インフラエンジニアが取得しておくべきおすすめの資格と難易度を解説!未経験者におすすめの国家試験と勉強方法のポイントとは?
今回はインフラエンジニア向けのおすすめ資格と難易度をご紹介します。
未経験者に必要な知識や取得すべき国家資格と勉強方法も解説していますのでインフラエンジニアになることを検討している方もぜひ参考にしてみてください。
インフラエンジニアとは
広義でインフラとは生活に必要不可欠な施設や設備を指し、私たちの生活を支える基盤のことです。
IT業界でのインフラはハードウェアやインターネット、データベースやOSを意味し、ITインフラが不十分な状態にあるとウイルスに感染しやすかったり台風や地震などの災害の際に情報が消失したりするリスクが高まります。
普段使用しているPCや携帯が正常に動作するのはITインフラが整っているためです。
日常生活で使用しているWebサイト、クレジット決済、ETCなどのサービスの基盤となっているITインフラを整えるのがインフラエンジニアになります。
インフラエンジニアの業務内容
インフラエンジニアの主な業務内容はITサービスの基盤であるITインフラをどのように設計していくかをクライアントと連絡を取りながら決定することからはじまります。
これは最終的なクライアントの満足度に影響していく重要な業務です。
そして使用機器や構成、設定などの運用環境を決定して設計工程の内容に沿って実際に使用機器を調達し、ITインフラを構築していきます。
次に構築したITインフラが実際に設計通りに動作するのかをテストしてクライアントの要望を満たしていることを確認を行い、稼動したITインフラに問題が発覚した場合には原因を調査し解決策を導き出し、正常に動作するように改善していくのがインフラエンジニアの仕事です。
インフラエンジニアが使用する機器
インフラエンジニアが使用する機器として、代表的なものが6つあります。
- ルータ: データを通信する際に使用する機器
- スイッチ: 使用する機器を切り替えを行う
- サーバー: サービスを提供するコンピュータ
- ロードバランサー: サーバーへの負荷を分散する機器
- ファイアウォール: ネットワーク通信を許可または拒否するシステム
- ストレージ: データの保管場所
インフラエンジニアに必要なスキル
ネットワーク•サーバースキル
ITインフラを構築する際には複数の機器を接続していきます。
それぞれの機器の用途や性能、サーバーのOS、セキュリティや負荷分散の方法などの基礎知識がインフラエンジニアには必要です。
プログラミングスキル
インフラエンジニアにも当然プログラミングの知識が必要です。
ユーザーからコマンドによる命令が出された際、その命令を処理し実行するカーネルと呼ばれるものがあります
カーネルはユーザーが出した命令を解読することはできないためシェルスクリプトによってカーネルが解読できるようにコマンドを列挙しなければなりません。
そのためインフラエンジニアにはシェルスクリプトを使いこなせることが求められます。
インフラエンジニアはサーバーのセットアップなどをプログラミング言語を用いて行うためPerl、Ruby、Python、PHPなどの軽量プログラミング言語に関する知識も必要です。
国家資格とベンダー資格
国家資格とは
法律に基づいて国や国から委託を受けた機関が実施する資格が国家資格です。
試験を合格した有資格者は知識や技術が一定水準以上に達していることを国によって認定されます。
取得は困難ですが国から職業的な地位を保障され、社会的な信用度も高い資格です。
インフラエンジニア向けの国家試験はIPA主催で実施されています。
ベンダー資格とは
ベンダー資格は企業が自社で開発したIT関連製品についてそのユーザーが適切な操作技術や管理技術を所有しているかを企業独自の基準で審査する資格です。
後述しますがインフラエンジニアにとっても有益なベンダー資格がいくつか存在します。
国家資格とベンダー資格の違い
国家資格とベンダー資格には資格を国が出しているのか企業が出しているのか以外の違いがあります。
その違いのひとつが国家試験は有効期限がないのに対して、ベンダー資格には有効期限が設けられている点です。
ベンダー資格は製品に関する資格のため製品がアップデートされて新しくなるにつれ過去の製品知識が不要になっていくため有効期限が設けられています。
またベンダー資格は製品に関する資格のため即戦力にはなるのですが、他の製品への応用が効かないデメリットも存在します。
それに対して国家試験は特定の製品に特化しない知識に関する資格のため、幅広い知識が得られ特定の製品にとらわれない柔軟性もメリットとなるでしょう。
インフラエンジニア向けの国家資格
インフラエンジニア向けの国家試験には以下のようなものがあります。
ITパスポート: 難易度1
職業人が共通に備えるべき情報技術の基礎知識を測るための試験です。
情報処理安全確保支援士: 難易度3
サイバーセキュリティに関する専門的な知識を問う内容の試験です。
情報処理技術者試験: 難易度2
情報システムの企画・要件定義・開発・運用・保守において、情報セキュリティポリシに準拠してセキュリティ機能の実現を支援し、又は情報システム基盤を整備し、情報セキュリティ技術の専門家として情報セキュリティ管理を支援する能力を認定する資格です。
応用情報技術者(AP): 難易度3
コンピュータおよびITに関する応用レベルの知識と技能を確かめる試験です。
情報セキュリティマネジメント(SG): 難易度3
情報セキュリティマネジメントの計画・運用・評価・改善を通して組織の情報セキュリティ確保に貢献し、脅威から継続的に組織を守るための基本的なスキルを認定する試験です。
データベーススペシャリスト(DB) : 難易度4
データベースに関係する固有技術を活用し、最適な情報システム基盤の企画・要件定義・開発・運用・保守において中心的な役割を果たすとともに、固有技術の専門家として、情報システムの企画・要件定義・開発・運用・保守への技術支援の能力を認定する資格です。
エンベデッドシステムスペシャリスト(ES): 難易度5
