一般職とエンジニアでは採用面接の際に少し内容が違うのはご存知でしょうか。

そこで今回は、エンジニア面接のポイントを徹底解説していきましょう。


エンジニアの面接について

エンジニアやIT企業に限らず、最近の中途採用では会社に変化や新しい風を与えてくれるような人を採用したがるケースが多いようです。

会社に良い影響を与えてくれそうな人だと思わせる面接をすることが採用の近道といえるでしょう。

また、面接で聞かれることのほとんどは、「何ができるのか・何をしてきたか」に集約されています。

奇をてらうような質問は普通の企業ではほとんど出ないといっていいでしょう。

以上のことを踏まえて、具体的に想定質問と回答例をご紹介していきます。


志望動機について

転職の面接でも新卒の面接でも、志望動機についての質問は鉄板です。

必ずされる筆問だからこそ、ポイントを押さえた回答が必要になります。


質問と意図

「弊社を志望した理由を聞かせていただけるでしょうか。また、どんなところに興味を持ちましたか?」

このベーシックな質問に対しては、万全の準備が必要になるでしょう。

というのも、面接官もこの手の質問の回答は聞き慣れているからです。

ここではなぜこの会社でなくてはいけないのかが重要になります。

どの会社にも当てはまるような回答では採用は見送られると心得ておきましょう。

面接では面接官に一緒に働きたい!と思わせることができれば採用が決まります。

そう思わせるには、具体性のある志望動機が必須といえるでしょう。


回答事例

具体性のある志望動機にするためには面接する企業の特徴をとらえて、そこに沿った回答を行うのがベストです。

企業の特徴というと、事業展開・拠点(海外・国内)・規模・雰囲気や社風・力を入れている事業が当てはまります。

そこにプラスして、自分が活躍したい場所・自分のキャリアプランなどを盛り込んでいきましょう。

「御社の○○という事業に携わりたいと思い志望いたしました。

またグローバルな活躍を目指しており、御社のシンガポール展開や多国籍な人材を採用している社風や環境にも共感しています。

まだ小規模ベンチャーではありますが、幅広い開発に携われることも自分のキャリアプランに合っていると感じます。

将来はフルスタックエンジニアのように幅広く知識と技術力のあるエンジニアを目指しています。

累計6000万DLを誇る実績のある御社なら、自分の目指している目標と一致しているため志望させていただきました。」

というように、企業の具体性のある特徴を盛り込むことで説得力がアップします。

また、企業についてしっかり理解して志望していることが伝わるような動機にすることが大切です。


キャリアビジョンについて

キャリアビジョンについての質問も必ずといっていいほど面接で登場します。

自分の目標を持っているのか、仕事への志を問われる質問ともいえるでしょう。


質問と意図

「あなたの5年後、10年後ビジョンについて聞かせてください。」

というように、3年後・5年後・10年後どのようなキャリアビジョンを描いているか質問されます。

この質問の意図は、あなたに明確な目標があるかを問うと同時に会社へどのように貢献するのかという質問です。


回答事例

こちらも漠然とした回答よりも、より具体的で明確なスキルや経験の目標を提示することが求められます。

質問に具体的な数字がなくても、回答するときに直近・中期・長期のビジョンを話せるようにしておきましょう。

企業側のビジョンとあなたの描いているキャリアが一致しているかが重要です。

企業で働いている具体的なイメージができないと答えられない質問なので、企業を詳しく理解することが重要といえるでしょう。


スキルアップについて

エンジニア特有の質問に入るスキルアップについての質問も重要視されています。


質問と意図

「今後のために取り組んでいることはありますか?」

企業側と同じような分量で「プログラミングの勉強をしています」という回答ではもったいないです。

エンジニアやプログラマは技術力の後進が常に要求されます。

だからこそ、エンジニアやプログラマとしての素質を問われる質問でもあると心得ておきましょう。


回答事例

この質問に対しては、取り組んでいる勉強について詳しく語るべきです。

現在プログラミングの勉強をしているのであれば、プログラミングの中でも何の言語でどのように勉強しているのか。

具体的に回答するのがベストであるといえます。

どのような書籍やツールを利用しているのか、何に役立つのかも一緒に回答できるといいでしょう。

勉強している内容が企業の方向性と一致していることも大切です。

また、現在勉強できていなかったとしても、今後どのように取り組んでいくかを話しましょう。

学習意欲が高いことを評価されるので、スキル習得に意欲的であることが伝わるような回答を心がけるべきです。


会社への貢献について

企業にとって、あなたか会社にどのような影響を与えてくれるのかは関心のあることです。

会社への貢献についての質問や回答のポイントをご紹介していきましょう。


質問と意図

「弊社に入社していただいた場合、どのように活躍していきたいといったイメージはありますか?」

この企業への貢献について聞かれる質問では、企業と応募者のギャップがないかを確認しています。

あなたが企業でしたいことが問われているので、この回答を聞けば企業の業務内容を理解しているかも知ることが可能です。


回答事例

この質問には、自分の経験やスキルを活かしてどのように貢献できるのかをアピールしましょう。

また、企業の業務や方向性を理解していないとズレた回答になってしまうので、企業についても理解が必要です。

自分のエンジニアやプログラマとしての強みをアピールし、企業の方向性と紐づけることでベストな回答となります。

自分の今までしてきた業務や経験に基づいた回答の方がより説得力があるでしょう。

また、新しい仕事へも挑戦する意欲も伝えることもおすすめです。

自分の経験ばかりアピールすると、それ以外のことに興味がないと思われてしまうこともあります。

強みをアピールしつつ、企業で新たに携わりたい業務についても考えておきましょう。


