退職前後にやることを徹底解説!円満退職のためのスケジュールは?必要な保険や年金・税金の手続きをリスト付きで詳しく紹介!
現在会社勤めをしていて退職を検討されている方、あるいは既に退職をされた方のなかで、退職の前後ですべき手続きについて不安を感じている方や、何をすれば良いのかがわからないという方もいらっしゃるかと思います。
これから退職を予定している方にとっては、退職を決めたらなるべく会社に迷惑がかからないように計画を立てた上で、早めに退職の準備を進めることが円満退職の基本となります。
退職前の準備は日常の業務と並行して進めることになるため、なるべく余裕をもって段取り良く行いたいものです。
また退職後の手続きについても、「何を」「いつ」「どのように」すればよいのかをなるべく退職前に整理した上で準備をしておくことで、スムーズに手続きを進めることができます。
そのため今回は、保険や年金・税金などの手続き含め、退職の前後にやることをスケジュールも含めてリスト形式にして解説いたします。
退職前後でやることを詳しく知りたい方にとって、本記事が参考となれば幸いです。
はじめに
今の職場を退職しようと決めて退職の準備に取り組もうと思っていても、日々の業務に追われて何から手を付けたら良いかが分からなくなりがちです。
しかし、気持ちよく円満退職で送り出してもらうためには、退職前にしっかりと準備して真摯に取り組んでいくことが大事です。
そのため、まずは退職に際してやらないといけないことを整理しておきましょう。
また退職後にも、失業保険や健康保険、年金、住民税、所得税などの手続きが待っています。
退職の前後でやらなければならないことは多くあるため、一つずつ解説していきます。
退職前後にやることをリストアップ
会社を辞めてしまえば、今抱えている仕事からは解放されます。
その一方で、退職後には保険や年金・税金についての確認や手続きなど、やらなければならないことがたくさんあります。
退職を考えて行動に移す前に、まずは退職前後にやるべきことを事前にリストアップしておけば、その後の手続きがとてもスムーズになります。
作成したリストをもとに、希望の退職日に向けてスケジュールを立てましょう。
退職前にやることリスト
退職前にやることは以下の通りです。
- 退職後の計画を立てる
- 退職意思を勤務先に伝える
- 退職日の調整
- 退職届の提出
- 業務の引継ぎや挨拶
- 最終出社
退職前にはまず、退職後の計画を立てた上で、どのように退職の意思を伝えるのかということや、退職の時期について検討します。
また、現在自分が担っている役割・業務を担当することになる方への引継ぎも重要です。
その方への引き継ぎをしっかり行うことが、円満退職のための大きなポイントとなります。
また、今までお世話になった取引先への挨拶や、担当者の変更についても退職前にしっかりとお伝えすることも大切です。
同じ業種で転職する場合はもちろんのこと、どこでまた仕事で関係のあった方たちと出会うかは分かりません。
退職前後でもきちんとした対応をしておくことで、社会人としての信頼を保つことができ、その後の社会人生活にとってもプラスとなるでしょう。
最後に、退職までには個人情報に関わるものや、会社より貸与されていたものは返却しなければなりません。
退職後にやることリスト
退職後にやることは以下の通りです。
- 失業保険の給付手続き
- 健康保険の変更
- 年金の変更
- 住民税の支払い手続き
このように、退職をした後にもやらなければならないことはたくさんあります。
退職後は、今まで使用していた保険証は使用ができなくなり、健康保険や年金、税金についてもどのように支払えば良いのかについても考えなければなりません。
また、退職後すぐに新しい仕事を始める方とある程度のブランクを設ける方とでは、その後の手続きの方法も変わってきます。
このように、退職の後にも多くの手続きや考えなければならないことがあるので、揃えておかなければならない書類や手続き窓口については退職前にある程度調べてまとめておきましょう。
それでは、退職前後の流れについて詳しく解説していきます。
退職後の計画を立てる
まずは、退職後の大まかな計画を立てるところから始めましょう。
特に、大きく分けて「退職前に次の仕事や転職先を決めておくパターン」と、「退職後に落ち着いて転職活動を始めるパターン」の2つのパターンがありますので、どちらを採用するかを決めましょう。
また、現在の勤務先を退職する場合、その後にフリーランスや起業などで独立する方もいらっしゃると思いますが、新たな会社に転職する方が多くを占めるでしょう。
そこで、まずは転職活動におけるポイントについてご紹介します。
