ITフリーランスとして働くメリット・デメリットは?
近年、正社員や契約社員、派遣社員といった働き方だけではなく、フリーランスという働き方も増えてきました。
特にITコンサルタントやITエンジニア、WebデザイナーなどのITフリーランスは、業界全体の需要に対して経験や専門知識を持った人材が不足していることもあり、スキルを活かしてフリーランスとして活躍している人が増えてきました。
そこで本記事ではITフリーランスを仕事にするメリット・デメリットを紹介します。どのようなメリット、デメリットがあるのか、現在ITフリーランスとして活躍している方、ITフリーランスに興味がある方も含めて参考となる情報となれば幸いです。
ITフリーランスのメリット
ITフリーランスとして働くメリットはさまざまありますが、「フリーランス白書2023」では以下6つが挙げられています。
- 就業環境の自由さ
- 人間関係の煩わしさが少なくなる
- 達成感・充実感を得られる
- プライベートとの両立が可能
- スキル/知識/経験の向上
- 人脈を広げることができる
就業環境の自由さ
ITフリーランスは会社に属していないので、基本的には担当案件、プロジェクトに時間や場所を左右されますが、裁量は会社員と比較すると圧倒的にあります。
例えば、始業・終業時間が決まっておらず、自分で自由に時間を決められる案件や、PC環境があれば自宅でも喫茶店でも、好きな場所で仕事ができる案件があります。
基本的には、納期や定められた要件を満たす限りにおいて、このように好きな時間、場所で仕事を始められ、自分のペースで区切りをつけて仕事を切り上げることもできます。
人間関係の煩わしさが少なくなる
会社員であれば、上司や飲み会などで周囲に気を遣い、人間関係に悩む場面が多々あるのではないでしょうか。
ITフリーランスは、会社員と比較すると人間関係の悩みは少ないと言えるでしょう。
もちろん全くないというわけではなく、クライアントとの人間関係に悩むこともありますが、関わりたくない人がいれば、自分から関係を断って次に行ける身軽さもあります。
達成感・充実感を得られる
ITフリーランスは、知識と技術を駆使してシステムが完成した時に達成感を感じるようです。
システムエンジニアなどクライアントと接することが多い職種は、クライアントから直接感謝の言葉を聞くこともできます。
サイト・アプリなど自分が携わったシステムを街中で見かけ、実際に利用している人からの声が届いた時にも達成感を感じる、との声もあります。
システムのトラブルを解決した時に充実感を感じる人もいます。自分の能力によってシステムが正常に稼働していることを実感できる瞬間です。
また、トラブルが発生した場合においては、自分で最良の方法を見つけ出さなければなりません。
オリジナルの方法でトラブルを解決した時も大きな充実感を味わえます。
プライベートとの両立が可能
ITフリーランスは、会社に拘束されず自分で時間を調整できるので、子供が病気になったり、親の介護などで平日の昼間に家族を病院に連れていかなければならないという状況になったりしても、数時間だけ席を外して家族を病院に連れていくといったことも可能です。
特に女性の場合、出産や育児でライフステージが大きく変化する中、男性よりも柔軟に働きたいといったニーズは大きく、子育てをしながら在宅型のフリーランスの仕事を引き受け、育児とキャリアを両立させている方もたくさんいます。
スキル/知識/経験の向上
会社員の場合、自分が担当する案件は会社の意向に大きく左右されがちですが、ITフリーランスなら、自分が望む案件を担当しやすく、自分が積みたい経験を積むことができます。
「この分野のスキルを磨こう」と方向性を決め、セミナーや勉強会などを活用し、あなたの望むままに成長していくこともできるのです。
フリーランスになると、会社員では身につけづらい、会計や確定申告などの知識も身につけられます。
人脈を広げることができる
会社員時代の知人や友人、現在や過去の取引先以外に、新しい案件を担当するたびに人脈が広がる可能性があります。
人脈を広げることによって、案件の獲得につながり、クライアントも増える可能性があります。
他には業界情報や最新動向を把握しやすくなります。人脈を広げる方法としては、SNSの活用や、セミナーや交流会への参加などが挙げられます。
