紹介
初めてプログラムの学習する人であれば、習得までには時間がかかることを覚えておいてください。
プログラミングスクールに通わず、独学で勉強するのであれば尚更です。
「C言語」そのものは独学で身につけることはできますし、「C言語プログラミング認定試験」に合格することも十分可能といえます。
とはいえ、やはり合格するにはしっかりと勉強しなければなりません。
学習する上で1番重要なのは、テキスト選びです。それも必ず3冊以上で学習しておくことをおすすめします。
1冊だけでは自分の感覚と合わない著者の本にあたってしまった場合、全く前に進まなくなってしまうからです。
また同じ内容でも表現の方法も異なってくるため、3冊ほど読むことによって理解出来る事が多々あります。
最初くらいは本代をケチらず、可能な限り多くの本に目を通した方が結局は早く習得できるものです。
「C言語」の本は星の数ほどたくさんありますが、ここではその中でも特におすすめの本をご紹介しましょう。
スッキリ分かるC言語入門
「スッキリわかるシリーズ」のC言語版となります。理解し辛い「ポインタ」や「配列」などを分かり易く図解で解説している本です。
C言語の入門書となっているので、初心者の学習にはかなりおすすめできます。
新訂:新C言語入門 新・標準プログラマーズライブラリC言語ポインタ完全制覇
これも入門書の1つですが、C言語を始めて人が陥りやすい「ポインタ」の概念を分かり易く解説した1冊です。
こちらはどちらかというと、入門書の次に読むのに適しているテキストとなります。
特に2級の学習をする前に読んでも良いかもしれません。
反対に入門書の時点で「ポインタ」の部分が理解できたのであれば、立ち読み程度でも良いくらいです。
改定版・C言語による標準アルゴリズム辞典
上級者向けの書籍です。1級を目指そうと思うのなら必読に数えられます。
特にアルゴリズムの解説書として読んでおきたい1冊です。
C言語プログラミング能力認定試験 過去問題集(サーティファイ)
「C言語プログラミング能力認定試験」を受験する上で、必須の過去問題集です。
できれば3回ほど繰り返して学習することをおすすめします。完全に覚えるくらい勉強すれば合格できるでしょう。
問題を見れば答えが頭の中に浮かんでくるくらい何度も繰り返しながら勉強するのがおすすめです。そうすれば合格も目前。
まずは覚える事が重要となります。完全に問題や解き方を覚えてから理解していくとスムーズに学習できます。
理解しようとしてから覚えようとする人が多いですが、それは意外と難しいです。
先に結論を覚えて「どうしてこの答えになるのか」を理解することで、理論や考え方が結びつきやすくなります。
特に1級に挑戦する人は、この順序を守っておくと合格が近づくでしょう。
まとめ
様々な角度から、「C言語プログラミング能力認定試験」について解説しました。
今やコンピュータの知識なしでは、どの職業でも活躍することは難しくなっています。
特にITの世界ならば、コンピュータという箱の内側で何が行われているのかを知っておくのは当然でしょう。
その最初の1段階として、「C言語」に挑戦することは多大な意味を持ち得ます。
「C言語」はプログラミング言語の中ではかなり古い部類に入る言語です。
しかし未だに需要は多く、またシンプルなので初心者にもおすすめできます。
「Ruby」や「Go言語」などのトレンドを追うのも良いですが、基礎として「C言語」から始めてみるのも良いのではないでしょうか。
実力を仕事につなげるためにも、まずは是非「C言語プログラミング能力認定試験」を受けてみましょう。