もし、退職後にはITフリーランスとして独立することを検討されているという方は、ぜひITフリーランス専門のエージェントである私たちtoiroにご相談ください。
転職活動について
現在の勤務先の退職を決めて転職先を探す場合、多くの場合には転職活動が必要となります。
転職活動は、活動を始めてから次の職場に入社するまでには大体3か月程の期間を要します。
それを踏まえて転職先を探しながら情報収集を行い、「応募」と「面接」をこなしていかなければなりません。
4社・5社と受けても内定が決まらない場合もありますので、その場合の事も考えておかなければなりません。
転職活動を在職中に行う場合と、退職後に行う場合のいずれの場合にもメリットとデメリットがありますので、こちらでご紹介します。
退職後に転職活動を行う場合
メリット
- 時間に余裕があるので、情報収集をしっかりすることができ、希望の職への転職活動に専念できる
- 勉強などを通じて、新たなスキルを身に着ける時間を持つことができる
デメリット
- 退職後は収入が途絶えるので、その間の生活資金の準備が必要となる
- 想定以上に失業期間が長引くと、焦りやストレスが生まれ転職活動に悪影響を与える
- 退職後の手続きを全て自分で行わなければならない
このように、転職活動への時間をしっかりと確保できることから、より希望する会社や職種、条件での転職がしやすいというメリットがあります。
一方で、仮に失業期間が想定以上に伸びてしまうと金銭面や精神面での負担が増してしまい、リスクを取ったにも関わらず希望の転職先に転職できず、メリットを享受できない可能性もあるというデメリットもあります。
退職前(在職中)に転職活動を行う場合
メリット
- 失業期間がないため、収入が途絶えることなく転職活動を行うことができる
- 転職によって必要な手続きの一部を転職先で担当してもらえる
デメリット
- 在職中の業務と並行して転職活動を進めることになるので、転職活動に専念できない
- 急ぎの求人や応募先の理由によっては入社に不利となることがある
何よりも大きなメリットとしては、転職活動中も給料が得られることや、退職後にすぐ次の職場へ移ることができるので金銭的なリスクが無いことでしょう。
一方で、在職中は職場での引継ぎ業務などと並行することとなるので、転職先を検討する時間は多少限られることになります。
このように、退職後に転職活動を行うケースと退職前に転職活動を行うケースにはそれぞれのメリット・デメリットがあります。
ある程度金銭的なリスクを許容できるのであれば退職後に、可能な限り金銭的なリスクを減らし、また退職後にすぐに転職先で働き始めたい場合は退職前に行うのが良いでしょう。
なお、退職後に転職活動を行いたいという方は、失業保険の制度利用を検討しましょう。
勤務先に退職意思を伝える
退職後の計画を立て、退職意思が固まったら、まずは勤務先に退職意思を伝えましょう。
この際、まずは自分の直属の上司に退職意思を伝えることが原則となります。
退職する上でのまず第一歩となる「退職の意思を伝える」ということは、とても勇気のいることです。
しかし、上司にとっても早い段階で退職意思を伝えてもらうことで、あなたの退職後の体制や業務分担を考えはじめることができるため、その後の仕事への影響を小さくすることができます。
そのため、退職の意思を固めたらまずは上司に早めに意思を伝えるようにしましょう。
この際に「退職願」として書面で提出するケースと口頭で伝えるケースがあります。
会社に慣例やルールがある場合はその方法がベターですが、特に慣例やルールが無い場合はどちらの方法でも構いません。
退職日の調整
労働基準法によれば、退職希望日の2週間前には退職の意思表示をすることと定められています。
しかし、実際には仕事の引継ぎなども加味し、目安としては3か月前から遅くとも1か月半前までには退職意思を伝えるようにしましょう。
もし、就業規則内に退職の申し出についての記載がある場合は「就業規則を基準」に考えます。
その後、業務のスケジュールなどを鑑みながら、引き継ぎ期間や残りの有休日数などを計算し上司と一緒に退職日を決定します。
退職届の提出
退職の意思が受理されたら、「退職届」を記載し提出します。
退職届については、インターネット上にたくさんのテンプレートがありますので、それらを参考にするのも良いでしょう。
自己都合による退職の場合は、退職届を必ず会社に提出しなければなりません。
上司を含め、必要な部署などと事前に退職の話を進め、正式に退職が決まった後に基本的には直属の上司に提出します。
退職届と退職願の違いとは
退職届も退職願もいずれも退職の意思を表示したものという点では同じです。