ITフリーランスのデメリット
一方でITフリーランスには、どのようなデメリットがあるのでしょうか。メリットばかりに目を向けず、デメリットもしっかりと理解しておく必要があります。
- 収入が不安定
- 事務仕事を自分で行う必要がある
- 生活リズムが乱れやすくなる
- 社会的信用が低くなる
- 人脈が広がりにくい可能性がある
- スキルを伸ばす機会が少ない
収入が不安定
ITフリーランスとして働いている多くの人が感じているデメリットです。
会社員であれば、毎月決まった収入を得られますが、ITフリーランスは仕事量によって収入が決まるので、毎月一定の収入があるわけではないです。
ITフリーランスになることで収入が大きく上がる可能性はあります。
しかし、同じスキルでは、より大きな案件を受注できないので、スキルアップに励む必要があります。
また、もし病気やケガで働けなくなった場合、その期間は無収入になってしまうので、自己マネジメントも必要です。
ITフリーランスは、会社員よりも大きく収入を得られる可能性がある一方で、無収入になる可能性もあるため、収入の変動が大きい傾向にあります。
事務仕事を自分で行う必要がある
ITフリーランスとして働いていくうえで、避けて通れないのは経理や税金、社会保険などの事務処理です。
例えば、会社員であれば、担当者が対応していた請求書についても、自分で請求書を作成し、クライアントに送り、入金を確認する必要があります。また、自分で確定申告をして所得税を支払う必要がありますし、国民健康保険や国民年金に加入する必要もあります。
法律に触れて罰則を受ける可能性もあるので経理や税金、社会保険に関連した知識も必要です。
生活リズムが乱れやすくなる
会社員であれば、会社や上司に縛られスケジュールに自由が利かない場合もありますが、ITフリーランスになると、自分の裁量でスケジュールを決められます。
収入を求めずに仕事もできますが、高収入を求める人にとっては、大きな案件を複数抱えながら、マルチタスクをこなしていく必要があり、無意識のうちに労働時間が増え、生活リズムが乱れてしまう人もいます。
生活リズムが乱れた結果、病気にかかったり、調子が悪くなったりしてしまい、作業効率の低下を招いてしまいます。
社会的信用が低くなる
会社員と比較すると、フリーランスは社会的信用が低くみられることがあります。
収入が不安定なため、ローンやクレジットカードといった、金融サービスの利用が難しくなる場合があります。
例えば、フリーランスとして独立して間もないころであれば、マンションの入居審査なども通りにくくなる傾向があります。
人脈が広がりにくい可能性がある
ITフリーランスになると、その自由度の高さから人脈が広がることもありますが、逆に人脈を広げる機会が減少することもあるので注意が必要です。ITフリーランスは特定の案件にアサインされ、個人で仕事をすることが多くなるため、思ったほどビジネス上のネットワークが広がりづらいという声をしばしば耳にします。
中長期的にフリーランスとして活躍し続けるためには、将来のクライアントやパートナーになってくれる可能性のある人々を含め、主体的に良い人脈を築く取り組みが欠かせないでしょう。
上でも紹介した通り、人脈を広げるための手段としてはSNSや交流会などの活用がキーとなるでしょう。
スキルを伸ばす機会が少ない
会社員であれば、スキルアップに繋がる研修やトレーニングが充実しています。
また、専門資格や社外研修においても会社から補助を受けられることもあります。
しかし、フリーランスは研修が用意されているわけではなく、専門資格の補助なども少ないです。
また、担当している案件に手一杯となり、スキルアップに時間を割くことが中々難しい方もいるようです。
まとめ
本記事ではITフリーランスにおけるメリット、デメリットを紹介しました。
「就業環境の自由さ」や「達成感・充実感を得られる」などのメリットがある一方で、「収入が不安定」、「生活リズムが乱れやすくなる」などのデメリットもあります。
メリットだけではなく、デメリットもあることを理解しましょう。
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