組込みシステム開発に 関係する広い知識や技能を活用し、最適な組込みシステム開発基盤の構築や組込みシステムの設計・構築・製造を主導的に行う能力を認定する資格です。
プロジェクトマネージャ(PM): 難易度5
システム開発プロジェクトの責任者として、プロジェクト計画を立案し、必要となる要員や資源を確保し、計画した予算、納期、品質の達成について責任を持ちプロジェクトを管理・運営する能力を認定する資格です。
システム監査技術者(AU): 難易度4
被監査対象から独立した立場で、情報システムや組込みシステムに関するリスク及びコントロールを総合的に点検、評価し、監査結果を報告し、改善などを行うための資格です。
ネットワークスペシャリスト(NW): 難易度4
ネットワークに関係する固有技術を活用し、最適な情報システム基盤の企画・要件定義・開発・運用・保守において中心的な役割を果たすとともに、固有技術の専門家として、情報システムの企画・要件定義・開発・運用・保守への技術支援技術者の能力を認定する資格です。
システムアーキテクト(SA): 難易度4
IT ストラテジストによる提案を受けて、情報システム又は組込みシステムの開発に必要となる要件を定義し、それを実現するためのアーキテクチャを設計し、情報システムについては開発を主導する能力を認定する資格です。
ITサービスマネージャ(SM): 難易度5
情報システム全体について、安定稼働を確保し、障害発生時においては被害の最小化を図るとともに、安全性と信頼性の高いサービスの提供を行う能力を認定する資格です。
ITストラテジスト(ST): 難易度5
組込みシステムの企画及び開発を統括し、新たな価値を実現するための基本戦略を策定・提案・推進する能力を認定する資格です。
未経験者におすすめの国家資格
国家資格といってもその種類は非常に多いことが分かります。
試験の難易度もそれぞれで異なっているため、ここではインフラエンジニアが取得すべき未経験者にもおすすめの国家試験を2つみていきましょう。
ITパスポート
ITパスポートは難易度1であり初めて取得する資格としては最も取り組みやすい資格となります。
また得られる知識もインフラエンジニアにとって非常に有益なためおすすめの国家資格です。
試験概要
試験は四肢択一100問、試験時間は165分、1000点満点で行われます。
一般的に合格基準は600点以上です。
100問を165分で解くため単純計算で1問あたりに費やすことができる時間は約90秒となります。
勉強方法
難易度は国家資格の中では低くなっているため未経験者の場合でも勉強時間は3~4ヶ月ほどあれば十分です。
具体的な勉強方法としてはITパスポート用の参考書を読み込み問題集を解き、間違った問題の内容を参考書で復習して確認します。
問題を解いて間違えた問題を復習するという作業を繰り返していき、分からない問題を減らしていくことがITパスポートの効率の良い勉強方法です。
ある程度の知識が定着してきたら時間も意識して問題演習をして、試験を意識した勉強を行うことをおすすめします。
1問に費やせる時間は約90秒と長いようで短いので時間管理の習慣をつけておきましょう。
基本情報処理技術者
基本情報処理技術者は難易度2で、ITパスポートに比べると難易度は高いものの国家資格の中では難易度の低い試験となっています。
こちらもインフラエンジニアとしてキャリアを積み上げていくなら確実に取得しておきたい国家資格です。
試験概要
試験は午前と午後に分けて実施されます。
午前は四肢択一80問、午後は多肢選択式13問中7問解答方式で試験時間は午前、午後とも150分100点満点です。
一般的に合格基準は6割以上といわれています。
勉強方法
基本情報処理技術者の試験はITパスポート同様に参考書と問題集を使って独学で学ぶことも可能ですが、難易度がITパスポートに比べて高くなってるためスクールや通信教育を受講するのが効率が良い勉強方法となります。
専門の講師に教えてもらい講義後に自分で問題集を解き、間違えた問題を復習するサイクルを作るのがおすすめです。
基本情報処理技術者も未経験者の場合で勉強時間は3~4ヶ月ほどあれば十分といわれています。
短期間で習得できる内容のためスクールや通信教育の費用もそれほど高くならないでしょう。
参考書をたくさん購入するよりは確実性もあります。
インフラエンジニア向けのベンダー資格
インフラエンジニア向けのベンダー資格も確認していきましょう。
おすすめのベンダー資格には以下のようなものがあります。
マイクロソフト認定試験
マイクロソフト社が主催するマイクロソフトの製品に関する知識と技能を認定すること試験です。
Oracle認定Javaプログラマ
米Oracle社が主催するJavaの知識と技能を認定する試験です。
ORACLE MASTER
日本オラクル社が定めるデータベース認定試験です。
Linux技術者認定試験
特定非営利活動法人LPI-Japanが開発管理するLinux技術者試験であり、サーバーに関する資格です。
未経験者にもおすすめなのがLinux技術者認定 LinuCとなります。
Cisco技術者認定
シスコシステムズ社が実施するCisco技術者認定試験でネットワークに関する資格となています。
こちらも未経験者におすすめのベンダー資格です。
両者とも資格のレベルがあるため難易度の低いものから高いものまで選択して受けることができます。
難易度の低いものなら比較的取り組みやすいのであまり時間をかけなくても取得することができるでしょう。
総括
自分の持っている能力を証明する手段として資格を取得することはインフラエンジニアにとっても非常に重要です。
国が認定する国家資格には有効期限が設けられていないため、一度取得すれば資格が失効することがないメリットもあります。
ITパスポートや基本情報処理技術者のように未経験者でもチャレンジできる資格も存在するので最初は難易度の低い資格を取得してから難易度を上げていきましょう。
インフラエンジニアとしてレベルの高い資格に挑戦してキャリアを積み上げていくことをおすすめします。