しかし、書類を出すタイミングでどちらにするのか考えて区別することが必要です。
「退職届」はすでに退職が認められた後に提出する書類であり、事務手続き上の理由から提出が必要な書類です。
一方、「退職願」はこれから退職したいという意思を伝える目的で提出する書類です。
具体的にいつ労働契約を解除したいと強く申し出る場合などがこれにあたります。
業務の引き継ぎや挨拶
「立つ鳥跡を濁さず」と言われるように、立ち去る場所をしっかりと整理しておくことは大事なことです。
退職する側も送り出す側も、お互いが気持ちの良い状態になることが円満退職する上で重要です。
取引先や日頃お世話になっている方への挨拶
日頃お世話になっている方や取引先関係者などへの挨拶を通じて、退職時期や引継ぎ先などを周知します。
その際には、できる限り後任者も同行する形で退職前に紹介をしておくと、その後の安心感や信頼感にもつながるのでおすすめです。
もし業務の都合で直接挨拶へ出向けない場合は「挨拶状」や挨拶のメールを送ることで、退職の旨と担当者の変更を伝えしましょう。
また、後任者へは今までの自分の業務についてまとめた引継ぎ書類を作成して渡します。
同時に、引継ぎに使用しない必要のない書類は基本的には全て処分することになります。
この際に「機密となる社内の書類を誤って持ち出してしまっていた」ということがないように注意が必要です。
後任者向けに作成した引継ぎ書類には、一緒に業務に関係する方々の人柄や特徴などについても添えておくと親切です。
ここまでを退職前に終えて、最終出社を迎えましょう。
最終出社日およびそこに至る日までに、返却するものやう受け取るものがあります。
数が多いので、続いて詳しくご紹介していきます。
退職時に返却するもの・受け取るもの
退職時には、返却するものと受け取るものがあります。
これらが退職時に漏れていると、再び会社とやり取りをしなければならないことになります。
お互いに不便を生じるので、退職する時には必ず漏れがないかを事前に確認するように注意しましょう。
退社時に返却するもの
- 健康保険証被保険者証
- 名札・制服、身分証明書
- 会社の費用で購入した書類・書籍・備品類
- 通勤定期券
- 個人情報にあたる書類やデータ類
退社時に受け取るもの
- 離職票
- 源泉徴収票
- 年金手帳と雇用保険被保険者証 ※会社保管の場合
「退社時に受け取るもの」は、雇用保険の失業給付金の手続きの際や次の職場に提出する必要があるものです。
事前に担当者に確認を取っておき、必ず忘れずに受け取るようにしましょう。
ここまで、退職日までの流れに沿って退職前の手続きについて解説してきました。
スケジュールを確認しながらしっかりと行うことで、双方にとって気持ちよく退職することができます。
ここからは、退職することで変わる保険や年金・税金について説明していきます。
退職後すぐに新しい会社で働く場合は必要ないこともありますが、転職活動をしばらく行う場合は全て自分で手続きをする必要がありますので注意しましょう。
必ず申請のための窓口や、手続きの方法について事前に確認しておきましょう。
失業保険の給付手続き
退職後にも転職活動が続いていれば、生活を支える大事な資金となるのが「失業給付金」です。
この手続きをしておかなければ、収入の無い状態が続いてしまいます。
なお、離職した理由によっては、給付制限期間が設けられることもあります。
そのため、退職前に失業給付金制度についてもしっかりと理解しておかなければ、見込んでいた失業給付金が得られないといった事態にもつながってしまうため注意が必要です。
提出期間と給付までの流れとは
失業保険の給付申請の提出期間は「離職票を受け取り次第、できるだけ早めに」となっています。
また、失業保険の給付申請をするためには条件があります
- 現在失業状態であり、退職日までの2年間に雇用保険加入期間が通算12ヶ月以上あること
- 職業安定所(ハローワーク)に求職の申し込みを行っていること
以上の条件を満たしている必要があります。
また、失業給付金は解雇や倒産などの「会社都合」なのか、転職などによる「自己都合」なのかによって給付額や給付までの期間に違いがあります。
また、給付額は退職日までの直近6カ月間の賃金によって計算されます。
失業給付申請に必要な書類
申請時に必要な書類は以下の通りです。
- 雇用保険被保険者証
- 離職票1と2
- 身分証明書(運転免許証など)と印鑑
- 直近3カ月以内の証明写真2枚
- 失業保険金受け取り用の普通預金通帳(本人名義のもの)
これらの書類を揃えて給付の申請をします。
「自己都合」による退職の場合は、申請後「7日間の待機期間」が必要です。