性格面での強みと弱みについて

性格面での強みと弱みも面接で必ずといっていいほど登場する質問です。

質問が想定されるからこそ、これらの質問には万全に回答できるようにしておくべきでしょう。


質問と意図

「あなたの長所と短所を教えてください。」

この質問は鉄板でありながら、いつの時代も応募者を悩ませている質問です。

質問の意図はというと、客観的に視点を持っているか自分を把握しているかが問われています。

短所については、どのような改善策を行っているかが注目されるでしょう。


回答事例

長所について回答するときには、あなたの長所がどのように企業に良い影響をもたらすのかを踏まえて回答するべきです。

本当の長所を答えることもいいですが、面接ではすべてに意図をもって回答するべきでしょう。

だからこそ、長所も企業へどのようなメリットがあるのかをイメージさせる具体的な回答がおすすめです。

長所だけ答えるのではなく、その長所をどう活かしているのかも一緒に回答しましょう。

長所を伸ばすことで今後の活躍が期待できることを想像させるような回答がベストになります。

エンジニアであれば、学習意欲や探求心などをイメージさせる長所がいいのではないでしょうか。

短所に関しては、自身への理解度を図る質問といえます。

また、短所をどのように改善しているのかをセットで回答することが一般的です。

そのため、論理的な思考などを見極める質問でもあるといえるでしょう。

面接官は短所をそれほど重要視していません。それよりもどう努力しているのかなどの改善策に興味があります


実際の業務を想定した質問

こちらはエンジニア特有の質問内容といえます。

エンジニアの採用面接を受けるなら、しっかり準備しておく必要があるでしょう。


質問と意図

「あなたの担当業務に問題が発生しました。その原因が特定できない場合、あなたはどのように対処しますか?」

というような質問が1番多いとされています。

他にも、企業が開発しているシステムを導入する場合の重要なことなどを聞かれることもあるようです。

これらの質問の意図は、あなたの技術力や論理的な思考・問題解決能力を判断しています。

実際の業務に関しての対処法や手順などを質問される場合もあるようです。


回答事例

この質問に対する回答は、エンジニアの採用面接で最も重要な判断材料になることは間違いありません。

どのように回答するのがベストなのかというと、具体例を挙げて回答することです。

最初の質問では不具合の原因がわからないことが問題でした。

しかし早急な対応が求められているので、原因究明の手順が求められているということでしょう。

そのため「まず○○の不具合を疑い○○の…」というように、不具合の特定の手順や初期不具合の対処法を回答します。

この不具合の原因は誰も知らないのですから、正解を求められているわけではありません。

冷静な判断力と基礎知識が問われているといえるでしょう。

また、具体的なシステム導入のメリットについては、論理的な思考と知識が求められています。

企業が携わっているシステムに関しても十分に把握しておく必要があるでしょう。


エンジニア面接で好印象を与える逆質問

面談が一通り終わると、必ず面接官から「何か質問はありますか?」と聞かれるでしょう。

企業によってはこの逆質問を重視している企業もあるほどです。

また、この逆質問は企業が自分に合うか知るためのチャンスでもあり、興味関心をアピールする場でもあります。

質問をしないと関心がないと思われてしまうので、逆質問は必ずしておくべきでしょう。

この逆質問は事前に用意していたことをアピールするためにも、メモを持参することもおすすめです。

逆質問は面接の内容と重複しないためにも5~6個は準備し、その場に応じて適切なものを2~3個質問しましょう。


未経験者の場合

エンジニア未経験者の場合には、エンジニアの仕事の流れや働き方に関する質問がおすすめです。

「御社エンジニアの1日、1週間の仕事の流れを教えていただけますか?」というような質問がいいでしょう。

残業について知りたい場合でも、仕事の流れを聞くことで把握するという意図もあります。

また、「御社で成果を出している社員の特徴はありますか?」などのように意欲的な質問も好印象でしょう。

勉強しておくべきことやおすすめの勉強方法などを聞くのもいいかもしれません。

未経験のエンジニアであれば、前向きでポジティブな質問やエンジニアについての質問がベストといえます。


経験者の場合

エンジニア経験者の場合は、未経験よりも的を得た質問が求められるでしょう。

「配属される部署のチームの課題や目標を教えてください」など、既に入社を想定した質問も好印象です。

また、目標などを聞いておくことで入社後にギャップを感じてしまうことも防げるメリットがあります。

社長面接などの場合には、仕事に対しての志などに関する質問が歓迎されるでしょう。

社風や企業の特徴で押していることなど、どのように根付かせていったのかなど。

企業が大切にしていることについての質問をすることで、好印象を与えることができるはずです。


面接官が評価しているポイント

面接官も1人の人間であり、完璧ではありません。

だからこそ、あなたの人柄や質問に対して誠実に回答しようとする姿勢を1番重視しているといえます。

とはいうものの、しっかりと企業を理解していることが前提です。

そのため、あなたが企業へ入社したい想いが何より伝わるのが面接といえるでしょう。

自分のビジョンを生き生きと話す人に人は心を動かされます。

自分がワクワクするようなビジョンが面接官に伝わるかが評価されるといっても過言ではありません。


エンジニアの面接で大切なこと

面接はミスマッチを防ぐことや、企業側が一緒に働きたいと思える人材であるかを見極める場です。

エンジニア面接に限らず、自分が面接官だったら自分を採用したいと思えるか?がとても大切なことといえます。

そのことを踏まえて面接の回答を準備すると、いつもとは違う景色が見えてくるのではないでしょうか。

また、その場だけ自分を良く見せようとしていても見透かされてしまいます。

あなたらしさを出すことこそが、面接を通過するために大切なことかもしれません。