その後、2週間後に指定される日の説明会や認定日には必ずハローワークに出向く必要があります。
また、給付認定を受けてからも「3か月の給付制限」があります。
実際に給付金が振り込まれるまでに「3か月半程の時間」を要するので注意が必要です。
健康保険の変更
まず、退職後に加入できる健康保険には3種類あります。
それぞれの保険について説明していきます。
任意継続被保険者保険
退職後も今まで使用していた健康保険を使用することが可能です。
条件として「被保険者であった期間が2か月以上あること」と「2年間を限度として加入すること」となっています。
- 健康保険任意継続被保険者資格取得申出書
- 1か月分の保険料
- 住民票
- 印鑑
申請の期間は「退職から20日以内」となっており、「会社か健康保険の組合」に必要書類を準備し申請します。
国民健康保険
国民健康保険は「退職日から14日以内」に「居住地のある市町村の窓口」に必要書類を持参して申請をします。
- 健康保険資格喪失証明書
- 各市町村で定められた届出書
- 身分証明書と印鑑
国民健康保険に加入した場合は、任意継続保険と違って「傷病手当給付金」の支給は無くなるので注意が必要です。
家族の扶養
親や配偶者の保険証に扶養家族として加入する方法もあります。
扶養家族として追加申請してもらうように、勤務先で手続きをしてもらいます。
- 被保険者と別性の場合は世帯全員の住民票
- 源泉徴収票
- 退職証明書または離職票の写し
- 失業保険や年金など受給しているものがある場合は、受領金額のわかるものの写し
扶養者の認定について制限がある場合もあるので、申請をする前に加入先に事前確認が必要です。
退職後にフリーランスを検討される方は、フリーランスが入れる健康保険について紹介しているこちらの記事もぜひご参照ください。
フリーランスが加入できる健康保険とは?健康保険の種類と保険料の節約方法について詳しく紹介
年金の変更
会社で務めていた時には「厚生年金」へ加入していましたが、退職とともに喪失します。
年金も自分で切り替えのための申請し、失業期間中も支払っていく必要があります。
国民年金の被保険者には第1号から第3号までありますが、退職後の加入は「第一号」か「第三号」となります。
第一号被保険者に切り替え
「退職後14日以内」に「市町村窓口」にて手続きを行います。
- 年金手帳
- 離職票または退職証明書
- 身分証明書と印鑑
通常はこの第一号被保険者へ切り替えをして、その後も国民年金を支払っていくようになります。
ですが、一定の条件を満たしている場合は第三号被保険者への切り替えも可能となります。
第三号被保険者に切り替え
申請期限はありませんが「できるだけ早め」に、「家族の勤務先の担当者」へ申請をします。
- 国民年金第3号被保険者該当届
- 被保険者と別性の場合は世帯全員の住民票
- 源泉徴収票
- 退職証明書または離職票の写し
- 失業保険や年金を受給しているものがある場合は、受領金額の分かるものの写し
家族の扶養として加入できる保険があって、「被保険者が第二号であること」と「退職者が年収130万円未満であること」という条件がつきます。
住民税の支払い手続き
「退職の月」や「退職後すぐに職につくのか」によって、対応の方法が変わってきます。
すぐに仕事に就く場合は、今までの通り給与から天引きされる「特別徴収」で新しい職場で手続きができます。
転職活動のための失業期間がある場合は、退職する会社で「普通徴収」に切り替えます。
6月~12月に退職する場合
退職月までは給与から徴収され、その後は自分で納めるようになります。
その場合、退職する会社で「普通徴収」への切り替えの手続きをしてもらいます。
会社から退職後の住民税の納付方法について確認がない場合は、自分で申し出をしましょう。
1月~5月に退職する場合
前々年の住民税の5月分までを一括で給与から徴収されるようになります。
天引きされた月の給与が大幅に少なくなる場合があります。
また、退職する月によって天引きされる金額が違ってくるため事前に確認しておく必要があります。
まとめ
「円満退職」と「退職前後でやらなければならない手続き」をキーワードに解説しました。
退職やそれに伴う転職活動、さまざまな手続き、さらにその後は新しい職場での仕事と、退職や転職は体力とともに精神的にもとても大変なものです。
少しでも気持ちを楽にして負担の少ない退職・転職ができるように、一連の流れや各制度、手続きの窓口などについて事前に把握してスムーズに活動を進めましょう。
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